蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2009年07月31日(金) 読んだ本≪2009年7月≫

記録してたのは2冊。これだけじゃなかったような。でも今となっては思い出せない。


金井美恵子『目白雑録3』朝日新聞出版(図書館)
一行感想:人も猫も老いる。わかりきっていることなのに、頭がなかなか追いつかない。

川上未映子「ヘヴン」群像8月号(自分の)
一行感想:14歳であんなに難しいこと考えたかな、と長い長いセリフのたびに思う。
追記:『ヘヴン』単行本9月1日発売!


2009年07月23日(木) とりとめのない話

同じくらいの年齢の人が場を得て活躍しているのを見ると、彼(彼女)らは才能や環境や出会いに恵まれているなあ、なんてうらやましく思って軽く落ちこむことがある。落ちこむことじゃないかもしれないけど、気持ちが沈んでいくのを止めるのは難しい。もう勝手にひんやりした風が背中をすっと吹き抜けるみたいに、どうしようもなくさみしい。

ずっと年上の人だと思っていたら自分と同い年だったとわかり驚くことがある。その場所までどうやってたどり着いたのか。想像できなさ過ぎて、出るのは平凡な相づちか乾いた笑いくらい。

最近なんて、朝マンションの廊下で2歳くらいの子どもを連れたお母さんとすれ違うだけで沈む。もちろん笑顔を表面に貼りつけてあいさつはする。

私にも手ごたえがほしい。ガツンとした、手ごたえ。まだ見つからないのか、どこかで落としてきたのか。自分でつかんで引きよせるときの力みたいなものを感じたい。

10分後。わかった。好きなものは好きなまま、それが好きだということを絶対に忘れないように。そのあとはまた、別の話。


2009年07月22日(水) ぼんやり頭で気がついた

いかーん!

全てはネタになると思えばこそ、肥やしになると思えばこそ、力が出てくるというもの。今の、このボロボロ感をじっくり味わって、よく覚えておかなければ。


2009年07月21日(火) 寝ても寝てもねむくて

頭がキシキシ痛む。体にまとわりついた疲れがぜんぜんとれない。寝ても寝てもねむい。疲れがとれる気配がみじんもない。こんな状態がいったいいつまで続くのだろう。そういう思いが頭をかすめたその一瞬あとに、数ヶ月から長くても半年だ、と、かろうじて冷静な私の一部分が返事をする。

「いつ終わるかわからない」ことと「かならず終わりは来る」ことがイコールなのだ。さっぱり理解できない。実感としてはどこまでも果てしなく続きそうな気がする。この持久戦にリタイアはなくて、どんなに疲れても止まらない時間に乗っかってずるずると引きずられていくだけだ。

やっぱり疲れてるな。文章がうしろ向きだ。

たまには小説の話を。何日かかけて群像8月号掲載の川上未映子「ヘヴン」を読んだ。一挙掲載400枚の新作長編で、大阪弁はきれいに封印されている。7ヶ月近くの執筆風景を追った「情熱大陸」は録画してまだ見ていない。川上未映子の小説は大阪弁のも、大阪弁じゃないのも、どちらも好きだ。大変だろうけれどこれからもたくさん書いてほしい。


2009年07月15日(水) ハードルを飛び越えるかのごとく

昨日、関東地方は梅雨が明けた。毎日ジリジリと焦げる音がしそうなほどの強い日差しとドライヤーのような熱風に、もうこのまま梅雨明けするかな、と思っていたら案の定、たいした雨も降らないまま明けてしまった。さあどうする。これから夏って、長過ぎやしないか。

先週、父が緊急入院した。病院にいるとわかっていてもなんだか気が抜けない。いつ電話がかかってくるかわかったもんじゃないからそわそわしっぱなしで、さらにひどいことに月末には病院の都合で退院しなきゃならないから、その後の在宅のことを考えると胃が痛くなりそうだ。ケアマネさんと相談して策を練る。

父はこれまでに何度も余命宣告をされてはそのたびにハードルを飛び越えるかのごとく生き延びている。今の病院に転院してきたとき、あと1年くらいかなと言われ、その1年が過ぎた。次には在宅往診医に、秋か冬でしょうと言われ、冬を過ぎて春も過ぎて夏まで来た。今回主治医が言うにはそろそろ限界だそうだ。いつ急変してもおかしくないという。

そうか。だって、1年て言われたのにもうすぐ2年になるもんね。思えばこれまで風邪もひかず(!)、転んで骨折することもなく、致命的に食べ物をのどに詰まらせることもなく、おおむね安全に在宅療養できたことは運が良かった。家族もこれ以上ないくらいがんばっている。関わってくれる人たちも親身になってくれている。制度上は至らないところだらけだけれど、それは今言ったところでどうにもならないし、この状況で社会と戦う気力は湧いてこない。運が良かったこと、がんばったこと、この2点に尽きる。

これからが大変だ。今までよりもっと大変だ。ひっくり返りそうになるくらい疲れて、心身とも辛いだろうことは容易に想像できる。でも私は受けて立つ。逃げたい気持ちとともに武者ぶるいがする。変な感じだ。ともかく精いっぱい自分のできることをしたい。

当の本人は医者が限界というわりには、今は病院で(常に苦しいのとだるいのと痛いのとあらゆる不快感を我慢した上でそれなりに)落ち着いている。病室へ行くとまだ大丈夫なようにも見えるし、いつ急変してもおかしくないと思えばそういうふうにも見えなくもない。よくわからない。

ちょっとでも父のことを考えると涙がじわっと出てきそうになるのは、なんとかならないものか。泣いている場合ではないのだよ。


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