蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2009年01月31日(土) 読んだ本≪2009年1月≫

1月は7冊。体調が悪かった割に、はかどった。


石田千『しろい虹』ベストセラーズ1680円(図書館) 
一行感想:できることなら私も日々こういう穏やかな気持ちで居たい。


石田千『山のぼりおり』山と渓谷社1890円(自分の)
一行感想:湿度の高い、濃い緑の匂いを胸いっぱい吸い込みたくなる。


石田千『踏切みやげ』平凡社1680円(図書館)
一行感想:私の知ってる踏切も載っていた。わりと近い。


中島京子『平成大家族』集英社1680円(図書館)
一行感想:中島京子は本当にうまい。いつも期待を裏切らない。


江國香織『左岸』集英社1785円(図書館)
一行感想:分厚いうえに段組みでひるむ。早く読み終わって安心したい。
追記:読み終わった。ぐったり疲れた。堪能した、とも言える。


長嶋有『ぼくは落ち着きがない』光文社1575円(図書館)
一行感想:ベニヤ板の向こう側が楽しそうでうらやましい。


川上弘美『ざらざら』マガジンハウス1365円(図書館)
一行感想:川上さんは短編の方があっさりしていて好きかも、と今頃気づく。


2009年01月28日(水) 浄化作用

川上弘美『ざらざら』は主にクウネル連載の掌編を集めたもの。どれも短い話で、細切れの時間に2、3編読むのにちょうどいい。見たことがあるような題名はたぶん買ったクウネルで読んだものだ。でも話の筋はまったく覚えていないので、はじめて読むのと何も変わらない。

川上弘美の作る話の中はいつでもお酒が楽しそうに見える。そう言えばもうずいぶん長いこと、外でお酒を飲んでいないことに気づく。この場合の「外でお酒」は仕事がらみじゃない楽しい予定のことだけれど、仕事がらみですら今の職場は飲み会というものがほとんど皆無(つい最近新年会をやったのがこの2年間で初めてのこと)なので、ますますそんな機会はないことになる。

これはすごいことだ。ちょっと自分でも驚く。そのあまりの機会のなさ加減に。かと言ってそれがなにか不都合だったかというと、そうでもない。外にお酒を飲みに行かないことについて「何も感じていなかった」というのがいちばん驚くところかもしれない。

結婚してからは、特に今の職場に移ってからは、自分から誰かを誘って飲みに行く、ということはなくなった。誰かから誘われれば、いったん保留して相方の予定を聞いてみて、その日ご飯がなくて私が遅くなってもよければ、行く。別に縛られてるとかそういうのではない。単に昼も夜も外食じゃあ落ち着かないだろうな、私もそうだし、という思いがあるからだ。うちのごはんを食べないでいると、体がだんだん疲れてくる。いつの頃からかそういうふうになってしまった。

でも、仲良しの人や会いたかった人と外でお酒を飲むのはいいことだ。それには浄化作用みたいなものがある。お酒と人と場の効用。大勢はにぎやかでいいけれど、どちらかと言えば2人とか3人とか少人数で飲むのが好きだ。相手の話がよく聞こえるのがいい。言葉以外に伝わってくるものもたくさんある。そういうのが楽しい。お酒の味も濃い感じがする。


2009年01月26日(月) こうなれば他力本願もあり

前髪好調。

1月も今週で終わる。早い。早過ぎる。年が明けてから私も相方も体調がパッとしない日ばかりで、重たい体を引きずってなだめすかして日一日を(まあ、主に仕事のある日だけれど)なんとか乗り越える。そればかり。その繰り返し。

ますますひどくなるのは肩コリで、猫ストレッチも、お風呂も、風門(ツボ)に貼るホッカイロも、葛根湯も、どれも解決にはほど遠くまるで歯が立たない。もうここまできたらとにかく一度は他人の手でもみほぐしてもらわにゃならんだろう。マッサージに行きたい。

できれば毎晩、ふとんにばったり倒れこむ前に、ひととおりストレッチをしたい。でもなかなかそうはいかない。時間はせいぜい10分くらいでいいので時間がないわけじゃなくやる気がないだけ。腰、肩、背中、首、脚。ガキガキにこり固まった体を少しずつだましだましのばすと、さーっと血が流れるのがわかる。今までつまってたってことだ。本当かどうかはわからないが。


2009年01月22日(木) もれなく付いてくる

昨日は仕事のあと、髪を切りに美容院へ行った。意を決して前髪を作る。と言ってもおでこを隠すのは嫌いなので、思いっきり短い前髪にする。例えば安田成美のような、もしくはアメリのような。

うしろは相変わらずボブくらい。首元がすっきりする。これでまた風邪をひかないように注意しなければ。冬は毎日のようにタートルネックを着て、マフラーも毛糸帽も手放さないので、これ以上いったい何をして防衛すればいいのか。

髪を短くするのは楽しい。眉毛から遠く離れた今回の前髪のねらいは、意味もなく楽しくてうきうきする感じを常に自分の中に持ちたかったから。どこか茶化すようなこの子どもっぽい前髪は、「世の中そんなに憂うことばかりでもないって」と誰にともなく言っているつもりで、「楽しいことはそこいら辺にいつもころころ転がってるよ」とも言っている。

家に帰って鏡を見たら、その顔は安田成美でもアメリでもなく、クレラップの子だった。自分で気に入ってやったとはいえ、相方の酷評は覚悟していたが、私の顔を見てやっぱり「ラップの子」と思ったようで、ちょっと切り過ぎたんじゃない?でもかわいい、と言ってくれた。おお、涙ぐましい。

前髪のある顔は2日目で、まだ自分でも見慣れない。鏡を見ると一瞬の違和感のあとに、吹き出しそうになる。ぷ、子どもみたい。おかしくて笑えて気が抜ける。自分の顔を鏡で見るたびにもれなく笑いが付いてくるなんて、なんて楽しいんだろう。


2009年01月21日(水) あと10分

この頃は毎晩、夜11時くらいにふとんに入って、12時過ぎまで本を読んでから寝る生活をしている。『左岸』も3日目。熱中のあまりやや寝不足。本当は12時より前に切りのいいところでやめて寝ようと思っている。でも、読んでいるとどうしても、あと10分、もうあと10分、とずるずる読み続けてしまう。気になるその先を知りたい。少しくらい寝るのが遅くなったってそう変りはしない、起きようと思えば起きられるし、とそのときは軽く考えているけれど、朝になったらなったで、ああやっぱりあのときさっさと寝てればよかった、まだ眠いし、もっと寝てたいー、と強く思う。思わないわけがない。ふとんから無理やり体をひっぱがしながら毎朝そう思う。

『左岸』は厚さでいうとあと4分の1くらいになった。寝る前の小1時間と通勤途中とお昼休みをつぎはぎしてやっとここまできた。前半は読めども読めどもなかなか進まなかった。半分を越えたあたりからは急に早くなって、話もどんどん展開していった。熱中しているのはただ物語の先が知りたいからであって、すごく好きとかどっぷり浸かるとかそういうのとは違う。登場人物の中では祖父江九だけが違和感たっぷりに浮いていて、超能力だなんてがっかりだけれど、これはきっと『右岸』とのつじつま合わせだろうから、しっくりこなくて当たり前なのだろう。もう一方の『右岸』(辻仁成著)を読むつもりはないので、九についてはこのまま、わからないことだらけのままで終わることになる。


2009年01月14日(水) 具はじゃがいものみ

風邪未だ抜けず。再び医者に行くと、ああ気管支炎になりかかってますね、咳が残る風邪は長引くから大事にしないと、と言われ、薬が4種類に増え、さらに1週間飲むことに。薬を飲めばこれ以上ひどくならないのはいいけれど、自分がいま素の状態でどれくらいまで治っているのかがわからないし、薬で熱が下がり過ぎるのか低血圧になるのか、体がふらふらするのも困りものだ。喉の奥、胸のあたりで痰がひゅるひゅる絡まっているのがわかる。咳をしたり唸ったりしたところで出そうにもない。いやだよ、まったく。

夜は職場の新年会でスペイン料理屋さんへ行き、フラメンコを見る。このところ、フラメンコを目にする機会がよくある。たいていはご飯の席で、そして人が真剣に踊っている間は食べられないのである。ちょうどステージを背にした席だったので、ずっと体と首をねじりっぱなしで踊りを見る。40分くらい延々と続いたステージを堪能したものの、その間にパエリヤはすっかりさめてしまった。風邪だからと控え目にビールとサングリアを少しずつ飲む。9時過ぎに解散。帰り道はアルコールで血の巡りがいいせいか、風が吹いても全然寒く感じない。夜空のオリオン座を確かめながら大股歩きで急いで帰る。

今日の新年会でわかったこと。
・フラメンコを習っている人は思いのほかたくさんいる(特に年配の男性)。
・見かけによらずみなさん多趣味
・スパニッシュオムレツの具はじゃがいものみ


2009年01月12日(月) ふりだしに戻る

金土日、インフルエンザの相方は寝室に閉じこもり、私はリビングに布団を敷いて寝た。お互いに相手に別の病気をうつさないように、食事のとき以外はなるべく顔を合わせないようにする。

金曜日は雨降る中を半べそで家に帰りつき、荷物を放り出し、着替え、薬を飲み、布団をかぶってとにかく寝た。熱と寒さで震えが止まらない。ときどき寝室から相方が様子を見に来てくれた。相方はタミフルが効いたのかようやく熱も下がり、やや落ち着いたように見える。

朝昼晩、薬を飲むために何か少し食べる。買ってきても、レトルトのお粥はふたりともあまり食べないことがわかった。熱や痛みはあるもののお腹を壊しているわけではないので、それぞれアンパンやバナナ、プリン、魚肉ソーセージ、カップスープ、カロリーメイト、ウィダーインゼリー、カップラーメンと冷凍しておいた玄米など、手間がかからずにすぐ食べられる物を食べる。豆腐とネギも買ってきたので一度は湯豆腐を作った。水分はポカリスエット、レモンウォーター、しょうがのはちみつ漬けをお湯で溶いたもの、野菜ジュースなど。

土曜日も日曜日も昏々と眠った。私があまりに寝っぱなしなので日曜日には相方は呆れていた。薬のせいもあったと思うけれど、とにかくいくらでも眠れた。横になって目を閉じるとすぐに眠ってしまうのだ。寝ている間、夢をたくさん見た。普段から気にしていることが次々と夢に出てきた。どれもこれも疲れる夢だった。

ついに月曜日は起きて布団をたたみ、掃除機をかけ、布団を干し、洗濯をし、スーパーに買い物に行って、お昼には親子丼を作った。片付けて図書館へ本を返しに行きまた借りて、薬局に寄って栄養ドリンクを箱買いして帰ってきたら、なんか寒気がする。調子に乗ってバタバタ動いたのがいけなかったかもしれない。でも主婦業はやらないでいるとどんどんたまって自分の首をしめていく。フラフラしながら晩ごはんにうなぎとおみそ汁とほうれん草のおひたしを用意する。熱37.8で、ふりだしにもどるのか。食べて、さっとお風呂に入って、明日の支度をして寝る。もう風邪はこりごりだ。


2009年01月09日(金) 風邪とインフルエンザの応酬

お正月の風邪が抜けきらないうちに今度は相方が風邪をひいた。火曜日から寝込むもなかなか治らず、木曜日にもう一度お医者さんへ行くとインフルエンザだったことが判明。タミフル出動。相方は結局金曜日まで会社を休み、治すことに専念する様子。そうこうしているうちに、私も木曜日の夜から再び体調悪化の予感。やばい、のどが痛い。前の風邪をなんとなく引きずったまま仕事が始まってしまい、バタバタと慌ただしく過ぎていく毎日に押されっぱなしで、自分のことはおろか、相方の看病もままならず。

痛み増すのどをかかえて、金曜日は父の通院の付き添いで実家へ。のどの痛みからいよいよ熱が出てきた模様。父に風邪(もしくはインフルエンザ?)をうつしてしまうんじゃないかとヒヤヒヤしながら2重マスクで病院に連れて行った。無事に通院を終え、こっちは熱で動けなくなる前に早く家に帰ることにして、昼過ぎに実家を出る。冷たい雨の降る中、寒さと熱でガクガク震える体を押さえて新幹線に乗り込む。

午後3時過ぎ、なんとか自宅近くのかかりつけのお医者さんにたどり着く。熱は38.3だった。インフルエンザ検査はおそらく陰性(というのは発熱後6時間までは検査しても正確じゃないとか)。薬をもらって、寝込んでもいいように食料を買い込んで、傘をさし、重い荷物を持って最後の力をふりしぼって家まで歩く。熱で体中が痛い。懲りた。本当に懲りた。歩いても歩いてもこのままずっと家にたどりつかないんじゃないかと思うくらい、すごく悲しかった。雨が余計につらかった。私が何か悪いことをしたか。完全に風邪ではないか。これで3連休はまるつぶれだ。


2009年01月06日(火) 正月休みのことなど

9連休。すぐ終わっちゃったけど。

12月30日から1月2日まで帰省。このところ頻繁に実家に行っているのでいつもとそう変りない。今回は相方とまるも一緒ということくらいか。相方の実家へは諸事情により帰らず。電話で少ししゃべり、恒例のお餅や干し芋など送ってもらう。

連日、母お手製のおせち料理その他をお腹いっぱいにつめこみ、取り立ててどこへ出かけるでもなく、掃除をしたり、テレビを見たり、寝転んだりして過ごす。大みそかは最初から最後までみっちり紅白歌合戦を見た。途中でチャンネルを変えることなく見たのはたぶんこれが初めて。そのことに家族一同で驚きあきれる。私には水谷豊がツボで(かっこいいとかではなく)、彼を見るために急いでお風呂を出たくらい。たいしておもしろくなくても通しで見れてしまうのが紅白のすごいところか。

元日、掃除も昨年のうちにやりきって、届いた年賀状も見たし、することなくて相方と散歩に出る。あてもなく坂をのぼっては下り、100円自販機を見つけ、小銭を持って出なかったことに気づく。坂の上から眺めた海はきらきら光って呆けるほどの美しさ。もったいないくらいの快晴で、でも風は冷たくて、どうにかしたいけれどどうにもできない天気の良さだ。外にずっといるには寒い。道の途中でひなたぼっこする3匹の猫に会い、2匹の犬にほえられる。約2000歩。

1月2日、帰京。その足で相方は会社の方々との新年会へ。ひとり留守番で納豆ごはん。さんざん食べたからこのくらいにしておく。

1月4日、風邪。朝起きるとものすごいめまいと吐き気。起き上がってトイレへ行くにも一苦労。ぐるぐる左回転する世界を何とか止めようと、吐き気をこらえて水を飲みバナナを食べる。何も変わらない。約束していた友達に連絡をし日を改めてまた会うことにしてもらい、ベッドに倒れこむ。ひたすら寝る。1時間か1時間半ごとに目がさめ、時計を見てまた眠る。その繰り返し。いくらでも眠れる。体がベッドにずぶずぶと沈み込んでいくような眠りだ。昼はカロリーメイト、夜はレトルトのハヤシライス。

今年はたくさん本を読もう。本と向き合う時間を大切にしよう。本はどんなときでも私の友達だから。


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