くじら浜
 夢使い







夢使い的千鳥浜   2002年07月02日(火)

千鳥よ 千鳥よ
夕暮れの浜辺にいつまでもたたずむ千鳥よ
おまえの鳴き声はどうしてそんなに哀しいのだろう
潮が満ちたから鳴いているのですか
沈む陽に故郷の母の面影を見て鳴いているのですか

いつまでも鳴いている千鳥よ
潮が干いたらおまえは鳴きやむのですか
また陽が昇ったらおまえは鳴きやむのですか
海は母であり
太陽は父であり
母と父があるかぎり潮は満ち干きするのですよ

故郷の太陽はこの浜にも降っているよ
故郷の魂もこの浜に降っているよ

さあ 
千鳥よ 飛立ちなさい



千鳥よ 千鳥よ
おまえの後ろのあのアダンの丘に昇ってごらん
そこから母を眺めてごらん
そこで父を浴びてごらん

おまえの涙は潮となってこの砂浜を伝り
母と混ざるだろう
おまえの汗は潮となってこの海を伝り
父と混ざるだろう

だから
故郷の太陽はこの浜にも降っているよ
故郷の魂もこの浜に降っているよ


さあ
千鳥よ 飛立ちなさい









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