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徒然帳 目次過去未来
2005年11月08日(火) .....300文字SS/2-1(スレナル&スレシカ)

秘密基地


「うわっ……すっげぇなー」

おもわず口を開けたまま呆然としちまったぜ。でもさ。これってどーなのよ。

「俺的に秘密基地のつもり」
「……いや、ここ火影岩のど真ん中なんだけど」

木ノ葉で有名な、誰もが知っている歴代火影の顔岩がある場所を普通、くり抜くかぁ?しかも俺がいる場所はかなり広い。40畳は在りそうな大きな空洞だ。
火影の屋敷よりもでかいんじゃねーのか?
御丁寧に補強しながら削ったようで、造りは結構、まともだ。
とてもじゃねーが、目の前のこいつ一人で造ったってのが、信じらんねーぜ。

「秘密基地は男のロマンだよな〜♪」
ニヤリと笑う姿はどーみても秘密結社って感じだ。


……はぁ、バレたらこりゃ火影様、卒倒するな。



目次過去未来
2005年11月02日(水) .....300文字SS/1-4(レイ+ルナ)




「あら、やけに御機嫌じゃない」

貴方にしてはと続けた彼女が笑む。どこかチシャ猫を想わせる表情は、彼女が楽しんでいる証拠だ。
それは誰かを標的にして楽しむという、実に嫌なもの。面白半分、迷惑半分を被られるのは決まって彼女以外の誰かなのだから……と、俺は溜息をこぼした。
「ふふふ、ホント珍しいわ」
「……………。」
効果がないのは知っているが、睨みつけ見る。
やはり彼女には効果ゼロのようだ…。
「やだわ。そんな顔しなくても退散するわよー」
ベッと舌を出して去ってゆく姿は可愛らしい。
だが、数歩で彼女の足は止まった。
くるりと振り向いて一言。

「シンが笑っているだけで機嫌良くなるなんて、お手軽ね」


何とでも言うがいい。


目次過去未来
2005年11月01日(火) .....300文字SS/1-3(スレナルト)




ふわり、ふわりと舞う金色。
軽やかにはねて、とんで、くるりとまわる。
印象的な蒼い瞳が白い薄衣の向う側から笑んでいた。
とてもとても美しい。
なんて、印象深い光景だろう。

いや、強いのはあの瞳か。
どこまでも陰りを見せない輝きを持つあの瞳が、まるで貫くような強さで射抜く。
ゾクゾクと背筋をのぼるのは、まぎれもない快感だ。そう、彼は笑む。無邪気に、鮮烈に。

ふわり、ふわりと舞う金色。
軽やかに首を刎ねて、飛ばして、くるりと鮮やかな紅色の中をまわる。
印象的な蒼い瞳が白い薄衣の向う側から笑んでいた。

一一一美しいと、心の底から想い焦がれて、視界が黒く染まった。


瞬間、青空に溶けるような微笑みが弾けて、消えた。



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