蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2012年12月12日(水) マロの日

マロ、死んじゃったみたい。

昼の12時ちょっと過ぎに母から届いた携帯電話のメール。すぐに実家に電話して、今からそっちに行くから!と伝えて飛び出す。

ここ2年くらい、少しずつ弱ってきて、体も痩せてますます寝てばかりで、見るからにおじいさん犬になっていた。目もよく見えていないようだし、頭もときどきボケていたと思う。全体としてはゆるやかな下降線を辿りながらも、その中に小さな浮き沈みがあって、なんか変、あれ、もしかしてだめかも、と思うときもあれば、まるで別の犬のように元気にはしゃぐときもあった。そのうちにご飯がかめなくなり(お湯でふやかした)、後ろ足がきかなくなって立ち上がれなくなり、雷で驚かなくなった(つまり耳がほとんど聞こえなかったということだ)。トイレの場所は最初からあまり覚えていない。

昨晩、ご飯を食べてもどし、夜中に突然うんちをし、朝はかろうじて散歩に出たもののご飯が食べられず、水も飲まなかったと母から報告を受けていた。あらら困ったな、ご飯はともかく水だけでも何とかならないかな、と思案していた矢先に死んでしまった。あっけなかった。

マロが使っていた大きめの座布団に横になった姿は、ただ寝ているようにしか見えない。いつもの体勢で目を閉じていて、耳を近づければ寝息さえ聞こえそうだ。触ると毛の奥の皮膚がわずかに弾力を失っているようではある。まだそれもほんの少しの違和感でしかない。なでたら、涙が出てきた。

動物病院と役所に電話。そして以前から探しておいた移動火葬車に連絡をする。実家は山の中腹で住宅もまばらだからできることかもしれないけれど、暮らした場所でお葬式をしてあげたかったから我が家にとってはこの方法がよかった。翌日、母と妹と私の3人で立ち会って、マロを送った。マロは雲ひとつない晴れた空に、迷わず昇っていった(父のときもそうだったな)。

小さな(と言ってもそこまで小さくはなかった)骨壷は立派な錦糸袋に入っていま仏壇の前にある。たくさんの花に囲まれている。マロの写真も一緒に飾っている。実家にいる間は、気がつくとそのあたりを眺めている。自分が見ているだけでは涙は出ないけれど、母や妹がじっと見つめているのを横で見ていると涙が出てしまう。人が悲しんでいる様子を見るのは、自分が悲しみを感じるのよりもつらい。

マロは一般的にはあまり頭はよくなかったかもしれない。散歩が嫌いで、犬というよりはどこか猫のような、変わった犬だった。でも、気持ちのやさしい、人の気持ちのわかるお利口な犬だったと思う。マロはマロなりの方法で家族を助け、いっしょに暮らし、母には好きなだけ甘えていた。あっちで、きっと父に会っていると思う。

マロ (ウェルシュ・コーギー・ペンブローク ♂ 12歳8か月)
2012年12月12日 昼12時くらい 永眠


-------------------キ---リ---ト---リ---セ---ン-----------------

移動火葬車についてはときどきニュースでも問題になっているように、業者の良し悪しがあるので、事前によく調べておくことをおすすめします。今回選んだところは、サービス内容や料金体系が明確であること、長く続いていること(最初に調べてからさらに2年経過)、我が家は遠距離にもかかわらず追加の出張費がかからなかったこと、電話の応対が良かったことで決めました。


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