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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2006年04月23日(日)
Vol.652 春の青空に誘われて

おはようございます。りょうちんです。

春の青空に誘われて、昨日は今季2回目の高校野球観戦。今年はあんまり高校野球にのめりこまないぞなんて思ってたのに、大会がはじまるとやっぱり気になって仕方がない。たった1時間半の睡眠しか取らなくても、母校の応援という理由にかこつけて、俺は早朝7時半に家を出てちょっと遠くの球場まで足を運んだ。
父から先日教えてもらった裏道を抜けると、渋滞にもつかまらず快適に目的地まで行けた。試合開始10分前に到着。4月のひざしは暖かく、ベンチに腰掛けるなり着ていたフリースが邪魔に思えた。強い紫外線のせいで、今年も早々に日焼けしちゃいそう。足元に置いたかばんから取り出したのは、チケットを購入する時に一緒に買った選手名簿、お茶のペットボトル、オペラグラス、それにスコア用のバインダーとボールペン。これで観戦準備は整った。あとはトイレに行っておくことだけ。
試合がはじまった。ひとつひとつのプレーを目で追いながら、スコアを記録する。とは言っても、このスコアは本格的なものではない。俺にしかわからない記号を記していくもので、しかもいいかげんにつけるのが俺流のやり方。TV観戦とは違って解説なんて誰もしてくれないから、よくわからないプレーにも頻繁に出くわす。でもそんな時でもわからないなりに記しておく。そうやって適当にスコアをつけながら観戦していると試合にも集中でき、ココロも落ち着いてより楽しめるのだ。
しばらくして、俺の前に座ったのは翌日に試合を控えたチームの名前が入ったかばんを抱えた球児くん2人組。次の試合に備えて偵察に来たのだろう。ふたりは配球と打球の記録を取っていた。こんな風景は良く見かけるのだが、このふたりのやり取りはなんだかすごく笑えた。目の前にいるから必然的に会話が俺の耳にも入ってきてしまったのだが、彼らは誰に笑いを求めるでもなく、素で話す高校生の会話ってマジでおもしろいんだって改めて思った。
そんなこんなでたっぷり8時間、9to5で丸々3試合を観戦した俺。あいにく母校は負けちゃったけど、どっぷりと大好きな高校野球に浸った一日だった。



2006年04月21日(金)
Vol.651 恋せよ乙女

おはようございます。りょうちんです。

誰だって恋に焦がれる甘酸っぱい時代は、必ずや経験するものである。うちで働いているアルバイトの高校生の女の子たちは、毎日仕事をしながら恋の話に花を咲かせている。どこそこの店にはステキな店員さんがいただとか、なんとかという先輩はイケメンでかっこいいだとか。「もしもそんな理想的な人が自分の彼氏だったら…」なんて夢を追いかけて、きっと毎日を過ごしているに違いない。
確かに俺にも、そんなふうに恋に恋する時代があった。特に俺は妄想することが人一倍得意だったせいか、ありえないシチュエーションを頭の中で作り上げて、人には到底言えないとてつもなく恥ずかしい物語をいくつも描いていた。湖のそばの高原でデート編だとか、夜景を見ながら告白編だとか、学校帰りの公園で初めてのチュウ編だとか。あーもう、思い出すだけで恥ずかしくて顔から火が出そうになる。それと似た絶対にありえない妄想を、彼女たちも自分だけのココロの中で描いているのだろう。いつかは白馬の王子様が自分のことを迎えに来てくれるのを信じて。
さて。恋の経験がまだ浅いそんな彼女たちは、少なくとも彼女たちより恋の経験が豊富であろう俺らに、さまざまな質問をぶつけてくる。「好きな人と毎日メールしてなきゃ心配になりませんか?」とか、「一緒にいてもときめかなくなったら終わりですよね?」とか、その程度のかわいい質問なら俺も本気で答えてみるのだが。最近じゃ俺がふたり暮らしをしていることも知っているので、質問の内容も段々エスカレートしてきた。そのへんは上手にごまかしたりあしらったりして、それでもできるだけ自分の意見で相談に乗ってあげられるようにしている俺なのだ。そしてそうやって彼女たちの恋のから騒ぎに絡んでいる時間が、実はとても楽しいのだ。
先日は、パートのKさんが彼女たちの質問の集中攻撃に遭っていた。しかし彼女たちの親よりも年上のKさんは、俺が驚くくらいのきわどい質問をされてもさらりとかわしていた。さすがである。すばらしい恋を重ねると、いつかは彼女たちもKさんみたいになれるのかもしれない。さぁ、恋せよ乙女たち!



2006年04月17日(月)
Vol.650 渋温泉

おはようございます。りょうちんです。

俺のルーツを探るシリーズ・その1。
次の旅行はどこに行きたいか母に尋ねると、母が答えた場所は渋温泉。群馬県と長野県の県境にある渋温泉は、けして有名とはいえない山あいにあるひなびた温泉地だ。特別何があるわけでもないこじんまりとした渋温泉に、なぜ母が行きたいと言ったのか、実は理由があった。
父と母は、いわゆる職場結婚である。父は代々続く床屋の息子で、祖父と一緒に店を営んでいた。そこへ見習いとしてやってきたのが母である。父と母はこうして出会い、恋に落ちたふたりは1970年12月、結婚に至る。しかし結婚式はかろうじて挙げたものの、店を営んでいるふたりは新婚旅行には行けずじまいだった。
その翌年の初夏。たった2日間だけの休日を利用して、ふたりはドライブに出かけた。結婚してから初めての遠出で、これがふたりにとっての新婚旅行のようなものだったのかもしれない。ふたりはあてもなくただ車を走らせ、すっかり日も暮れた頃、辿り着いた場所がたまたま渋温泉だったのだそうだ。そして渋温泉のKという老舗の旅館にふたりは飛び込んだ。宿泊の予約なんて到底してないのにその宿の女将はふたりをこころよく歓迎してくれて、無事夜を明かすことできたのだそうだ。
「渋温泉のあの老舗の旅館に、また行ってみたい!」という母の希望を叶えてあげようと、父と母の記憶を元に俺もいろいろと調べてみたのだが。今でも実在するその老舗の旅館は急な階段があったりして、足の不自由な母が宿泊するにはちょっと厳しそうで、残念ながらあきらめざるを得なかった。
さて、話を元に戻すが。ここからはあくまでも俺の憶測なのだが、ふたりが渋温泉に行ったのがきっかけで、俺が生まれたのかもしれない。渋温泉への旅行が1971年の初夏、俺が生まれたのは1972年の4月。計算上ぴったりなのだ。もしもあの時、父と母が渋温泉に行ってなければ俺が今ここにいなかったとすると、是が非でも渋温泉に行ってKという老舗の旅館に泊まってみたくなった。



2006年04月12日(水)
Vol.649 たけのこは今が旬

おはようございます。りょうちんです。

実家に帰ると、母が大きな鍋でたけのこを煮ていた。竹やぶで取れた朝取りの大きなたけのこを、ご近所さんから3本もいただいたんだそうだ。たけのこは今が旬。「雨後のたけのこ」とは良く言ったもので、4月になって雨が降ったあとには、ぞくぞくとたけのこが顔を出してくるのだ。
たけのこといえば。ちびっこだった頃、よく梅干をたけのこの皮に巻いてしゃぶったことを思い出す。キャンディーをなめる感覚でおやつとして口にしていたのだが、たけのこの皮に生えている細かい産毛を包丁の背できれいにこそいで、それを梅干に巻いてしゃぶるだけのもの。ほのかに香るたけのこの香りと梅干の酸味が口に広がって、俺にとってはとても懐かしい味なのだ。しかも、この梅干を巻いたたけのこはすぐに食べ切ってはいけない。なぜなら、長時間梅干を巻いていることで、たけのこの皮が次第に赤く変色していくのを楽しむという遊び的要素もあるからだ。ちなみに、梅干の代わりに味噌を入れると青く変色するし、両方を入れてしゃぶると紫色になる。リトマス試験紙のように、酸性とかアルカリ性とかの理由で色が変色するのかどうかは定かではないが、しゃぶっているうちに色が変わるという楽しいおやつはたけのこが出てくるこの時期ならではのものだった。
そんなことを思い出しながら、母がたけのこを煮ている横で、久しぶりに梅干を余ったたけのこの皮に巻いてしゃぶってみた。けしてうまいものではないけれど、やっぱり懐かしい味だ。固いたけのこの皮も、しゃぶっているうちに俺の口のカタチになじんで柔らかくなってくる。そして次第に繊維に沿って色も赤くなってきた。こんなことで単純によろこんでいた幼かった自分が、なんだかかわいく思えた。
そういえば、ずいぶん前から相方がたけのこが食べたいと騒いでいたっけ。下茹での処理だけしたたけのこをおみやげにもらって戻ってきた俺は、相方のリクエスト通りチンジャオロースーと若竹汁を作ってみた。やわらかくてちょっとだけえぐみの残るたけのこはとてもおいしくて、春の味がした。