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2003年01月27日(月) |
薬屋の秘密 The Pharmacist's Secrets |
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お知らせ: 和英二カ国語劇場 一人芝居『薬屋の秘密』The Pharmacist's Secrets上演へ向けて。 第一回目の公演日時は3月11日7時 3月12日2時7時に決まりました。 場所は築地本願寺ブディストホール。 願いが叶い本願寺へ辿り着けるよう祈りつつ稽古中です。 演出の畑さんの演劇舎猫の事務所のHPに『薬屋の秘密』のページが出来ましたのでどうぞよろしく。 target="blank">http://www5d.biglobe.ne.jp/~neko-jim/
ことばとは自己を表現するものだ、というと、ハロルド・ピンター(英国の劇作家)に喝を入れられそうだ。ピンターによれば、ことばは人が真意や恐怖を隠すために使うものだ、となる。新鮮なステートメントであったなあ。 思えば、50年代から60年代の不条理劇といわれるジャンルの、ベケット、イオネスコなども同じ言語観を持っていて、何だかわけのわからぬことが言われているうち、とんでもないことが起こってしまうのである。な、なんと! 真意を隠す、恐怖を隠す! 正義の味方の鞍馬天狗や月光仮面の、まったく嘘偽りのない言動を毎週拝み、僕は嘘はつけないといった米国初代大統領のまばゆい影に立ちくらみつつ育ったヒヨワな極楽トンボには、なかなかきつい言葉でもあった。 ピンターはテープレコーダーの耳を持った劇作家とされ、作品は、日常会話から鋭利な刃物で切り取ったようなセリフのコラージュと、独特の間と沈黙とが特徴であり、それはなんともおかしく、怖く、不可解で、英語科の学生にとってはセリフが一見やさしそうで難しい(難しそうで難しいより楽でもある!)ところが入りやすかったのであり、そのままはまってしまったのだった。
芝居の最後に(が多いが)、必死に隠そうとしていたことが、ほとばしり出たり、ほのめかされたりすることがままある。それが言葉であったりする。これが面白さの大きな部分を占める。 で、こうした隠すことも含めて、ことばは自己表現であって、結構深いものなのだ。
薬屋でも最後にそんな場面があるよう何とか頑張りたい。 FEAR(恐怖、おそれ)にどう取り組むか。これ人生の課題。僕など今月運転免許を取るまで、道を80キロで走るなど考えてもみなかった。怖がり屋が、一応FEARに取り組んだのである。(ちょっと威張り過ぎかもしれないが。) 言葉を発しようというときにFEARがコントロールしてくることも多い。 それが返ってよい場合もあるけれど・・・。 外国語を発しようとするとき、FEARの登場はひんぱんだ。 ただFEARと、FUNとがあって、バランスがとれる。 人生はF-Fコンビである?! FUNのないところ、FEAR天国であり、人生はインフェルノだろう。 演出は畑圭之助さん。 彼とは15年くらいの付き合いで、たいへん地味なのにどこか派手なところが自分とよく似ている。
和英二カ国語劇場 一人芝居『薬屋の秘密』とは?
30分ほどの一幕劇(畑さん作)を日本語・英語の順に、小休憩を挟んで連続上演します。 和風な話です。それを英語でどう伝えるかというあたりが英語版のポイントです。一粒ながら二度おいしい。薬屋なら遠山顕。(また言ってる。)
もうひとつの特徴、いや、特長か? とにかく歌が一曲ずつ無理なく(物語の必然性にのっとって)入る。無理矢理入るとも考えられるフシもあるが・・・。
外国人の知人友人がいらしたらぜひご一緒にご来場ください。
和訳しながら思ったこと。
訳の問題 1 「まだ開(あ)いてないんだ」 The store’s not open yet.でよいでしょう。 が、We’re not open yet.と組織のWEを使うのもよいし、 I’m not open yet.と一人で経営している人は言うでしょう。 これだと、当人がまだclosed(閉じている)という感じもあり、 スタートの雰囲気にピタリ。かつ場面にナチュラルな英語。 英語版はこれになりそう。
訳の問題 2 「そして店は閑古鳥が鳴き続け・・・」 And the kankobird kept singing in the shop.とは言えれば世話はない。 ちなみに閑古鳥はカッコー鳥のことだと。カンコと鳴くか。 And I had no customers for days, for weeks...とでもすると、それなりに くやしさも出る・・・。
2003年01月14日(火) |
I paaassed the exam! 受かりました! |
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自分でこがずに前進する世界が広がった。 運転免許を取ることができました。
I got my driver’s license. とは、a driver’s licenseでは誰のものか不明なのでmyとするだけなのだろうが、やはりmyから以下震え気味です。gotもぐっと力が。Iも子供っぽいが大きな音になっておる。
路上練習中、50マイルくらいを出してたこともあったのを思い返して感心してはキロに直してゾッとしている。 助手席であれだけ聞こえていた、ビュン・ビュン、英語でZoom, zoom!というすれ違う車の音が、運転していたときは聞こえなかったなあ。道に集中していた。
東京に帰りあらためて車の海を見ても、これからはあれらのものを推さずに動かせるという安心感がこみ上げる。これはまあプラスなんだろう。何かあったときは。
I’m a modern man!(ぼかあ現代人だ!) と、これはあちこちで結構受けていますが、かなり本気であり、照れ隠しでもある。
I’m ready to drive people crazy. こちらは冗談のままであってほしいが。 drive someone homeは、誰かを家まで車できっちり送ることだけれど、drive someone crazyは、誰かを気も狂わんばかりの状態にきっちり追いやることで、練習中はジェフ君やカミサンをそうした状態に置いたこともあったかと思う。
driveはカウボーイのやったcattle drive(牛追い)などにも見られるように、かなりすごい力で推進する感じがある。
昔、祖父が一時やっていた運送業のトラックが自分の最初の車との遭遇で、6歳くらいの子供にとって、運転手がハンドルを大汗を掻いて回しているのを見るのは驚異だった。ドライビングの原風景。
それ以来、自分の車の知識がまったく進化していなかったことはもっと驚異だ。 パワーステアリングですか、power steeringでしょうか、あれは要するにパワーを入れてsteer(運転する)をしなければとぼんやり思っていたフシがある。
だから今回、ぼくの中には、steering wheel(ハンドル)というものを思い切り回したいという衝動が生まれたのは、自然なことだったのであり(今もある!)、それを知らない、既にモダーン・マンのジェフ君は、いきなり急坂や直角のコーナーが多い場所を選んでしまって、そこをアクション一杯にスタートした自分は、彼にとって脅威だったのだろうな。
『オズの魔法使い』で、ミス・ガルチという怖いネイバーが、少女ドロシーの可愛い子犬のTotoに噛まれたとねじ込み、この犬は、Your dog's a menace to the community.(この界隈の脅威だ)と大げさに言うところがあるが、自分もこれからしばらくは(というか一生というか)、a menace(メニスと発音)behind the steering wheelというか(運転席に座っていることを、このようにハンドルの向こうにと、前から見た視点で表現する)、そういう存在であろうし、Totoちゃんよりおっかないことは当然である。(Totoは、日本のトイレにもいて、暖かく迎えてくれることもあるが、ありゃ偶然の命名だろうか。ロックグループのTOTOが喜んだというのはold newsである)。
疲れたとき、I’m running out of gas.(ガス欠になってきた)という表現があるのをご存知でしたか。この表現が、免許を取ったその日の終わりに、はじめて自分の口から飛び出した。 That’s too good to be true. (うまくできすぎている) できすぎだが本当。何かをやりながら英語をというひとつのヒントか。
歩道と車道の両方が自分の世界になった。これは結構倍以上。広い。 将来、東京の緻密な運転技術を身につけたら走ってみよう。いつだろう。
では次の目標、和英二カ国語劇場 一人芝居『薬屋の秘密』上演へ向かって。
速報: 第一回目の公演日が決まりました。3月11、12日、築地本願寺ブディストホールです。 くわしくは後ほど。
宣伝: 大型ドラッグストアに追いこまれた駅前の孤独な薬屋の主人に、ある朝、意外な出来事が・・・。笑いとペーソス、愛と失意と勇気の、ちょっとひねった和風人情物。 二カ国語一人芝居は30分のオリジナル一幕物を小休憩を挟み、日、英の順に上演する日本初の企画です。 和風が英語でどこまで通じるか? お楽しみにお勉強に怖いもの見たさに、外国人のお友達もお誘いになって、にぎにぎしくご来場ください。 一粒で二度効く。そんな薬屋は遠山顕。
2003年01月04日(土) |
You’re in control. 一人でできるね。 |
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今年の目標のひとつ、自動車免許を取る、が近づいている。 6日。
ハワイ州のライセンス法が変わるギリギリのところで滑り込みセーフし、以来、筆記(written test)をパス、ようやく実技(performance test)にこぎつけた。 先月下旬あたりから、友人のジェフが、一日2時間の特訓を一週間やってくれた! 持つべきものは・・・という言葉を噛みしめる。 彼は中国系米人で、オカミサンが日系米人。 到着早々、かなり悪い風邪(flu)にかかった我々家族に、Chinese sick soupという家伝のスープを鍋ごと運んできてくれた。(そのうち、オカミサンのノラが風邪になり、わたくしめがグリーンオニオンとsoft(絹ごし)tofuとジャガイモの味噌汁をその鍋に入れてお返しをした。)
ジェフのスープの甲斐あって全快し、練習開始。ロードと昔の飛行場(the old airportと土地の人は呼ぶ)で。
Ken, slow down, Ken...Ken, what are you doing?
Turn on the blinker, Ken. Go slow. Turn slow, Ken. Don’t go fast.
助手席に座ったジェフから「命令形」がどんどん出る。 ただ、僕のファーストネームをつけるので(しりあがり)、命令!とは聞こえないところが英語の大事なポイントです。 同じ指示をKenナシで読んでみたらわかる、Kenナシの強さ、激しさが。 おっかないでしょう。 これは日本人なら慣れている。友人間でも巨匠と弟子の関係になってもおかしくないところがあり、一方英語圏ではまずやらないのがコントラストになる。 水平感を維持するファーストネーム使用のパワー。 英語圏で仕事をする人は、一応チェックポイントに。 あるいは、名無しの命令形はしりあがりがコツ。 (しりとは失礼かも。が、イントネーション云々よりインパクトが少しはあると思って・・・寿さんもいらっしゃる。)
そのジェフが、ブレーキをこまめにかけることができないぼくに、
Ken, who controls the car?
Who controls the car, Ken?
といった質問を投げかける。それが混乱した頭の中に響き渡る。
こちらは、
I do.
Me.
I control the car.
などと、そのつど答えていくうち、次第にMeやIがCARと対極の存在として浮かび上がってくるから面白い。 コーチングの仕事をやっている彼なら当然だろうが、スポーツクラブの部員になった気分。
bonding
は結びつきのことだが、
I’m starting to bond with the car.
という気持ちも芽生えてくる。
人生の半分ずっと(残りはもっと少ないぞという人もいるが)、ぼくはメンタリティーの部分は、『フレンチコネクション』でジーン・ハックマンのやったポパイ刑事や007、あるいはシェリル・クロウが最近歌っているレーサーで俳優のスチーブ・マックイーンに乗り移られているアクセル(the gasとかthe gas pedal)派であるから、ターンやスタートが結構すごいのである。(マックイーンはボックスシートの特許を持っていたらしい。発明家でもあったようだ。) で、最初のうち、ぼくはbondingでなくJames-Bondingをやっていたわけで、ジェフはこの期間は怖かったろうな。
カミサンを乗せると助手席で飛び上がったり大声を出したりで、やはりぼくはジーンでありショーンであり優作なのだ。
blinker(ウィンカーのこと)を点けない運転手に、
Ken, think.(どちらに行くか考えたときに点けことも考えろということらしい)
THINK.
と大文字になったりする。IBMの標語である。
Now you have control.
と言われたときはホッとする。ジェフありがとう。カミサンごくろうさん。 試験が迫る中、自分に、 Now you’re in control, Ken. と自分でつぶやいたり、心の声をかけたりしている。 この I’m in control. という表現こそ、今回の課題なのだ。 35歳まで飛行機に乗らなかったぼくは、新しいことが怖く嫌いで頑固で、それは一生変わらないだろうが、これはその意味で揺さぶりです。
ここでお笑いを一席。 ジェフの友人の塗装業者ゲアリーを紹介され、今ジェフから直前詰め込み特訓を受けているということで、 I’m taking a crash course in driving from Jeff. と言ったら大笑いになった。 crash courseはどろなわ直前コースで言葉は正しいが、crashは衝突という意味があり、ここでは悪い駄洒落になってしまった。 No pun intended.(語呂合わせのつもりはないが)という表現があるが、ま、この場合はPun intended.だったかもしれない。
I’m taking some intesive driving lessons from Jeff.
とかになるだろう。
ちなみにEFG is on collision course with HIJ.(EFG社はHIJ社との衝突の道を歩んでいる)というコースもある。
ええいコントロールじゃ。
では。Wish me luck and control.
もうひとつちなみに。
Drive safely, Arrive Alive.(ハワイ州の安全運転標語のひとつ)
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