十夜一夜...Marizo

 

 

都会の狐。 - 2004年10月28日(木)



私は決して方向音痴ではないし
ほとんど持ち歩く事はないけれど
ちゃんと地図だって読める。



が、しかし。
どうもあの江戸と言うのはいかん。
どういかんのかと言うと
ともかく汽車が多すぎていかん。



何度やってもあみだくじのように
交わったところから
全く別の方向へ行ってしまい
目的地にたどり着くのは至難の技で
もしかしたら私は一生この路線地図の前で
いつまでたっても辿り着けない目的地に
思いをはせ 老いていくのかと涙ぐんでみたり。


同じ緑色の汽車の癖に
内回りとか外回りとか
そんな事言われたって。
ちゃんと新宿行きを確認して乗ったのに
まんまと遠回りの方に乗っていることを
しかも人から言われて気が付いた時には
都会の狐は化かし方がえげつないと
真剣に汽車の中で憤慨してみたり。


別に黙って乗っていれば
二時間後に目的地に着くのであれば
同じホームに実は30分で目的地に着く
早い汽車が停まっていても
ちょっと眉間にしわを寄せ
「急がば回れってな」と独り言を呟いてみたり。



まぁそんないかん、いかんと言ったところで
突然状況が変わるわけでもなく
とりあえず来週の金曜日には
飛行機を降りた後 私はモノレールではなく
京急という汽車に乗らなければいけないわけだ。



空港と言うものは どこの地域でもそうだが
飛行機の騒音と言う厄介なものを抱えているので
人口や住宅や高層ビルが密集した場所にはないのだ。
田舎のしかもなんだか陸の孤島みたいな感じで
周りは何もない(実際には滑走路とかあるんだけども)
所にポツンとしかしえらくキラびやかな
そこだけ賑やかしい場所なわけだ。
特に羽田はそうだ。
そんな陸の孤島から脱出する為の
唯一の手段はモノレールに乗るしかないと
ずっと思っていたのだ。
ほら・・・
北海道を脱出するには船しかないべさ。
みたいな感覚で。



しかしこの世の中は日々進化をとげていて
便利という進化は本当にすごい勢いなわけで
今はこのインターネットでチョチョいのチョいっと
調べる事が出来るじゃないか。すごい。



ありましたよ。京急。
えーえーどうやらこれに乗るらしいんですよ。私。




いや私はね もちろんちゃんと乗れると思ってるの。
方向音痴でもないし ちゃんと地図だって読めるし
なんてったって 旅慣れてるし
見た目は女子大生みたいだけど
実はもういい年の大人だしね。


だからもし私が約束の時間に
約束した場所に現れなかった時は

「ああ。あいつ狐に化かされてるな」って

思ってくださいね。
是非。
Marizo


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