はるさんの日記でユーゴスラビア消滅の話をされていましたが、私も便乗して本の話を。
私はこの国について詳しいわけではないのですが、以前、坂口尚さんの「石の花」という漫画を読んで、印象に残ってました。第二次大戦下の対ドイツ、パルチザンの戦いを描いた作品です。絵も話も素晴らしいのですが、私は恐ろしすぎて、買ってきてから一回しか読んでません(^^; あまりも「人間の業」というものをはっきり描いてる気がして、受け止めきれないのですよ。ナチスの言い分を見てると気分悪くなってきてしまって。主人公の少年の真っ直ぐには少し救われた気がしましたが…。漫画読むだけでこれだけ暗澹たる気持ちになるんだから、実際体験した人の心境はいかなるものか、と思います。
そもそも、「石の花」を読むきっかけになったのは、米原万里さんのエッセイでした。 米原さんの本は5、6冊読みましたが、中でも秀逸なのが「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」です。米原さんが在プラハ・ソビエト学校時代の同級生を、大人になってから訪ねるというエッセイなのですが、最後の章にヤスミンカというユーゴスラビア人の女の子が出てきます。日本に住んでいれば、あまり感じることの無い、様々な民族が同じ国に暮らすというのはどういうことか、国とは何かということについて、考えさせられます。と言っても、重いばかりではなくて、ユーモアに溢れていて、読み物としても面白いです。
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