私の住む駅の隣の駅 その頭上を走る電車 彼が家〜営業先を直接行き来する時に乗る電車 仕事場・家同士 全てが見事に◇を描くように離れているけれど 唯一 交差する場所 一番近くなれる場所 お互い毎日ではないし 時間帯も違うけれど 十字に交わるその場所を通るのは ほんの一瞬だけれど 私はもう何年もの間当たり前のようにその陸橋の下をくぐり 彼はきっと居眠りしながら気が付かずにその陸橋の上を通る そんな日常のほんの一瞬の出来事だけど 「同じ場所を交差してる」 その事実が 嬉しかったり もどかしかったり
「ズボンプレスしといて」 と母に言う父。 「(ズボンプレス)嫌いだからイヤ」 と父に言う母。 文句も言わずに、自分でやる父。 夫婦のバランス
ふと 逃げ出したくなる時がある この社会 全ての事から 逃げ出したい逃げ出したい 駆け出したい駆け出したい 真っ白な所へ行けたらどんなに楽だろう 私の居場所へ それは家の中だったり 大切な人の傍だったり 殻に閉じこもってしまいたくなる時がある 固い殻の中に全てを閉じこめてしまいたくなる 土足で踏み込んでこないで 好き勝手言わないで 人の気持ちも考えないで 何も感じなくてニコニコしてるわけじゃない 何も受け付けたくなくなる 社会のしがらみから抜け出したい
会えないのは残念だけど ねぇ 携帯の液晶から溢れる言葉達だけで 私はもう淋しくないよ 元気な姿が１番だから ただ もどかしいのは 会えない距離ではない でも 会える距離でもない この距離
想いと 言葉と 言いたいことはたくさんあるのに 言葉にしてしまうとなんだか安っぽくて 薄っぺらな同情になってきまう気がして そして 結局何も言えなくなって いつも遠くから見ていて 伝えたいのに 本当は伝えたいのに 閉じこめてきた想い 言葉にできない想い 出口はどこにあるの？ |
