『竜馬の妻とその夫と愛人』を観に行く。
『劇団東京ヴォードヴィルショー』の舞台を観るのは初めて。 普段観ている舞台よりも観客の年齢層が高く私よりも年上の女性が多いので、何だかホッと落ち着ける雰囲気。
おそらく劇団の若手の方達が大半だっだと想うのだが、スタッフの方達の応対がとても丁寧で、かなり好印象だった。 ロビーに立っているスタッフの方が大声を出して元気にハキハキ応対してくれるのってこんなに気持ち良いなんて・・・・・ 今まであまり意識していなかったけれど、実は舞台本編以上に大切な事かもしれないと感じてしまった。 きっと座長である佐藤B作さんの教育が徹底しているのだろう。 今後舞台の受付のお手伝いをさせて頂く際にはもっと感じ良い応対を心掛け様と決意するワタクシ。
さて舞台本編について・・・・・・
衣装が軍服な所為か汗びっしょりで台詞を喋りまくる佐藤B作さんとおりょうの夫役の山口良一さんのテンポ良い掛け合いが楽しかった。
おりょう役のあめくみちこさんも素敵だった。 あんなイイ女ならどんな男もメロメロになってしまうだろう。
物語はさすが三谷幸喜さんの脚本だけ有って、大変面白くて切なかった。 今の夫(山口良一さん)がどんなに自分を愛してくれても自分は竜馬を忘れる事が出来ない、竜馬以外はどうしても愛せないと云うおりょうに向かって、 「私は坂本竜馬にたった一つだけ勝てる事が有る!それは私がまだ生きていると云う事だ!」と云う夫の台詞が胸に迫った。 (でもおりょうさんは家を出て行ってしまうのでした(涙))
ラストのオチも絶妙だったし・・・・・・
観終わった後、何だかほっこりした余韻で身体が温かくなる様な素敵な舞台だった。
佐藤B作さんや山口良一さんは『華がある』とか『オーラがある』と云うのとはちょっと違う、舞台の上に『自然』に立って存在していると云う印象を受けた。 その『自然な佇まい』がとても良かった。
旦那様の名前はビクター
奥様の名前はエミリー
ごく普通の旦那様は、ごく普通のプロポーズでごく普通に結婚するつもりだったのに、ちょっとした手違いで墓場に埋められていた奥様にプロポーズしてしまい、かなり変わった夫婦になってしまいました。
何しろ奥様は『死体』だったのです・・・・・・
そんな訳で(どんな訳で?)『コープス・ブライド』を観覧。 大した事は書いていませんが、まだ観ていない方はご注意下さい。
独特の愛らしさを持つ、ちょっとグロテスクでシュールなキャラクターもカワイくなくてカワイイし(どっちなのさ?)お話も面白かったのだが、いかんせん『チャーリーとチョコレート工場』を観たすぐ後に同監督の作品だから・・・・・・と云う事で期待し過ぎて観てしまった所為だろうか? 今一つ物足りない感じ。
『死体』の花嫁エミリーは純粋で良い娘なのだけれど「どうせ私は死んでしまっているからビクターとは幸せになれないの」とわきまえ過ぎてしまっているよりも、もう少しだけ怖い位に恋に対して貪欲になっても良かったかもしれないと想う。 ラスト・シーンでエミリーが無数の蝶になって昇天して行くシーンは綺麗で切なかったけれど、あっけなさ過ぎる気もしてしまった。生者の花嫁ビクトリアもおとなし過ぎ。 ビクターを助ける為に知恵を使ったり、たまにはお転婆に暴れたり等もっと活躍して欲しかった。
主人公のビクターのビクビクした感じのキャラは個人的に好きvv 何だかこう云う人って庇護欲を掻き立てられてしまう。
全体的な印象として金目当てで娘を結婚させようとする貪欲なビクトリアの両親やエミリーを殺した男など『生者』達の方が純粋な『死者』達よりもっよっぽど『亡者』っぽく感じられてしまった。
過剰な期待をせずに観ればなかなか面白い作品だったと想う。
ロッテが優勝したので、千葉周辺のスーパーやデパートが『おめでとうセール』を沢山やるらしい、誠に喜ばしい限りである。
(何かオヤジの日記みたいな書き出しだなぁ)
そう云えば数年前、まだデパ地下で試食係のバイトをしていた頃、 (別に『優勝セール』では無かったのだが) 『○○ハム』の商品を購入してくれたお客様に『読売ジャイアンツ』関連グッズが当るクジを引いて貰うと云うイベントをやらせて貰った事がある。
1等は『東京ドーム・巨人戦』のチケットと豪華だったが、他は選手の生写真とかサインボールや色紙、ぬいぐるみ等だった。
私自身は野球に全く興味が無いので冷静だったが、
「我こそは『東京ドーム』のチケットをGETする!」と言わんばかりの真剣な眼差しでクジを引いては『ハズレ』を引いて「くっそぉ!」と落胆するお客様の一喜一憂の様が面白かった。
結局、チケットを引き当てたのは4歳位の小さな女の子。
だが彼女は人もうらやむ1等を引き当てたと云うのに何故かちっとも嬉しそうではない。
「私、本当はそれが欲しかったの」
そう云って彼女が指差したのは『残念賞』のハンカチだった。
もちろん『東京ドームチケット』と一緒にそのハンカチは彼女の物になった。
さて、上記の話を会社の昼休みにしていたら、同僚のOさんが笑いながら、
「やっぱり無欲の勝利ですかね、私も子供の頃の方が良くクジが当たって福引とかでお醤油とか当ててましたよ」
するとOさんの隣りに座っていたKさんが、
「実は私、子供の頃凄かったんですよ・・・・・」
何とKさんは子供の頃、大変クジ運が強く、近所や親戚の人達が「是非とも引いて下さい」とわざわざ頼みに来た位だったと云う。
「あの頃は年間10本中3本は特賞を当てたりしてたけど・・・・・・今はもうダメ。 どうしてもクジ引く時に「当ててやるぞ!」って雑念が入っちゃうんだよね」
やはり大人になると云うのは汚れると云う事なのだろうか?
願わくば大人になっても純粋な心を持ち続けたい、 そうすればクジ運も良くなるだろうし・・・・・・ (↑こう云う思想が既に汚れていると云うのだ)
朝のTV番組を観ていたら『常識の多数決』みたいなコーナーをやっていた。 今朝のテーマは『納豆をご飯にかけて食べるか?かけないで食べるか?』
スタジオ内で集計したら大半の人が『ご飯にかける派』だったのだが、『かける派』の人達が『かけない人派』の少数の人に向かって「そんな食べ方は常識外れだ!」「ありえない」「そんな食べ方は全然美味しくないよ」等と口々に文句を言って責め立て、司会者の男性までが 「『まとも』なのは俺達だ!」と発言したのには何だか呆れてしまった。 だったら、こんな『テーマ』取り上げなければ良いのに・・・ それとも『多数派』の人達が『少数派』の人を糾弾して辱めるのが目的なのかしら?
私は『かける派』だが、観ていて大変気分が悪くなってしまいチャンネルを変えてしまった。
何だかマズイ物を無理矢理食べさせられた様な気分だ。
今日は昼から川口でダンスの稽古。
早目にウォーミングアップを済ませて11月の舞台の振付の確認をしたのだが、もうもうもうもうもう・・・・・・ (まるで昼下がりにゴトゴト揺れる荷馬車で売られて行くカワイイ仔牛の様だが大分違う)
自分が解決しなければならない課題が山積でもうもうもうもう・・・・・大変。 (まるで・・・(以下略))
その上、ピルエット(片足で廻る事)のフォームが突然崩れてしまい、何故か廻れなくなってしまった。
「先週まで割と良い感じで廻れていたのに・・・・・・ フォームが元に戻っちゃってるよ」とO原先生に厳しく指摘される。
「さて何処が先週迄のフォームと違うのでしょうか?」と先生に問われても全然判らない。
判らないまま、何度も繰り返し練習する。
数回に一度の割合で上手く廻れる時もあるのだが、上手く廻れない時との違いが全く自覚出来ない。
こんな風に『いつもと同じ様にやっているつもり』でも、その日の体調などに依って出来が変動すると云うのはワタクシの様な下手くそだけに限らず、先生の様にめちゃめちゃ上手い人でも有るのだそうだ。
だが自分の身体の使い方を正しく理解していれば、いつ何時でも『ベスト』と『絶不調』の中間位の安定したコンディションに持って行けるのだそうだ。
それは踊りだけに限った事では無く、舞台なら台詞の言い方や速さ、日常生活では仕事の出来具合等にも同じ事が言えるだろう。
私も早く自分の身体を思い通りに格好良く動かせる様になりたい、なりたい、と頑張り続けているのだが、生来の不器用さが災いして、上達するスピードは正に牛の歩みの如く遅い。
歩みは遅くとも確実に進歩しているのであれば良いのだ・・・・・・なんてウソウソ!
本当は早く上手くなりたい!と切望しているのだ(涙)
ダンスも芝居も歌も生き方も・・・・・・
『平面いぬ。』(乙一著)を読了。
この本は収録されている4作品共どれも非常に面白く、特に『BLUE』と云う作品には心を激しく揺さ振られてしまった。
骨董屋から買った不思議な手触りの布で作った5体の人形達は生命を持ち動く事が出来る。 姫・王子・白馬・騎士の4体は美しい人形だったが余り布で作られた青い肌の少女人形ブルーは醜い姿の為に持ち主の少女の愛を受けられない。
要領も悪く、頭も悪く、愛想も悪く、顔も悪く、おべっかも使えず、胡麻も擦れない私は、ブルーが持ち主の少女の愛を得ようと懸命に努力する姿にかなり感情移入させられてしまい読みながら泣いてしまった。
(もちろん私はブルーの様に健気では無いし純粋な心も持ち合わせていませんが(^^;))
ありのままのブルーを愛してくれたテッドの腕に抱かれて散って逝くラストシーンは美しかったけれど『美しい物語』と云うのは、やはり切なくて哀しい。
このピュアなラブ(?)ストーリーをティム・バートン氏がアニメ化して下さらないだろうか?とヒソカに願う。
他の収録作『はじめ』や『石ノ目』も面白かったし、表題作の『平面いぬ。』も可愛くて切ない物語だった。
お給料が入ったらこの本は絶対に買おう。
『暗いところで待ち合わせ』(乙一著)読了。
いやはや面白かった!余は満足じゃ(^^)
独り暮らしの盲目の女性ミチルの家にヒソカに入り込み隠れ住む殺人容疑者のアキヒロとの奇妙な同居生活。
ホラーよりもミステリーの要素が強い作品だが、もっと怖いサイコ・サスペンスかと思いきや、二人の心の交流に重きが置かれていた。
視力の有無とは無関係に外の世界との関わる事が不得手な二人が不器用な手段ながらも次第に歩み寄って行く過程の心理描写が見事な筆力で丁寧に書かれている。
私も人付き合いがかなり苦手なので、二人の気持ちに共感しながら読み進んだ。
乙一さんの作品は物語のプロットの見事さ、卓越した描写力、文章力が魅力的なのは勿論だが、私は、彼の作品に多く登場する『他人と上手くコミュニケーションを取れない主人公』達に深く共感を覚え、とても心惹かれる。
職場の人達と上手くコミュニケーションが取れず、独り黙々と働き、朝夕満員電車に揺られ続ける鬱屈した日々を送るアキヒロの心理が巧みに描写された文章を読んでいると、乙一さん自身にサラリーマン経験が無いと云うのが信じられなくなってしまう。
そんな訳でさくさく読み終えてしまったので、今日も会社帰りに図書館に寄って彼の著書を借りる予定。
まるで恋人にでも会いに行くかの様に私の足取りはウキウキと弾んでいるのだ、うふふふふ♪
でも借りるのはホラー小説なのだ、ぐふふふふふ(笑)
| 2005年10月11日(火) |
暗いところで待ち合わせ |
数少ない友達の一人『ボマーな貴婦人Hさん』から携帯にメールが届いた。
“明日、私達と一緒に映画を観に行く筈だった人(男性です)が仕事の都合で来られなくなっちゃったんだって”との事。
この男性と云うのはHさんの知り合いであるのだが、私も以前勤めていた会社の近所のコーヒー店の店員さんだそうなので、私も幾度か会っている筈なのに全く記憶に無い(涙)
“あのコーヒー店の店員さんも映画観たいって言うから誘っちゃった♪”と云うHさんのメールを数日前に受け取った時は彼女の交友関係の広さに関心してしまった。
それにしても、来られなくなってしまったのがHさんでなくて本当に良かった。 もし“幾度か会っているにも関わらず顔を全く覚えていない”コーヒー店の店員さんと二人きりで映画を観に行ったとしても、
「ご、ご、ご趣味は何ですか?」
「はぁお茶にお花を少々・・・・・・」
「そうですか」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
・・・・・・てな気まずい雰囲気に陥るに違いない。
何しろ私はサッカーや野球など球技スポーツ関係の話題はさっぱり判らないし、流行物には大変疎く、逆に好きな物は結構マニアックだったりするので一般の人は話題を噛み合わせ難いのではないか?と想われる。
先日も行きつけの化粧品店で「私最近、乙一さんのホラー小説にハマってるんですよvvぐふふふふふ・・・(笑っているらしい)」と言ったら美容部員さんにかなり引かれてしまった(涙)
では“待ち合わせをせずに二人別々に観る”と云う選択肢はどうだろう?
いや、ダメだ。
(この暗い映画館の何処かに“幾度か会っている筈にも関わらず顔を全く覚えていない”コーヒー店の店員さんが居るんだ・・・・・・)とか想いながら観たりしても映画に集中出来る筈がない!
そんな訳で、二人きりになってしまう相手がHさんで本当に良かった、と胸を撫で下ろすワタクシ。
待ち合わせは明るい処にしよう、ぐふふふふ(笑)
来週の少年ジャンプではな、な、何と! 『HUNTER×HUNTER』が表紙&巻頭カラーだそうじゃ あ〜りませんか!!!
たとえ本編は(いつも通り)下描きであろうとも、 こんなにも華々しく『HUNTER×HUNTER』が 次回予告されるなんて・・・・・・明日は雪かしらね? (それがFANの言う事かっ!)
しかも巻末には、 「久し振りに色を塗りました、絵本も発売されます」と云うやる気満々のコメントが 書かれていて何だがとっても嬉しくなってしまった。
たとえ本編は(いつも通り)下描きであろうとも・・・・・・
ところで冨樫先生が描かれたと云う『絵本』の詳細を 奥様の武内直子先生のHPで確認してみたら、 キャラクターも可愛らしくてほのぼのした子供向けの作品らしいので何だか ちょっと肩透かしを喰らってしまった。
冨樫先生がご自分のお子さんの為に描かれたそうだが、 毎晩『江戸川乱歩』の小説を寝物語になさっている位だから、 てっきり私は “瞳が見えない少女の為に人々から眼球を抉り出して集めてくる鴉の話”とか、 “手術を簡単にする為に医者に身体にチャックを付けられた男が、 そのチャックをうっかり閉め忘れて、内臓を全部こぼしてしまい、皮だけになってしまう話” みたいなブラックな『暗黒童話』かと予想していたのに・・・・・・
いずれにしても来週の巻頭カラーが楽しみである。
たとえ本編は(いつも通り)下描きであろうとも・・・・・・?(←それがFANの言う事かっ!)
(文中の『暗黒童話』は最近ハマっております乙一さんの作品を参考に致しました)
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