カタルシス
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2006年08月06日(日)  義士始末記 

昼に新宿集合 ミロード内のアジアン食堂でランチバイキングをしてから 紀伊國屋サザンシアターへ 本日はお芝居鑑賞です

劇団め組公演『Asassin -アサシン- 彰義隊後日譚』観劇

【あらすじ】決戦は紅葉坂(もみじざか)、落葉の色は…血の紅(くれない)…
慶応四年五月十五日、上野の山に火の手が上がり、幕軍彰義隊は薩長軍の前に敢え無くその命脈を絶った。辛うじて生き延びた残党にも官軍による厳しい詮議と過酷な現実が待ち受けていた。
だが、その灰燼(かいじん)の中から甦った二人の彰義隊士がいた。
一人は時代に復讐するASSASSIN(刺客)となり、一人は彼を食い止めるためもう一人のASSASSINとなる。
徳川から明治へ――時代に翻弄される二人の男の戦いが落葉舞う紅葉坂で始まろうとしていた。


サイトのお気に入りにもしっかり書いている劇団め組の公演なんですが 実際には2001年に『岡田以蔵』を2002年に『坂本龍馬』を観たキリになっていたご無沙汰観劇でした

5月くらいに映画や芝居でよくご一緒している友人が「面白い劇団見つけたんだよ 観たその日にFC入っちゃったv」と言い出したので説明を聞いていたら「吉祥寺が本拠地で時代劇が得意で…」ってな内容で 何となく思い当たり「それ何て劇団?」と尋ねたら

「め組っていうんだけど…」

はい ビンゴ!

予想したのと同じ答えが返って来たので やっぱりこの人とはツボが似てるんだなぁ〜と再確認してしまいました で 次回公演のチケット手配をその場でお願いして それが今日のこの公演だったという訳です

⇒●『坂本龍馬』を観た日の日記

今まで新感線で手一杯でめ組までは一人じゃ網羅仕切れなかったというのが本音なんですが 最近4人体勢でアチコチ目を配れるようになったので 再び食指が蠢き始めてしまいましたよ 今回の公演ですっかり返り咲いてしまった気配ですよ?

彰義隊はもちろんのこと 紅葉坂も 中村仲蔵も 澤村田之助も 皆実在していて 時代を合わせた小憎らしい配役になっています この分だと長州藩士も実在しているか もしくはモデルになった具体的な人物がいそうだな という感じ 劇中に出てきた「十二代目高尾太夫」も 伝説的に襲名されつづけてきた「高尾」にまつわる紅葉と高尾の因縁を見事に絡ませていて… という演出 手持ちの知識では追いつけない奥の深い内容でした 後から調べものしたり4人で研究発表会状態になりましたよ(^^;)

今個人的に気になっているのが 長州が本当に騙し討ちをしたかどうか もみじ坂の隊を全滅させたというのは架空の話だとしても 多かれ少なかれやっていそうな気がしてしまうのは どちらかといえば佐幕側贔屓な私の 穿った見解なんでしょうかね どうやって調べたら出てくるのかしら…

ちなみに 薩長が敵兵の死体を切り刻んだり 見目の良い青年兵の首を肴に酒盛りしてたっていうのは実際に語り継がれている逸話ですよ ただ 長州ではなく薩摩兵がしていたことと記憶しておりますが
でもそんなのはさ 戦場で感覚おかしくなっちゃた一部の兵が集団ヒステリーみたいなものに陥っちゃった状態でしょ 話に残ってないだけでどこの兵にも多少は見られた光景だったんじゃないんでしょうかね よってたかって鱠刻みとか敵兵の骸は弔わずに放置とか 漏れなく土地の人達が迷惑するって話じゃんね どうかしてるぜ全く

そんな実際の戊辰の話はさておいて め組の公演がいかに秀逸だったかという話ですよ 前回2回を下北の「劇」小劇場で観ている所為もあってか サザンシアターでの大道具や花魁たちの華やかな衣装に「豪華になってる!」という単純な感動もあり 出演の人数や演出の派手さにも 以前にはなかったマネーの力を感じてしまいました

終演後 ロビーに出演者が出てきてお客様のお見送り というか ご挨拶してくれるんですな 要はファンサービスでお話したり写真撮ったりさせてくれるんです それは前2回のときも全く同じで 皆さんとても愛嬌良くお相手してくださるのでした

いきなりFCに入会しちゃった友人は しっかりちゃっかりデジカメを用意してきていたので「2ショット撮ってあげるよ」と言ったら 「声かけらんない…!」と言いだして尻込みをしている カメラまで用意して来たクセに何言ってんの?!私が声かけてあげるからちゃんと並んで撮らせてもらいなさい!!と背中を押して 彼女一番のご贔屓 新宮乙矢くんを探します

「いた!」と発見したはいいが 今回主役の上 おそらく劇団1・2を争う人気役者さんなので ファンの人に囲まれてしばらくは順番が来そうにない ではもう一人のお目当て藤原習作さんだ! 彼の方が近くにいらしたので ひきりなしに誰かのお相手している一瞬の間を突いて「お写真撮らせていただいていいですか?!」と切り込んでみたら 「どうぞどうぞ」とアッサリ快諾
友人を隣りに立たせて 2度ほどシャッターを切ってから 友人のどさくさに紛れて少しお話させてもらいました

以蔵を劇小で観たと言ったら「随分前ですよね?!」と驚いていた もう何年前だかは覚えてませんでしたが 「今みたいに大道具もなくて見立て演出でしたよね」と言ったら「あのころは正直コレがなかったですから(苦笑)」と指で輪っかを作って笑顔
うん 僕はこの藤原さんがイチオシさんなんだよな♪ 坂本龍馬のときはカッチョ良すぎたけど 素のキャラはこの人癒し系だ

しばらくお相手してもらったあとは 次に並んでいたお客さんに場を譲って 我々は友人イチオシの乙矢くん待ちです それこそお客さんの切れ目を上手く見つけないと入り込めない人気ぶりなので 脇目もふらずにじっと様子を見ていました

ご贔屓さんの波が途切れたようだったので やっとの事で声をかけて 藤原さんのときのようにまず写真 それからお話という順でコミュニケーションをはかりました 彼には幕末演目の再演を強くリクエストしてみましたが シャイな性格の人らしく 会話自体はあまり弾みませんでした 饒舌なのは舞台の上でだけなのかな(笑) きっとスイッチのある人なんだね

心のトップ2を制覇したことにより脱力気味の友人をベンチで待たせ 我々はお手洗いへ その帰りにコミカル担当と思しき松岡史明さんが控室へ引けて来るところに出くわしたので またぞろとっ掴まえて話しかけてしまいました 以蔵のときに龍馬を演じていたのが印象的で 覚えていたのですよ 実はあの飄々とした龍馬はかなり自分イメージでした あのとぼけ加減が私の中の龍馬なんだ!

と変に熱く語ってみたり(笑)

その後 軽くお茶でもして解散の予定が すっかり演目と劇団員たちにヤラれてしまった友人2名は 今観た昼の回のあとにある夕方の回の当日券に気持ちが揺らいでいるご様子です 今日が千秋楽なので また観たかったらもうこの次の回を観るしか手がないのです

別の友人1名はこの後夜からご贔屓さんのライブが代々木であって 我々3人はそのライブにも誘われていたんですが それぞれ翌日仕事だとか経済的な理由で見合わせ御免にしていたところへ この後の回も観ると言い出した2人に失笑の嵐 正直だなぁ2人とも!(笑) 私も付き合おうと思えば可能でしたが 夕飯までに帰る約束をしていたし 明日が辛くなりそうだったので大楽の回はパスしました ライブの友人は元よりライブ優先です

次の回までの少しの間に高島屋内のカフェで軽くお茶だけして 夕方の回に合わせて解散でした 2名は劇場へ戻り もう1名は紀伊國屋から代々木方面を目指すというので出口まで付き合って 代々木駅までの道を軽く説明してから私だけ新宿に引き返しました 正確には新宿を通り越して私鉄の駅まで歩きましたけどもね

そんな感じで5時頃にはお開き 私は無事夕飯までに帰宅できました

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夕飯時に日曜洋画で『ショウタイム』鑑賞
ついこないだ木曜洋画で『15ミニッツ』見たばっかだったので やけにデ・ニーロづいてるなーと思いつつ 前回は磯部勉があてていたデ・ニーロの声を今回は佐々木勝彦があてていて「あ こっちの声が聞き慣れてる」と妙に納得 磯部さん声良くて好きなんだけど デ・ニーロはしっくりこなくてね(^^;)ゞ
ちなみに今回のエディ・マーフィは山寺氏でした こっちは本家の下條アトムよりも山寺派です …って結局好みの話ですかね?(苦笑)
 

『義士始末記』1962年/日本

 


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