本当は、絶対接待旅行3を書くつもりだったのだけど、どうしてもこちらを優先させなければいけないような気がしたので、書きます。
今朝、やく●あがりの仲のいいガス馬車御者に呼び止められる。 彼は車の中においらを手招きする。ついていってみると、車の中に導かれた。 話を聞くと、どうも、新しく入ってきたN本さんの話。 色狂い爺であり、ねーさんに迫った前科もあるこの親父。 その彼が今追い詰められているという。
簡単に言えば、三ヶ月たって、まだ仕事が覚えられない、というのだ。 前は職人。調理師だった。 ということは、職人としての技術習得はお手の物だと思っていたが……。 とにかく道が覚えられない。 お客さんのところにつけない。 行き先を間違える。
はげやくそじじいは、彼を頭ごなしに怒鳴りつける。 なぜできないんだ。 貴様がいるせいで、仕事が減る。
確かにそうかもしれない。 でも、果たして、それでいいのだろうか。 社会人として、一人前の人間はうちの会社にいない。 社会人とは、仕事ができるだけではない。責任を持つことだけでもない。やはり、後輩が育てられなければいけない。 いったい、はげやくそ爺が彼に何を教えただろうか。 お客様までの道順? それは当たり前。 そうではなくて、お客様までの道順を理解し、応用させるやり方。 おいらがガス馬車御者のときも、はげは教えない。 おいらは必死に考えた。その結果編み出した方法がある。 それが、大学ノートの裏表に営業所名を書き、開いた中のページにどんどん営業所からの地図を書き込んでいくこと。 そして、行ったことのある場所をどんどん知識として持っていくこと。
彼は追い詰められている。 できないのはもちろんだが、はげやくそじじいに頭ごなしに叱られるのもいやだ。 そのため、たとえ道を間違えても、うそをついて、お客さんが行きたかったから、とはげに報告する。そして、そのうそがばれ、さらにはげに怒られる。
むせんばんのばーちゃんと変わらなくなってきた。 やることの意味がわからないから、作業がはかどらない。 それではだめだ。
おいらみたいに、好きだから、いろいろ試行錯誤してやろうとする気持ちがあればいい。でも、彼にしてもほかの人間にしてもいえることなんだが、単純に業務が『金を稼ぐ行為』のみに終始している。仕事ができるようになっていく喜び、お客さんが満足して降りていくサービスの提供、ほか付随するすべての事象に対し、前向きに対処できるだけの精神的なパワーの獲得。
おいらは、明日N本さんに、おいらがやったやり方を教えようと思う。そして、彼の能力を把握する。 紙に書いてもらい、地図の記憶能力を把握する。 おいらのいうとおりやらないならば、それはやる気がないものとみなしてやめることを薦めるつもりだ。 そうするのは、確かに会社が10日間の研修手当てを払っているんだから、やめさせるのはもったいない、という気持ちもあるからだが、それ以上に同じ職場の仲間として、何とかなってもらいたい、という気持ちがあるからだ。 やりたいんだけどやる方法がわからない。それゆえ迷っている。 それなら、やり方の一例を教えよう。といっても、それがベストの方法だとは思わないけど。 ただ、それすらやらないでできないと管を巻くなら、諦めてもらうしかない。
がんばれ。 料理に比べれば簡単なはずだ。
--------------------- 以上翌日一部修正。以下加筆。
うちの職場もそうだし、ゆずの職場もそうだし、ほかもそうなのだろうが、社員の心をケアするシステムが整っている職場ってあるのだろうか。 社員が何に対し不安に思い、何に対し恐れを抱いているのか。 これは他人のプライベートに踏み込む問題ではある。 しかし、実際問題として、プライベートと業務がまったく切り離されることが可能であることはない。 どこまで干渉できるのか。どこまで話を聞いてあげられるのか。 ここまでかかわってくる気がする。 おいらが一年やって得た結論は、とにかく相手から信頼を勝ち取り、半友人となること。そしてプライベートの情報もそれとなく吸収し、あるときは職場の人間として、あるときは友人として指摘ができればいいのかな、と。 完全に友達のみとしての接し方はできない。 しかし、完全に業務のみだと割り切っても、それだと業務そのものに支障を生じる。
バスのねーさんとは仲良くなって、彼女の彼氏情報とか、そういうことも話してくれるようになった。今度、千葉に彼氏ととまりで遊びに行った帰りに、お土産を買ってきてくれるという。それはプライベートだが、それとは別に、今回乗った問題の件について、彼女はおいらにだけ話してくれた。 で、今、何とか対策をうとうとしている。彼女が悩み始めてから五ヶ月。 五ヶ月のロスは痛い。あほが、五ヶ月の間まったく足かせなく自分のやりたい放題やっていたということなのだ。 そういうちょっとした情報を吸い出すには、やはり友達としてある程度関係を築いておくしかない。 馬鹿は、これを言い寄っているとか捕らえるかもしれない。浮気だとほざくかもしれない。でも、業務とプライベートと分けられない、人としての一線がおいらはここにあるような気がする。
N本さんがはげやくそ爺と仲が悪いのはおいらが干渉すべきではない。個人の人間観の問題に終始するからで、そこは自己責任だ。しかし、仕事がわからなくて叱られ、やり方がわからず、それで悩んでいるというなら、おいらができることはしてあげたいし、してあげるべきだと思っている。
自分の仕事のため、と書いてしまうとそっけない。 しかし、そこにはそれ以上の意味もあるし、立場上ついてくる。 その辺の切り分けはおそらくできまい。限りなくグレーだ。 おそらく、おいらはこの仕事を続ける限り、常に悩み続けるのだろる。 いいのか悪いのかはわからない。 けど、ここで生活する以上、やるしかない。
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