徒然帳
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2006年04月18日(火) |
.....300文字SS/2-2(コナン&哀) |
「子供になってはじめて判るモノってあるわよね」 「……何が言いたいんだよ」
突然、子供になってしまった工藤新一…もとい、江戸川コナンは、同じく子供になってしまったお仲間の、灰原哀の溜息と共にこぼれた言葉に眉を寄せた。子供らしくないのはいつもの事だが……。 少女はしばらく黙っていたが、ふいに小さく呟いた。
「……大人になんかなりたくない……って、思っただけ。他意はないわ」 「………そう、か……」
少年が寂しそうに、目を閉じる。 彼女にとってはそう、なのだろう。 それが良いのかも知れない。
………暗闇の中を生きてきた彼女にとって、子供という無力な存在になってしまったアクシデントは、きっと、奇跡に違いないはずだから。
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bzen
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