蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2008年11月24日(月) あれはどこのマックだったか

寒いけど自転車に乗って出かける。雨が降り出す前の数時間、灰色に重く垂れこめた雲の下、北風を切って走る走る。久しぶりの自転車、楽しい。色々の葉がきれい。でも寒い。こごえる。冷える。

見つけたマックでトイレを借りる。ほっとしたところでレジにてホットココアを注文すれば、当店ではココアは扱っておりません、と目つきの悪い女が返事する。(ああそう、)それならポテトください、と言えば、ただいまのお時間はポテトはございません、と切り捨てられる。ココアもなくてポテトもなくて、じゃあいったい何ならあるのさ、とは言わないまでも、この広々とした写真付きメニューの中のいったい何なら頼めるのさ、とは言わないまでも、言いたくなる心境。ただいまのお時間は朝マックでマフィンとかですけど、と目つきの悪い女が付け足す。マフィンとかですけど、って。

知ってますよ、朝マック。マフィン好きですけど、ときどき家で朝ごはん食べてきたのにソーセージエッグマフィンが食べたくてつい買っちゃったりするくらい好きですけど、今はいらないの。ポテトはございませんが、ハッシュドポテトでしたらご用意しております、って何で言えんのかね、この女は。いつも行く田端のマックのお兄さんは言えるよ、それくらい。

と思いながら、結局ホットコーヒーとハッシュドポテトを注文すると、今度は何の断りもなしに店内用のトレイに乗せて渡そうとする目つきの悪い女(しつこくてすいませんねえ)。あ、テイクアウトで、って言えば、にらみ返されて、おまけにコーヒーを紙袋に入れるときにゴテッと倒して、あ、と思ったけど新しいのに取り替えるそぶりもなく、当然すみませんも失礼しましたも何にもなく。おいおいちょっとそれこぼれてないの〜と思って見ていた。言わなかった。もうこれ以上その女に向けて言葉を発したくなかった。あとで見たら案の定ビシャッて紙袋の中でこぼれていて、しかもプラスチックのフタが割れていて、これじゃあスタバみたいにフタして飲めないじゃん。はずして飲んだけどさ。

こんなにひどい接客のマックもめずらしや。きっちりマニュアル通りで、気持ち悪いくらいにこにこして、判で押したような接客が売りのくせに。今こうやって思い出し思い出し書いていたらマックにクレームを言いたくなってきた。正確には、あの目つきの悪い女限定で。すごく若いならまだしも(それならまあ、ぼちぼち勉強しいや、社会にもまれてさ、とか寛大に思う)、結構年季入ってそうだったから余計に腹が立ったのかもしれない。ハア〜脱力。嫌いじゃないのにな、マック。今頃はグラコロですか?もう終わりましたか?

ブリブリ怒りながら自転車にスーって乗って帰ったら機嫌もなおったけれども。帰り道、途中のふれあい農園でトマトおじさん(夏のトマトがうまかった)が作ったみずみずしいばかりのカブとふっさふさの水菜とぷりっぷりのネギを買う。カブ150円、水菜100円、ネギ150円。値段はスーパーと変わらないけど、量が倍。リュックに入れて背中にしょって自転車をこぐ。リュックからはネギの青い部分がにょっきり突き出している。かっこつけてロードバイク乗っていても背中にはネギ。すかさず相方に写真を撮ってもらう。あとで見たらピンボケだったらしい。せっかくのおとぼけショットが。


2008年11月22日(土) よく噛んで腹八分目

いい夫婦の日だからっていうわけでもないけれど、近所のイタリア料理屋さんに初めて行った。おいしいかまずいか外からのぞいただけじゃ判断できないし、ずっと気になっていたのでイチかバチか入ってみる。そして当たった。じんましんが出た。

お腹いっぱい食べて帰ってきてリビングでごろごろしていたらずっしりお腹が重くなってきて、いや食べ過ぎたなあ、なんて反省していたら、みるみるうちに腕とか首とか脚とかに赤いぽつぽつが次から次へと現れてもうかゆいのなんの。おまけにお腹はしくしく痛むし、なんだか体は熱いし、その間にもじんましんはどんどこ出てくる。最悪だ。その日は風呂も入らず寝た。布団の中で痛みと痒さをこらえながら、もう金輪際、ごはんをガツガツ食べるのはやめよう、よく噛んで腹八分目、食べたい物を食べたいだけ食べるなんていやしい食べ方をしたからこんなことになったんだ、とほとんど懺悔をするような気持ちだった。ああ、ごめんなさい、もうしません、だから助けて。ちなみに相方は無事。

思うに、きっとゴルゴンゾーラのリゾットが原因だったような気がする。お店が悪いというよりは私とゴルゴンゾーラチーズとの相性かもしれない。でもこんな思い出のお店にはもう行くこともないだろう。この思い出をおしてまで行きたい店でもないということだ。

やれ腹が痛いの、じんましんだのと騒いで寝てしまった私の代わりに、相方は浴室に洗濯物を干しておいてくれた。そんないい夫婦の日。


2008年11月19日(水) 超特急のコトコト

行き帰りの電車で銀色夏生著『銀色ナイフ』を読む。くどい。本人もまえがきで、今回のはかなりくどい、校正もほとんどせず敢えてくどくした、くどさを残したかったと断ってはいるが、事実、本当にくどい。もう読むのをやめたい。くどさだけならまだしも「私は正しいあなたは間違い」というような指摘の連続で、不快な気持ちが少しずつ確実に積もっていく。いくらなんでも校正はもうちょっとした方がよかったのではないだろうか、人に読ませるのだから物書きとしてあの文章はどうなのだろうかと、分厚い本だけに残念な感じがする。銀色さん、きらいじゃないんだけど、ただただ残念。ああ、買うんじゃなかった。そのときはとにかく何でもいいから読むものが欲しかったのだ。

ゆうべ帰ってから急いでおでんを煮たら案の定、じゃがいもは溶け、ウィンナーは割れた。おでんを煮ながら母に電話し、いま超特急でおでんをコトコト煮てる、と言ったら、それはまた難しいこと、と言われる。たしかに、コトコトを超特急でするには無理がある。

おでんのウィンナーはなんと言ってもシャウエッセンがいちばんだ。冷蔵庫に森の薫りがあるのにわざわざシャウエッセンを買いにスーパーに寄った。シャウエッセンは煮続けても皮が厚めだからか味が薄くなったりしない。他のだと肉から味が抜けてしまってぼんやりとしておいしくない。

おでんの具人気トップ30なんていうのを見ていると、トマトというのがあった。未だにトマトおでんに出会ったことはないけれど、相方に訊けば知っているという。たぶん丸ごと1個だろうけれど、湯むきはするのだろうか。ぐずぐずになっておでんのスープ全体がトマト味になったりしないのだろうか。まだ見ぬトマトおでんに興味は尽きない。

もうひとつ、我が家ではおでんに入れる野菜として定番のニンジンさんが、トップ30に入っていなかったのだ。おでんにニンジンさんを入れるのは世間的にはめずらしいことなのかもしれない。同僚に訊くと、おでんに人参は入れないですねえ、と不思議がられる。茶色が多いおでんの中では色味がよく、やわらかく煮えたニンジンさんはおいしいと思うけれど。

今夜はおでん2日目。大根にいよいよ味が染みていい頃合いのはずだ。


=====================キ==リ==ト==リ==セ==ン============================

ご飯は焼きおにぎりにして正解。小さめに握ったら心持ち平べったくして、フライバンで焼き目を付けたらおしょうゆとみりんを刷毛でぬってさらに香ばしく。右手にお箸、左手に焼きおにぎりの幸福。


2008年11月18日(火) そろそろおでん

週末の3連休は久しぶりに3日間とも在京の予定。たまにはゆっくりしなさい、こっちはだいじょうぶだから、と母の好意でぽっかり空いた3連休、伸び放題の髪でも切りに行くか。天気がよければ自転車に乗ろう。もうやんカレーも食べに行きたい。しかし、あちらはあちらで毎日さまざまな問題が大小取り混ぜて、一見わる気のない感じでぷかぷかと、それはまるでぽにょの泡のように次々と現れているはずなので、やっぱりその日になってみないと本当のところはわからないのである。と、どこかでひそかに構えている私はただの心配性なのか。

昨日は二の酉で(今さらながら母に教わる酉の日のこと。日にちには干支がふってあって、今年の11月の最初の酉の日は5日、これが一の酉、2回目の17日は二の酉)、29日は三の酉で、三の酉まである年は火事が起きやすいという話もあるらしい(これは昨日の夕刊で知る)。酉の市、商売繁盛の熊手とかそういうのとは無縁な生活だったもんで、そりゃ知らないわけだ。会社勤めのサラリーマンが熊手を買ったところでね。お祭りも縁日も滅多に行かないし。酉の日はともかく、「11月」にやるのはなぜなのか。調べれば、日本武尊がどうのこうのとあり、神話のよくわからない私はここであいにくフリーズ。神話ね、正面からちゃんと取り組めばきっとおもしろいのだろうけれど、今のところ食わず嫌いでまったく吸収できず。いずれ時が来れば興味もわくことだろう。まあ、くれぐれも火事には気をつけて。

今夜から明日にかけてこの冬一番の寒気がやってくるというし、そろそろおでんを作ってもいい頃だ。汁が濁るの覚悟でじゃがいもも入れよう。この冬はじめてのおでんだ。味のしみ込んだ大根も人参も卵も全部おいしい。たまらん、冬の醍醐味。ひとつ困るのは熱々おでんを食べるのに夢中でご飯が全然減らないこと(相方は順調に食べ進むけれど、私はだめ)。おでんとお米って合わないのか。焼きおにぎりにでもしちゃおうか。


2008年11月17日(月) 大学いも、またの名を?

週末はどういうわけだか大学いもが食べたくて食べたくて、母と一緒に食料品を買いに出かけたスーパーですかさず購入する。この時期、栗とかさつまいもとか、甘くてほくほくしているものが無性に食べたくなる。栗は高くてそんなに気軽に買えないので、もっぱら私の欲望を満たすのはさつまいもの役目となる。

そのスーパーでは大学いもを「中華ポテト」という名前で売っていた。普通の大学いもと変わりないように見えるのだけれど、何か違うのか。味がしょっぱいとか?

調べてみると、どうやら中華ポテトというのは関西方面での呼び名のようだ。大学いもと中華ポテトは厳密に言えば作り方も少し違うらしい。できあがりの食感がしっとりしているのが大学いも、カリッとしているのが中華ポテト、という記述もあった。うーん、これまで食べてきたいろんな大学いもは割合とカリッと派だったと思うのだけれど・・・


2008年11月13日(木) 1キロ以上の意味

11月ももうすぐ半分。この前の土曜日あたりから急激に寒くなってしんみりする。さ、寒いっす。勘弁して。

夜、お風呂にお湯がたまるのを待つ間、お湯つながりで湯たんぽの準備をする。お湯を入れ替えた湯たんぽは布団の中、ちょうど足先がくるあたりに隠しておく。寝るときには低温やけどしないようにこれを端の方へずらす。そうして安心して、ぬくぬくになった部分に足を置いて心穏やかに眠りに落ちる。ああ至福。

夏に痩せて、これでは体力が持たないと思い、この数ヶ月朝も昼も夜もその間も食べ続けていたら太った。当たり前だ。元の体重プラス1キロだけれど、このジーパンのウエストのきつさは何であろう。1キロの違い、XキロとX+1キロ、ここの1キロの違いが私には1キロ以上の意味があるらしい。肉がつく順番はお腹→背中→膝まわり→太もも→お尻→いよいよ顔、そして腕には不思議とあまり肉がつかない。お腹→背中と来たあたりで手を打たないともうたぶん、戻れない。戻るのにすごい苦労する。戻す気力が失せる。小さい頃からお腹が弱く、今も胃腸の消化吸収能力が低いから、きっとこれから先もそんなに、例えば人相が変わるほど太ったりはしないだろうけれど、それでも加齢による変化にはある程度逆らえないわけで(逆らうつもりもあまりないし)、太っちゃダメ、と相方から折々言われている身としては、この1キロの持つ意味に一抹の不安を覚えないこともない。体の輪郭がどんどん曖昧になっていく。そんなことではいかんのだよ。

いつもと違うこのおかしな文体はと言えば、連日、川上未映子ブログ「純粋悲性批判」を読んでいるからであって、もちろん川上未映子氏のそれとは似ても似つかないけれど、私という勝手なフィルターを通過した揚句に放出されるとこういう具合になるらしい。おもしろい。おもしろがっているの自分だけ。

このリズムならどんなことでも書けそうな気がしてくるからおそろしい。垂れ流し的に。もしくは息継ぎなしで。

書きたいことがあってもちょっと考えて、やっぱ書かない方が賢明だろか、と思って書かなかったり、そうは思ってもと途中まで書いたのに結局消したり、よくあることだ。ひとりごとをはじめた頃の、文章を書くのが恥ずかしいという気持ちはもうないに等しい。今は、誰かの迷惑になりそうとかこれを読んで気を落とすんじゃないかとかそういうことが気になる。そんなに多くの人が読んでいるわけじゃないんだけど。


2008年11月07日(金) 立冬

なんというか、冬だ。秋なんてやっぱり「あっ」と言う間で、今はもうすっかり冬らしく冬過ぎる毎日だ。朝晩は手先足先がしんと冷え、左手薬指の爪はむらさき色に変化し(寒いとこうなる。温度計のようなもの)、フローリングの床はごろんと寝ころぶにはあまりによそよそしい固さとつめたさだ。これはまあ、電気代をケチってまだ床暖房を使っていないだけのことなのだけれど。今週末からはもっと寒くなるらしい。ああ、どうぞお手柔らかに頼みます。

金井美恵子著『昔のミセス』を読もうとしたが、雑誌「ミセス」や「装苑」あたりに全く親しみのない私にはいまいちピンと来なくて読むのをやめる。そう言えば高校生の頃、熱心に「装苑」をコレクションする友人がいた。彼女はいまでも「装苑」を買い続けているのだろうか。元気にしているのだろうか。友人とは大学生になってからもときどき会っていたのに、いつからか疎遠になってしまった。いや、友人に彼氏ができて、だんだん疎遠になったんだった。しばらくして友人はその彼氏とは別れて(このときの別れ話に同席「させられた」のを今思い出した!修羅場とはああいうのを指すのかも。彼氏は別れ話のショックで車をファミレスの駐車場の柱にぶつけた。すごい振動だった)、別の男の人と同棲することになる。そうなるともはや連絡先不明。このようにして女友達は去っていくのだ。

脱線。

本屋で文庫コーナーをぶらぶらしていたら銀色夏生の新刊を見つけた。銀色夏生著『珊瑚の島で千鳥足』を買う。これはしげちゃん(銀色夏生さんのお母さん)が脳梗塞になったことを書いた『ばらとおむつ』の続編である。これが出たってことは、しげちゃん、それなりに元気にしてるんだ。せっせ(銀色夏生さんのお兄さん)の介護生活もなんとか続いていっているみたい。よかった。日々大変だけど、文句も不満もいっぱいあるけど、笑える日もあることにはあるし、なんたって生きてるし、よかったと思っていいよね?

いったん終了してしまった「つれづれノート」シリーズも復活するらしい。『(仮)第三の人生のはじまり つれづれノート15』は12月25日(木)発売予定。もうクリスマスじゃん。一年なんてほんと「あっ」という間だ。

昨日は風邪気味で、昼過ぎから頭痛・めまい・腹痛に襲われ、そういうときに限って事故で電車が遅れ、ホウホウノテイで帰宅し、ひとまずチオビタを飲んで布団をかぶって寝る。体中の関節がギシギシいって熱が出そうだ。相方が帰ってきたからちょっと起きてコンビニで買ってきておいたご飯を食べる。食欲はまあまあある。これ以上ひどくなってはいやなので、風邪薬を飲んで湯たんぽをしこんで、とにかく寝る。朝になったら体が軽くなっていて熱もない。


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