十夜一夜...Marizo

 

 

無いものばっかり。 - 2005年02月21日(月)




今朝は寝坊をしたわけでもなかったのだが
いつもより5分ほど家を出るのが遅くなった。
それでもバスには乗らずに
早歩きで地下鉄駅に向かった。
土曜日の夜から日曜の朝にかけて降った雪は
湿った重たい雪で人の足で踏み固められた歩道は
明け方の冷え込みでまたしても
ツルツル歩道になっていた。



特段に急いでいたわけでもないし
気を抜いて歩いていたわけでもなかったのに
あと10メートルという所で見事に転んだ。
背中のリュックのお陰で 後頭部を打つという
最悪のパターンは免れたものの そのかわり
左臀部を強打して暫くそのまま青い空を見上げていた。


地下鉄までもうすぐだったので
たくさんの人に見られていたであろうが
「恥ずかしい」と言う感情は
一切湧いてこずに・・・なんだろう。
立ち上がってパタパタと雪をほろっていたら
なんだか悲しくなって泣きそうになった。




こうやってただ歩くだけの事なのに
満足に出来ないんだよなぁと
地下鉄の中でぼんやり思っていた。

いったい幾つになったら
ちゃんと歩けるのかなぁ。
今まで歩いてきた道のりがあって
今の自分がいる事は十分承知しているし
それを悔やんだ事はないけれど
これから歩く道をちゃんと転ばずに
歩く自信が全然ないなぁって
ぼんやりと思っていた。

余裕を持って転ばずに歩く為に
いったい何が必要なのかもわからないくせに
なんだか私には何も無い気がして
地下鉄の中で泣きそうだった。



自分の事なのに 何が欲しいのか
何が必要なのか 無いから欲しいだけなのか
それすらもわからない大人でいる自分が
とても悲しかった。





お尻が痛いんだぉ。
Marizo


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