風紋
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朝、目覚めた時に、寒いと思った。いつの間にか秋だった。
環境の変化、という言葉が頭に浮かんだ。環境の変化、か。
今、私が経験している環境の変化は、自分が望むか望まないかに関わらず、半ば強制的に私の身に降りかかった変化だ(実はあんまり望んでいなかった)。しかも、私の一生のうちでもかなり大きな変化になるであろうということが、変化の只中にある今から予想できるような変化だ。自分が一生を終える間際に自分の生を振り返ってみた時に、絶対今回のことを思い出すだろうということが予想できるような。
まぁ端的に言うと、引っ越しをしたというただそれだけのこと。
いつも見ている部屋なのに、家具が無いだけで全然違う表情に見えるのが、この家との別れを思い知らされるようで寂しかった。空っぽになった部屋を見るのがつらくて、皆が作業しているにも関わらず、3時間ほど昼寝してしまった。←これは睡眠不足だったのが原因でもあるけれど。
今まで過ごしていた部屋に「お世話になりました、さようなら」と言ってお辞儀して去ってきた。この床の感触も、その柱の手触りも、あの壁のしみも、天井の雨漏りの跡も、何もかもを、一生忘れないようにしようと思った。
一方で、新しく住むことになる家に入って、ちょっと楽しみな気分が起こってきた自分に安堵もしていた。
この変化に適応できるかどうかかなり不安だというか、近い将来の自分がどうなっているかもよくわからない状況。
ただ、どんなに予想していてもどんなに準備をしていても、その時その状況になってみないとわからないこと、その時その状況になってみて初めてわかることって、きっとたくさんあるんだろうなと思った。具体的に言うと、新しく住む家の家具の配置とか、きっとどれだけ綿密に考えても、後で“これは不便だったかも”というところが1つや2つは出て来るんだろうな、とか。
恐れずに思い切って進んでみようかなと思った。というか、今さら引っ越しが撤回できない以上はそうするしかないのだし。実は何が起こるか、その時自分が対応していけるのかどうか、思いっきり不安に思っているのだけれど。
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