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やすみ日記
梅子
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2005年04月09日(土)
「破裂」久坂部羊 

「破裂」を読みました。現役の医者が書いた小説です。「医者は三人殺して一人前になる」というオッソロシー帯付き。
「白い巨塔」みたいな医療過誤メインの話なのかな、と読み進めていくうち、厚生労働省のお役人(暴走気味)が出てきて、話はとんでもない方向へ。
冒頭の医療ミス体験談連発には、マジで医者行きたくない…!とブルブル震えそう。ぶきっちょなら研究だけに没頭してよ助教授! うっかりさんなら医者にならないでよ女医!とか突っ込みどころ満載。笑え…ないですね。著者が大阪大学医学部出身なので、作中の舞台も阪大を思わせる「阪都大学」となっております。どこまで実話やねん! ほんま怖いわー。
厚生労働省のマキャベリ・佐久間が、日本の少子高齢化を解決するためにとんでもない計画を進めるんですが、それが、ネタバレ→PPP(ぴんぴんぽっくり)。お年寄りに元気なまんま、ぽっくり死んでもらおうというわけ。そのため、阪都大の助教授が開発した、患者の心臓を一時的に若返らせ、数ヶ月後に破裂してしまう副作用を持った治療法を使うことに。もちろん心臓破裂のことは伏せて。←んな、アホな!と思いますが、医療知識の裏付けと、関わる人間の背景の描き方が上手いので、実際あり得そう…と説得力を持って読ませられます。最後はちょっと尻つぼみかなと思うのですが、中盤は文句なしに面白いです。美貌の人妻・江利子さんと麻酔科の江崎医師はもっと何かあるのかと思ってたよー。佐久間も、なぜそこまでして計画を進めるのか、動機が分かりづらかったし。ジャーナリスト・松野も、香村助教授もあんなあっさり殺されてしまうなんて。物語上の必然性がちっとも分からなかった。