2002年04月15日(月) comfortable 心地よい

この項は、一部書き直しをもう 5回もやっている。どうもしっくりこないからで、それこそ

I don't feel comfortable with it.

ということなんですが、今度はうまく結べそう。昨日目にしたUSATODAYの記事にcomfort TV showsの話があり、それで最後をふくらませたからです。初めての人はこの出だしからスタート。もう見たという人はお仕舞いの方へスクロールダウンしてください。

と書いて 6回目の書き直しとなりました.
自分の書いたものがどうもしっくりこない・・・これは、

I'm not happy about it.

がベターだからです。I don't feel comfortable with it./I'm not comfortable with it.のcomfortableは、個人的な気持ち、心地よさを表す言葉です。これに否定のnotが付くと、個人的にいやな、深刻な、という意味合いが強くなります。

ただ、ホームページは、自らをワーッと公開!という世界であり、そこにものした駄文について、「個人的にいやな、深刻な気持ちです」というのは場違い。こういう公開された場面では、もっとざっくばらんに、I don't quite like what I wrote.とかI'm not happy about what I wrote.と言えばよいのです。これで書き直しはなし! この項に長らく付き合って頂いた方ありがとう。

金曜日愛知県刈谷市のメーカーの新人研修で、200数十名のルーキーのみなさんと元気の出る話学のときを共有することができました。参加者の代表の方には遠山と一緒のスキット場面をしっかりこなしていただきました。お一人の衣服にコップの水をかけてしまい、冷やっとするシーンもありましたが、無事水に流してもらいました! ハプニングもうひとつ。冒頭でBetty Botterをみなさんと練習してから、見本に一席とはじめたところなんと最後の行でミス! そこで挽回しようと一息2回に挑戦。ななんとやりました! ご存知ない方に。こんな早口言葉です。一行、二行と一息での行数を増やしていける発音・抑揚練習梯子のようなものです。

Betty Botter bought some butter.
But she said, “This butter's bitter.
"If I put it in my batter,
It'll make my batter bitter.
But a bit of better butter
Will make my batter better.”
So she bought a bit of butter,
Better than her bitter butter
And she put it in her batter
And the batter was not bitter!
So it was better Betty Botter
Bought a bit of better butter!


その帰り、赤福餅に触発され、ここしばらく続いているテーマ、外国人とあんことの相性について想いをめぐらしておりました。またすこし、興味あるレポートが届いています。あんこの暗い色がショッキングなのではないかということです。それにしてもあんこの語源は? それでは。

comfortableという言葉は、心地よいといった意味合いがあり、日常会話でずいぶん活躍しています。そればかりか、なかなか鋭いことも言えるので、そのあたりもついでにチェックしてみます。まずはゆったり座ってから始めましょうか。

Are you sitting comfortably? Then I'll begin.


これ、英国の有名なラジオ番組Listen with Motherの出だしで、決まり文句になっています。(ちなみに『英語劇場わらしべ長者』では Sit back and enjoy!ですが)

このListen with Motherは1950年から'82年まで続いた長寿番組で、ラジオの前に座った子供たちとその母親たちに向かって、「ゆったり座っていますか? じゃ始めますよ」と語りかけてスタートする物語りの時間でした。 

http://www.whirligig-tv.co.uk/radio/lwm.htm/

で司会者の声がチェックできます。決まり文句というものは、結構新しいものもあり、それでいてそれなりの歴史があるものです。

さてこのcomfortablyですが、

Are you standing comfortably?


と、standとはまず組まない。やはり椅子・ソファなどに座るという感じですね。

余談ですが、comfortablyに立つという芸当は、あのちょっと内股風にゆらりと立ったジョン・ウェイン翁くらいしかできないのかもしれない。

あれほど楽に立てる役者はほかにいるのかな? かすかな合図で全力疾走可能的ダイエットの勝利者的演技者だらけの世の中で? 三国連太郎はゆらりとした感じもある。女優なら原節子か、余貴美子か? ジュリア・ロバーツか? ゆったり立てるのは?

閑話休題。

comfort station


これは公衆トイレの雅語(!)。自動車の発達のおかげで国中を走りまわり始めた米国人のために作られたもので、comfort(名詞=慰め、憩い、安楽)のstation(駅)というわけですが、トイレもやはり座ってcomfortableなのです。

sit on the toilet seat
(便座に座ること)

これでこそcomfortです。車の運転ももちろん座る。

sit behind the wheel
(運転席に座る、the wheel はハンドルsteering wheelのこと。これで、ハンドルの向こう側に座るという、運転者を車の前から見たイメージの熟語です。)

遊園地、テーマパークの乗り物(rideと呼ぶ)も、みなすべてsitするもの。20年前、ディズニーランドの Haunted Mansion(呪われた屋敷)に初めて乗ったときの、あの、ずうっと座ったまま怖がる(+楽しむ)、という奇妙で新しい興奮。

たしかに座ってこそrideなのです、屋敷に入る前にエレベーターに乗るとき以外は。子供の頃、近くの多摩川園でおっかなびっくり入ったお化け屋敷というかお化け小屋は、 自主的にwalkしていかなければならず、本当に怖かったなあ。

心地よく立てるのは靴のおかげでもあり、

These shoes are comfortable.


と、靴がまたcomfortableの領分です。

as comfortable as an old shoe(とってもカンフォタブル)

と、直喩では、古い靴まで使われています。(靴が新しいとbreak in my new shoesと「慣らす」必要があります。)

着るものもcomfortableの領分。映画の見過ぎながら、女性の部屋に通され、彼女が、

Let me go and slip into something more comfortable.
(失礼、もっとカンフォタブルなものにするっと入り込んできます)

と言ったら、それは着替えてくるという意味で、ま、ひとつのときめきの瞬間です。今着ている外出着でなく、もっとカジュアルなものにということ。スリッパに履き替えて戻ってくるというサイト・ギャグ(sight gag 視覚的ギャグ)をかまそうということではないのです。

I like your room. It's very comfortable.


と、部屋をほめるときにも使われる。

座り心地、履き心地、着心地、居心地、住み心地などを表す、なかなか便利な言葉。

comfy


と短く言われることもある。女性がよく使う。

I like our new car. It's comfy.


と乗り心地にも使う。

Are you comfortable?

これは質問。

Are you comfortable with your job?


これは「お仕事に満足していますか?」

Are you comfortable with your lifestyle?


これは「ライフスタイルに満足ですか?」

Are you comfortable with your boy/girlfriend?


「恋人に不満は?」

Are you comfortable with your marriage?


「結婚生活に不満は?」

とまあ、comfortableを質問に使いwithをつけると、なかなか鋭いことになります。

これ、ときどき自分に質問するのも刺激になる。

Am I comfortable with my teacher/boss/spouse(配偶者)/parents/work/position(ポスト)/the system(制度)/life?


などなど。

Hmmm.「心地よい」ということばを追求しているうちに、uncomfortableな気分にもなれる。という言葉ちゅうものは本当に・・・ということです。

さて今日拙宅のcomfort station?というかそんなところの流し横に開いて置いてあったYESTERDAYか何かのUSATODAYには、

comfort TV shows

が今アメリカで流行っているとのこと。

「ほのぼのドラマ」とでも言えそうですが。

これ、いろいろなsocial issues(社会問題)を盛り込み、かつハッピーエンドで決着がつく、70年代の連続ドラマのrerun(再放送)のことで、当時人気の働く女性喜劇シリーズ『メアリー・タイラー・ムーア・ショー』などが、人気があるらしい。

こういう喜劇味の連続ドラマを、英語で、

sit-com

・・・ということは、sitは座る?・・・comはcomfortableの省略?・・・ゆったり座って楽しむドラマだったのかぁ!!!! と一瞬思うと、これが、

situation comedy(状況喜劇)

の短縮語でした。(バーとか家庭とかタクシー会社とか、決まったシチュエーションで展開するコメディーのことですが。)

Are you still sitting comfortably? Well, that's all for today! Keep on smiling!



2002年04月11日(木) Q: あんこが食べたくて食べたくてしょうがない状態を?

A: Uncontrollable.

それはともかく。先日、米国の親類が来て鎌倉を案内した話の中で、あんこ好きなアメリカ人はいないかと書いたところ、いくつかメールがありました。ここで紹介します。

コロラド在住昔の教え子さんから数回に渡り以下の内容で:
アメリカのケーキは一昔前まではえらく甘かったと思いますが、アメリカ人はその甘さに慣れているので、日本人がとても甘いあんこと思ってもアメリカ人には甘くないようです。この頃は甘さ控えめケーキとかも出回っていますが、日本人にしてみるとそれでも甘いと思います。

こちらに駐在3年目という日本人家族がいますが、ここの奥さん、私の友人ですが、曰く、駐在一年めではこちらのチョコレートは甘すぎて食べることができなかったが、2年、3年と住むのが長くなるのにつれて、食べられるチョコレートの種類が増えてきた、そうです。ケンさん、チョコレートとあんこはこのように反比例します。(うちの主人は例外です。どっちも食べます)

先日の「アメリカ人は何故アンコが苦手か」ですが、昨日新説を友人から聞きました。昨日日本人の友人夫婦が遊びに来ました。奥さんが大福といちご大福を作って(すごいなぁ、作る!)もってきてくれました。それで、アンコの話になりました。
アンコは小豆が原料である。元来豆を使った料理はあるが、いわゆる甘いデザートはない。メキシコのチリビーンズにしても料理である。豆を使った甘いデザートというのは考えられないし、また考えただけでも気持ち悪そう、というのが理由だとか。
考えて見れば、白いお米は、チャーハンやカレーピラフまでは許せるが、これが甘い甘いライスプディングになるのは許せないという日本人の気持ちと同じだと思います。(私はライスプディングが苦手です。)

あんこの話以来、日本に行ったことのある、あるいは日本の食べ物を知っている
アメリカ人にあんこについてついつい聞くようになってしまいました。Tさんは日本人と結婚していますが、あんこが好きだそうです。アメリカ人の女性と結婚していた日本人男性に前の奥さんはあんこを食べたかと聞いたら、豆を使ったデザートなんて食べられないということで、食べなかったそうです。
あんこは甘くないから嫌いと言う人と豆のデザートは嫌いと言う人とどうも半々のようです。


次は東京の妙子さん。2回:
「アンコンフォタブル」には笑ってしまいました。
昨日、「MBI”花見”」(ソメイヨシノは満開は過ぎましたが風が吹くと結構、花吹雪となって料理の上に舞っていました。遅咲きは今が見頃)がありました。14名ほど家族連れで集まり(野川公園)、大変楽しかったです。いつも近くに住んでおられる小川さん(7期)の奥様が豚汁とお汁粉を準備してくださり、それがまた楽しみの一つでもあるのですが。前置きが長くなりましたが、そのお汁粉のアンコの甘味、塩味の加減がちょうどよく、とても美味しかったのです。どうしてアメリカ人はあの甘さの良さが分からないのでしょうか?反対に、アメリカのケーキの甘さに私は閉口してしまいますので(甘すぎ)、これでイーブンなのですが。多分、これには「塩」に秘訣があるのかも?

ところでアンバイは「塩梅」とも書きます。料理の味かげんの意味もあり、辞書で調べると「塩を梅酢でほどよく味をつける意」とあります。日本料理の隠し味には塩がよく使われますので、アンコのアンはもとはこの「塩梅」からきているのかもしれませんね。。

次は大向さん:
さて本題なのですが、ケン先生は3月20日の文章に、アメリカ人であんこの好きな人に出会ったことがないと書かれておられましたが、私の家に1ヶ月ホームステイに来ていた女の子と、私が1年間アメリカに留学していたときにお世話になった家のホストシスターはあんこ大好き!です。ひょっとすると私があんこや餅が好きなのがうつったのかもしれません。類は友を呼ぶと言いますから。とまあ、全てのアメリカ人があんこが苦手なようではないようです。ただ“豆のペーストなのにどうして甘いんだ!”とある意味ショックを受けられる方が多いのかもしれませんね。メキシカンフードで出てくる豆は甘くはありませんから。                                             

鴨川の明子さんは:
韓国人、中国人はモチロンあんこものOKみたいです。エジプト人はもなかを食べた時、「こんなおいしい物があるのか!」と大感激していました。それぞれの国で嗜好が異なっていて、だから知り合う事は面白いんですね。

KEN:
先日ハワイの日系スーパーKTAで、FRIED AMPANを発見したことをご報告しておきます。例の揚げアンパンです。店の方に訊くと、アジア人はよく食べるそうです。白人はと訊くと、ウーム、ビーンズがだめでしょう? という答えでした。それにしても、あんこをパンに入れるというのは、実にアンコンヴェンショナルな(unconventional=因襲にとらわれない)ことだなあと思います。



2002年04月04日(木) die hard なかなか直らない

4月2日は失礼。引っかかることも多いのですが、引っかけることもある。ああした癖はなかなか直りません。それを、一般的にいうと、

Old habits die hard.(一旦ついた癖はなかなか直らない) 



die hardは映画のタイトルでもありますが、拙著から引っぱってくると、これは、

・・・「激しく戦って死ぬ」という意味で、転じて「簡単には消えない、しぶとく残る」となり・・・(映画の)観客は、主人公に対しては「激しく戦っても最後はしぶとく生き残れ」、彼の敵に対しては「激しく戦って死ね」という異なる気持ちを持たされるからで・・・15世紀から健在ということわざですが・・・

とまあ、古い表現を掘り起こして新しいイメージを作り出したわけです。

Everything old is new again.


と、温故知新的ことわざもありますが、Everythingとはいわなくとも、こうしたことばのリサイクルの中には、目をみはるものがときどきあります。

監督レニー・ハーリンはヨーロッパ出身で英語は第二言語。続編を"Die Harder"と比較級にしたりして、ただただ英語とドンパチ作りを楽しんでいた肉体派です。

形容詞にして、

I’m a die-hard Hara Setsuko fan.


といえば、自分は原節子のしぶといファンです、ということ。

以下同書からダイアログ。

A: Do you want a light?
B: Thanks. I thought you quit.
A: No, I still smoke. Old habits die hard.
B: Then you owe me $25. Remember I bet you that you couldn't quit?

A:火をつけようか?
B:どうも。やめたのじゃ?
A:いえ、まだ吸っている。習慣とは恐ろしいものだ。
B:じゃ、25ドル払って。やめられない方に賭けたの覚えてる?
「CD遠山顕の英会話・150のスパイス」(講談社インターナショナル)より





2002年04月02日(火) Gotcha!
やられました!
 Sloof-Lirpaという最新型のウイルスに!
  このサイトは今日ほんのしばらく閉じさせていただきます。
    あとのことはこのページの最後をご覧ください。










April Fools!  I gotcha!
 現在アメリカにいます。今日はさんざんひっかかりました。
    They got me!でしたので八つ当たりにI gotcha! でした。
     ええ、日本は3日・・・
      Gee, am I slow! (いやほんまにスローやな)


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