vol.33 コピー譜 - 2002年07月24日(水) 採譜が思うように進まない。装飾音があるのかないのか分からないのと、クラシック畑からしたら妙な音形、妙な音の羅列、細かいリズム。 「出来たところまでで良いですから弾いて来てください」って師匠は言ったから、まぁそうあせることないか。とりあえず3分の一までは出来た。右手だけだけど。 師匠の作ったアドリブフレーズの分析が問題だ。師匠の説明を聞いて、「あ、そうなんだ」と思ったのもつかの間、いざ自分でやってみようと思ったら「??????」となってしまった。前にも書いたけど、「ここはロクリアンですね」ってなんですぐ浮かぶのよ。〈師匠だから当たり前か〉。 …などと思っているうちに、クラシックのピアノの師匠からの宿題がたまっていることを思い出した。去年の師匠の公開講座「指導者のためのチェルニー40番講座」のテープ起こしをしなければいけない。3月に7本まとめて渡されて、実は1本もしてなかったのだ。だって120分テープだよ。やる気おらないよ。 実際やり始めると、120分テープを全部するのに最低5時間以上かかる。しかも録音のときに後でテープ起こしをするという前提がなかったために、テープを聞いただけではなかなか把握しづらいところもあるし、なにより師匠がポイントごとに説明するから小節番号があっち飛びこっち飛びする。まとめるのに一苦労。 でも「夏までには絶対仕上げます」などと宣言してしまったので、今月中にするしかない。 となると、ウィントン・ケリーの演奏の採譜なんてやってる時間がぜんぜんないことに今度は気がついた。全部自分でやりたいけれど仕方ない、悔しいけどコピー譜を買うことにした。不思議なもので、いや、不思議でもなんでもなくて、ジャズ風アレンジのケチな楽譜でなくて、ジャズのちゃんとしたコピー譜なんてどこで売ってるんだろう?以前師匠に聞いたら、「え?どこでも売ってますよ。心斎橋の三木楽器とか多いですけど、梅田のササヤって店には置いてないですか?僕行った事ないですけど」ということだった。ササヤ書店は私がいつも行く楽譜屋だけど、ジャズの楽譜コーナーなんて猫の額くらいしかないし、絶対ないと思う。 でもあった。灯台下暗しというのはこれね。確かにクラシック中心のお店だから師匠は行ったことないだろうけど、あったよ、あった。簡単に見つかった。ジャズの楽譜だけ買うのは淋しいから、クラシックもなにか…と思って弾きもしないのにバラキレフのイスラメイの楽譜を買った。バーバーのソナタとどっちにするか迷ったが、イスラメイの方がかなりメロディックでとっつきやすいだろう。 さて、練習を始めた。レッスンは30日だったけれど、私の仕事の都合で8月5日に延期になった。でも買ったのは18日。そんなに日にちはない。 私が採譜した部分はだいたいあっていた。私の方が詳しく採っているところもある。しかし左手の和音はさすがにぜんぜんわからないので、コピー譜に頼ることにした。弾いてみると、なんとリズムの難しいことか。右手じゃなくて、左手の入るタイミングの話。右手だけなら特別問題はないけれど、左手だけだとなんかよくわからないし、両手だと確かにカッコイイけど、ジャズ特有のリズムで和音が書いてあるから休符が多いといえでもかなり難しい。要するに「慣れ」かな。 右手が弾ける様になったのでCDに合わせて弾いてみた。Oh!!!!!!CDのテンポのなんと速いことか。右手だけでもついて行けない。なぜなら冒頭にある通り、クラシックでは決して出てこないフレーズの連続で、まっとうな指づかいでは弾けないのだ。いつも私が生徒に「そんな変な指づかいは止めなさい。自己流じゃダメよ」と言っているような指づかいでないと弾けないのだ。 気をとりなして、イスラメイの譜読みをしてみる。すると、ジャズよりもするすると頭にメロディーが入ってきて、指が素直に動く。え?これクラシックのピアノ曲のなかでも筆頭に位置する難曲じゃん。やっぱ私の脳みそはクラシックに出来てるんだということを自覚した瞬間だった。 だいたい毎日30分くらい練習すると、後はついついショパンのエチュードを弾いてしまう。だってジャズの左手はリズム的にはメチャクチャ難しいけど、休符が多いから、退化してきそうなんだもん。結局ショパンの方が時間がずっとかかっていたりする。 昨日あたりから、両手でCDに合わせられるようになってきた。まだちょっとつっかえるけど。でもとても楽しい。ドラマーとベーシストが同じ部屋にいるみたいだ。 クラシックのピアノトリオもジャズのピアノトリオも、とにかくアンサンブルって楽しいね。ジャズはドラムが入るとリズムは合わせるのがラク。でもね、ピアノだけで練習していると、裏拍を打ちながらはまだまだ難しい。もともと私は演奏が急ぎがちになるタチなので、それが手伝ってか、気がついたらメトロノームは表打ちになっている。じゃあ、師匠みたいに足でリズムを取ろうか?「フットタッピング?」とかいうやつ。やってみた。ダメだ、足がすぐ疲れちゃう。今度師匠に疲れないコツを聞かなきゃ。 ... vol.32 他のジャンルの音楽 - 2002年07月08日(月) 毎日ではないが、あれから少しづつアドリブフレーズを書き写している。 Church Mode(教会旋法)を使ったフレーズのところまで進んできた。何がわかりにくいのかというと、たとえばCメジャーコードの中でそれぞれのチャーチモードが使えるという点。 チャーチモードを全て幹音で表すと、メジャーコード(長音階)であるドレミファソラシドはイオニアン、レミファソラシドレはドリアン、ミファソラシドレミはフィギリアン、ファソラシドレミファはリディアン、ソラシドレミファソはミクソリディアン、Natural Minor Cord(自然短音階)であるラシドレミファソラはエオリアン、シドレミファソラシはロクリアン、以上の種類がある。 もうちょっとわかるようになったら、どう使えるのかをまたここで説明しなきゃ。 ウィントン・ケリーのぶんの採譜はあれから滞ったまま。真夜中にヘッドフォンで聴いているせいか、余計に書き取りにくい。まぁ全部できなくてもいいと師匠は言ってたので、そっちはあまり頑張らない程度にしようと思う。ただ弾くだけだし。 問題は、もうひとつの宿題の師匠の作ったアドリブフレーズの分析。レッスンではわかったような気がしていたけど、いざ音符を目の前にすると、「だからどうなのよ」となっちゃう。師匠みたいに私の書いたのを見てすぐに「ここはロクリアンを使ってますね」と言われても「へっ?あ、そうなの」だもん。やはり自分なりの勉強をしないと与えられたものができないのだ。英会話のレッスンと同じ。家でも何がしかの勉強をしないと英会話スクールに通っても意味ないじゃん。 その英会話であるが、先日、私の通う英会話スクールに新しく来たアメリカ人講師が、私がピアノ教師でジャズの勉強もはじめたことを知ると、何故か 「ブルース・ホーンスビーって知ってる?」と言い、 とてもいいキーボード奏者なので聴くといい、と勧めてくれた。 そして後日、彼はそのCDを持ってきて私に無理やり?貸してくれた。 「2曲目と5曲目がいいんだよ」あ、そうなの?じゃあ聴いてみよう。 でもな、ジャケット見ただけで、いやな予感がした。 「これってもしかして?」はい、ロックでした。ロックは嫌いなのに。 さて、、、1曲目を聴いてすぐに後悔した。おもしろくない。じゃあ2曲目、、、楽しくない。3曲目、、、興味がわかない。4曲目…5曲目…。 どれ聴いても同じにしか聞こえないよー。私はロックには明るくないので、どんな音楽であるかとか、誰の音楽に似ている、とか言えないのだけど、何となく古臭いサウンドが聞こえてくる。別の講師に確かめると80年代にアメリカで流行したサウンドらしい。 ロックンロールっていうのかな、マリリン・モンロー絶頂期のころの50年代の音楽は実は好きだったりする。どんなミュージシャンがいてどんな曲があって、っていうのはちっとも詳しくないけれど、エレキギター使ってるわりにはシンプルなサウンドで、聴いてるとこっちも身体がリズムにのってくるのだけど、ブルース・ホーンスビーはリズムにのれない。なんか彼ら自身が自己満足で演奏してるようなものが漂ってくる。しかし彼は好きなのだろう。せっかく親切心から貸してくれたのだろうに、残念ながらいただけない。彼になんて言ったら誤解のないように気持ち良く返せるだろうか。こんな場合は日本語でも難しいのに、英語でどう言ったらいいねん! 後日CDを返した。 「悪いけど私の趣味じゃないわ」って。そしたら彼は 「5曲目は良いんだよ。覚えてない?」 「うん、覚えてない」 すると彼はラジカセ持ってきて5曲目をかけた。仕方がないので、 「アコースティックなのが好きなのよ」と言ったら、今度は別のミュージシャンのCDを勧められた。 そして次のレッスンでさっそく私にまた、無理やり貸してくれた。 こんどのはFusionで、ミュージシャンの名前はJanniという。アメリカではとても有名で自分のオーケストラを持っているという。ははん、ポール・モーリアみたいな人なのね。たぶん。 「これはとても良いから、1回だけ聴くんじゃなくて、テープにダビングして何度も聴いてみてね」という。 あのさー。ワタシはクラシックとジャズが好きなのよって言ったじゃんー。 さて、1曲目、あーあ。2曲目、ふぅ〜。3曲目、もういいってば。4曲目、時間がもったいない〜!…苦痛じゃ。 パンチが効いてるわけでもなし、ポール・モーリアやリチャード・クレイダーマンのような癒しの要素も感じられん。百歩譲って、ドライブのときの目覚ましに良いのかもしれないな。 それに今の私はこんなCD聴くよりも、1枚でも多くのJAZZを聴くべきなのだ。 それで、それをきいたあとオムニバスのJAZZのCDを聴いた。なんだかホッとした。 次の日。 「これも私の趣味じゃないわ」と言うと、 「全部聴いたの?」ときた。 「ええ、もちろん。でもね、私はイージーリスニングミュージックは嫌いなの」 と、今度ははっきり言った。 彼はなんか悲しそうに見えた。がっかりしたんだろうな。 「ごめんね、気分を悪くさせたかな…」って言ってた。返事できなかった。 いつも私はJAZZを聴くたびにクラシックが恋しくなって、シューマンやショパンを弾いたりクラシックのCDをかけたりするのだが、今回ばかりはJAZZで自分の心が生き返ったようだった。こんな経験は初めてだ。 これまでショッピングに行ったりレストランや喫茶店に行ったりして、お店で自分の趣味じゃない音楽がかかってきても、ちっとも気にならなかった。なのに、今回は自分の趣味じゃない音楽を小1時間聴かされて、こんなにも苦痛を伴うものなんだろうかと改めて気付かされた。 してみると、私のリサイタルに来てくれた人たちのなかにも、今回の私のような気分だった人が何人かいたに違いない。 なんだか身がそがれる?思いがする… さあ、今夜もJAZZYに過ごそうか… ...
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