どんぐり1号のときどき日記
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2005年06月19日(日) 今日は日曜である

 休みの朝は、なかなか起きられないなぁ…。

 午前中はみんなで町に出る。何冊か買う本があるからだ。
 町中に入り、駐車場に車を入れている途中で携帯が鳴る。上司である。しぶしぶ電話すると「××の資料はどこにしまったっけ」というものであった。
 いや、それはあんたの指示で、複数のファイルを全部一冊にまとめてあんたの隣に置いただろうが(それでかえって使いにくくなったのだが…)。自分の指示を忘れているのかい。まったく何を考えているんだか…。日頃、思い込みで仕事をするなと言っているアンタが一番思い込みで仕事をしているのだよ。皆それは良く判っているのだよ。

 ま、それはともかく。
 とりあえず城山隆著『僕らの「ヤング・ミュージック・ショー」』である。2,625円という価格だが、我々の世代には買うだけの価値はある(と思う)。
 当時一般にはまだビデオが存在していなかった時代に、これで初めてピンク・フロイドやEL&Pの映像を見た人は多いだろう。もちろんそのインパクトは絶大である。多分当時の中高生でロック好きだった人は、この番組においてロックには「ヴィジュアル」という側面がある事を認識した訳で、ライヴの重要性を痛感した人も多かったのではないだろうか。もちろん私もだ。これとカーペンターズの日本公演の映像とで、日本という地理の不条理さを痛感したものである。「極東」という言葉の意味も、実感としてやっと理解できたのである(今でもマイク・オールドフィールドなんかは、「ライヴをやりたいが日本は遠すぎる」と正式にコメントしてるくらいだ)。
 でも当時、英語の重要性も痛感すれば良かったのだが。

 そしてもう一冊は、数件回ったが結局なくなっていた。
 これは魚住誠一氏が月刊カメラマンに連載していた写真をまとめたものなのだが、アマゾンで探すも見つからない。そんなバカなと検索方法を変えたら、ありゃりゃ、アダルト・コーナーに、しかも変名で載っているではないか。何故だ?
 ちなみに題名は「妄想サロン〜魚返一真作品集」である。うーむ、ヘア・ヌードという訳の判らないものが週刊誌に載る時代に、別にフル・ヌードでもない「作品」であるこれらの写真がアダルトだぁ???
 もしかして連載時とはかなり内容が異なるのだろうか。少なくとも表紙を見る限りはそのままだし、雑誌連載時はかなりユニークで面白いと思った写真なのだが…。
 ちなみにここしばらくの写真で私の感性に近いと思っているのは、この魚住氏と馬場信幸氏で、こういう作品が撮れたらいいのに、という作品が多いのである。 

 この時、ちょっと気になる本があって立ち読みしたのだが、「劇場版スター・トレック」が、実は新テレビ・シリーズとして企画されていた「スター・トレック・フェーイズ2」の企画変更だったと、初めて知った。
 エンタープライズ号もかなり劇場版に近い形をしており、アイリーアもちゃんとレギュラー、しかもパーシス・カンバータ本人である(この人も若くして病死してしまった)。契約も終わり撮影を始めるだけ、というところでテレビ局の都合で中止になったのである。
 思うにこれは、テレビの新ネットワーク・システムの目玉として番組を流す予定が、肝心のネットワーク・システム構想が無期延期となったため、契約違反を回避するために急遽仕立て上げられた、というのが真相なのではないだろうか。契約社会であるアメリカで、契約を反故にしておいて無事で済む訳がないではないか。
 そしていくら予算超過と納期遅れで有名なロバート・エイブル率いる「フューチャー・ゼネラル・コーポレーション」が特撮部分を担当したとは言え、仮にも上映日が決まっている映画の映像を完成させる事ができなかった理由が、なんとなく見えてくる。多分契約でのトラブルなのだ。

 とにかくこの記事のおかげで、映画版のはずなのに単にテレビをグレードアップしただけのチープな内容だった理由が、ようやく理解できた。元がテレビ・シリーズだったのだから当たり前である。私は当時から豪華なテレビ・シリーズと揶揄していたのだが、せいぜいがテレビのスペシャル版でしかない。

 そして常々思っているのだが、人間的には破綻しているカークという人物が艦長を務める軍というのは、実に不思議な存在だと思う。あれが実際の軍隊のカリカチュアなら、「戦争は危険だ」というのが本当に良く判るではないか。
 さらに、あんな人物の人気が高いアメリカという国も、かなり不気味だと思ってしまう。


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