Monologue

2006年02月26日(日) 暗号を歌う女

今日は歌のレッスンで新しい課題曲の練習を始める。

課題曲は基本的に自分の好きな歌を選ぶ事が出来るので、
今回は中村雅俊さんの『心の色』にした。

ストレッチ・基本発声を一通り終えた後に課題曲の練習をするのだが、
W先生は『心の色』の譜面を一目見るなり
「この歌、中村雅俊さんだから男性キィと思いきや、男女の中間みたいな・・・
微妙なキィですね。
このままでは、ななかさん(仮名)のキィでは歌えませんよ」

え?
そ、そうなんですか?

私にはどの楽譜も同じ様な黒い音符と記号の羅列にしか見えない。

だから譜面を見るだけで、この曲がどんなメロディなのか、すぐに判ってしまうW先生は、
まるで『暗号』を解読している名探偵の様に見える。

「ちょっと待ってて下さいね、ななかさん(仮名)のキィに合わせますから」

そうおっしゃって、
“ええと、この音が6つ上がって・・・と云う事は、この音がDm7だから・・・”等と
ぶつぶつ呟きながら、楽譜にカリカリ書き込んだり、キィボードの音を調整しているW先生は、
やはり『暗号』を解読している様である。

ワトソン君・・・じゃなかった、
ななかさん(仮名)には先生が何をおっしゃっているのか、さっぱり意味が判らないのだが、
W先生に合わせて頂いたキィで歌ってみたら、一人でカラオケで練習した時よりも、
ずっと楽に声が出せた。

さすが名探偵である(違)


それにしても、楽譜が読めるって本当に凄いと思う。

子供の頃にピアノを習っていた癖に主旋律を追う位しか読めない自分が情けない。
歌を習った事をきっかけに、せめてコード位は判る様になりたい。

コードと云えば、
W先生曰く、
「昔のアニメ・ソングって、今の北朝鮮の『律動体操』と、ほとんどコードが一緒なんですよね」

『アニメ・ソング』だとか『律動体操』だとか云う先入観を無くして、
コード進行だけで見ると、大体どちらも同じなのだそうだ。

そう言われてみれば、そんな感じがしなくもない気もしなくもない・・・・・・かも???と、
結局の処、相違点は良く判らない。

更にW先生はこうおっしゃった。
「そう云えば、ななかさん(仮名)が課題曲に選ぶ歌のコードって、アニソンっぽいですよね」

そ、そ、そうなんですか?
やっぱり『オタク』だから?



2006年02月24日(金) が・ま・ん

今日はお給料日♪

お金の無い間中、ずっと、ずっと、ずぅぅ〜〜っ(以下略)・・・と、食べたいのを我慢していた麻辣刀削麺を食べる為にお気に入りの店『刀削●荘』に一人で行く。
このお店は大変人気が有るので、いつも混んでいる。
しかも今日は金曜日で、おまけに給料日だと来ている。
一人だけの客は断られる可能性が高い、果たして入れるだろうか?
少し不安だったが、幸いちょうど二人掛けの小さなテーブルが空いていたのですぐに案内して貰えた。
早速、大好物の麻辣刀削麺と鉄鍋餃子を注文して、運ばれて来た二品をニコニコしながら食べ始める。

せっかくだから、この店の極上スゥィーツ『真面目に作ったマンゴー・プリン』も食べてしまおうかな?
給料日だしたまには良いよね・・・と考え始めたその時、突然、店の扉が開いて数人の男性がドヤドヤと入って来た。

店内はほぼ満席状態で、唯一空いているのは私の隣りの円卓だけだったのだが、その円卓は5人しか座れない。
「全員で7人なんですけど」と幹事らしい男性は言う。

つまり私が早々に食べ終えて、さっさとこの独占しているテーブルを空けなければならないと云う訳?

そんなヒドい!
だってまだ食べ始めたばつかりなのに(涙)

出来れば、じっくり味わいながら食べたいし、食後のデザートも頼みたいのに・・・

だが、この気まずい状況下で一人食事を続けるなんて、どうしても無理だ、いたたまれない。

『マンゴー・プリン』(テイクアウト不可)を泣く泣く諦め、いつもより少し急いで食事を終えて席を立つ。

レジで会計を済ませると「どうもすみません」と感じの良い店長さんがすまなそうに頭を下げて下さった。

そもそも掻入時の金曜日(しかも給料日)なんかに一人で来た私が、すぐに食事が出来ただけでも奇跡的なのだ。
(ちなみに前の店長さんは混んでいる時には一人で行くと入れて貰えなかった)

また頑張って節約して捻出したお金で平日にでも食べに来れば良いぢゃないか。

その日まで『マンゴープリン』は、が・ま・ん・・・!!


だが、どうしても甘い物が食べたくて我慢出来ず、結局ケーキを買って帰っちゃいました・・・テヘ(^^ゞ



2006年02月23日(木) 黒い帽子の男

長野まゆみさんの作品『カンパネルラ』のあとがきを読んで、
あの宮澤賢治氏の名作『銀河鐡道の夜』が
昔の旧版と現在の普及版では各章の並び順が大きく異なり、
特に新版では最終章になっているジョバンニがカンパネルラの死を知る場面が旧版では物語の中盤に挿入されていると云う事実を
初めて知った。

これは宮澤賢治FANの間では有名な話なのだそうだが
私は旧版なんて物が存在する事さえ知らなかったので
吃驚してしまった。




長野まゆみさんが子供の頃、
最初に読まれたのは旧版の方だそうで、後に新版を読まれた時、その違いにかなりショックを受けられたと云う。

そりゃそうだ。
カンパネルラが死んでしまっていると識って読むのと識らないで読むのでは、たとえ同じ文章でも読み手の受け取り方が全く異なってしまう。

ましてや子供が初めて読むのだから、その時の印象は最も強く残ってしまい、その後で新版を読んでも違和感が大きく邪魔をしてしまい素直に読めないだろう。

私は最初に新版を読んでしまった所為か、やはりカンパネルラの死を知るのはラストの方が衝撃が大きいし読後に寂寥感が残るので良いと想うのだが、実は今回の件で私は自分でも気付いていなかった『違和感』の正体を知った。

ラスト間際にジョバンニが銀河鉄道の中でカンパネルラを見失った後、黒い大きな帽子を被り青白い顔をした痩せた大人が現われて、
「カンパネルラとキミ(ジョバンニ)の行く先は違う」と告げるのだが、
このブルカニロ博士と云う影の様な人物は旧版のみにしか登場してない筈なのに
何故か私は彼の事を良く覚えていて、
後に舞台等でブルカニロ博士のいない『銀河鉄道の夜』を観たりした時、
(あれ?何か物足りない様な気がする?)とボンヤリ感じていた。

自分でも気付かない内に旧版を読んでいたのだろうか?

いや、それならばカンパネルラの死がラストで無いのを全く覚えていないのは変だ。

散々頭を捻った末、ようやく私が最初にこの物語に触れたのが小説では無くアニメ映画だった事を想い出した。
アニメ版のラストシーンは現版通りだったがブルカニロ博士は登場していたのだ。


やはり最初に物語に触れた時の印象は大切なのだ、と改めて感じる。

『赤ずきんちゃん』だって実は狼に喰べられておしまい!と云う怖い教訓を含んだ可哀想な話だなんて、もう今更想えないものなぁ・・・



2006年02月22日(水) 二升五合

図書館で借りて来た『よろづ春夏冬中』(長野まゆみ著)を読み始める。

短編集なので、どの話もすぐ読み終えられてしまう為、
つい夢中になってしまい、
ふと気付いて時計を見たらば、何と午前2時!!

明日も朝早く会社に行かなくてはならないのだから、
もう寝なければ・・・・・・
(でも、とりあえずこの話だけは読み終えてから寝よう)と、
その時読んでいた短編を読み終えたのだが、それまでハッピー・エンド続きだったのに、
その話は想い人が死んでしまうと云う哀しい結末だった。

この哀しい想いを抱いたまま瞼を閉じる気持ちにはなれず、睡魔と闘いながら、
頑張ってもう一編読み終えたのだが、
幸い(?)その話はハッピー・エンドだったので、安心して眠る事が出来た。

もしその話がハッピー・エンドで無かったら、
きっと朝まで掛かって読んでしまった事だろう。


ちなみにタイトルには『飽きない(秋無い)チュウv』と云う意味が込められているらしい。

それにふさわしい男の子同士の恋愛を描いた珠玉の短編集である。

今まで漫画や小説を読んで「こんな恋愛してみたいわ」等と憧れを抱いた事は無い私だが、
もし美少年に生まれ変われたら、
格好良い先輩に「好きです!僕と交際して下さい!」と突然告白したり、
素敵な塾の講師が出したテストの答案用紙に、
“(あなたと)一緒に暮らしても良いですか?”とこっそり書いたりしてみたいものである。


(3×歳独身女のイカレた『妄想』であります、大変失礼致しました)



2006年02月20日(月) 歩きたくなる道

“歩こう♪歩こう♪私は元気〜♪”と『となりのトトロ』の主題歌を口づさみながら、早朝、会社に向かって川沿いの道をテクテク歩く。

実はこうして歩いているのは私が『元気』だからでは無く、何と通勤途中に『山手線』外廻り電車が止まってしまったから!である(涙)

幸い会社の最寄駅の隣の駅までは辿り着く事が出来たのだが、あと一駅と言う所で足止めを喰ってしまったのだ。
なかなか来ない電車を待つよりも歩いた方が早く会社に辿り着けるだろうと判断し、こうやって歩いている次第である。

最近体調が悪くてウォーキングを休んでいたので歩くのは久し振り。

一駅分位の距離なら慣れているから苦にならないし、むしろ知らない道を歩くのは結構楽しかった。

30分位掛かるかと想ったが、予想外に早く会社に着けたので僅か15分程度の遅れで済んだ。

あまりにも早く着いたので、
「ななかさん(仮名)まさか隣りの駅から走って来たの?」と同僚達に不思議がられたが、生憎そこまで『イイひと』ぢゃない。電車遅延とは言え、遅れた分の時給は差し引かれてしまうのだし・・・
たがもし走って間に合うなら走ったかもしれない。『イイひと』だから
では無くセコイから、であるが・・・

それにしても電車遅延とは言え、遅れた分の時給が差し引かれてしまうシステムは、やはり納得出来ない。
“たとえ電車が遅れても間に合う位に早い時間に行って下さい”と言うのが偉い人達の考えなのだろうが、現在私は仮に20分遅れても間に合う時間の電車に乗っているのに・・・

と、言う事は、つまり『会社の最寄駅の隣りの駅から歩いて間に合う時間』に家を出なければならないといふの?

憤りなからも調べてみたら、現在よりも13分早い電車に乗れば可能である事が判明した。

今は無理そうだが、4月頃になったら何とか出来るかもしれない。

暖かくなれば早起きもし易いだろうし、あの川沿いの道には桜の樹がずっと並んで立っていたのだ。
満開の桜の下を歩く為なら、きっと早起きも苦にならないだろう(←なんて偉そうに言ってますが絶対ムリです(^^;))





2006年02月16日(木) クラピカのボーダーライン日記

“悪ィ!急な残業でギリギリになっちまった!
 ただいま電車で現場に急行中〜!(でも乗ってんのは鈍行だぜ!)”と云う
レオリオからのメールが私の携帯に届いた。

パタン、と軽い音を立てて閉じた携帯の蓋には“18:48”も文字が表示されている。

おそらくレオリオが到着するのは映画の上映開始時間である19時ギリギリだろう。

まぁ、映画は始まる前に必ずうんざりする程大量の予告編を流すから、
19時を多少過ぎてから入場してもさして問題は無いだろう。

日没直後、急に冷たくなった北風に思わず身を竦める。

ふと、映画館の入口に立掛けられた幾つかの立看板の一つに瞳が止まった。

『恐怖の一線を越える!』と云う大文字の見出しが書かれた新聞記事が貼られている。
文字と並んで掲載されている写真に写っているのは、
私達がこれから観ようとしているホラー映画の監督だ。

どうやら試写会の時のインタビュー記事の様だ、
好奇心に駆られて何と無く文字を瞳で追って行く・・・・・・

“ただビックリするだけの映画では無い、真の恐怖を体感出来る映画に仕上がった。
今までの単なる『恐怖映画』から一線を越えた作品なので、
まだ人前で手すら繋げないウブなカップルが一線を越えるきっかけになるに違いありません!”


な、な、な、何だと?

い、一体どんな一線を越えると云うのだ?

し、しかも・・・・・・人前で?



「悪ィ!待たせたな!」

掛けられた声にハッと我に返って振り返ると、
黒いロングコート姿のレオリオがハァハァと息を弾ませながら立っていた。

「さぁ、とっとと入ろうぜ!急がねェと始まっちまう!」

そう言いながら私の肩を抱くとチケット売場へズンズンと歩を進めて行く・・・・・・


「な・・・なぁ、やはり別の作品にしないか?」

窓口の女性に“19時からの回を二枚”と申し込んでいるレオリオを遮る様に慌てて声を掛ける。

「何だ?今更怖気づいたのかよ?
 ・・・やっぱ『ホラー』は怖ェんだろ?」

唇の端をニヤリと上げながら意地悪そうな口調で言うレオリオに、

「バカ!そんなんじゃない!ただ、その・・・・・・」

こ、こ、心の準備が・・・・・・


言いたい事が上手く言えず口篭っている内に、さっさと代金を払ってチケットを受け取ったレオリオは再び私の肩を抱いて耳元に唇を寄せると小声でそっと囁いた。

「もし怖くて我慢出来なかったらオレに思いっ切りしがみ付いて来て構わねェからよvv」



2006年02月14日(火) 労働者M

映画『NANA』でデビューなさった伊藤由奈さんはハワイ育ちだそうで、
ハワイと日本を何度も往復なさっているのだそうだが、
「ハワイの空港に降り立つと花と果物の匂いがします。
日本の空港はオフィスの匂いがしますね、あれを嗅ぐと「ああ、仕事しなきゃ!」っ
て気持ちになります」とインタビューでおっしゃっていた。

私も数年前、韓国に旅行して空港に降りた時、キムチと焼肉のタレを混ぜたみたいな香ばしい匂いを嗅いだ覚えがあるし、タイは腐敗した果物の様な甘い匂いがすると聴いた事がある。

つまり海外旅行にでも行かない限り、日本人は会社のビルやコンクリートOA機器等の無機質で味気無い、しかも仕事を連想させる匂いに包まれたまま生活している訳だ。

日本人が働き過ぎたりストレスを溜めてしまったりするのも無理は無い。

一体いつから日本はそんなイヤな匂いを発する様な国になってしまったのだろう?
少なくとも昔は違った筈なのに・・・・・・

昔、日本には本当に妖怪が住んでいて、
江戸時代頃には『妖怪学』と云う物がちゃんと学問として成り立っていたのだそうだが、今の日本には妖怪も住めなくなってしまったのだと云う。
こんな国に住んでいたら、人間が人間らしくなくなって行くのは当然だ。

老後は自然の多い国へでも移住しようかしら?(貯金も無い癖にそんな事出来るのか?)



2006年02月09日(木) Born in the HEAVEN

ボマーな貴婦人Hさん&A野さんと三人で『THE有頂天ホテル』を観覧。

実は先々週の水曜日にもHさんと二人で観に行ったのだが、上映一時間前にも関わらず長蛇の列が出来ており、その時点で既にチケットは完売状態。
仕方無く八重洲地下街の『杵屋』でうどんを食べて泣く泣く帰った。

今夜リベンジを試みる我々の為に、何とHさんが会社の昼休みにチケットを購入する為にわざわざ映画館まで行ってくれたのだが、昼休みだと云うのに、予想外にオバさ・・・(おっと失礼しました)年配の女性が多数並んでおられたそうで、真ん中と前の席は既に売り切れていたそうだが、彼女のお陰でバッチリ座席GET!!
嗚呼!ありがたや!神様、H様〜♪

そんな訳で観て参りました。
相変わらず大した事は書いてませんが、これから観覧予定の方はご注意下さい。

「他人の言う事なんか気にしないで自分の好きな様に生きれば良いのよ!」と云うのが、どうやらこの物語の主題なのかもしれないのだが、何だかあまりピンと来なかった。
(感性鈍いのかしら?アタシ)
特に二人の歌手が、それぞれ自分が歌う為の目的を取り戻すきっかけが何だか今一つ弱い様な気がした。
「アンタの歌は趣味でやる分にはイイけどプロになっちゃダメ!」なんて厳しい事を言われたりしているのだからもっと強く心を揺さぶる様なエピソードが欲しかった。
二人とも歌うシーンがとても格好良かっただけに勿体無く感じた。
真面目な物語の骨幹よりも、その周囲であたふたと走り回る登場人物達のドタバタ劇や、これでもか!と詰め込まれた小ネタやギャグの方が個人的には楽しかった。

豪華な俳優陣を揃えただけの事はあって、どの役も個性豊かで生き生きと魅力的。
私のお気に入りは『ホテル探偵』(石井正則さん)『演歌歌手のマネージャー』(梶原善さん)『コールガール』(篠原涼子さん)とアヒルの『ダブダブ』
あんなに沢山居る濃いキャラクターの数多いエピソードが、巧みに交錯し次々と展開して行くのは、やはり流石!三谷幸喜さん!である。

あと三谷作品に登場する職人達の気質には、やっぱり好感が持てる。
今回は役所広司さん演じるホテルマンにそれを感じた。
「お客様は私達の家族です。ですからお帰りになった時はどんな方にでも「お帰りなさい」と声を掛けて家族として出迎えるのです」と言うお客様への『もてなし』の姿勢に彼がホテルマンとしての仕事に誇りを持っているのが感じられる。

彼の様な気持ちで仕事が出来たら、きっと働くのが楽しくなるだろうな。
私もいつかそんな仕事に出会いたいと願う。



2006年02月07日(火) 成りあがり

オッケー!ロックンロール!シェゲナベイベー!・・・は矢沢永吉。
『病み上がり』(←永ちゃんのエッセイのタイトルと掛けてるらしいが判り辛いよ!)の所為なのか、
先日風邪で倒れて以来、どうも身体の調子が良くない。

今日も本当は済ませたい用事が有ったのだが、
会社で仕事するだけで精一杯だったので何処にも寄らず真直ぐ家に帰る事にした。

身体に力が全然入らなくてフラフラする。

毎日やっていたウォーキングもサボってしまった位具合が悪いというのに何故か食欲だけは有る。
だからこんなに具合が悪いのにも関わらず、ちっとも痩せない。
いや、むしろ逆に太りそうでヤバイ!

でもこの状態で食欲まで無かったら本当に大変な病気なのだろうから、良しとせねばなるまい。

早く夕飯を食べてゆっくり寝るとしよう。



2006年02月06日(月) ゆきやこんこん

天気予報に拠ると今日は夕方から雪が降るらしい。

そのニュースを聞いて、
「仕事が終わったら電車が動いている内に早く家に帰らなきゃ」とか、

「明日は凍った雪で路面がツルツルだろうから、いつもより早く家を出なくちゃ」なんて事ばかり考えてしまった自分。

子供の頃は雪が降ると嬉しくて嬉しくて堪らなかったのに・・・・・・

いつの間に自分はこんなつまらない大人になってしまったんだろう。



2006年02月02日(木) 美少年の条件

予約しておいた『蟲師』の3・4巻がようやく届いたそうなので取りに行くついでに図書館で本を借りる。
(ちなみに他巻は未だに貸出中である。もう思い切って買ってしまおうかしら?)

先日読んだ『生首にきいてみろ』の口直しと云う訳では無いが、
何と無く“すっきり爽やかな話が読みたい”と想い立ち、以前から読んでみたかった長野まゆみさんの凛一シリーズ全4巻(『白昼堂々』『碧空』『彼等』『若葉のころ』)を一気に借りる。

体調を壊して進級試験を受けられなかった凛一の身代わりに試験を受けた従姉省子。
その代償として今度は省子の身代わりを勤めた凛一は省子の彼氏である氷村に省子と間違われて強引にキスされてしまう。

それ以来、凛一は氷村に禁じられた恋心を抱く様になるのだが・・・・・・

久し振りに胸をドキドキときめかせながら4冊とも一気に読んでしまった。

同性に恋心を抱いてしまうのはそんなに異常な事なのだろうか?
むしろ普通の男女間の恋愛よりもずっと一途で純粋なのではないだろうか?

そんな風に感じてしまったのは長野まゆみさんの綺麗な文章と耽美な世界観の所為だとも想える。

以前読んだ『仮面の告白』(三島由紀夫著)を想起して、
実際に男の子同士がこんな感情を抱く事は決して無きにしもあらずなの?とイロイロ妄想してしまい、つい頬を赤らめてまう乙女のワタクシ。

(もちろん現実はこんなに素敵ぢゃないのかもしれないけれど・・・・・・)

それにしても長野まゆみさんが書かれる美少年は左利きだったり名門華道一派の跡取りだったり、設定も耽美なので読みながらチョット照れ臭くなってしまう。

凛一のお父さんもやはり美少年で心臓が悪くて30代で夭逝してしまうのだが、彼が愛飲していたのが牛乳を多目に煮出した紅茶に蜂蜜と苹果酒(これでリンゴ酒って読むんですヨ!)を混ぜたモノだったそうだ。

想像しただけで血糖値が上がってしまいそうな危険な飲物ではないか?
美少年として生きるのはなかなか大変らしい。


最後はついおちゃらけてしまったが、長野まゆみさんの本はとても素敵なので、しばらくハマって読んでみよう。


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