-殻-

INDEXPASTNEXTNEWEST

2004年08月30日(月) 寝顔

帰りの新幹線で、君は必ず眠ってしまう。
僕は卑怯にも、それを知っていて君に通路側の指定券を渡す。

いつもは窓側を渡すようにしている。
でも君は、「別に窓側じゃなくてもいいよ」って言ったよね。
まあ、だからというか、何にしても僕は意識的に通路側を渡したんだよ。

思惑通り、と言えばそうだね。
案の定、新幹線が動き出してから10分もせずに船を漕ぎ出した。
通路側は寄りかかるところがないから、自然と窓側に頭が傾く。
その先には僕がいる。

僕はPCで仕事を片付けながら、
僕の肩に凭れ掛かる君の髪の匂いを嗅いでいる。

抱き締めたい。
このまま、君の匂いを貪りたい。
それは遠く、叶わない願い。
こんなに、こんなに近くても、君には届かない。


君は、どんな夢を見たんだろう。
僕の肩に凭れて見る夢は、幸せな夢だったろうか。

君の寝顔は、流れた前髪に隠れて見えなかった。



2004年08月11日(水) 君は言わない

声をかけてくれればいいのに。

なにか言いた気に後ろをついてくるだけじゃなくて、
ひとこと伝えてくれればよかったのに。
結局今日僕が誘って、そしたら、
本当は月曜から行きたかった、なんて。

まあ、いいんだけど・・・。

どうにもよく分からないんだよな。
僕が勝手に思い込んでいるだけにしては、
君は僕に近過ぎやしないかな。
それすらも僕の思い込みで、
誰に対しても君はそんな笑顔で、
まっすぐに見つめ返しているのかな。

いや、そんなことはないよね。
僕だけに向ける表情が、あるよね。
これだけ一緒にいるんだもの、
僕しか知らない君が絶対にいるはずなんだ。

それを信じたいな。
信じても、いいよね。

君は今日も、何も言わないけれど。



INDEXPASTNEXTNEWEST
しんMAIL

Click here if you like it...↑

Add to your Favorite