蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2009年12月31日(木) 読んだ本≪2009年12月≫

図書館で借りても読みきって返せる本はわずか。それでもいいんだ。他にも何冊かあったけれど、忘れた。


川上未映子『世界クッキー』
一行感想:リズムが好き。賛否両論ありますけども。

江國香織『雪だるまの雪子ちゃん』
一行感想:読んだ、というか途中まで。

近藤史恵『天使はモップを持って』
一行感想:図書館の展示にあって何気なく借りた。おもしろくてすいすい読んだ。


2009年12月28日(月) ふり返ってみれば

とにかく今年は父の介護に悩んだ1年だった。病気の進行、病気そのものの扱いにくさ、病気が連れてくる社会的な煩わしさ、闘病で荒れた父の心、そんな父と私の関係、父と妹、父と母もしかり。綱渡りの生活の中で追い打ちをかけたのは、11月の腰痛の再発と母の不調で、このときは本当につらかった。父一人ならまだしも母までぶっ倒れられたら、どう考えても身が持たない。ギリギリのところで必死に食い止めようとした。自分の体調が悪化すれば他人に気をまわす余裕などなくなることも思い知った。

互いの存在で何とか成り立っていることはそれぞれわかっているはずなのに、どうしても起きてしまうのが妹との小さな諍いや意見の食い違いで、こればかりはどうしようもないのかもしれないけれど、できるだけ傷の浅いうちに修復したい。

はじめのうちはこのとんでもなく疲れる生活をただ必死にこなすことだけだったのが、実家にいる時間が長くなるにつれて、本来の東京の生活がどんどんはかなく頼りなくなっていくことに不安を覚えるようになり、そのことを考えるとどうしようもない敗北感のようなものが押し寄せてくる。相方に迷惑をかけ続けていること、仕事に穴を開けまくっていること。いいよ、だいじょうぶだよ、気にしないで、と言ってくれることがせめてもの救いで、でもそこにはたくさんの我慢があることが手に取るようにわかるので、ひたすら申し訳ない。

今年はたくさん本を読みたい、と年初に書いたものの、とてもたくさんなんて読んでいる場合ではなかった。それでも図書館に行けるときは行って本を借り、読めないなりにも持ち歩き、中にはほっとする言葉を見つけ、新しい出会いもあった。たくさんでなくてもいい。絶やしてはいけないな、ということだ。

来年はどんな年になるだろう。きっとまた父の介護に悩むんだろう。行ったり来たりの生活で消耗していくに違いない。仕事もどうなるかわからない。また人に迷惑をかけざるを得ないことになるかもしれない。

でもどんな状況でも、本当に大切にしているものは絶対に自分から手を離してはいけない。そしてそれさえあれば、あとのことは案外どうにでもなったりするもんだ。それくらいでいい。あきらめない。ふてくされない。放っておけばどんどん複雑になっていく人生を意識的にシンプルに。あれもこれもとたくさん抱えようとしない。茶碗はひとつじゃないけれど、それくらいの心意気でいたい。


2009年12月18日(金) 小鳥のお留守番

12月のはじめの週のこと。私が実家に行っている間、いつもなら文鳥まるは相方と東京で留守番なのだけれど、その週は私の留守と相方の出張が途中で重なってしまい、どうしたものか、さすがに12月にもなって寒くなってきた頃に小鳥を置き去りにするわけにはいかないと思い、移動用の小さい鳥かごで4泊5日、まるを実家に連れて行った。

昨日(いや、一昨日だったか)、そのときのことを思い出して、相方がぽつりと言った。まるがいないと家に帰ってきたときさびしいんだよね。それを考えると、もしまるが死んじゃったらきみとぼくは生きていけないんじゃないかな、と思ったよ。

ちょっと大げさかもしれないけれど、その気持ちはよーくよーくわかった。まるはとりたててなにか芸ができるわけでもないし、お金を稼いでくるわけでもないし、餌は散らかすし、指は噛むし、日が沈んで暗くなったら寝ちゃうし、いばりんぼであまえんぼで困ったかわいい鳥なのだ。

どんなに帰宅が遅くても、玄関のドアを開けるとその音に気づくのかピッ、ピッ、と鳴いて呼ぶ。帰ってきたときに誰かが待っていてくれることの温かさ。私がいない間を、まるは小さいなりにまるのやり方でがんばって埋めてくれているようだ。


2009年12月16日(水) 怒り蟲

イカリムシとでもよんでほしい。虫じゃなくて、蟲なのだ。

久しぶりに帰りの新幹線で書く。先々週、先週と実家に週5日、2日おいてまた実家に2日いた。私の東京の生活が擦りきれた布のように、薄く頼りなくなっている。

週明け月曜日、仕事を終え実家に向かう。交替する妹が待っている。でも私はいつになく後ろ髪をひかれる思いだ。東京にいる時間が短くて疲れが抜けないばかりではない。相方が前日から風邪気味なのに何の力にもなれないことが寂しく悲しいのだ。相方は気にしないでいいよ、結婚する前の独り暮らしのときは一人でなんとかやってたんだし、と言う。

そうは言っても、である。実に心苦しい。心の中の優先順位と実際の行動が矛盾していて、息をするのもつらいくらいだ。

そんな状態で実家にいたら、いつも以上にイライラして、怒り蟲が胸の中を駆けずりまわって、私は壊れたレコードみたいになってしまった。必要以上にどたばた動き、こっちにいる以上は全て完璧にしなければと、結果的には自分を追いつめた。

東京に戻ったら、怒り蟲の退治に専念したい。


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