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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2010年09月30日(木)
Vol.766 父の禁煙

おはようございます。りょうちんです。

父は大の愛煙家だ。タバコを覚えたのは40年以上も前で、それから一日ひと箱以上のタバコを灰にする日々を送っている。風邪を引いてもタバコだけは止めない父にまったくタバコを吸わない俺は、昔から何度もタバコを控えるよう忠告してきた。まだ俺が中学生の頃は父のタバコで大ゲンカになったこともあったし、タバコがいかに有害かを保健の授業で学んだとおり懇々と説明したこともあった。しかしどんなに俺が言っても、むしろ言えば言うほど父はタバコを止めようとしなかった。
弟が禁煙に成功してからは、弟も俺と一緒になって忠告するようになったのだが。それでも「タバコを吸えない方がストレスが溜まってカラダに悪い」だとか、「死ぬ時はタバコを一遍に十数本吸いながら死にたい」だとか豪語する父に、マナーさえ守ってタバコを吸うのならもうこれ以上何も言うまいと俺はココロに誓った。
ところが夏の終わり、父の通う病院の定期健康診断で。父は肺に小さな影があると診断された。まだ8mmほどのほんの小さな影で精密検査をしてみなければ何とも言えないが、仮に最悪それが悪性の腫瘍だとしても本当に初期の状態で、カラダを傷をつけることなく簡単な手術で治せるらしい。特にあわてて心配することもないがこれを機にタバコは控えたほうが良いと主治医に言われた。
その日から、父はタバコを止めている。俺が今まで長い間何万回と言ってきたことを、たったひとことの医者からのコトバですんなり受け入れるなんて。家族の誰もが驚きを隠せない。当の本人は「俺はタバコを止めたわけじゃなく休憩しているだけだ」と言って、いつだってタバコが吸えるようポケットにライターを忍ばせている。しかし涼しくなっても父はまだアイスを一日5本も食べていると母は言っていたし、ガムを大量に購入したことも俺は知っているが。父はそれでもそんなに苦労もせず、むしろ楽しんで禁煙ライフを送っているようだ。
明日からタバコの値段が上がる。だが、父の健康にとっても我が家の家計にとっても、父の禁煙はうれしいことには違いない。