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やすみ日記
梅子
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2007年11月28日(水)
「美しいこと」(上)

「美しいこと」(上)木原音瀬を読みました。
切な痛いー!! 松岡が可哀相すぎて見てられない…。繊細な心の動きを丁寧に描いていて、「恋愛時間」や「恋について」と似た雰囲気です。今年、最も面白かった本かも。
女装が趣味の松岡は、ある日、困っているところを、同じ会社の冴えない男・廣末に助けられます。松岡は、男だと打ち明けられないまま、廣末と親しくなり…という話。
廣末の「おばあちゃんになっても、あなたが好き」というセリフに、ジーンときました。だからこそ、その後の落差が…(--; 松岡が男だと知った後の、手のひらの返し方が、痛いです。女装姿の時はすごく優しかったのに、松岡のことは、酔って乱暴に扱った挙げ句、気も遣わない…。松岡が、それでも廣末を好きで、思いやりを忘れないあたりが、痛くて痛くて。
葉子(松岡)の「優しくありたいと思ってる人も、好きです」という言葉も、胸を打たれました。廣末が、口のきけない葉子に惹かれた理由を、正直に話すところも。良い純愛物なんですよね…後半でひっくり返るけど(泣)
嫌な同僚の書き方も、上手いなぁと思いました。
表紙もすごく良いですね。イラストも、最中を描くのではなくて、松岡が一人で泣いてるシーンを描いてるのが、いいなあ。切ない…。
葉山さんも、感じの良い女の子ですね。「もっと好きになってもらいたいなあ」と泣く姿が、健気。
下巻どうなるんだろう。木原さんのことなので、ハッピーエンドなのかどうか、気が抜けないです。松岡が、何か取り返しのつかないことになって、ようやく廣末が自分の気持ちに気づく…とか、アンハッピーエンドと大差ないような結末だったら嫌だなぁ(考えすぎ)。