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2002年09月28日(土)   熱氷/五條瑛


カナダで氷山ハンターをする石澤に、最愛の姉の突然の訃報が届く。帰国後、姉の息子が誘拐される。石澤は甥の解放の条件として、ある仕事を命じられる。そのころ、現総理の元にはポセイドンを名乗るテロリストからの脅迫状が届いていた。犯罪と犯罪が絡み合い、男たちの愛と憎しみが犯罪の上で交差する。
雑誌連載作品、待望の単行本化。
3日間がとてもテンポよく展開していきます。
絡んでくる人間も多いし、人間関係も絡まってるけど、話の流れに乗ってがんがん読めてしまう。
相変わらず、魅力的なキャラクタばっかりなのも、読み始めたら止められない要因。
五條氏のキャラクタは、脇も(が?)かなり強力。マヤさんといい、ツバメとガチョウの双子ちゃんといい、ステキです。
それにしても人をこんな犯罪に駆り立ててしまう、愛ゆえの嫉妬。きょうだい間の愛情って、こんなにも嫉妬の対象になるものなんですかね…。怖いです。



「――俺は人は撃たない。氷山しか撃てないんだ」


五條瑛:熱氷,p.440,講談社.



2002年09月27日(金)   きみとあるけば/伊集院静,堂本剛


コラボレーション・エッセィ。
自分の中で、日々浮かんだり消えていったりするいろいろな感情を大切にしようと思いました。



いつもおびえて暮らす必要はないが、怖がる感情が、その人に幸いをもたらすことは数多くある。(略)
誰もが怖がり屋だと、私は信じている。


伊集院静,堂本剛:きみとあるけば,p.89,朝日新聞社.



2002年09月23日(月)   赤緑黒白 Red Green Black and White/森博嗣


Vシリーズ第10弾、クライマックス。
塗装死体の連続殺人事件。
このシリーズで何度も述べられてきた(作中のキャラクタが語ってきた)「人が人を殺すこと」をさらに何度も述べられています。ほんと、そうなんですよね。そのとおりだとは思うんですけどね、まだ納得しきれない部分もあり。
保呂草氏によって始まったこのシリーズ、やはり幕引きは保呂草氏でした。
ラスト2ページがものすごい展開。むしろここがこの物語の主旨と言ってもいいのでは(冗談です)。
あれってつまり、女の子が真賀田四季さんってことですよね。ってことは、このVシリーズってS&Mシリーズよりも時系列で言ったら先に存在してるってこと
Vシリーズ自体はこれでお終いみたいなので、また短編とかでこのキャラクタたちをお願いしたいですね。



崩れても良い。
願わくば、それを私が見ていないときに、崩れてほしい。
そんな矮小な奇跡的な我が儘に、私たちの人間の生は支えられているのだ。
きっと。


森博嗣:赤緑黒白 Red Green Black and White,p.16,講談社.



2002年09月22日(日)   臨機応答変・変問自在2/森博嗣


相変わらずの切って捨てるような、お答え。読んでいて気持ちいいことはいいのですが、ん〜なんか違くない?、ってかんじも…。
やっぱり前著(「臨機応答変・変問自在」)の方が質問自体が切れ味よかったかな。



強くありたい、と願うこと、そのために自分の弱さを知ること、が強さではないかと考えます。
弱い人は、自分の弱さを知りません。


森博嗣:臨機応答変・変問自在2,p.261,集英社.



2002年09月15日(日)   隻手の声 鬼籍通覧 /椹野道流


親子鑑定で法医学教室に来た子ども。ネットゲームの中で知り合った保健室登校の女の子。弟が死んでいるのを発見した子。子どもたちと接し、自分の幼かった頃と重ねる伊月。解剖の目もテクニックも上達中。
このシリーズの中では一番現実的にありそうなかんじ。虐待っていうのは、深い問題ですよね。
ところでこのシリーズって"法医学教室奇談(オカルト・ファイル)"シリーズというらしいです。オカルトだったの?



「せや。相手の姿を心の目で見て、相手の声を心の耳で聞こうとせなアカンの違うか。(中略)あんまり焦ったらことをし損じるで」


椹野道流:隻手の声 鬼籍通覧,p.143,講談社.



2002年09月08日(日)   マレー鉄道の謎/有栖川有栖


国名シリーズ第六弾。
トリックはおもしろかったかな。
なんとなくこうかな、と思っていた通りで気分よかったし。
トリックを解く事で犯人がみえてくる、これが本格の定石なんでしたっけ?
んー時間空いたらまた読み直します。こういうものは急いで読むものじゃありませんね。反省。



「赦せなかったわけか?」
「そうかもしれないな」


有栖川有栖:マレー鉄道の謎,p.336,講談社.



2002年09月01日(日)   オトナになる方法 1〜8/山田南平


久しぶりにマンガを一気読みしました。すっきり。
こういうジュブナイルなものを読むと、もっとあの頃を大事に過ごせば…。とか思ってしまいます。
ま、今は自分の限界いっぱいいっぱいまで充実充足満足満腹してますけどね.



ボクら どんどん 成長してんねんぞ!?
自分で決めようが流されようが
ずっと同じとこにはおられへんねんで
新しい環境で自分の位置を決めな あかんねん! (8巻 p.102‐103)


山田南平:オトナになる方法 1〜8,白泉社.






ゆそか