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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2006年05月03日(水)
Vol.653 曽祖父の生まれ変わり

おはようございます。りょうちんです。

俺のルーツを探るシリーズ・その2。
俺の実家は、代々続く床屋を営んでいる。父が3代目で、俺が父の跡を継いでいたら4代目になるはずだった。本来長男である俺が跡を継がなくてはならないのだろうが、俺ははなっから父の跡を継ぐ気なんてなかった。俺が生まれた時は本家に長男が生まれたと親戚一同喜んだらしいのだが、俺は見事に期待を裏切ったわけだ。
父の祖父、つまり俺の曽祖父が俺の生まれたこの地で床屋を開業したのだが、それが明治40年のこと。火事で焼失する前、店にはまだ開業の時に記念に作った古い大きな鏡があって、そこに開業時の日付と曽祖父の名前が刻んであったのだからまちがいはない。西暦で言うと1907年。来年でちょうど開業100年になる。あんまり良く考えたことはなかったけど、歴史のある床屋なんだなぁと実感する。
さて。最近まで俺の先祖はずっと千葉の人だと思っていたのだが、床屋を開業した曽祖父は元来山梨県が出身なんだそうだ。曽祖父は僧侶をめざしていて、山梨から俺の住む市のすぐ近くにある成田山へ修行に来ていたらしい。しかし曽祖父は刺身などの生ものが大好物で、精進料理しか口にできない修行が耐えきれなくなり仏門を逃げ出してしまったんだという。今になってはその後なぜ曽祖父が床屋を開業しようとしたのか理由はわからないが、そのまま千葉の地に骨を埋めることになったのだ。父が生まれてすぐに曽祖父が亡くなったため詳細は良くわからないと父も言っていたのだが、そういう経緯で俺は千葉のこの地で生まれ育ったことになる。
ところで。実は俺も昔、僧侶になりたいと本気で思ったことがあった。大学で宗教の講義も受けていたし、法事の時はやってくる僧侶に興味津々だし、いつかは四国八十八ヶ所巡りにトライしてみたいと思っている。ずっと俺が坊主頭で通しているのと関連があるかどうかは別として、父は常々俺は曽祖父に似ていると思っていたらしい。俺が曽祖父の生まれ変わりだなんてそんなおこがましいことは考えちゃいないけど、やっぱり血は確実に受け継いでいるに違いない。