蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2008年06月25日(水) テレビとの決別前夜

我が家のテレビは結婚する前から使っているもので、画面が湾曲していて後ろもどーんと突き出ているブラウン管タイプだ。赤い色がにじんできていて、赤い服など着ている人は横に伸びて見える。買い替えの話は何度か出ているけれど、そのたびに、やりすぎ(コージー)しか見ないのに何十万もかけるのバカバカしいね、本気で壊れるか、地デジになってテレビが見られなくなったら考えよう、と言って買わないままで今に至る。我が家がテレビにかける情熱はもともとこの程度。

やりすぎコージーがバカバカしいと言っているのでは決してない。やりすぎはおもしろくて好きだ。毎週欠かさず録画している。やりすぎの他には、モヤモヤさまぁ〜ず2、タモリ倶楽部、なんかも録画している。どれも深夜のバラエティだ。それくらいしか見るに値するものがない。これ以外の、クイズにドラマにワイドショー、公共の電波を使った放送がとことん悲しい有様だ、ということだ(中にはいい番組もある。でもそんなのホントにホントにごく一部)。

録画した番組の他には、ニュースくらいしか見ない。出勤前と夜に世の中の動きと天気予報を見るためにテレビをつける。でも、この頃はニュース番組ももはや私には昼間のワイドショーと変わりなく思える。どのニュース番組を見ても同じ内容、感情的なコメント、不必要に何度も繰り返される衝撃的な映像、当事者や周囲への執拗で非常識なインタビュー。もう何年も前からこれらに疑問と怒りを持っていたけれど、昨夜、あまりのひどさについにテレビと決別することにした。

今のテレビが壊れるか、地デジになったら買い換えると言っていたけれど、もう今後テレビは買わない。見ない。いらない。

最後に引き金を引いたのはNHKのニュースウォッチ9だ。漁船転覆事故の遺族へのインタビューで、遺体と対面した直後の悲しみに声も震える年配の男性が、切れ切れに答える様子だ。どんな息子さんでしたか?最後に交わした言葉は?

今この段階でこんなインタビューをする必要がどこにあるのか。どうしてそっとしておいてあげないのか。NHKのノリは昼間のワイドショーと何も変わらない。「視聴者の立場に立った番組作り」をめざす、と反省のたびに繰り返すNHKがこれを視聴者の立場に立った番組というなら、私たち視聴者はずいぶんと甘く見られたものだ。あのインタビューを視聴者が求めている情報だと思って流しているということか。それなら私は求めていないので見ない。かわいそうとかお気の毒とか、そういうことを思えば済むという話ではない。インタビューを受ける男性が、寄ってたかってマスメディアにいじめられているように思えてならない。ニュース番組ですらそんな状態だ。

情報ならネットでいい。天気予報も列車運行状況もネットでじゅうぶん事足りる。物事を知ったり考えたりするのは雑誌や新聞(これもちょっと疑問だけれど)や本がある。楽しい番組はDVDになるから、それからでもいい。DVD見るだけならプロジェクターでも買えばいいのか。

ここまで書いて気づいた。スカパーでやってる自転車レースはどうしよう。


2008年06月24日(火) オレオレ君

仕事で昼間、郵便局に行ったときのこと。

狭い郵便局でかなり混んでて、座るところはない。順番待ちの札をひいて端っこに立って待つ。待ち人数4人。私の後にもどんどん入ってくる。あっという間に待ち人数8人。

そこへつかつかと入ってきたおばさん、番号札もひかずに窓口のお姉さんに話しかける。ああ、ちょっとおばさん、と思ったけれど、少し様子を見る。窓口のお姉さんは何か納得したようで、いま局長をお呼びします、と言って局長なるおじさんを呼んできた。

おばさん、一段と高い声で、もう昨日はホントにありがとうございました、もうホントに助かりました、あのあと息子から電話があって、ああ、これは本当の息子からなんですけど、・・・って。

どうやらおばさんは昨日、あと少しでオレオレ詐欺に引っ掛かるところを、危機一髪、局長なるおじさんが「もしかして詐欺ではないですか?」とか何とか、一言発してくれて助かったということらしい。おばさんはすっかり気が動転していて、焦っていて全然気付かなかったと。その後、おばさんは真相を確かめるべく息子の携帯に電話したが、息子は出ない。ああ、これではお金が間に合わないと、ますます焦るおばさん。結局、夕方遅くになって、(本当の)息子から折り返しの電話。さっきは会議で電話に出られなかったとか。お金なんて頼んでないし、やっぱり詐欺だと判明。おばさんはお金(いくらだか知らないけど)を振り込まずに済んだ、という話だ。

近くの壁際に突っ立っていた私のみならず、あのとき郵便局にいた誰もがことの一部始終を知ったはずだ。それくらいおばさんの声は甲高かった。おばさんは一通り話し終えたら満足した様子で、局長にゼリーの詰め合わせか何かを渡して帰って行った。皆さんで冷やして召し上がってください。

オレオレ詐欺、還付金詐欺、その他、まだまだ流行っている模様。儲け話うまい話は絶対に向こうからはやって来ない。オレオレ対策としては、家族と予め取り決めをしておく。合言葉とかお互いにしかわからないような何か。我が家も以前からいくつか考えてあって、それは私たちしか答えられないクイズで、たぶん、他人が聞いたら何を問われているのか、問題の意味すら不明だろう。この問題を使うときは来なくていいのだけれど、ちょっと使ってみたい気もする。問題を言われて、電話口で「オレオレ君」がうろたえるのを見てみたい(電話だから見えないか)。


2008年06月23日(月) 少ない本読み記録

あんまり本を読んでいない日々だけれど、それでもときおり読んだもの。

安西水丸『おんなの仕種』
村上春樹の本の挿画でおなじみ、安西先生が、女性特有のしぐさや言動について書いたエッセイ。さすがの観察眼。この本は2001年出版だけれど、なかみは90年代に雑誌マリクレールに載っていたものなので、話が少し古い。おんなたちの言葉遣い、流行りモノが今とずれていて、それが余計に面白味を増している。当然イラストもかわいい。よく見ていないとあんな風には書けない。電車や街中のどうでもいい場面で、結構見られているんだな、と思ったことだ。

本上まなみ『ほんじょの虫干。』
図書館で文庫の棚を眺めていたらあった。ほんじょ、こと本上まなみのエッセイの、これが1冊目。『ほんじょの○○』というのはほかにも何冊かある。きれいな人だ。そしてたぶん、かしこい。足のサイズ26センチ(ウィキペディアより)というのもなにやら安心感がある。本とは全然関係ないけれど。

松尾スズキ・河井克夫『ニャ夢ウェイ』
数ある松尾スズキの本の中から、なぜこれを選んだのか。ただ単に「猫」に飢えていたから。飽きるほど猫が見たかった。それだけ。河井氏の漫画で松尾氏の飼い猫オロチの様子が描かれる。猫もバカだが、猫に振り回される人間はもっとバカだ。でも幸せだ。振り回したり回されたり、そうやってくっついて関わって生きていく。笑える。これはアマゾンで購入。新宿の大型書店は相次いで品切れ。足が棒になる。

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いまは小説新潮別冊のStory Sellerをパラパラ読んでいる。ほかに平松洋子さんの本を数冊。台所まわりのエッセイ。こういうの、やっぱり好きだ。


2008年06月22日(日) おみやげはいつものお菓子

妹が遊びに来る。たくさんお菓子を持ってきた(妹はお菓子屋さんに勤めている)。昨日作った玉ねぎカレーとサラダでお昼ご飯にする。カレーは2日目でさらに深い味わいとなっていた。

妹はひさしぶりに我が家を見て、だいぶ生活感が出てきた、と言う。それもそのはずで、前に妹が来たときは引っ越してからまだひと月くらいしかたっていなくて、段ボールも残っていたし、部屋はがらんとしてベッドもなかった。あれから半年過ぎて、今となっては生活感たっぷりだ。住んでいる二人に都合のいいように物が散らばっている。掃除は週末にまとめてする。

ご飯のあとは床に地図や路線図を広げて、3人で顔をつき合わせて思案。都会に住むって難しい。その間、もらったお菓子をずっと食べ続ける。夜になってもあまりお腹がすかない。


2008年06月21日(土) 玉ねぎたっぷりカレー

相方の実家から玉ねぎとじゃがいもがたくさん届いた。昨年もたくさんもらって、なかなか使いきれずにいたら玉ねぎからコバエがわいて大変だったのを思い出す。

相方の発案で玉ねぎをたくさん使ってカレーを作る。玉ねぎ5個を一気に全部みじん切りにする。みじん切りは相方が3個分手伝ってくれた。だ円の大きな方のルクルーゼに移し、中弱火で焦がさないようにじっくり炒める。炒めるのには根気が要った。腕が痛くなり、木ベラでかきまぜるのを途中で何度も交代する。ふたりで台所に立つのもひさしぶりだ。飴色になるまで待てず、しんなりして量が半分くらいになったところで水を入れ、あくを取る。別フライパンで焼き色をつけた豚肉とカレールーを溶かし入れ、コトコト煮込む。

いつもとは違う、まるでお店のカレーのような奥の深い匂い。西新宿の「もうやん」に近い。中辛で作ったのに玉ねぎ5個だからか、かなり甘く仕上がった。今度はもっと辛くスパイシーにしたい。

じゃがいもは別にゆでて、トッピングにした。これで玉ねぎ5個、じゃがいも3個減った。まだ箱にいっぱいある。何を作ろうか。


2008年06月20日(金) ときどき思考停止

この頃、何か書こうとすると脳みそが思考停止状態になる。書いては消し、書いては消し、結局うまい言葉がみつからず、更新しない日ばかりだ。

だからもう大したことを書こうとはしない。出来事と思ったこと少し。何もなければ食べたもの見たもの、それで十分。何も書かないよりずっといい。これからはリハビリの日々だ。


2008年06月10日(火) 今朝ちょっと思って反省したこと

疲れていたりしんどかったりすると自分のことばかり考えてしまう。誰かがやさしくしてくれるのをいいことに、ずるずると自分の頭の中の考えだけにとらわれている。機嫌の悪い顔をしたり八つ当たりをしたり、わがままなことこの上ない。

そんなことをしていると、次にハッと顔を上げたときにはみんな居なくなっているかもしれない。ときどきそう思ってこわくなる。

やさしくしてくれる誰かにも私と同じようにその人なりのいろいろな事情があって、それでも私に配慮してくれているわけで、私はそこのところを一瞬たりとも忘れてはいけないのだ。そうでなければいつか手を離されてしまいそうだ。


2008年06月06日(金) ケとハレ

ああ、走り方忘れそう。本の読み方忘れそう。文章の書き方なんて、もっと忘れそう。

最近見つけたおもしろいもの。松尾スズキのブログ。→松尾スズキのズルズル日記「ドブロクの唄」

松尾スズキ。名前は知ってる。いろんなところで名前を見る。でも本当はなんの人なんだろか、と思うくらいで、特によく知ろうとしたこともない。人に聞けば、ウルルンの声をやっているのだとか。そうか、ここしばらくウルルン見てないからわかんないや。ブログ読んでる今も結局なんの人かよくわかっていないけれど、ブログはおもしろい。

まじめなのか不まじめなのか。どっちなんだろうな。まじめにふざけている、根は地味で実直で熱い人なんだと思う。文句言うけどあきらめない、真剣にゆるくがんばっているところが好きだ。自分に元気がないとき、でもがんばらなきゃなあ、しょうがないなあ、という気分のときに読むと少し力をもらえる。気がする。たぶん。

例えば、こんな話。

疲れたなあ。明日の稽古におにぎり作って持って行けるかなあ、って心配するくだりがある。芝居の稽古に自分でおにぎり握って持って行くって、この地に足のついた感は、針が振り切れるほどすばらしくいい。朝ご飯も作って食べるし。ご飯炊いて味噌汁作って、あとは納豆だけど、みたいに普通のご飯。忙しくても、どうにも回らない感じでも、とりあえずご飯食べようって思う。

この場合はご飯の話だけれど、私が好きなのは、ケとハレで言えばケの部分がしっかりしていてぶれないこと、ケはケとして楽しんでいること、毎日繰り返されるケの部分を淡々とこなしていくことで、ケとハレからなる生活全体がどっしりしているように思う。

ちょっと深読みですかね。でもそういうこと。

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松尾 スズキ(まつお すずき、本名:松尾 勝幸、1962年12月15日- )は、日本の俳優、演出家、脚本家、コラムニスト。(ウィキペディアより)

劇団『大人計画』主宰。
映画『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』の脚本は松尾さん。


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