★悠悠自適な日記☆
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| 2002年08月28日(水) |
夢小説1 出産をする夢 |
19歳になった私は産婦人科のベッドの上に寝かされていた。産婦人科の男の先生は言う。 「もうすぐ陣痛が始まるから落ち着いてね。」 母がやってきて私の手を握る。かなり心強い。しかし、突然母の携帯に父からの連絡が入る。(病院で携帯電話はいけません!)電話で父と話し始めた母はだんだんと不機嫌になっていくのがわかった。電話を切る直前に母から出た言葉 「離婚やね…。」 母は仕事で父が来れなくなったと私に言う。が、そんな大した事無いことではないということはすぐに分かった。空気が一気に重くなる。看護婦さんは私が気を落とさないようにテレビを付けて、 「ホラ、元気が出るように吉本新喜劇でも付けてあげるわ。」 なんて私の趣味を理解している人なんだろう…っていうか分娩室にテレビがあるんかい!新喜劇を横目に私はラマーズ法の練習を始めた。するとだんだん呼吸が苦しくなってきた。どうやら本格的に陣痛が始まったらしい。苦しい。息が上手くできない…。
すると、今度はたくさんの友達が駆けつけてきた。(いや、何で分娩室に友達入れるねん!)意識が朦朧としているのでハッキリ人数はわからないが、きっとかつて共に青春を過ごした市演メンバーだということだけは分かった。市演仲間の一人であるぴ〜にゅんが入ってくるなりこう言った。 「シマコの苦しみを和らげるためにいまからみんなでおもろいことするわ!」 するとみんなはイキナリ阿波踊りのような不思議なダンスを始めるのである。吉本新喜劇に阿波踊り…なんともにぎやかな分娩室である。私は友の熱意のあるダンスに励まされて、次の瞬間、私は無事出産を終えていた。超安産だそうだ。みんなは拍手をしてお祝いをしてくれる。また踊り出す奴もいる。
看護婦さんは赤ん坊を抱きかかえて私のもとにやってくる。女の子だ。私はその子がとても真っすぐキラキラした目で私を見つめていたので、ほぼ直感で「真緒」(まお)と名付けた。 しかし、ここで私は大切なことを忘れているのに気付く。そう、父親の存在だ。それまで誰も問い詰めなかったので忘れていたが、父親がいないのである。わからないのではない。「いない」のだ。どういうことかというと、私は子供ができるような行為を一度も経験していないのである。いや、あったっけか?私は必死で思い出そうとする。しかし、ないものはないのだ。そのことを正直に先生に告げると先生はビックリして、 「想像妊娠で子供が生まれることはありえないし、それがもし本当だとすると君は貴重な存在だ!」 とおっしゃった。そりゃそうだろう。やっぱり私は子作りを“経験”したのだろうか?何度も思い出そうとしたがやっぱりわからない。
とりあえず、当分の間はシングルマザーとして生きて、もし私を娘ごと一緒にもらってくれるような素敵な相手が見つかったらその人と結婚しようと、ぼんやり考えながら家に帰った。自分の腹を痛めて産んだ子。真緒は、自分のもとでどうしても育てたいと思った。
家に帰ると(真緒はまだ病院にいる)、リビングで父がテレビを見ていた。父と母は相変わらず口を利かない。私はどうもそこにはいづらいと思ったので2階に上がり、パソコンを起動させる。自分の掲示板で出産の報告をしようとした。すると、部屋の扉を誰かがノックする。高校でお世話になった英語のY先生がお祝いに来てくれたのだ。この先生には「なっちゃん」という子供がいて、夫がパン屋さんを経営しているにも関わらず、自分は英語教師として夢も子育ても両立していて、カワイくて素敵な先生だ。Y先生が言う。 「これから母親として、大人として生きていくことになるけど、しっかり責任持ってがんばってね。ナカシマさん(私の名字)やったら大丈夫やと思うけど。」 「ハイ。先生は子育ても仕事も両立していらっしゃってとても尊敬してます。私はこれからシングルマザーとして生きていくことになると思うので、また相談に乗ってください!」 私がそう言うと、Y先生は笑顔で「OKOK!」と言いながら帰っていった。この言葉は先生の口癖でもある。
私は再びパソコンに目を向けた。掲示板にはいつもの役者仲間の名前が並んでいる。掲示板は自分達のする芝居の公演内容に花が咲いている。その掲示板に私は「無事出産しました。名前は“真緒”にしました!」と簡潔に書き込んで送信ボタンを押した。 今日は早く寝ようと掲示板を閉じようとし、右上の×ボタンをクリックしようとした。が、その時、これまでにない恐怖が私を襲った。私の生活はどうなんねんやろう…。何して働くの?私に何ができるの?子連れの結婚なんてそうできるもんとちゃうし。ずっと真緒の側にいてあげたいけど、芝居は?そう、芝居。私の夢はどうなるん?まだ子供の私が、大人社会に守られてる私が、一人の人間を育てることができるん?無理や…絶対無理に決まってる…どうしよう…コワイ…!! 夢やったらいいのに…。ユメヤッタライイノニ…。そう思うと、急に私の頭の中が真っ白になった。
次に目を覚ました時、私は自分の布団の中にいた。枕元にあった携帯電話を開くと2002年8月28日18:00と表示されている。17歳の私がそこにいた。 「よかった…ちゃんと現実や…。」
私は妊娠や出産の知識は保健ぞ授業程度しかないし、この夢自体もおかしいやん!っていう箇所はたくさんあったけれど、夢の割には自分の心の動きとかがすごくリアルで、その時のセリフのひとつひとつが鮮明に浮かび上がります。19歳で出産、シングルマザー、2時間弱の昼寝の中でものすごくたくさんの経験をしました。 あとでちょこっと夢診断をしたところ、性的欲求不満や自分の能力を示さなければならないという現在の抑圧や将来に対する不安の表れだとか…。詳しくはわかりませんが、ろくな結果ではありません。しかし、エッセイは相変わらず書けていなかったり、今日友達とラブホの話をしながら帰ったり、少女マンガを読んだり、そういう経験談のテレビ番組を見たのが大きく影響している気がします。いやはや。
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