星の行方(レックナート視点2プレイ記)
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2002年04月30日(火) 挑発

ビクトール「…まあ。何か考えがあるんだろうさ」
ビクトールに会い、ジョウイの事を説明すると、何とも表現し様が無い表情でこうつぶやいた。
その後、何事も無かったように酒場に案内する。



まあ、複雑でしょうねえ。
それだけで済ますなんて大人だわね。
ルック「…」


サウスウィンドゥのグランマイヤー市長の所に、協力を要請するための話し合いにいく。
資金を得る代わりに「ちょっと頼まれごとをされちゃって」、ノースウィンドゥという所に行く事になった。
フリード・Yという人が案内をしてくれるらしい。



さてその頃、こそ泥ネクちゃんは何してるのかしら?
て、うわ、きしょっ、誰もいないのにパイプオルガン弾いて一人でニヤニヤしてるわ。
ルック「…こそ泥ネクちゃんって、もしかしなくてもネクロードの事ですか」
そうよ。まったくねえ、そんなんだからもてないのよ。そう思わない?


ノースウィンドゥは、吸血鬼の巣になっていた。
住人を殺し、死体を下僕として弄ぶネクロード。元住人のビクトールが怒り狂う。まあ当然だ。
ナナミ「そうよ!あんたなんか、やっつけてやる!きくまるがね!!」
そんなナナミを見たネクロードが、花嫁にするとか言い出した。
何だって。冗談じゃない!

戦ったはいいものの、全く攻撃が効かない。
奴を倒すには、夜の紋章の化身である星辰剣が必要らしい。
風の洞窟にあるらしいそれを取りに行き、それから再度奴に挑戦する事にした。

首を洗って待ってろ。



あーあ、頭に血のぼらせちゃって。本当にきくまる君は自分の弱み丸出しよねえ。
これじゃ私でなくたって利用したくなるってもんだわよ。


2002年04月27日(土)

港は全て王国軍に占拠されている。
帰り際、蔵の前にいるおじいさんが
「ゲンカク殿がいればのお…」
と、つぶやいていた。
やはりじいちゃんは、この辺りに縁があるらしい。

一休みしようと宿に行く。すると、聞いた事のある声がする。
アイリ「きくまる!どうしたんだい、こんな所で?故郷に戻ったんじゃなかったのかい?」
ぼくを見つけるや否や、ナナミをつきとばして詰め寄ってくる。

突然の事に目を白黒させるナナミ。いきなりぼくの命の恩人とか言いだしたので、更に混乱している。
アイリが恩人かあ。投げナイフで殺されそうになった事はあったけどね。

リィナ「おや、今度はガールフレンドと一緒ですか?」
ナナミ「違う違う、私はきくまるのお姉さんよ(即答)」

…話を聞くと、彼女達もサウスウィンドゥを目指しているらしい。

成す術もなく、町をうろうろしてみる。
すると、向こうからぶつぶつ言いながら小屋を出てくる青年がいた。
よく聞こえなかったが、船がどうとか言ってたみたいだったので、とりあえずその小屋を訪ねた。
タイ・ホー「シーナ、船はださねえぞ。いいかげん諦めて帰りな」
ヤム・クー「アニキ、なんか、別顔のお客さんだぜ」
やっぱりこの人たちは船を出す事が出来るらしい。何とか交渉を試みる。

すると彼、タイ・ホーは、賭けをしようと言い出した。
勝負。タイ・ホー3、ぼくが6。ぼくの勝ち。

というわけで船を出してくれる事になった。粋な人だなあ。
ナナミが彼らを怖がっていたので、旅芸人一座も誘う。



シーナが置いてけぼりを食らってるわ。
相変わらず、ここ一番て時の要領は悪いわね。


2002年04月24日(水) 木陰

ナナミ「こうやって逃げ出すのは、何度目だろうね…」
ミューズを脱出するとき、ナナミがぽつりとつぶやいた。本当に、いつまでこんな事が続くんだろう。

大きな木の陰。町からずいぶん離れた場所だ。もう追ってくる気配はない。
今日はここで野宿することにした。

ナナミ「ピリカちゃん、やっと眠ったよ…」
問題はジョウイだ。まさかこう来るとは思わなかった。

ナナミ「ねえ、きくまる。やっぱりジョウイが…アナベルさんのことを…」
しかもあのシチュエイションじゃ、ぼくがアナベルさんを殺して逃げたみたいじゃないか。(実際、あの気の弱い若者はそう思ってたっぽいし)
ああもう全く!一体あいつはどこまで迷惑をかければ気が済むんだ?

ナナミ「そんなわけないよね」
信じたくない気持ちは良くわかるよ、ナナミ。ぼくもまさか奴があそこまでバカだとは思わなかった。

ナナミ「ねぇ、ねぇ、ねぇ、これからどうする?」
しかも奴は、自分のやった事がどういうことか、本当にはわかってないぞ。賭けたっていい。

ナナミ「あのさあ、あのさあ、どこか遠いところへ行かない?こんな戦いばっかりのところ逃げ出してさあ、どっか山の中でさあ、狩りとかして暮らすんだよ。畑もちょっと耕してさあ。3人なら何とかなるよ…」

きくまる「それもいいな」
…うん。それもありだ。
ナナミ「でしょ、でしょ、そうでしょう」
ナナミの言う事はいつも正しい。そう出来たら、きっと、そのほうが良いんだ。

ナナミ「…嘘。ごめん。そんな事できる訳ないよね…ジョウイを置いて」
ジョウイなんてどうでもいい。あんな奴、気にするな。って言いたい。

でも言えない。頭のいい人に「もっとバカになれ」って言うのと同じくらい、今のナナミに気にする事を止めろなんて言えない。
そのほうが良いって判ってても、出来ないから。そして判ってたらきっと、出来ないからともっと苦しむんだ。

ナナミ「疲れたなぁ。もう寝るね」
うん。おやすみ。ぼくも疲れた。
きっとぼくらは寝られないだろうけど。
二人で寝たふりをしよう。



うーんさすがにずっと見てたらこっちも眠いわ。おやすみー。


2002年04月23日(火) 裏切り

何か可愛いわねえ、身長の事を気にするアナベルって!!
ねえちょっとルック…って、あら、もう寝ちゃったの?


ナナミ「お帰り、きくまる。待ってたんだよ。ね、そろそろアナベルさんのところへ行こう」
ああそうだ。ゲンカクじいちゃんのことが先だ。



ジョウイ「すみません、アナベルさん。失礼して良いですか?」
アナベル「どうぞ…でもジョウイ、今時分、何の用なの?」

ジョウイ「あなたの命を…もらいに来ました」

アナベル「このミューズ、そして都市同盟を守る事…多くの人々が穏やかに暮らせる日々を守る事。
それが、私の成すべき事。
それを遮ってまで、やるべき事が、あなたにはあるというの?」
ジョウイ「ぼくにも、成すべき事があります」
アナベル「ならばジョウイ、あなたには、その重さに耐えられる覚悟があるのね?」



先にお連れが来てるって。どういう事だろう。
部屋にはジョウイがいた。

ジョウイ「きくまる…」

横たわるアナベルさん。血に染まるジョウイの手。これは。

きくまる「これは一体…まさか」

ジョウイ「すまない…きくまる」

ナナミ「ま、待ってよ、ジョウイ」

消え入りそうなナナミの声。

それを無視して、窓から逃げるジョウイ。

ジョウイ。君は。

ジェス「アナベル様!王国軍が夜襲をかけてきました!アナベル様!…こ、これは…」
王国軍が市内に侵入した。中に手引きをしたものがいるらしい。

ジョウイだ。

ジョウイが、ぼくを、ぼくとナナミを、裏切ったんだ。

アナベルさんが何かしゃべっている。
アナベル「きくまる…ゲンカクの子…あ、あなたには、謝らなければならなかったのに…
都市同盟が、我が父が、ゲンカク老師にした事を…」
ナナミ「アナベルさん、あ、あんまりしゃべっちゃ…」
…いや。聞こう。きっともう、これが彼女の。
アナベル「きくまる、ナナミ…お、お前達は、ゲンカクの許で、幸せだったか…」
きくまる「はい…」
ナナミ「う、うん…もちろんよ…」
アナベル「そうか…な、ならば、少しは、我が心も、安らぐ…」

もっと聞きたかったよ、アナベルさん。あなたから教わりたい事がたくさんあったのに。
アナベル「さあ、早く、逃げなさい…王国軍は真っ先にここに向かってくる」
ナナミ「で、でも」
アナベル「私の、最後の願いだ。死ぬな。きくまる、ナナミ…生きて…さ、さあ、早く。早く行け!!」

ナナミ「…いこう、きくまる」
うん。いこうナナミ。
ぼくらは生きなきゃ。生きて、それから。


2002年04月22日(月)

約束通り、ゲンカクじいちゃんのことを教えて貰おうと、アナベルさんのところを尋ねてみる。
ナナミ「アナベルさん…ゲンカクじいちゃんの何を知ってるんだろうね?」
昔からぼく達があの町で拒絶され続けてきた理由。ナナミも少し不安らしい。

アナベルさんのところに行くと、ティントの長とサウスウィンドゥの長がもめていた。
昔の戦争の事を引きずっているらしい。
取り込み中なので、しばらく待つことにした。



ジョウイ「アナベルさん…あの…聞いていいですか?」
アナベル「なんだい?」
ジョウイ「アナベルさんは何故戦うのですか?この戦いから何を得るのですか?」
アナベル「戦いからは何も得られはしない。ただ、失わぬために戦うのさ。
ミューズは私の生まれ、育った町だ。それを守ろうとするのは、自然な気持ちだと思う」
ジョウイ「…」



さあジョウイ。貴方は、彼女のこの自然体で揺るがぬ信念に値するだけの事がやれるのかしら?
ルック「何の事ですか」
今にわかるわ、今にね…


レオナさんのところに戻る。と、なにやらジョウイの様子がおかしい。
なつくピリカちゃんを放って、外に飛び出してしまった。

気になるので追いかける。するとジョウイは、あからさまに胡散臭い男と話をしていた。



まあ、確かにカゲはあからさまに胡散臭いわよね。


きくまる「何をしてるんだ?」
ジョウイ「うん…」
怪しい。
ジョウイ「きくまる…この戦いは、すぐには終わらない…だから、君もナナミも逃げたほうがいい…」

は?
何を言っているんだ?おおもとは、君が言い出したことじゃないか。しかもかなり強引に。
呆れた。
きくまる「君はどうするんだい?」
ジョウイ「…」
ものすごく怪しい。何かこのあと死んだらどうとか言ってるし。
アナベルさんの話を聞いたあと、ジョウイをもっと問い詰めなきゃ。



ちょっとちょっと見てよルック!ビクトールがアナベルに夜這いかけてるわよ!
ルック「だから興味無いですって。ていうかちょっと表現違うと思いますし」
(聞いてない)何、アナベルとビクトールってそういう仲だったの。
やるわねえビクトール!そっか、だからこの間のジョウイのときに、気軽にキレたりできたのね。


2002年04月16日(火) 小さな亀裂

戦いが終わった。
戦果。ぼくらの勝ち。傭兵ギルバートも仲間になった。
青騎士団はやっぱり強い。特にマイクロトフの率いる軍には世話になった。
途中で引き返したのは残念だったが、あれだけ活躍したのなら良いとぼくは思う。もうこちらの優勢はゆるぎないものになってたし。
ほかのメンバーはそうは思ってなかったみたいだけど。

特にジョウイの不満は強そうだった。
ぼくに言わせりゃ、せっかく貰った黒き刃の紋章を、戦場で使わない君のほうが不満なんだけどな、なあジョウイ。

宿に帰り、部屋に戻ると、ナナミの様子がおかしい。
ナナミ「ねぇ、きくまる…話があるの。聞いてくれる?」
きくまる「?いいよ」
どうしたのかな。いつもより歯切れが悪い。
ナナミ「ありがとう…あのね…きくまる…きくまるは、この戦い…」
…。
ナナミ「いや…やっぱりやめとく。今は戦わなきゃね…自分の命を守るためでもあるし…」
ナナミは無理に笑う。そして、おやすみを言った。




あら?ジョウイの所にカゲがいるわ。


ジョウイ「…では、そのように伝えてください」
カゲ「承知。それでは、これにて失礼いたす」



どこにでも出てくる奴よねえ。仕事選ばないっていうか。まあそういうの、嫌いじゃないんだけど。
ルック「…」←寝ている


ピリカ「…?」
ジョウイ「ピリカ…大丈夫だよ。夜風にあたっていただけだよ」
ピリカ「…」

ジョウイ「ぼくは…正しい道を選び取れるだろうか…」



きくまるくーん、ジョウイってば、こんなになってるのよー。気付いたほうが良いわよー?でも今はナナミのことで頭いっぱいか。あーあ、残念ねえ。


2002年04月15日(月) 参戦

会議が終わってすぐレオナさんの酒場に戻る。
すると、そこにはアナベルさんがいた。
傭兵隊に出撃要請に来たのだ。

アナベル「これ以上、あなた達が戦う必要は無いよ。ここから先は、大人たちの問題だ」
好戦的なジョウイに、優しく諭すアナベルさん。
ジョウイ「ぼくらも戦いたいんです。王国軍を止める手伝いがしたいんです」

ジョウイ「きくまる、君もいっしょに戦ってくれるだろう?」



見てあのきくまるの嫌な顔!


ジョウイ「お願いだ…きくまる。確かめたいんだ…」
何を確かめるつもりなんだろう。まただ。何かがひっかかる。

結局引き受ける。
アナベル「きくまる、ジョウイ、ナナミ。…死ぬんじゃないよ。
それから、戦いが終わったら、私のところにおいで。そのときに、ゲンカク老師の話をする」
うん。じゃあ、聞くまでは死ねないね。頑張ろう。



きくまるくんったら、そんなことしなくっても、いつでも私が教えてあげるのにー。
て言うかそこ、ルック!何でそこで引くのよ。


2002年04月09日(火) 丘上会議

一週間後。
お祭りみたいだとナナミに起こされる。
色々な人に聞くと、どうやら同盟を組む国の会議がジョウストンの丘で行われるらしい。

ビクトール「まぁ、中で面白いもんが見られるぜ」
誘われるままに、なんだかえらくいい席で丘上会議を見学した。

席については、多分アナベルさんが裏でこっそり手を回したのだろう。
ジョウイを見捨てたことについての、借りを返す意味合いもあるのかな?ちょっとVIPっぽい扱いということで。まあ、あんまり意味のあることとは思えないけど。
席に座る前に、マチルダ騎士団白騎士団団長ゴルドーが、ナナミを突き飛ばしていた。覚えてろ。

会議自体は、団結力のなさがあふれつつも、アナベルさんが何とか力技でまとめている、という感じ。
会議が終わる頃、ハイランド軍が前進をはじめたとの情報が入った。すぐさま会議終了。

ビクトール「どうだい、結構面白かっただろう?」
ナナミ「そうかなあ?おっさん同士がもめてただけじゃない」

ジョウイ「…」



ふふふ、ジョウイ何か企んでる企んでる。きくまるくん、後ろ後ろー!気づけー?
ルック「レックナート様、ご飯出来ました。ここに置いときますよ(すっごく楽しそうだけど、何を見ているのやら)」


2002年04月08日(月) 一週間

ルック「レックナート様、家の前の森をループにしたり、家の階段にトラップしかけたりとかいうイタズラをしないでください。業者の人が困るじゃないですか」
だあって暇なんだもーん。
ルック「暇ならきくまるでも見てて下さいよ。全く、しばらくはおとなしくしてると思ってたのに」

えー。見ててもつまんないんだもん。今ちょうどジョウイが帰ってきたところでさ。やたらわあい良かったねーって感じでさ。
大体みんなで楽しく平和にやってるところなんて、見てどうするのよ?

ルック「どうするのよって言われても。とにかく元に戻しといてください」
大丈夫よルック、一週間後には丘上会議があるから、その日はちゃんと水晶球にかじりついてるわ。
って、もういないし。可愛くないわねえ。


2002年04月04日(木) 昔話

そういえば二人きりだな、と思った瞬間、ピリカちゃんが走って来た。
ピリカちゃんは心配そうにぼくを見上げる。
きくまる「絶対、帰ってくるよ。約束したんだから…」
こんな小さい子を不安にさせて、まったくあいつは。

ああ、遅い。
ナナミ「ねぇ、ねぇ、ねぇ、覚えてる?きくまるが、ルードの森で迷子になった時の事」
え、急に何を。そのことは、実はあんまり思い出したくない…



何かしら、どんな過去かしら。「実は迷子になってたんじゃなくて、自分を捨てた家を自力で見つけて、尋ねようとしたらゲンカクに見つかって止められた」とか、そんな過去かしら。
ルック「また妄想ですか。きくまるだったら見ればいいじゃないですか」
やあねえ、へたな事実よりも、妄想のほうが面白い場合もあるじゃない!


ナナミ「ゲンカクじいちゃんが、探しに言っている間、私とジョウイは、やっぱりこうしてきくまるのことずっと待ってたんだよ」

ナナミ「あの時もきくまるはちゃんと戻ってきたから。ジョウイも必ず戻ってくるよね」
…。
ナナミ「あのね、さっきの話の続き。こんな風にして、きくまるを待っている間ね、ジョウイはね…ふふふ、ずっと泣いてたんだよ。
ねえ信じられる?あのジョウイがぼろぼろ涙を流して…あ、この話をしたことは秘密だからね。ジョウイに『絶対に言うな』って言われてたんだ」

ジョウイはきくまるの友達だ、大事にしろって、ナナミがすごくうるさく言うようになったのは、大体その頃からだ。

ナナミ「ねぇ…きくまる。私思うんだけど…ジョウイが帰ってきたら、もうこんなところからは逃げ出して……!!!!!」
ナナミが言葉をとぎらせるや否や、まっすぐに走り出す。
ジョウイが帰ってきた。

わあっどうでもいいからジョウイ、ナナミに抱きつくなあ!!



ルック「どっからどう見ても、ナナミが抱きついてるようにしか見えないんだけど」
あっはっは!!だから余計に悔しいんでしょうよ。見て御覧なさい。嫌でしょうがないのに引き剥がしたりしないで傍でやきもきしてるだけでしょ。せいぜい「待ちくたびれたよ」とかって嫌味を言う程度よ。あー愉快愉快。


2002年04月03日(水) 不安

フリック「アナベルさんよ、俺は、あんたらとは付き合いが浅いが、こんな子供をスパイに使うほど、都市同盟ってのは、困っているのかい?」
フリックがアナベルさんに凄む。まあどうせ、失敗してぼくらが殺されたって「身勝手なガキが逃げた」だけで済むと思ったんだろうね。効率的なやり方だと思うよ。
人道に悖るけど、(あの気の小さい)若者の暴走だといってしまえばそれで終わりだし。



きくまる君、ジェスの名前覚える気、ないみたいね。


ミューズ側ののらくらした対応に、今度はビクトールが切れた。これじゃますますぼくが怒るわけにはいかないなあ。


ビクトールも、性格が変わったわねえ。こんな効率の悪いやつだったかしら。前はもっとずる賢かったわよね。


それにしてもジョウイ、遅い。
ナナミは心配して門まで見に行った。ぼくもすぐに後を追う。

ナナミ「私はもう少し待ってみるから、きくまるはレオナさんのところで休んでていいよ」
きくまる「いっしょに待つよ」

何も知らなくても、ナナミには判るんだろうか。直感みたいなもので。
それとも、ぼくの不安を感じてとっているのだろうか。

アナベルさんはぼく達のことを知っていた。ジョウイの家族のことも。
アナベルさんが知っていて、帝国側が知らないわけがない。
もし、例えば、ジョウイの家族が人質にとられたりしたら?…どんな力を持ってても、意味の無い物になるんじゃないのか?

そんなことはちょっと考えればすぐわかることなのに。
なまじ力があるが故に、その力に甘えすぎてたのか。

死ぬ心配なんてしていない。あいつはこんなところで死ぬようなタマじゃない。
ただ、心の中の、もやもやした黒いものが消えない。



なあんだ、あのふたりったら結局、アツアツなんじゃない。心配して損したわ。
ルック「…(どっちに対して言ってるのか、聞こうとしてやめた)」


2002年04月02日(火) ジル

頼み事。王国軍のキャンプに忍び込み、その食料の在庫を調べる事。
無事に仕事を終え、逃げようとしたとき、ラウドに見つかった。

隠れるところの多そうな、立派そうなテントに逃げ込む。すると、女性が一人、中にいた。
見た事のある人だ。そう、ずっと昔…犬と遊んでいた女の子だ。

ジル「あなた達とはキャロの町で一度会っているわね」



どうせ死ぬんだから無礼でも良いわ、とか言ってたわよね。
ジョウイが複雑な顔をしてるわ。あそこには別荘があるから、昔会ってて、そいでもってあこがれたりとか、してたのかしら。くすくす。
しかも兄の情報聞き出すのに必死で、全然そんな二人に興味なさげだし。


話によると、ルカ・ブライトは、これからももっと酷いことをやっていくらしい。
彼女はそれを止めに来て、そして失敗した。

ジル「さようなら。もう会うことは無いでしょう」
ジョウイ「…ごめんなさい…」

ジルのテントを出たら、ラウドが待ち伏せていた。あっという間に囲まれる。
すると、ジョウイが一人で逃げろという。
すごくいやな予感がしたので、断った。だが無理やりにおし戻された。
ジョウイ「ナナミのところへいけ!」
ナナミ、そうだ。見つかってはいないだろうか。
ぼくはナナミのところに向かった。大丈夫、ジョウイのレベルは39、紋章の「貪欲なる友」は、こんなキャンプひとつ吹き飛ばせるくらいの威力がある。



ここでジョウイと別れなかったら、また違った歴史になってたんでしょうね。


2002年04月01日(月) ミューズ

ナナミの作戦は無理があったらしく、ぼくらは牢屋に入れられてしまった。
まあいいや、そのうちビクトールが迎えにくるだろう。

ナナミとピリカちゃんが寝たのに、ジョウイが寝ようとしないので、声を掛けると
ジョウイ「あの頃、僕は…君が羨ましかったよ…僕の生まれた家には何でもあった…望めばなんだって手に入った…でも…」
これが延々と続いた。



ナナミなら気休めでも大丈夫とか言うのに、完全に無視してるわよ。ねえルック、この二人実は仲悪いのかしら?
ルック「…」←たたき起こされた


次の日、ビクトールが迎えに来た。
そして、アナベルさんを紹介してくれた。
…この人が同盟軍の長だ。今まで見た事が無いほどちゃんとした「長」だ。
同盟と言うからには、ほかの長もいるのだろうが、たとえばもしそれらが無能でも、彼女がいれば何とかまとめていけそうだと思った。
アナベルさんは、ゲンカクじいちゃんのことも知っているらしい。後で教えてくれるのだそうだ。楽しみだ。

その後、見学していいとの事なので、色々と歩き回っていた。
奥の部屋に入ると、気の小さそうな若者が僕らに頼み事をした。
しばらくはこの軍で生きていくことにしたので、引き受けた。


苔田 |MAIL