蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2014年03月30日(日) 祝辞兼訓辞

夫婦だー!と言って区役所前の道路をバーっと走って、タクシーにピッてクラクション鳴らされてから、10年がたった。

昨日、世田谷文学館「クラフト・エヴィング商會のおかしな展覧会−星を賈る店」のおかしなトークショーその4[金曜日の本と未来の本]を聴きに出かけた。ちまちまと往復はがきを送り抽選で当たったのだが、どうやらかなりの倍率だったらしい。

吉田篤弘さん吉田浩美さんご夫妻は≪クラフト・エヴィング商會≫の名で、本を書いたり装丁などのデザインをしている。加えて何やらおもしろいアート作品もたくさん生み出している。今回の展覧会は初めての棚卸的展覧会で、会期最終日前日に、吉田さんご夫妻と出版各社の担当編集者による“公開編集会議”という位置づけのトークショーだ。

その内容はもったいなさすぎるくらいおもしろかったのだが、それはまたあとで別にまとめるとして、本物の動く吉田さんは作品から受けていた印象とは全く異なり、とてもおしゃべりな方だった。でもたぶん、人前で話すことが好きというよりはどちらかといえば、思いついたことやおもしろいことを外に出さずにはいられない、アイディアがあふれてあふれて仕方ないという感じに見えた。浩美さんもよく通る大きな声でカラカラと笑い、そうよそうよ、って吉田さんの話に合いの手を入れていた。お二人とも楽しいことを見つけるのがすごく上手で、おお、これは!と日々の生活に通じる何かを得た気がした。

結婚10周年を迎えるにあたって、これ以上ない最高の時間、またとない出会い(直接お話はしていませんけどね)だったことは言うまでもない。このトークショーを私は勝手に10周年の祝辞兼今後に向けての訓辞として受け取ることにする。

とりあえず今日から思いついたことを自室の壁にぺたぺた貼っている。


2014年03月05日(水) 春の気配

寒がりの夫がめずらしく、最近そんなに寒くない、とぽつりと言った。

3月に入ってもしつこく南下してくる寒気のせいで、相変わらず北風がびゅーびゅーと吹きつける朝の通勤路、おお寒い!と縮こまりながらも、まぶたで受け止める日差しには春のぬくもりを感じる。すぐそこまで、春が来ている。ちゃんと居る。そのことに少し勇気づけられる。

気温が同じでも日差しの角度が違うからね、と夫に返事をする。


2014年03月03日(月) うまくいかない理由

寒さ続きでガッタガタ。あちこち痛かったりかゆかったり、熱っぽかったり、からだの調子が悪いと気持ちまでふさぎ込んでくる。気持ちがへこむとからだの具合も悪くなる。からだが先か、気持ちが先か、いつもはっきりとしないけれど、それらがつながっていて、互いを道づれにしていることだけは、経験的によくわかる。

やっかいな問題はこういうときを選んですり寄ってくる。ひとつずつ、助けたり、励ましたり、支えたり、譲歩したり、いっしょに考えたり。でも、それにも限界がある。相手にもよるけれど、いつまでもいつまでも、前と同じように、なんて虫のいい話だ。基本的には、自分の人生には自分で責任持ってよ、と言いたい。うまくいかない理由を他人のせいにしないでほしい。

同じ言葉を自分にも浴びせたい。他人の厄介事に絡め取られたせいで私の人生が、と考えたことはないだろうか。・・・ある。大小取り混ぜたら、何回もある。

きっかけは他人のせいだったかもしれないけれど、だとすれば置かれた状況をどう捉えるのか。甘んじて受け入れるのか、粘って立て直しを試みるのか、あるいはぜんぶ放り投げるのか。選ぶのはそこだ。そしてそれを選ぶのはほかでもない自分だ。その判断までもを他人に委ねるな、と言いたい。

いろいろ考えていたら自分に返ってきた、強烈なビンタ(比喩です)。選ぶのは行き先やなりたいものなんかじゃない。


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