海を進む
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ほんの30mくらい。台風の雨がすっごく強くなってた時だった。 よかったー。また話せて。 昨日の落ち込みようが嘘みたい。るんるんうきうきするわけじゃないんだけど、 すごくほっとしたし、あーやっぱりがんばらなくちゃって思った。 ていうよりは、がんばってもいいんだって思えた。 先生と仲良くなる努力してもいいんだ。 先生に負けないように恥ずかしくないように自分を磨く努力してもいいんだ。 そりゃまあ先生には彼女がいるけれど。今の私の心の中ではそれとは別の話。
なんかまるで昨日の日記読まれたみたいだったな。 それでかわいそうになって、ちょっと話しかけてやるかーって。 夏休みは取れたの?って聞かれた。 (そういえば前回挨拶以外の話をしたのはお盆の頃だった。 夏休みは実家に帰った?って聞かれて、私が、夏休みはまだなんですって答えたとき。 先生との会話って1ヶ月半もかかってやっと一段階展開するんだ・・・。) はい先週でしたって答えたら、うんうん先週ずっといなかったよねって。 どんなに長く休もうが、先生は私がいないことに気付きもしないだろうと思ってた。 というより、私のことなんか覚えてないんじゃないかとすら思ってた。 よかった覚えててくれた。 有名になってテレビに出るようになって忙しくなって都会に引越してしまったような感じは そのままだけど、それでも私のことをすっかり忘れてしまったわけじゃないんだって思えて とても安心した。 話しかけたって無視されないんだから、勇気を出さなきゃ。
先生が、夏の間は着てこなかったジャケットを着てくるようになった。 今年の夏は暑かった。んだよね。会社はクーラーが効きすぎていた。 夏のことを思い出そうとすると、1階でガラス張りの職場から見える まぶしそうなカンカン照りの外の景色と、その中をこっちに向かってくる、 もしくはそこへ出て行く先生の姿(白いシャツがまぶしい)ばかり思い浮かぶ。 夏の間に先生の存在は私の中でどんどん大きくなっていったけど、 先生はどんどん遠くへ行ってしまった気がする。 まるで、急に有名になってテレビなんかに出るようになって 忙しくなって都会に引っ越してしまった、というような感じ。 もう「きなこさんってさー、大学のときさー、・・・」って話しかけてくれないのかな。 よそよそしく、すみませんとかおねがいしますとかわかりましたとか、 これからもそんな会話しかできないのかな。 私から勇気を出して何か話しかけてみなくちゃだめか。 相手に何をしてほしいかじゃなくて、自分が何ができるのかって考えないとね。 頭ではわかってる。 私は、いつもなんでも、頭ではわかってる。頭ではわかってるけど、何もできない。 できないけど本当はわかってるんだからいいでしょって思っちゃう。 自分が大嫌い。 眠くてよくわからない。今日こそしっかり寝よう。 明日も先生に会えるって思うとルンルンだった時期もあったのに、 いまは、明日も先生に会うって思うとため息つきたくなってしまう。
先生とは毎日挨拶をしたり、たまーに書類を手渡したり、それだけ。 とりあえず先生のことが好きだという気持ちは心の隅で支えとして持っていて、 まずは自分がしっかりしようと思う。 会社に不満ばかりで、不機嫌になりながら働くのやめたい。 仕事に忙殺されてばかりいないで、自分の世界を持ちたい。 やっぱり勉強始めよう。 部屋の掃除もあとちょっとがんばって、きちんと暮らそうっと。
なんでこうなっちゃうんだろう。 自分の気持ちをコントロールするのが一番大変。
せめて、誰かに話を聞いてもらいたい。 愚痴りたい。 でも自分の弱いところを人に見せるのがすごく苦手。
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