海を進む
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2005年05月31日(火) 待ち合わせは渋谷だった

明日から別の部署に異動になる人(私もすごくお世話になったおじさん)が
数日前に落としたお財布が無傷で戻ってきたらしい。
他の男の人たちと握手をしてお財布の無事を喜んでいる姿がほほえましくて、
明日からは別の部署なんて、ほんとうにさみしいな、と思った。
退職しちゃうわけじゃないけど、私は彼に手紙を書いてデスクの上に置いておいた。
まるで定年退職する先生に手紙を渡す高校生みたいだと思った。
子どもっぽいし、ずっと残ると思うと恥ずかしいけど、後悔するよりはいいのだ。

今、神宮球場の早慶戦のニュースを見て急に思い出したけれど、何年も前に
私は神宮球場の花火大会に好きな人と一緒に行ったことがある。
そういえばよく覚えている、あの青い座席。
紺のゆかたを着て、子どもっぽい髪型をしていた。
あれは「やらずに後悔するよりは、やって後悔するほうがずっとマシ」って
自分に言い聞かせてた結果だった。
でも、いい思い出ではなく、にがい思い出。

家にある桂花陳酒を割ろうと思って、ジンジャーエールを買ってきた。
でも、今日はあまりよく寝ずに朝早くから仕事だったせいか、とても眠くて、頭が痛い。
アルコールを摂ると眠りが浅くなるらしいので、今日は飲むのやめる。
最近のやぶれかぶれでずたぼろな生活の中では、こんなことでも、
理性をはたらかせた、という感じ。


2005年05月27日(金) バニラアイスクリーム

学生のとき一緒のお店でバイトしてた鈴木さんが、
「熱があるときって、なぜかバニラアイスクリームが食べたくて仕方なくなる。
ふだんはそんなの全然食べたくないのに。」
って言ってたことがある。
それから何年も経つけど、私は熱を出すたびに必ずバニラのアイスクリームを買う。
ぼーっとした頭で薬やら栄養のありそうな食べ物やらを買いながら
鈴木さんのことを思い出して、熱があるからバニラアイスクリーム買わなくちゃって思う。
鈴木さんは私と同い年で、途中まで学年も同じで、ものすごくかわいらしい女の子だった。
とてもおしゃれで、鈴木さんのピアスのつけかたや髪の結び方を私もこっそり真似していた。
しかも明るくて誰にでも親切で仕事もしっかりテキパキしてて、愚痴も言わずに
学校とか就活とか三つ掛け持ちのバイトとかをしっかりこなしてて
私も鈴木さんみたいになりたいっていつも思ってた。

風邪を引くと母が病院に連れていってくれて、桃の缶詰を食べさせてくれた頃。
鈴木さんみたいになりたくて、ピアスの穴を増やしたり髪を切ったりした頃。
今は、髪型もピアスもどうでもいいし、バニラアイスクリームは自分で歩いていって買うしかない。


2005年05月26日(木) ベストはつくせない

昨日は会社で仕事を始める頃には、明らかに熱がある感じだった。
たしか家に風邪薬なかったと思って買いに行きたかったけど、休憩が取れず外出できず。
帰りにコンビニで栄養ドリンクやスポーツドリンクや除光液を買って帰った。
結婚式用にマニキュアを塗ったのだけど、除光液が切れていた。
つやつやキラキラの爪で仕事に行く気分じゃなくって。
考えてみれば就職してからちゃんと風邪引くの初めて。
欠勤も早退も絶対できないのが辛い。


2005年05月24日(火) いてもいなくても華北平原

結局私の職場の二人に正式に異動の辞令が出て、二人とも異動はせずに今月で辞めることになった。
別の部署の同期やお世話になったおじさんも辞めちゃう。
この数週間本当に疲れたな。でもこれからが大変。
ちなみに私は上司に、それでも心配せずに辞めたいときに辞めてもいいと言われた。
社長だか部長だかが、私がとりたててどうと言うわけではないので、私が辞めるなら新しい人を
入れればいいだけの話、と言っていたらしい。
辞める時期を早めに伝えることと、十分引き継げないぶん、文書で仕事内容を残すように言われた。
そう言う上司本人も、来月で辞めるつもりでいるらしい。
来月の簿記の試験の日は休むつもりだったのに、休めなさそう。だから受けられないだろう。
一瞬の躊躇が致命的、という言葉を思い出す。

先週土曜日に学生のときの友人の結婚式があった。
結婚式のときはいつも、ドレス姿の新婦が入場して来た瞬間、涙がこみ上げてきてしまう。
今月は同い年の知人友人が3人結婚した。そういう年齢になったんだ。


2005年05月12日(木) ライトは私を照らしているはず

何だか最近、抱えきれない、と感じている。でも働いてる人ならこれくらい当たり前なのだろう。
別にものすごく大きな仕事を任されてるってわけでもないし、私が誰かのクビを切らなきゃいけない
わけでもないし。
職場での突然の変化と複雑な状況に戸惑い、そこから発生するやるべきことに追われ、
自分の未来のことも考えたい、そのために勉強もしたい、上司の転職活動の様子も気になる、
会社はどうなるんだろう、私はどうするんだろう。
知ってるけど言えないこととか、自分が辞めたいことを上司以外にはまだ言えないこととか、
そういうのも重く感じてるのかも。
異動を命じられてそれなら辞めると言う同期に退職願の書き方を教えたりして、自分が辞めることは
言わなかったり。
あさってになると、社長が連休を終えて戻ってくる。また何か動きがあるかしら。
よりによって仕事が忙しい。いろいろあっても、仕事の手は抜けないって考えると、なんかドキドキする。
今月は友人の結婚式もあって、洋服買ったりもしなくっちゃ。買い物のチャンスはあと一日しかない。
あれやこれや、だれかにぜーんぶ思いっきり話したい。


2005年05月08日(日) 良からぬ噂

ビルからビルまで、3分ほどの道のりを一緒に歩いた。
私が辞めたいと言ったことをすでに知っているだろうと思った。
それでも、「じつは・・・」って私から話したほうがいいのかな、ともちょっと思った。
私が何か言い出すのを待ってるのか、自分から言ってもいいのかどうかと思っているのか、
沈黙が長くて耐えられなくなったので、私は「おとといDさんの夢を見たんです。
私の実家に来て料理してる夢。」などと言ってみる。やばい、正直に言い過ぎた。
好きだから夢に出てきちゃいましたみたいな内容の夢だ。と思ったけど仕方ない。
それについての義務的なやりとりが終わったあと、「良からぬ噂を聞いたんだけど」
と、ついに来た。自分がなんて答えたか覚えてないけど、まあ、3分ほどの道のりなので
そのあたりでサヨナラ。私は仕事に戻った。
風がさわやかで、傾きかけた太陽が眩しかった土曜日の午後の出来事。
このこともいつか忘れるのかなって思ったらとても悲しくなったので記録しました。


2005年05月06日(金) 会社のこれからと私のこれから

最近行き帰りに読んだ本は藤沢周平『蝉しぐれ』。長い通勤時間があっという間に感じた。
読み終わってまだ感動の中にいるときに、一気に会社でのあれやこれやが押し寄せてきた。
仕事のあれやこれやじゃなく、会社のあれやこれや。
私の会社はゴールデンウィークは全く関係なく普段どおり仕事。
街なかは、普段の日曜日以上に解放的で明るい雰囲気に感じられる。
そんな中、会社のあれやこれやで悩んでいると、よけい憂鬱になる。
まずは総務の部長に言われたこと。
部長は、ある私の同僚を異動させるかどうかについて私の直属の上司に言ったらしい。
私の意見を聞いてから社長と話すようにと。だから、近々上司に聞かれると思うから
正直に答えてね、と言われた。異動させる、というのは、クビにするのは忍びないから
もっと基本給の安いところへ移す、ということ。
それについてずっと考えていたところ、そのことを上司と話す前に、次の波がやってきた。
社長が、私のいるところの正社員を二人に減らして、後はぜんぶバイトにしろと言い出したらしい。
経営が危ないのだ。ここ数ヶ月給料も遅れがち。
それにあたっては、私ともう一人が残って、私がトップになってやっていけと言うらしい。
だから、現在の業務マニュアルと、改善提案をまとめるようにと上司に言われた。
そして今日、私は上司に会社を辞めたいと言った。
ここの責任者になるのが嫌だったんじゃない。そうなるなら辞めなくてもいいかなと思ったくらい。
自分の裁量で責任ある仕事ができるなら、大変だけど、幸せなことかもしれない。
入社一年ちょっとなのに!
それでも、やっぱりこの会社にはいられない。それなら、今言わなくてはいけなかった。
この件にまつわる他のいろいろな事情もあって、一刻を争う!と思った。
上司には、マジかよ・・・!!とも言われた。けど、自分は引き止めることはできない。
会社の状況もあるし、あなたの人生が大切だから。しかしあなたがいなくなるのは、
単に頭数が一つ減るということじゃなく、会社の業務上大きな損失であり、社長は引き止めるだろう。
次が決まっていないのに辞めるのは危険だし、無職が長引くとこれからのキャリア上も
マイナスになる可能性があるから、がんばって次を見つけなさい。
それから夏前の繁忙期が終わったあたりで辞めるなら辞めるという方向で。と言ってくれた。
この状況で辞めると言ったのは、事態をより複雑にしたかもしれない。上司は頭が痛いと思う。
それに、期待してくれていたのに申し訳ない。そして、感謝してもしきれない。


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