明後日の風
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山を降りた僕は、西へ西へと進んだ。 南アルプスの麓に連なる秋葉街道を南下する。細い道はつづら折りの峠と小さな集落が続いている。集落の中腹に広い公園があった。急峻な谷に小さな平地と視界一杯の山並みが広がっている。ベンチで昼寝をしていると、ポツポツとした雫で目が覚めた。ほどなく、黒鉛のような雲とともに 「ざっぁぁぁ!」 とスコールがやってきた。 「ひぇぇ〜」 全身ずぶ濡れになって車に戻る頃には、すっきりとした青空が広がっていた。やはり夏だ。
「う〜み〜は、ひろいな〜、おおきぃ〜い〜なぁ〜〜」 山の上に響いていた声が、リフレインする。
海を目指して、僕は更に西に進んだ。 西には海もあったが、懐かしい山もあった。 小高い丘のような山がどこまでも続いている。
雲と空と山、が僕にとっての夏の三種の神器なんだな、と思う。
さわ
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