気ままな日記
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2007年06月23日(土) 芸術の妙

 先日横須賀美術館へ行った。
20年以上にわたって、週刊新潮の表紙を書き続けた谷内六郎氏の常設館が併設されていると聞いて出かけたのである。
 馬堀海岸から観音埼へのバスに乗り込む。間もなく窓からは、青々とした海と、ゆっくりと進む大型船の姿。毎日海を眺めながら通勤しているというのに、水のある景色は飽きない。

 4月にできたばかりの建物は、全面ガラス張りで木目の匂いもまだ新しい。「生きる」―現代作家9人のリアリティ、と題して開館を記念した展覧会が行われていた。
 中でも目をひいたのは木村太陽さんのオブジェである。作品を展示してある壁の隅っこが削り取られている。よく目を凝らして見ると、ひとりの男性が、壁にかじりついた写真が貼られている。タイトルはずばり『齧られた角』。
 床を這う人間が掃除機に”変身”していたり、床屋の練習用に使う頭がぎっしりと壁に埋め込まれていたり……。
 美術鑑賞というと、初めのうちは、まじまじとゆっくりと絵を眺めながら進むのだが、そのうちになんだかじりじりとせっついた気持になって、つい先を急いで出口を目指してしまうのだが、このコーナーだけは、「へえ〜。こういうのもありなんだ」などと心の中で感心しながらゆっくりと鑑賞することができた。


2007年06月15日(金) 年金の加入照会に行けば……

 巷で大騒ぎになっている年金問題。試しに相談の電話番号にダイヤルしてみたら、噂どおりつながらない。直接、社会保険事務所の窓口に行った方が、何時間待ちであろうとも、用が足りると思ったので、出かけた。
 住所や苗字が変更になったり、転職の経験がある人は、記入漏れの恐れがあるという噂にあおられたのだ。
 開庁時間も、7時までに延長されているらしいので、仕事を終えて直行。着いたのが、15分前の6時45分。
 さぞかし混んでいるだろうと思いきや、事務所内にいる客は2,3人。番号札を渡されて受付票に記入して渡すと、5分も待たないうちにに名前を呼ばれ、コンピューターから打ち出された加入記録を見せられた。事前に自分の「こうであるはず」の加入記録をメモしていったかいがあって、照合もサクサク進んだ。
 それにしても、対応に出た若い職員の、なんとも「芯まで疲れ切った」様子はとても印象的。態度が悪いとか、やる気がないとか、そういう次元をとっくに超えていて、もうとにかく朝から怒鳴られすごまれ嫌味を言われ、さんざんいやな思いをし続けた揚句、喜怒哀楽といった感情をすっかりそげ落としたようなぐったりとしたご様子。
 「こんなことになったのは、俺たちのせいじゃないのに」といった内なる声が聞こえてきそう。
 これまでは、役所の窓口できっぱりと「こうです」と言われれば、「はあ、そうですか」とひっこむしかなかったのだが、今回のお粗末な出来事を受けて、やっぱり自分でもある程度の知識を蓄えて出向かなくてはいけないことを思い知らされた。
 今回は、幸いなことに記入漏れもなくわたしはひと安心だったが、あの若い職員も、きっとホッとしたことだろう。なんといっても、お役所というところ、閉庁間際に駆け込んでくる客に限って、ごねたり文句を言ったりすごんだり、とにかくこじれることが多いからだ。


2007年06月10日(日) ついに

 新しいメガネを作る。
パソコンのやり過ぎというわけでもなく、もちろん働き過ぎでもないのに、どうして最近こうも目が疲れるのかと思っていて、はたと気がついた。
 そうだ。これがもしかして俗に言う老眼ってやつ??
 先日、マークシート形式のテストに答える機会があったのだが、米粒を4分1に割ったような小さな文字でびっしり書かれた設問が全部で500問。「はい」が右で「いいえ」が左、と見当をつけながらぬりつぶしたのだが、途中で癇癪を起して投げ出したくなったのを思い出す。
 今までは買い替えるたびに「度」を強くしていたメガネ。そのうち対応する度がなくなるのではないかと心配していたが、今回は初めて、「度」を弱くして、本やパソコンの画面が見える程度のものをひとつ作ることになった。
 「今までの(度の強い)使い捨てコンタクトレンズがまだ残ってるんですけど、使ってても構いませんか?」とわたし。
「ええ構いませんよ。そのうち老眼がすすんできたらもっと疲れるようになりますから、今のうちに使ってしまった方がいいですよ」とは、うら若き眼科医の言葉。
 頭痛もするし、新聞や本を読むのがどうも億劫で根気も続かない。一体わたしはどうしてしまったんだろうと思っていたが、メガネのせいだったとわかってホッとしたものの、「老眼」という響きに、それはそれで、がっくりとするものがある。


2007年06月04日(月) 目の上のたんこぶ

 先週の人事異動により、新しいメンバーでの稼働が始まった。
管理課の職員はひとり減員となったため、ひとりあたりの仕事量は増えた。
にもかかわらず、なんとなく気持ちが浮き立つのはなぜ?
 思い当たるに、3年目、4年目といったこの事務所での古参にあたる人々が転勤によって、よそへ転出になったから……。
 だからといって、決して彼女たちが横暴だったわけでも、厳しかったわけでもないのだが、新しく来たばかりのわたしたちはこれまでどこか遠慮していたフシがある。
それが今回、2年目のわたしたちが中心になって、使い勝手のいいように、事務用品や備品を並べたりしているうちに、どっしりと腰がすわってきたような、この事務所を「とりしきって」るような心地よさに浸ることができたのである。

 とはいうものの、今回着任してきた副所長は気難しい方らしい。
課長は、「俺とはたぶん気があわねえ」などと言いながら、副所長と自分の机の間をさりげなく離していた。


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