2002年12月29日(日) フロドの爪とエルビスの薬

The Lord of the Ringsを見たら、なんとイライジャ・ウッド氏の指の爪は、お言葉どおり極端に短かった。しかしである。かじったあとが全くなかったのだ!
彼のインタビュー(前回のKENNISMS参照)のことばを借りれば、

So apparently they had naill clippers then.(ということは当時爪きりがあったと)

ということだろうか。

そのあと、娘と第一作目をビデオで見たが、なんと! ウッド氏、いや、ミスター・フロドの爪は第二作と同じく極端に短かかった。がしかし、ぎざぎざであった!

So apparently Frodo had time to clip his nails after Gandalf fell with the monster.(ということはフロドはゲンドルフが魔獣と落下したあと、爪を切る時間があった)

期せずして、ウッド氏の俳優としての虚栄のかがり火が爪にともされたのである。
CGで修正したのかも。

一作目を見ていて、いきなりエルビス薬というくすりが出てきたのにもびっくりした。
これは、

Elvish Medicine(妖精薬)

というくすりだったのだが・・・。

それにしてもエルビス、こんなところにも姿を表して私たちを楽しませてくれるとは。

そういえば、彼が『ブルー・ハワイ』を撮影中(40年前だが)、当時オアフ在住の大学生の女性が、エルビスから招待された、という話を、ハワイ島在住の彼女の友人という人から最近聞いたことがある。

まず本人でなくマネージャーが車で両親の家まで迎えに来たところからかなりガッカリだったようだが、それからホテル(ワイキキのヒルトンだろう)のレストランであこがれのエルビスに紹介され、ぐんと持ち直したそうだ。が、食事中ほとんど何も話し掛けてこず、自分からいろいろ話題を提供しても彼はうなずくくらいで、結局すっかり落胆したところをマネージャーが家まで送ってくれたそうである。

エルビスはとじこもりがちであったことは結構有名である。枕もとには拳銃を置いていたようだし。酒と煙草はまったくやらないが、処方薬はどっさり飲んでいたらしいし。ウッド氏と同様、爪も噛んでいたかも知れぬなあ。今度、彼の主演映画で調べてみよう。

爪から爪へ、目標は生まれ続ける年末。

皆さんのNew Year’s resolution(s)は何ですか? 

わたくしめのは、第三作でウッド氏の爪ウォッチのほかには、
1)自動車免許を取る(今特訓中)
2)和英二ヶ国語一人芝居を打つ(今特訓中)
3)いろいろな講演の機会をさらに増やし皆さんと学びの時を持つ(今進行中)
4)ナインボールの名人になる(今あまり特訓してない中)
です。

1)の免許は1月に
2)の芝居は2月に
3)の機会はできるだけ多く
4)の名人は2030年あたりまでに
ということで、経過を御知らせします。

2)は是非こわいもの見たさにいらしていただきたいです。

Happy New Year, everyone!



2002年12月22日(日) the point where ... 〜というところ

今日はティーン風英語勉強法を紹介。

明日家族でLord of the Ringsを見に行くので、出演者のインタビューが載った雑誌を読む。ym誌はYour Magazineという意味で十代向け。なんのこたない、ぼくは娘の雑誌を見ているのである。

特集記事でも感じたが、映画の主人公を演じるイライジャ・ウッドという不思議な名前の俳優は、不思議な雰囲気の青年である。彼は、
THIS TIME I REALLY, REALLY MEAN IT.
という同じ雑誌の別のコーナーにも顔を出している。

これは、その意味(「今度は本当に本当に本気」)と、JANUARY2003号ということから、New Year’s resolutions(新年の決心)のコーナーのようだ。
彼と他の若いアイドルたち、というかcelebrities(有名人)のコメントだ。

I have to learn how to drive.
と言うのはブリットニー・マーフィーさん。これは、今、実技特訓を受けているぼくと同じ決意で、ま、年の差は200歳くらいあるけど、励ましあいたいものだ。

To devote much less time to work and more time to having fun.
というのはジョッシュ・ハートネットさん。
仕事の時間を減らし遊びの時間を増やす目標のようだ。DEVOTEという大げさ的単語の良い使い方の参考にもなろう。

ジミー・ファロンさんは、毎週ダイエット面の決心をしているようだが・・・
I have resolutions every week. I’ll go, ”This week I’m not eating any more McDonald’s.” By Tuesday there’s two Quarter Pounder wrappers in my garbage.
と、ファースト・フードメーカーが泣いて喜ぶ締めあり。There are two...が文法だが、There’s a million ...などと言う人もいて、文法破り当然現象となっているができる限り文法的に言うのが英語外国人のマナーであろう。

ケイト・ボズワースさんは大学進学とか。
I guess it would have to be, honestly, cracking the books, because I’m going to [Princeton]. I got sent the books already and I have to start reading them sometime.
本を割る(crack the books)とは、指定の教科書を猛烈に読むこと。it would have to be...は、〜にならざるを得ないでしょうね、ということ。

クリスチャン・バーンズ、BBMakさんは
To stop smoking, because I’ve been doing it for 12 years.
以上、HAVE TOが多いのは当然。
To...で始まるのは、My New Year’s resolution is to ...という流れ。

ジャスティン・ガリーニさん(それにしてもぼくは誰も知らない! 200年前はよく知っていたのに! 一人、ハートネットさんは知っていた。)は、音楽面を伸ばしピアノの腕を上げたいようだ。
To beef up my musicianship skills and play piano so I can really rock out on it..... I want to get to the point where I can sing and play piano at the same time.
ミュージシャン、いい響きである。
There’s a nice ring to it.である。

さて、ここで、I want to get to the point where I can...という表現がある。
ひらたく言えば、ピアノを弾いて歌えるようになりたい、ということだが、
「自分で〜できる、そういうポイントまでたどり着きたい」
と決意を表明している。
これもひらたく言えば、
「自分で〜できるところまでやりたい」
と日本語でも通る。

さて真打、イライジャ・ウッドさんの新春の決意は
To stop biting my fingernails.
爪を噛むのをやめること、らしい。
I bite them to the point where you can’t bite anymore.
もう噛めなくなるところまで噛んでしまうんだ、そうだ。
ここでまた、
to the point where I ...
が使われている。彼は続ける。
If you look in Lord of the Rings,
映画を見れば
you’ll notice
気が付く
my fingers are bitten down,
爪がすっかり噛じられてる
so apparently Frodo bites his nails, too.
だからフロドもやっぱり爪を噛むわけだ、と。

Hmmmmm.

では銀幕の彼の指をチェックしてみよう。

ある地点まで来ているときは、
be at the point where
があり、深刻な話ならば、学校なんかもうどうでもいいところに来ているという・・・
A: How's school?
B: Not good. I'm at the point where I no longer care. I need to talk to the counselor.

では見て来ます。















2002年12月10日(火) Never good enough .v.s. Good enough. ネバーグッドイナフ対グッドイナフ

That's good.

は「それは良い、よくできた、うまい」などの意味があるが、なにか一生懸命やろうとしている場合、

That's not good enough.(十分にgoodではない)

という気持ちが働く。

これが自分のやっていることを改善して行く原動力にもなり、最後に、

That's perfect.(完璧だ)

と言えれば成功だ。

シンプルな図式だが、現実にperfectなんてそんな簡単に口にできるものではなく、かならずimperfectのところがある。で、

It's never good enough.(ものごと十分にgoodということはありえない)

という考え方が生まれ、生き方にもなり得る。

これ、ひょっとすると、こだわりの時代の標語になるかも知れない。

「イッツ・ネバー・グッド・イナフ」

OO7シリーズのタイトルみたいだ。確か最新のは『ダイ・アナザー・デイ』だったか。別の日に死ね、今日は死ぬ日ではない。

Hmm.

さて、このNever good enough.だけれど、たとえば発明王のトーマス・エジソンは、この精神でWizard(魔法使い)という「称号」まで得ている。杖のないハリーポッター。正しくはThe Wizard of Menlo Parkで、メンロウ・パークは彼が5年間、実験室を設けて仕事をしたニュージャージー州の街の名をとったものだ。彼がノーベル賞をとっていないのは世界の七不思議のひとつになるかもしれないが、それはともかく、彼の名言、

Everything comes to those who hustle while they wait.(すべてのものは、待つ間、あれこれやっきになって頑張る者にやって来る)

は立派である。

オリジナルのことわざは、

Everything comes(あるいはAll things comeあるいはAll good things come)to those who wait.(すべての(よい)ものは待つ者にやって来る)

和風に言えば「待てば海路の日和あり」か。

このオリジナルを、待っている間にhustleする者に来るぞとひねったのは、さすがにNever Good Enough精神の王様だ。

”ただ待っても来ない”

Hmm.

99%の汗と1%のひらめきで人生を突き進んだ男の精神か。立派。

今日はこんなもんでいいや、とかいうことだってあったんではないだろうか。なかったんだろうなあ。

最近、大昔にやっていたビリヤードを再開したのだが、といっても今度はナインボール。昔やっていたのは四つ玉。ちなみにヨツダマと読む。寄せ球。セリ球(これはあまりできなかった)。末世・・・これワープロソフトよ・・・マッセ、そう、これはすこしできた・・・。

さて独りで黙々と練習することもあるのですが、疲れたとき、頭の中でたまに英語で言うのが

That's good enough.(そんなところで十分)

トムよ、ハリーよ、悪い。けどこれがないとぼくの練習おわらないのさ。

これがないと区切りがつかない、踏ん切りがつかない、ビリヤード場から出て行けない。

それに、これがないと英語も出てこない。

こだわりという言葉の逆巻く時代の中で、しゃべっては間違え、しゃべっては間違えながらうまくなっていく以外の道などあるはずがない英語(外国語一般、母国語だって同じ)の習得の世界だからですね、であるから、

Never Good Enough.

という精神だけでは、not good enoughであり、

That's good enough.

という精神があってしかるべきなのです。

Never good enough is not good enough.

なんとか一段落つけつつ、いきませう。



2002年12月02日(月) PUN TIME

東京は西五反田の美智子様の旧家を拝見してひとこと。

I'm so empressed.





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