テニミュ立海2



ファーストサービスのおさらいはこちらです。
立海メイン青学・六角
サンシャイン公演後に〜とか書いてありますけど力尽きたんでしょう。
このあとドリームライブ4も観にいってます。真田道場。

そしてセカンドサービス。
総評
レポ的要素はほとんどないです。べっさつ小野ノート。

レッツゴー立海
試合のあった子を中心に抜き書き。

拝啓テニスコートから
S3のこと、三期生卒業のこと。

2007年08月27日(月)

テニミュ立海2・いたいのさじゅさん独壇場だね





ある日の決勝終了後、立海ベンチのルーフに映った梢の影の、ひとつひとつの葉の形がやけにくっきり見えました。
西日が強いのだ、と私はなんとなくそう思いました。
それから舞台に差し込む光線が次第と赤味を帯びてきて、ああ間に合わなかったのだな、と思いました。
そして一度閉じた幕が再び上がると、夕闇だけがありました。

テニミュって何がいいの?どこが面白いの?という問いを、どっぷりとはまりこんでいる身でありながらもずっと持ち続けてきました。
そしてこの『三年の夏』に、そのひとつの答えをくれる役者と出会いました‥‥


と、
いうわけで小野くんについて熱く語ろうと思います。
本音で語ろうと思います。

小野くんは若いです。役者としてはムラッ気だと思います。
それを「テニミュならいい」という言い方は、観客としてしたくない。
むしろ「テニミュがそれを求めている」と言いたいです。

お誕生日の公演につい気合が入ってしまう健斗。
最終日が近づくにつれヒートアップしていく健斗。
ついにのめり込みすぎて試合後も表情が固まったまま戻らない健斗。
試合もそうだけど、だんだんベンチトーキンが増えていく健斗。
本当にそれでいいのか小野健斗!!

そんな健斗と蓮二のS3は、観る日によってまったく違う試合でした。
観ていて本当に、この試合がこの先どうなるか分からなかった。

テニミュはそういう舞台です。
公演期間中、何度も「今日は勝てる」と思ったし、逆に「今日あの試合をして負けたならそれでいい」と思った日もあります。
何回見たからということじゃなく、何回見ても、その瞬間できることは試合の行方を見守ることだけです。
そして小野くんの蓮二は、ただただ無心に目の前の試合に打ち込んでくれました。

あの試合には、展開の読めない、不安定ゆえの新鮮さがあってそれが魅力だった。
そういった美点が役者自身の若さや拙さから棚ぼた的に得られたものという観方はもちろんできるでしょう。
しかしそれは本質ではありません。
何にも先立って「テニスの試合」という舞台を輝かせたのは、演技者が欠くべからざる最初のもの、初心です。
柳蓮二が生まれてはじめて打つその一日のその一球です。

もとよりあんな原作ですから、いくら緻密な演出をしようと、いくら匠の技をもって脚本に落としこもうと、ザルはザルで桶にはなれないわけです。
そのザルで水を汲むからには、舞台上で役者の生々しい本気を晒すというような荒業が不可欠なのかもしれません。
それを天上人(上島演出とか。)は須らく知っているように思われ、ために私はテニミュを作品として評価せざるを得ないのですが、それはただの余談です。

いい試合だった。ドキドキした。戦ってくれてありがとう。
そう思えることがテニミュの特権的なおたのしみだと思うわけです。

2007年08月26日(日)

テニミュ立海2あのこにズームイン




■赤也と元気
ついにテニミュに役者さんが出演してしまったというような衝撃を受けた。舞台演劇のあの振動、余波が‥‥
正直ね、なんでテニミュが何回も観られるかって、それはあの舞台上にあるリアルが少年漫画の地平だからです。テニスの王子様の世界としてのリアル。それは、そういう作品だからそれで正解なんです。観客はそれをたのしみに行っているのだから。でも元気くんの赤也はそこから少し抜けて、こっち側の世界のリアルに触っている。
初見以来『「この子が」赤也でよかった』とは常々思ってきましたが、あの独白劇を見て『この子が「赤也で」よかった』と思いました。切原赤也という特別な子を演じるからこそ、少年漫画のリアルを踏み越えることが許された。
そしてそういう「特別な切原赤也」を得てテニミュがより自由になったと感じました。

赤也つれづれ
・M1「潰えた夢でも語り合ってろ」舞台前面にずんずん向かってくる時の凶悪な笑顔がたまりません。瞳孔、開いとる。そして「涙しろ」と吐き捨てた後、横を向く時の凶暴な表情は背筋が凍ります。
・不二戦「あんた天才って言われてるんだって?」の『天才』っていう言い回しの馬鹿にしきった感じが最高。あと「隙みーっけ」の後のケタケタいう笑い声も最高。あと審判に注意された時の「ぅあーい」とか‥‥
・というか、いちいちあげつらうときりがないくらい、ひとつひとつの台詞がよく練られていて、受け答えがとても丁寧で、見ていて勿体無い気持ちになります。そうか、この気持ちが“有難い”か。ウォーター!
・カーテンコールでいつも真田と幸村の間で囚われの宇宙人。


■真田と兼ちゃん
風林火山のダンスは部活の後にコートでみんなで練習しました。
「ここが今回最大の見せ場だから」「舞台の成功はお前に懸かっている」とか言われて、一所懸命がんばりました。入院中の幸村が送ってくれたビデオ(振付・お手本:幸村精市)を見ながら‥‥
みんながすごく真剣につきあってくれるので、感動して泣いてしまったこともあります。よい仲間に恵まれてよかったです。
テニス部副部長・真田弦一郎

‥‥というわけでね‥‥感動をありがとう。兼崎くんの真田は、涙が出るほどいい男で、テニミュスタッフにはすげー宝物をもらってしまったなと思います。ありがとう大事にします。
真田の立派な脚が汗でぬらぬら光っていた時、真田のポロシャツの腹と背が汗に濡れて色濃くなっていた時、なにか凶暴な衝動に駆られました。
あとF.G.K.S.で真田がすぐ傍まで来たことがあって、隣にいたエイコちゃんの腕を掴んで震えてしまいました。だってすごくかっこいい‥‥一生の思い出にします。

真田つれづれ
・やはりBloodshotのダンスが秀逸です。出番が近づくと蓮二と二人でおくつを脱ぎ脱ぎして待ち、ベンチに上がる(※ベンチは土禁!)。「もう誰にも止められない」の辺りは手持ち無沙汰なのかひとり、手振りが余計。
そもそも蓮二だって靴脱いでるのに『後は任せた』みたいに肩をポンと叩いて自分だけベンチに乗る無神経な真田。ただ、蓮二と腕をクロスさせるキメポーズはかっこいいのですべて許そうと思う。
・「お前も行けよ手術室へ」のお歌が素晴らしい。なにって、真田に「怖くはないよ」「恐れなくていいよ」と『よ』で呼びかけさせたトンガリ先生は神。また、兼崎くんの歌声が優しいので、涙が‥‥。真田は乙女の夢。
・試合は鉄人。真田の高い技術力を見事に表現。特に、まっすぐ上に振り抜くショットのフォーム(ロブとか)が抜群の安定性を感じさせる。真田は、テニス上手いよ!
・F.G.K.S.がひとりだけタテ乗り。ジャスト四分刻み。ロッカー? 風林火山はそんな真田のリズム感に考慮して作曲されました。

真田ザベスト
・制服万歳!!真田のベスト万歳!! 真田はきちんとさん。
・「負けることの許されない王者!」のあとの振りが最高に面白い。しかし、この歌はいい歌だよね‥‥二部作最高‥‥
・帽子をかぶっていない真田は、坊ちゃんぽくてたまらない。ベストもたまらない。十五歳たまらん。


■精市と、幸村のレン
テニスの王子様が舞台化して本当に良かったと思います。精市が元気に跳んだり跳ねたりしているのを見ると、本当によかったなと思います。精市が絶対テニス強いのでうれしいです。幸せです。

精市つれづれ
・M1「オレたちが勝利で〜」と桃城海堂を囲い込む立海の中央で堂々と立ちはだかる精市の雄雄しさに震えました。そうか、この人がこの中で一番強いんだ!と直感で理解しました。
・ジャージ時の、前後にずらした後ろの足に極端に加重した立ち方。
・赤也の回想、ビッグ3にこてんぱんにされるシーンの幸村の一球目がサービスエース。サービスエース!もう死んでもいい。
・「俺は行くよ手術室へ」のストレッチャーの足許になぜか揃えられたスリッパ。一瞬しか履かないのに‥‥
・メイン曲の「ギリギリ!ギリギリ!」でジャンプしてラケットを垂直に振り下ろすところが素晴らしすぎる。
・F.G.K.S.のジャンプが高すぎて着地が間に合わない。バスケ部主将の跳躍力。滞空時間長すぎる。背チラが眩しすぎる。笑顔が眩しすぎる。
・同上「テニスに捧げた青春」でジャンプして振り下ろすショットが言葉にならない。


■ダブルス流し撃ち
・ブン太くんがすげーかっこいいので何度もびっくりしました。見るたびにかっこいい。
・一回、真田が赤也に向かって「たわけが」って言った瞬間、すぐ横でブン太のガムがぱんって割れて、感動した。
・Bloodshotでジャッカルが「しょうがねえなあ」みたいに前に出てきてブン太を手振りで呼び寄せるところがすごくいい。ぶんじゃさいこう。
・ジャッカルは本当いい奴。みんなに気を配って、超やさしい。ジャッカルを見ていると癒される。
・赤也の試合中の歌で、「立海大でナンバーワンに」のくだりでベンチを見るんだけど、ジャッカルが拳で応えていて胸が熱くなります。
・柳生もよくそこで掟のポーズをして応えています。
・柳生はすげーしゃべり。
立海ベンチは、小野くんがそうだからか、尻上がりに調子を上げてくる傾向があるわね。スロースターターというか。
・仁王くんには話かけてもらわないと話しかけられない。
・柳生の歌で「すごい あのメンタリティ」ってなんかいつ聞いても面白い。
・仁王がすごく純粋そうでいい子そうで困ってしまう。一幕終わりの立海のテーマ曲の、「おまえの想い感じて」のとことか、仁王を見ていると切ない‥‥
・そのあとの「俺たちはチームになる」で柳生に微妙に目を逸らされているところが別の意味で切ない。
立海大は!整列の間隔が!狭い! ぎゅってなってる。
・冬もだった気がしますが、F.G.K.S.のラストは大体仁王くんは誰かとジャンプ合戦してる。
・そんな恒例のジャンプ合戦に真田が誘われた日もある。真田ははしゃぎすぎていた。よほど嬉しかったのであろうか。
・その時の真田の背チラはすごかった。つーかまた緞帳ラインをはるかにせり出ていた。
・F.G.K.S.で客席に降りてきた時の馬場の客あしらいがたまらない。どういう意味なのか問い詰めたい。
・でも振り向いた時目が合ったのは絶対に気のせいじゃない。
・というあたりが魔性のナインティーン。
・余談だけどあいつの写真映りは変だ。天使のように映っている。
・いつもTシャツにロックなメッセージがプリントされているけどなんでですか?
・アップになっていると必死でピアスの穴を凝視してしまう。


ばーちょんのせいできりがなくなってきたので終了ー。

2007年08月25日(土)

テニミュ立海2思い出のアルバム




■四年と二ヶ月と十五日間の経過について

巷で話題騒然だった「べっさつ柳ノート」には

忘れもしないLast Day・・・二人はじめての対戦・・・

等のポエムが書き連ねられていることが判明しました。
涙で前がかすむほどきもいです。
「淀んだ時の水溜り」というフレーズなんか今にも盗んだバイクで走りだしそうなミドルティーン・エナジーが炸裂していて、そういえばこの子(貞治)も多感な十五歳だったなあと改めてそのセンシティヴさに脱帽しました。さすがピュアボーイズ。
また自作の再現VTR「Memories of Nobody 〜 博士と教授・最後の夏休み」も、会場を失笑の嵐で席巻する秀作に仕上がっており、立海大付属中・幸村精市キャプテンの体を張った演出と肩を並べていました。
出演は近所のテニスコートにいた小学生に依頼、本当は教授役にはぜひ女児をと希望していたようですが、もし念願叶っていたら今ごろ主演女優の親御さんに訴えられていたかもしれません。
また試合後も、疲れた体を引きずって不二のデータを取ろうとしては、可愛がっている後輩に「ちょっ‥‥」と一瞬言葉を失くすほど素でどんびきされたり、三年間つきあったチームメイトにいっそ不気味なものを見る目つきで見られたり、素晴らしいストーカーぶりを披露していました。


■追記・蓮二と健斗
さんざん書いたけどムラッ気役者の小野健斗。最高でした。
この子はもしかしたら、なにか特殊なすごい子なのかもしれない。
表情も抑揚も動きも反応もどちらかといえばおとなしいほうなのに、テンションの上がり下がりがダイレクトに伝わってくるのは何故なのでしょうか。
念力で人を殺せそう。恋する相手に生霊を飛ばせそう。まさにかまいたち。
風林火山のダンスが最高のぶん投げぶり。手足、邪魔なの?

蓮二ひがわり
◎いつもどおりフラットな台詞回しながら『蓮二ちょっとテンション高くない?なんかおかしくない?いやすげーいいけど、どうしちゃったの?大丈夫?ガッツポーズまでキメて‥‥』と休憩時間の喫煙所で物議を醸していた、期間中盤のある日。もしかしてどっかとちったとか?いや気付かなかったけど‥‥とか言っていたらカーテンコールで立海メンバーから「おたんじょうびおめでとう」。そっかーそういうわけかー。お誕生日だからね、気合が入っちゃったんだね。十八歳まじかわいい。
その後のF.G.K.S.でも思わずこぼれたような笑顔が見られて十八歳まじでかわいい。お誕生日がうれしいのはしあわせに育ったいいこの証です!こんなに大きくなったしね!そんな8月9日公演でした。

◎運良く座席のよかった楽前日の8月14日。この日の蓮二は一際熱かったです。特に試合後半は、汗が流れ滴り落ちていました。ボールがラケットにミートする瞬間の歯を食いしばった表情が忘れられません。近くで見られてよかった‥‥
真田の裏拳制裁を赤也がラケットで受け止めるあのシーン。赤也に庇われたと知った瞬間、顔がみるみる紅潮して耳まで真っ赤に。どんぐりおめめが泣きそうです。顔面芸人がここにも!その後もなかなか興奮が落ち着かず、赤也の試合を今にも泣きだしそうな表情で食い入るように見つめています。顔、まだ赤い。
その後、不二との試合に敗れた赤也が「俺を殴ってください!」と真田の前に飛び出すシーンでもむしろ殴られたような顔をして立ち上がる蓮二。このままのテンションで風林火山にいって大丈夫なのか?と思いましたが、その頃にはクールな参謀に戻っていました。お疲れ様です!!


■三期生卒業だって、という話

転校してきた子がまた転校していってしまうような、さみしいような残念なような気持ちです。
今だから言えることですが二期キャストには大変思い入れがあり、ある意味で操を立ててしまったような面もあったので、三期キャストにはようやく馴染みが湧いてきたところでした。
テニミュがもしこれからも続いていくのなら、こんな感じが当たり前になっていくのは仕方のないことだと思いますし、そのメンバーにしかない魅力を楽しんでいきたいです。
そして、二期〜三期を通じて待ったなしのMVD・ミスター不二周助こと相葉っちもついに卒業。『天才』不二という評価のシビアな役どころと、新青学を牽引するという、ふたつの大役を務め上げてくれました。
手塚ではないけれども「テニミュにとってのダンスとは何か」ということを築いたのも相葉くんだと思います。
テニミュはミュージカルなので本当のテニスは(舞台上では)しません。しかしミュージカルなので歌ったり踊ったりします。即ち踊ることはテニスをすること。不二のダンスは不二のテニス。それを、不二が誰より美しく緻密に踊ることで表現し発信したのがダンサーとしての相葉くんです。
それに相葉くんは、当の不二くんにとって、菊丸くらいの得難い友達になってくれたんじゃないかと私は思っています。
どこが変というのじゃないけどなんとなく、何かが少し違って浮いた奴である不二に、ごく普通に真っ当にまっすぐ向きあって一緒に考えたり喜びを分かち合ったりできる友達ができたというのは、なかなか悪くないことです。

2007年08月24日(金)

閉じる