風紋

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2002年10月19日(土) 書き足し / 在ったのに / 抵抗 / 悪い人 / 下向き

18日付けの日記に、今日になってから少しだけ書き足しをした。昨日は眠くて書けなかったけれど、どうしても書いておきたかったこと。気が向いたら読んで頂ければ幸いに思います。


夜、前の家の前を通りかかった。本当はその道を通りたくなかったのだけれど、その道を通らないといけなかったので、仕方なく通ることとなった。

敢えて解体の途中経過を見ることはしてこなかったのだが、もうすっかり跡形も無かった。在るのは木が数本(こちらに移植してくる分)。周りの風景は見慣れたものと何も変わらないのに、家だけがない。

在ったのに。

頭の中にその言葉が浮かんだ途端、つるっと涙が零れた。情けない話だが。

在ったのに。1ヶ月前までは住んでいたのに。半月前までは確かに此処に在ったのに。もう無いの? 本当に無いの? 何故無いの? 今、私が見ているのは何? これは現実? それとも半月前に見たものが夢だった? 

…半月前に見たことも現実だし、今日見たことも現実なんだけれどね。信じられなくても。

家が無くなったからと言って、昔の思い出まで無くなってしまったわけではないということはわかっている。無くなったのは、あくまでも物体。けれど、私にとっては、自分の体を半分ちぎられたような感じがある。

それでも、この時期に解体ということはかなり前からわかっていたので、ある程度の覚悟はできていたし(できていてもきついけど)、最後にじっくりと別れを言うことができたのは、今回は幸いだったと思う。思いも寄らなかった突然の別れほどつらいものはない。いつ別れても後悔しないというくらいの覚悟で会わなければならないと思っていても、なかなかそうできないし、じゃあねと言って別れる時には次にまた会える機会があると根拠も無く思い込んでいるから。…話がそれた。

それでも、もうしばらくの間は、この道を通りたくないと思った。もう少しだけ時間が欲しいと思った。


土曜は何となく調子を崩すことが多いような気がする。今日も少し頭痛のような気がするが気のせいかもしれない。気合いで治りそうな気もする。

大学に行こうと思っていたが、雨が降るのでやめて、家でいろいろしようとしたら、案の定ほとんど何もできなかった。

時々浮かんでくる「私が何かしようとしたところで、どうせうまくいくはずがないからやめた方がましだ」という考えに必死に抵抗しながらの日々。うまくいかなくてもかまわない。多分そんなに器用には生きられないしこれまでもそんなに器用に生きてきたわけではない。ただ「何かしようとする」ことまでやめたくはない。やめたくはないのに、時々、心弱くなって、全てを投げ出したくなる。

苦しくて吐き気のするような無力感、挫折感、敗北感、自己嫌悪。 

そういうものを感じているとしても、ただひたすらに、やり続けなければと、自分に言い聞かせる。…出来てないけど。


いろいろなことが中途半端になっていて、諸方面に迷惑をかけていて、何だか私はどんどん悪い人になっているような気がする(もともと悪い人だったんだろうとは思うが…)。一番大切にしたいことだけ大切にできればいいと思うのに。

悪い人で思い出すのは、アランジアロンゾの「わるもの」(こちらのページのどこかにいるはず)。さっき、このページをふらふら見ていたら、「めでたいおさけ」と「たのしいおさけ」というのがあるらしいと知った。すごく飲みたい。…でも飲めない体質であるのが悔しい。


明日は多少憂鬱なことがある。本来、ちっとも憂鬱なことではないので、憂鬱に思ってしまう私が良くないのだろうけれど。せめて愛想よくにこにこと笑っていることができればと思うが…。


今日はすごく下向きな日記だと思う。申し訳ないと思う。こんな日もある。下向きな自分をギャグにして笑い飛ばす余裕も無い日。


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浜梨 |MAIL“そよ風”(メモ程度のものを書くところ)“風向計”(はてなダイアリー。趣味、生活、その他)