夢見る汗牛充棟
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| 2006年05月14日(日) |
饗宴 プラトン 付 ベランダ備忘録:甘ラベ×2植替 |
岩波文庫 青601−3
一応だけど、読了。
哲学の徒ではないので。読み物として楽しく。 シチュエーションがなかなか楽しいです。
青年〜親父まで何れも前日臨界点までアルコール摂取の翌日 二日酔いで青褪めつつの迎え酒ちゅう状況です。
乱入するのもひたすら酔っ払い。
こんなで演説ぶったなら、現代では酔っ払いがくだ巻いてるぞ と思われてしまうでしょうが、さすが古代ギリシャの市民達は違います。
奴隷に働かせて、寝椅子にマグロのように横たわって、いいご身分の 酔漢たちが、迎え酒しつつエロスについてひとくさり演説ぶつお話 ……とか言うと情緒もへったくれもないですが。
出題:エロスを賛美せよ。
エロス:ギリシアの両性具有の恋愛の神。(神話・伝承事典)
■ファイドロスさん語り
エロスは、もっとも古い神に属するので偉大だ。 エロスはすばらしいものの源泉である。 即ち、愛する少年が愛者によって愛されること。 そして愛者が愛する少年を愛すること。これらは、愛(エロス)の賜物だ。 愛者は、愛ゆえに徳ある人――と愛する少年から見られるように――振舞おうとする。 愛から出た徳がもっとも美しい。
愛者は愛する少年の前ではかっこつけたい。という心理は理解できるけど 愛者と愛する少年からなる軍隊は全世界を敵にまわしても勝つね! とか 言うのは……比喩が大げさで酔っ払ってるなーと思っちゃうな。
■パゥサニヤスさん語り:すげーややこしひ。うんざりした。
エロスと呼ばれる神は唯一ではなく二種類ある。(と前説を手直し) 賛美すべきエロスは、ウラニヤ(天の娘)より出、男性(少年愛)にのみ預かり、 放縦にならず強くて理性に富む者を愛好する。 高貴で優秀なものをあからさまに愛することが美しい。 自分を向上させると期待できるような人への奉仕はよい。 天上のエロスとは、徳の見返りを求めて、相手に好意を与えること。
未成熟な少年は、まだ立派になるか否か未確定であるので立派な人が 愛する対象としてよろしくない。(……とかいうと少年愛は投機のようだ。) 有徳の士だと信じて好意を示したのが見当違いだったとしても、その 見当違いは美しい。(……見る目がないのは駄目だろー)
■エリキュシマコスさん。 医者。なんか生真面目ーで堅物ーな感じ。よくわからんかった。 わからんなりに、音楽のたとえ話はなんとなく美しい。
■アリストファネスさん。
ざっくばらんな感じな語り口。たとえ話は、とってもファンタジー。 読み物として面白し。 昔、人間の性には3種あった。男・女・両性。 男は太陽から、女性は地球から。両性は月から。 ふんで生意気な昔の人間を神様が真っ二つに切った。 ので今の人間は、片割れを求める割符みたいなもんである。 太陽男の半身は男を求め、地球女は女を求め、月男は女を、月女は男を求めることになる。 二つに裂かれた半身なので、欠けた者である。 かつて完全な者だった。完全な者に対する憧憬と追求がエロス。 あらゆる人は昔ながらの本性に還元しつつ自分のものとなる愛人を 獲得することによってのみ幸福になれる。 これを成就させる神はエロスなのでエロスを賛美する。
■アガトンさん。美青年らしい。きっとすんごい耽美ーな人だ。
すべてのうちでもっとも美しくもっとも優れていてもっとも福なる神がエロスだ。 最年少の神。柔軟。エロスは老齢を遠ざかり、青年に常駐する。 徳:公正を持つ。自制を持つ。勇気を持つ。(根拠はわからんかった) 知恵:詩人。そして、あらゆる神の師。 美に対する愛が生じた時、初めて秩序だつ。
……とにかく、ベタ褒め?
■ソクラテスさん。
「知恵ある者はもはや知恵を愛求することをしないでしょう。 しかし、他方無知者もまた知恵を愛求することもなければ、 また知者になりたいと願うこともないものです。………… 自ら美しくも善くも聡明でもないくせに、それで自ら充分 だと満足していること、ちょうどその事に・ですから自ら 欠乏を感じていない者は、自らその欠乏を感じていないものを 欲求するはずもありません」
という下りが、痛い痛い痛い痛い。 美しくも善くも聡明でもないことに満足している訳ではないですが、 もうしゃーねえな、と諦めちゃっているのは事実。したがって欲求も薄いです。あいたた。
少年愛からはじめ、正しい道筋で上昇したなら、究極の美(美の本質)にたどり着ける。 地上の個々の美しきものから出発して、かの最高美を目指して絶えずいよいよ高く昇り行くこと。
一つの美しい肉体→二つの美しい肉体→→美しい肉体→美しい職業活動→美しい学問→美の本質。
■アルキビヤデスさん。 乱入してきた酔っ払い。
出題:ソクラテスを賞賛せよ。
堅苦しい話でなく、ソクラテスさんの人為についての語り。 とっても面白かったです。でも……すごーく酔ってると思う。絶対。 酔ってなきゃ言えません。こんなこと。んで、愛の恨み言のようにも聞こえたり。 翌朝、自分で言ったことにのた打ち回ったんじゃないかと。
とりあえず、ソクラテスさんは酒豪だ。見習いたい。(そこか)
久々に、午後からだけど雨が上がった。じっとりした数日間だった。
午後から、スィートラベンダー×2鉢の植替え。 赤玉土と腐葉土が切れた。買わねば。
切った枝と、鉢から抜く時にうっかり折れちゃった枝をさし芽。 なんとなく、もったいないからさしてみただけであって、根っこが出たら どこに植えようとかそういう展望はないことに差してから気がついた。 ベランダは、肥料をやっても決して大きくならん。どうするんだ?
チワワ親父並みに計画性ない自分に、暗い気分になった午後。
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