蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2011年09月23日(金) 眼鏡の効用

この頃ずっと目の奥が痛かった。目が悪くなっているのに無理して目に力を入れてものを見ていたからかもしれない。眼鏡をかければ目を細めたり力を入れなくても文字がよく見える。あまり本を読まなくなり、日記も書かなくなっていたのは、目が悪くなったせいで億劫になっていたからかもしれない。そうだとしたら眼鏡をかければ本もたくさん読むし日記も書くようになるはずだ。期待したい。

目の奥が痛いから目をつぶる。目をつぶると寝てしまう。ならばちょっと横になろうかと、体を平らにすると1分もたたないうちにすとんと眠りに落ちる。そんなに体が疲れているのか、それともただ寝過ぎのくせがついているのか。夜寝る前に相方が隣でぼそぼそしゃべっているのも、夢うつつで半分も聞こえていない。悪いなと思いながらも眠気には勝てない。

ときどき涼しい日があると、どこかにたまっていた夏の疲れがどっと押し寄せる。日焼け、肌荒れ、睡眠不足?寝てないわけじゃないけれど、夏の間じゅう、朝起きた時にはすでに暑くて疲れていたような気がするのだ。今年の夏ももれなく暑かった。

クウネルの往復書簡で、雨が亡くなったことを知った。江國さんの犬、アメリカンコッカスパニエルの雨、雨はコーラが飲めないのあの、雨。たくさん病気もしていたようだけれど、たしかにたくましかった。ずっと前、とあるビルのエレベータで江國さんと一緒になったとき、江國さんの髪と雨の毛並みがどこか似ているなと思ったのを、ふと思い出した。


2011年09月22日(木) 雨はいちんち眼鏡をかけて

ああ、ついに!

眼鏡を買った。この前の健康診断で両目0.7で、以前から見えにくいとは思っていたものの、こうして悪化したことを数字で示されて、やっぱりなと確信した。

平日の買い物途中にふらりと眼鏡屋さんに寄り、愛想のよさそうな店員の女の子に声をかけて一緒にフレームを選んでもらう。目が悪くなっちゃって、乱視もあるみたいで物がずれて二重に見えるんです、数字の3なのか8なのかよくわからない感じで・・・。満月もマスターカードみたいにずれて見えるし。今までは裸眼で、眼鏡をかけるのは初めてです、どうやって選んだらいいですかね?なんて話しながら、女の子が持ってきてくれるフレームを次々とかけてみる。黒縁も憧れるけれどかけた自分の顔はきつい印象でまだまだ見慣れない。まずは手始めになじみの良さそうな薄茶色のプラスチックフレームにする。つるの部分に少しだけ白とピンク色が入っている。

次の測定ではいろんな機械を覗きこんで、結局、両目0.5(なんと!)で90度の乱視とわかった。乱視に角度があるなんて知らなかった。レンズの試しがけをしたらあまりに世界がくっきりしていて驚いた。文字も人も飛び込んでくるようだ。いったい今まで私は何を見ていたんだろうか。衝撃を受けつつそっと試し用の眼鏡をはずしたら、今度はそのぼんやり加減に驚いた。ほんの数秒前までよく見知っていた世界よりもさらにぼんやりしていて、私の知っている世界は一瞬のうちにどこにもなくなってしまったようだ。

眼鏡はその後30分でできあがり、今はそれをかけてパソコンに向かっている。ああ、文字がよく見える。ミルクティーを飲もうとマグカップを持ち上げたら視界が曇った。いちいち新鮮だ。

これで正真正銘、雨はいちんち眼鏡をかけて、になった。うれしい。10年越しの恋みたいだ。目が悪くなったのはほんの少し残念だけれど、眼鏡をかける生活には心底憧れていたのだから、これでいい。

そうそう、眼鏡を買うのは今年の目標のうちの一つでもあった。


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