コトバアソビ

2004年11月24日(水) 君への言葉

君にあげよう

この言葉を



探し続けた君だから

もう遠くならないように



もう「待つ」なんて

強がりを言えないから



たった一つの言葉を



たった一つの真実を



この星空の下で

星の輝きに負けないくらいの

リングと共に



2004年11月23日(火) 何が大切?

別れを告げるのは

簡単で


別れを惜しむのは

難しい


だから

僕らは

何を大切にするのか

考える



2004年11月19日(金) 二度と会いたくない猫

「勝負しようか?」
と猫が顔を洗いながら
言ったから

見下されたみたいで
嫌だった


「それじゃ この闇の中を
たった一人で行きな」
余裕のように
しっぽをゆらゆらと揺らす


ずっと歩く
真っ暗なのに道が
ねずみ色に光る

植物も息を潜めて
身を寄せ合って

空を見ても
星は 小さく光ってる

誰も居ない
ただの闇

猫の目さえ
もう見えない


猫の声が
高く聞こえる

「振り返るなよ

振り返ったら呑み込まれてしまう」


もう猫とは会わない
二度と出会いたくないから
振り返らずに
今も歩いてる



2004年11月09日(火) 王子様

泣きじゃくっていた少女は

落ち葉の中で眠り姫になった


だけど そんな永遠の眠りなんて

無くて

誰かが起こした


落ち葉を燃やして

無理矢理に


どんどんと燃える

赤々と荒々しく

凍えきった身体を

火照らす


燃やしたのは

起こしたのは


誰よりも強くて

誰よりも惹かれた

誰よりも目を奪われた


灰だらけのシンデレラに

ガラスの靴を見せたのは

白馬に乗った王子様では

なかったけどね


そんな王子様でも

充分幸せ


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TOPの詩の続きで ハッピーエンド♪



2004年11月08日(月) 髪結い

夏に切った髪が

少し邪魔になるくらいの長さになって

いつの間にか忘れてしまった君の声


あんなに好きだった君が

髪を括る度にぼやけていって

強くない自分を一生懸命追い出して

毎日を過ごして

一息吐いて眺めた空は

透き通ってて白い雲がのんびり歩いてた


そろそろ首が寒くなってきたから

括るのをやめようかな



2004年11月04日(木) 香水

お遣いで来た化粧品店で

懐かしい香りが漂う


彼は言う
『香水が好きなんだ』と

私は思う
『あぁ キツイ』と


それでも近くに居たかった


彼とは もう会わないかもしれない

何処かですれ違うかもしれない


私はきっと気づかない

顔なんて もう朧気しかないのだから


でも 彼の着けていた香水の香りだけが

彼を思い出すきっかけ

たったそれだけしか

私には無い



2004年11月01日(月) 表詩(王子様に続く)

君は言ったのに

『お前が一番だよ』って


いつの間にか進んでいた道が

違っていたんだね


君の笑顔は 誰に向いていたんだろう

愛おしいと想ったのは 誰だろう


君は 笑顔で言った

「彼女ができたんだ」


ヨカッタネと偽りの笑顔で言うから

子供みたいに泣きじゃくらないから

偽りのまま終わらないよう

少しだけ落ち葉の中で眠らせて


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