| 2017年11月22日(水) |
「恋は雨上がりのように」 |
『恋は雨上がりのように』 全10巻
橘あきら17歳。高校2年生。 感情表現が不器用な彼女が、 密かに想いを寄せる相手は― バイト先のファミレス店長 近藤正巳45歳。 青春の交差点で立ち止まったままの彼女と、 人生の折り返し地点にさしかかった彼が 織りなす 小さな恋ものがたり、開幕
はじめから。はじめから幻想でしたw 現実には到底ありえない展開です(爆) ただ、あきらが。 度肝を超えてあきらがかわいい。 なんだろう、、 かわいくないと《ものがたり》は始まらないの?? 少なくとも売り物には、、ならない気がする☆ (生きていく上での作品の所在だ!←メタ視点)
ただ。ただ、この作品は詩的でした その点においてこの漫画は他を圧倒しています
《あきら》 あきらはかわいいというよりも一直線。 その一直線さが本当に「綺麗」で、、 美しさを感じずにいられません! ◎どう見ても邪な気持ちにならない◎ 陸上短距離200m記録保持者だったあきらは アキレス腱断裂→再建手術した経緯です。 物語後半、ドクターから切り出されます。 「今から始めれば来年の春頃には きっと走れるようになる」 走れなくなった自分に、憤りを超えた無気力を 感じながらも手を差し伸べてくれた近藤。 何気ないそのあたたかさに恋をしてしまいます 17歳の心情をよくもここまで描き切、、すごい! 不器用だからこそ、はち切れんばかりの純粋さが あふれて、一言が痛々しいほど突き刺さった
「本当に好きな人がいるのに、あきらめて別の人の ところへ行くなんて…あたしには考えられない」
「これからハムスターのことは、 全部あたしに聞いてください」
どんなセリフを差し置いても 1巻最後にたどり着いてしまう
「あなたのことが好きです」
年齢を重ねれば重ねるほど言えなくなる台詞。 特に本気は。。 素直に言えるのは若さそのものかもしれません。 そう思うのも自分が年を重ねたからでしょう。 純粋で眩しくて、、
今まで当たり前にできていたことが とつぜん まったく 出来なくなった喪失感
この気持ちは、、思い返したくない どれだけ程度の差があるのだとしても 自分自身が抱えるその時の 自分自身にしか抱えられないその気持ちは、、 きっとみんな一様に地獄だと思う あきらもそうだとしたら、、 近藤のやさしさにイチコロだったことでしょう やさしさだけで恋に落ちるとは言いませんが この《やさしさ》というやつは 人間のあたたかさそのものだと思うのです 相手にどう受け取られるかわからない それを飛び越えて 少しでも何かになったら、というささやかなもの それを《あい》と呼ばずになんと呼べようか!!! たったそれだけのこと、が たったそれだけのことじゃないのが真実です ところが、そういったやさしさがいつでもどこでも 誰にでもあるわけじゃないのはどうしてでしょう たったそれだけのことをしないのは、出来ないのは もしかしたらそれが通らないことに慣れてしまった からかもしれません しなくなるのが些細な日常の積み重ねだとしたら、 こんなにさみしい世界はありません
おそろしいのは、意識して通そうとした場合 相手が受け取ってくれるのを期待してしまうこと。 期待が先になってしまった瞬間、そのやさしさは とつぜん打算的になってしまいます!!
もしかしたら 本物のやさしさは孤独と隣り合わせかもしれません
あきらは言葉数が少ない「天才」です。 小学生?時代の回想でこんな描写がありました。
なんでいっつもどんどん走ってっちゃうの?
「え、だって… 気持ちいいんだもん。 走ってると耳が風の音でいっぱいになって、 空に とけてるみたいになる 」
あきらのその始まりはきっと喪失感 言葉にできないその気持ちが 近藤への気持ちにすり替わってしまっていた その恋に嘘偽りがないからこそ 始まりに気づくものがたり
《近藤正巳》 正直言って近藤の対応は紳士のそれです。 そこらへんのおじさんじゃあまったくない。 (※見かけはまったくそこら辺のおじさん) その結末を見届けなきゃいけない、って思った。 同性だしおじさんですからね! 現実にあきらが出てきて自分を抑えられる自信は まったくありません。 そんな男子は現存しまい 近藤はあきらと出会うまでは《あきらめていた》 驚くべきは、、近藤が 輝きが見える男だとは到底思えなかったことです 10歳になる息子がおりバツイチの近藤は、 自分には「何もない」と思っていた 思い込んでいた その思い込みを一直線なあきらが 変えていってしまいます。 「何もない」と思っている自分のことを、 好きだと言ってくれる女の子。 その一途さが近藤のかつての情熱を引き出します。 思慮深さ、これは近藤の才気だと思いました。 近藤に大それた結末はありませんが その心がたしかに変化したものがたり
そのラスト。競技に復帰したあきらは走ります ここの描写にどうしても涙が出てしまいます 涙が出ないわけにいかない!! スタート地点。あきらの前に過去の幻影が現れます
本当に走れるの? 本当はまだ怖いくせに。 これからも、ずっと怖いよ。 あなたに過去のあたしは追い越せない。
「…こわい。 けど… このまま走らなくなってしまうことのほうが もっと怖いから… あの人だって、同じはず 」
復帰は簡単なものじゃありません どうしたって自分自身と向き合うほかないからです いろんな人のたすけがなかったら 進めないくらいの苦しさがあります なぜなら、痛い思いをしたくない その感覚をカラダが覚えているからです
目には見えない変化 目には見えない強さ
そんなものがこの作品に見えた気がするのです
『アリスと蔵六』 全12話
彼女はそれまで“外の世界”を知らなかった。 初めて触れるモノ、初めて見る風景、 そして初めて出会う人々……。 そんな“世界”の広がりに、 戸惑い、驚き、目を見開く。 名前は紗名(さな)。 “研究所”と呼ばれる施設で、 “外の世界”を知らずに生まれ育った少女。 しかも、あらゆる想像を具現化してしまう 《アリスの夢》と呼ばれる特殊な能力の 持ち主でもあった― そして初めての“外”で、 紗名はひとりの老人と出会う。 名前は樫村蔵六(72)。 「曲がったことが大嫌い」で 「悪いことは悪い」という頑固じいさんw そんな蔵六との出会いが、 紗名の運命を大きく変えていく。 紗名を追う謎の組織、次々と現れる能力者たち、 そして心優しい人々との出会い……。 世間知らずだった“アリス”は、鏡の門を抜けて、 世界の本当の姿を知ることになる。 そう、これは、 私がまだ、自由に夢の国へ行けた頃の話
◎後先リアル時間がまたも逆転◎ もう3年も前のことを地味に書いていて、 またさらにそこから過去に行く自虐ww 思った以上に精神ダメージ来るッッ☆ アリスと蔵六は2017年9月放送の作品です。 思い返すとblog化の困難さから、、 更新していなかった気がします(爆) だが、2020年になった今こそ。 今こそ それを乗り越えよう! いや、、乗り越えたい!! 笑笑 この作品はわたしたちに恐ろしく応用が利きます。 自分自身の正体が《わからない》紗名。 知ろうとして外の世界に踏み出した紗名の物語。
誰だって一度は自分の正体を知りたくなる そしてそんな時期は一様に不安定な自分のとき! きっと誰もが、、 そんな《あやうさ》とたたかってきたはずだ!!
実のところ 紗名は人間じゃありません。 謎の空間から実体化された少女。 自分が想像した通りに物理法則を書き換える能力を 有した、少女の外観をした “何か” なのです! ただ、その少女は物語が進むにつれて、 人間と同じく“成長”していきます!!
この作品はどうやら 《心》のことを《人間》としている気がします
その作画は尋常でないくらい可愛いもので、 とても戦闘シーンなんて想像できませんが なんと壮絶な殺し合い様相の回があります。 失ったものに心囚われている女に紗名が捕らえられ それを助けようと蔵六たちは奔走しました。 実際、紗名にはとんでもない力があり、 制御できないというのは人界の危険そのもの。 したがって人間社会はアリスの夢が扱える者を 幽閉・管理しようとした。 そして、、人間というやつはいつだって それを利用しようとする。 ここに頑固じいさん蔵六が一石を投じるお話ですw
第4話 自分が殺されるかもしれない極度の恐怖から 失禁してしまう紗名。 助けを求める意識の中で 未来の、お姉さんになった自分に出会います。
未来の紗名「なんだ、ここに来たのか。 ちょっと反則だと思うぞ? 私と話すのは」
紗名「お前、知ってる気がする。 誰だ?」
「私か? んーーーそうだな、、 私は君が知らないカッコイイお姉さんだ」
「研究所の中で私に話しかけたヤツか?」
「まあ、、そのうちわかるよ」
「薄い!」
「ん?」
「大人なのに! 早苗の方がちゃんとおっぱいがある!」
「お前、その言葉わすれるなよ?? あとでギャフンって言うぞ?」
「なあ、私は人間じゃないかもしれないんだ… バケモノかもしれない… 」
「自分が何者なのか、 わかってる人なんてほとんどいないさ。 私だって まだ探してる最中だ。 これは余計な話だけどな。 でも私は、すごくついてたんだよ。 わからなくても ちゃんと教えてくれる人が周りにいた。 君にもいるはずだ。 呼んでみるといい その人の名前を」
「蔵六!」
とつぜん目の前に現れる蔵六 〜中略〜 囚われた紗名に、心囚われた女に、蔵六は言います
「あのな紗名。お前さんが人じゃなかったとして、 それが何なんだ? バカなことばかり抜かすな。 いいから一緒に帰るぞ、紗名。 ミリアムさんとか言ったね? あんた、この子が人間じゃないと言ったが。 じゃあ聞くが、人間ってのは何だ? 平気で子どもを撃てるお前さんは人かね??」
ミリアム「そういう話ではありません」
「たしかにこの子は危なっかしい。 目を離すとすぐに騒ぎを起こす。 迷惑もいいところだ。 でもな、、そんなのは誰でもやることだろ! 間違ったら反省して次から直せばいい。 それだけのことだ。 それにこの子は 飯がうまければ喜ぶし、 不器用なりに人を気遣ったり、 顔色を伺ったりもする。 面倒を起こしたときだって、 悪気があって何かしたことは一度もなかったよ。 紗名はそういう子だ! ちゃあんと心がある!!」
ミリアム「ですから、そういう個人レベルの話では ないんです。そもそも貴方は彼女をどうこうでき る立場ではないと、、」
「聞けよ! 年寄りの話だ。 俺たちはどのみちみんなどこかしら不完全だ。 みんなそれぞれ一人だとわからないことや できないことがあって もたれあって何とかやってる。 あんただってそうじゃないのかい? なあ、この子がもしお前さんの言う通り エイリアンみたいなものだとして、 そりゃ本当に問題なのかね? 一緒にやっていくことは本当にできんのかね?」
紗名「な、なあ蔵六、、何言ってるんだ… だって 私は 人間じゃないんだぞ? お前にすごい迷惑かけるんだぞ? 早苗(蔵六の孫娘)にもだぞ?」
「だからどうした? お前が何者だろうと
しんどい時は誰かと一緒にいるもんだ。
無理するな紗名。 大体な、どんな理屈があろうと、 こんな乱暴な連中の所にいてやる道理はない! お前さん、外に何があるのか見たくて 出てきたんだろう? だったらそうしろ。 言ったことは曲げるな。 俺はな、曲がったことが大嫌いなんだ」
時が経ちすぎてしまいましたが たぶん、、 初見は号泣してしまった気がします 振り返った今見なおしてもだいぶやばいです こんな風に身を賭して信じてくれる、 寄り添ってくれる《大人》が、、 どれほどいるのでしょうか きっとみんな言われたい言葉じゃないのか 大人は、大人とは、、きっと、 《受け入れてやれる器量》 《成長を待つことができる度量》 そんな気が、、するのです!!
物語では人間じゃない紗名ですが、 まるっきり人に当てはめることができます 誰もが生きている中で忘れがちなこと 未来の紗名の台詞「私はすごくついていたんだよ」 この台詞がみんなにあったら、 すべての人にあったら、、どんなに素敵な世界か そう思うのです たったそれだけのことがどんなに豊かなことか わたしたちにとってどれだけ大切なことか
相手が自分の思い通りにはならないこと そうだとしても心からその相手を信じていること この感じは、、家族そのものではないでしょうか 家族でも受け入れられないことはたくさんあります だからといってその全てを問い質すことはしません
すべての人が家族のように、なんてのは 夢物語かもしれません ただ、それが《ありえないわけじゃない》 そう思えるのは、希望のようにも感じるのです
そして できるなら自分も ちゃんと教えられる、までいかなくとも ちゃんと伝えられる大人でありたい
最終話まで『アリスと蔵六』を見て感じるのは、 その流れのゆるやかさ、です。 このあたたかさは稀に見る快挙でした。 性急な展開のない物語で かつてないほどの実感があったこと 見返してみてもとんでもない作品です☆
| 2017年11月20日(月) |
「RE:CREATORS」 |
前回の「〜ABYSS」は2年越しでしたが 今回は当時そのままですw しかし。それにしても。 過去の手記は本当に恥ずかしい!
《そのときの感情の揺れが激しすぎる》
それも感動の度合いほど手記厳しいッ(爆) それでもそのときの紛うことなきすべてです! この感じはこれまで自分自身が踊ってきたものに かなり近い感覚でしょうか。。 できたら思い出改ざんせずに生きたいです☆
『RE:CREATORS』
この作品の趣旨はこうです。 「小説家、漫画家の生み出した主人公たちが 現世にそのままリアル現れる」 その主人公たちの《かみさま》は 生み出した作家たち本人となります。 物語の主人公たちは、 自分たちの世界の不条理と絶望を かみさま本人に問いただしに来やがります☆
現れた主人公のひとりブリッツは近未来世界で 自分の愛娘の命を不条理に奪われた者でした。 なぜ愛娘がそんなことになったのか その理由をかみさまに問いただし、 その答え次第ではかみさまをも始末する覚悟でした 作者と創造物との関係をここまで露呈した作品は 見たことがありません それをエンターテイメントとして完成させている、 とんでもない作品だと思います そういうわけで、ブリッツとそのかみさまの場面の 台詞を抜き出します! 長くなるのを避けられなかったので、、 覚悟してください☆(爆)
「言いたいことあるから来たんやろ?自分」
「ああ、言いたいことは星の数ほどある。 ただし、それをここで述べるには いささか時間が足りなくてね。 だから、 言葉に換え銃弾でそのすべてを語りに来た」 「言葉に換え銃弾でそのすべてを語りに来た」
「なぜ?」 (自分のセリフを同時に言われたことに対して)
「当然やわ。うちならそうネーム切る。 うちはあんたの神さまやで!?」
「最悪な気分だよ。 あんたみたいな女が私の世界の神だとはね! 牛の糞にでも祈ってるほうがまだましだ」
「ブリッツ。 あんた、鉄砲でかたをつけたかったら それでもええ。 ただ疑問も何もうちと一緒に墓の中やで? おたくはそれでええんか??」
「たしかに君の言う通りだ。 娘に地獄でしてやれる話もなくなってしまう。 だから いくつかの質問をさせていただくことになるが、 構わんかね?主よ」
「ええよ?」
「君が我が世界の創造主であることは 今更どうでもいい話だ。 ただしそれでは済まされないこともある。 神である君にはつまらぬ問題かもしれんが ただ一抹の人塊にとっても 決して許せぬものはある。 君が企み、君がそのすべてのシナリオを描いた。 責は当然君にある。 だから聞きたい。 なぜ? 娘はあんな死に方を しなければならなかったのか」
「娘はあんな死に方をしなければ ならなかったのか。 うちの答えはひとつしかあらへん。 あれで話がおもろなったで!!」
(発砲するブリッツ)
「外道が! 貴様は神だろ!! 慈悲の余地もないのか?」
「うちがなんのために アンタの世界を描いたと思う? アンタに安息を与えるためか? ちゃうわアホ。 読んでる客のためや! おもろなるんならいくらでも不幸を描く。 人だって殺す。 世界だってひっくり返すわ!!」
「だろうな! 神は神でも貴様は邪神だ」
「ひどい言いようやな。。 己のところのアルタイルも 世界を壊そうとしとるんやろうが! うちと大して変わらんやんけ」
「動機と理想は重要だ。 少なくとも彼女の創造主は 忠を尽くすに値する人物だと思うがね? 貴様と違って」
「よう言うわ。 己の手前勝手な復讐を キャラクターにやらすなんぞ、 ほんま物書きかい! そんなん《物語》ちゃうわ! ただの演説ぶった落書きやんけ」
「貴様は言わば成功者だ。 そういう人物に彼女の屈辱はわからんよ」
「最初から成功しとる人間なんぞおるか このボケ どんだけキツい夜があったと思うねん? アンタを捻り出すまでに どれだけ腹の底から泣いたと思うとんのや? 舐めたこと言わんとけ。 ここ来てからもな、 マリネさん言う絵描き屋さんの 達者なとこ見せられて ああ、まだ足りへんのか思うた。 彼女に《使えん》思われたないから 必死で描いとったわ。 どこまでいってもそうや たまらんわ そういうん全部のみこんで、 今日のここまで来とんねん! そんでも、ましなもんができれば オモロイもんができよったら、 そんなことの全部が なんでもええようになんねや。 ほんま業が深いわ」
「私には計り知れんよ。 こんな子どもじみたことに 血道をあげる君たちのことを到底理解できん。 君らはある種の《狂人》だ! さて、私はこれから君の頭を吹き飛ばす。 そして集っているであろう敵対者たちを 探し出して皆殺しにする。 それからこの会場内で出来うる限り暴れ、 隔絶された場所で戦う私の友人に 微力ながら力を貸す。 どうかね?神の君の目から見ても なかなか愉快なシナリオじゃないかな?」
「ふん、そんな一本調子のシナリオ どこがオモロイねん? うちならこうするわ。 アンタを動揺させて、 娘のためにアルタイルを倒すことを決意させる」
「ふっ、娘のために倒すべきはどう考えても君だ」
「いいや、うちが正しい。 なんせ、、神さまやからな?」
ブリッツの娘が現れる―
「ブリッツ?先うちなんて言うた? うちはアンタの神さまや」
わたしが踊っているのも もしかしたら《茶番》そのものかもしれません だとしても真実はこうです
どんな物語でも そこに 誠に 一生懸命に挑めば 誰かの奇跡に、、なり得る!!!
久しぶりに泣いてしまいました この作品の描かれたすべてに愛情を感じます とんでもない作品でした 2017年ぶっちぎりです なによりも、、 わたし自身がクリエイターの端くれなのもある わたしの技術はダンスですがその思いは同じ 誰かに何かを伝えたい たとえ受けとってもらえなかったとしても 何かしないわけにはいかない そんな衝動がダンスへとつながっています
自分がこれまで踊ってきたものも、この劇中で 活躍する主人公たちと同じくらい大切なものです 自分がつくる世界、つくりたい世界、 世界とやらは生半可な努力ではつくれません 毎度血ヘド吐くように、どうやったら伝わるか、 どうすれば自分のすべてと折り合いがつけられるか その葛藤の連続です これが...いつも いつでも 苦しい 相手があるというのは、 自分の思い通りにはいきません その渦中でどれだけ楽しめるか どれだけ密度を上げられるか 自分自身の決着はここでしかつけられない 解放できるのは本番しかないのです あとは、見てくれる人たちに委ねることになります ダンスはその日その時にしか完成できません
確かにブリッツの台詞のとおりです
「こんな子どもじみたことに 血道をあげる君たちのことを到底理解できん。 君らはある種の《狂人》だ!」
それでも、たとえ子供染みたことと思われようとも その血道をあげているのは 本当のこと です おそらく、、
狂人になるのは《相手がいるから》
そしてその「相手」とは 自分の力ではどうにもならない 完全な答えのない《ひとりひとり》です
自分だけでいいのならきっと狂人にはなりえません 誰かのために何かになれるのなら そんなものがきっときっと奥底にあるはずです そんな思いがあってこそ奇跡になりうるのだと そう感じるのです
| 2017年11月19日(日) |
「MADE IN ABYSS」 |
二度と戻れない旅 二度と手に入らない宝物 二度と帰らない命 この世にあるもののほとんどが 二度と元に戻らない それがわかっていながら 人は今日も一歩前へと進む 一度も見たことのない景色を見るために 歩きつづける 未知への憧れは誰にも止められない
2017年 TVシリーズ。 当時 年末に放送されていたものです。 しかし、、その《年末》に相まって、、 最終回の録画に失敗してしまいました。。 そして2年後 2019年― その再放送に巡り合ってしまいます
正直思いました これ たぶん運命だろ、って
なにしろ最終回以外全て視聴しています そしてなんとなく、 なんとなくではありますが内容も憶えている 見た目小学生にしか見えない子供たちの冒険活劇。 とにかく可愛い子供たちです どこからどう見ても可愛いとしか言えない姿です! 一体その底がどこまであるか知れない《奈落》 そんなものに挑む物語でした。 ただ、そのアビスと呼ばれる奈落は、 ただの奈落ではなく、地下に潜って行けば行くほど 《呪い》とも呼べる事象が襲ってきます。 出てくる昆虫や動植物は既に大モンスターです。 そんな、命を奪うような奈落に、、 小学生が挑む!!!
見た目どう見ても明るい子供たちです すなわち、その結末を《明るいもの》だと わたしはふんでいた―
『メイド イン アビス』全13話
その最終話は特別1時間もので、、 はじめから はじめからとんでもない展開だった
「あのな、お前に頼みたいことができた」
「なんだ?!なんでも言ってくれ!」
「ま、さすがに言いづれえんだけどな。。」
「遠慮するな!」
「じゃあ、、たのむ。。 ミーティをころしてくれ」
「えっ、、、」
どう考えても子供対象超えていた アビスの奥深くで生活していたナナチ ナナチはミーティと一緒に暮らしていました ナナチの体はウサギのような男の子です 体毛なんかフワッフワなのです 正直言って見た目めちゃくちゃ可愛い!! 住んでいるのは《呪い》もひどい地下層 その層で安全な場所を見出し、もう何年もいた そしてミーティ ミーティはどこからどう見てもモンスターでした 危害はなさそうに見えますが どう見てもモンスターです ところが、ミーティもナナチも、、
元は人間の子どもだった
ボンドルドとかいう奈落深層探検家?から アビスに集められた子どもたちのうちのふたり その実は《打ち破れない奈落の呪い》に対抗する ための実験体として連れてこられたものでした この作品はその実験をそのまま映像化していた 正直言ってその可愛い絵からは想像できないほど 絶望的な実験です 人の体が人でなくなっていく様子が、、、 どんなに可愛い絵だとしても これは、、これだけは目を疑いました ミーティは超可愛い活発な女の子でした しかし下層に突き落とされその呪いを一身に受け 口は縦に裂けました 体はスライムのように溶けました 人の意識も断ち切られてしまいました
思いました 地獄だろ、、これ。。
ウサギのような体になってしまったナナチは ミーティのことを宝物だと思っていた 友達のいなかった自分にとって 両親もいない孤児の自分にとって ゴミをあさって生活していた自分にとって 初めて出来た異性の友達 そんなミーティが 自分の目の前で人でなくなってしまいます
涙がぼたぼた落ちました 何度も言いますが見た目は超超超超超可愛いのです ミーティもその目だけはどこからどう見ても 可愛い人間のそれなのです しかしアビスの呪いで、体を千切られても 再生してしまう死ねない体になっていた ナナチは辛くもミーティを連れて研究施設から脱出 現状に至ります 主人公の女の子リコと リコが発見した奈落の遺物レグは (その手足は改造人間の男の子) 奈落の底を目指していた ナナチはレグの火葬砲の超級破壊力を知り 最初の会話となります
レグも記憶を失っていますが その知識と見た目は完全な男の子小学生です ナナチの頼みに、悩みを超えて悩み抜いた レグはナナチに尋ねます
「本当にミーティに人の意識は残っていないのか」
ナナチは既にあらゆる手段を試みていました そして《反応》しかないことを伝えます
胸が詰まってしまいました 自分だったらきっと耐えられる気がしません 反応だとわかっていたとしても どこかに人の意識があると信じたい、と そう思うはずです!!!
いいや、思わないはずがない!!!
なにしろ意思の疎通ができなくとも 《生きて》いるのです しかし見た目は完全にモンスターのそれです ただ、、その目が、、、、 そして何よりも問題なのは《死ねない》
はっきり言ってどう決着つけるのか疑問でした 怪物化を考えなければ 人間社会にそのまま当てはめることもできます 完全に正解のない問題にぶち当たっています わたしは番組的に殺せない、とふんでいた ところがナナチはレグに言い切ります
「オレが死んだら ミーティは永遠に ひとりぼっちだ…」
レグはボロボロに泣きながら火葬砲を撃ちました
こんなに命のことを考えさせられるとは 思ってもみませんでした
人の、、《人のかたち》って一体なんなのか
そしてボンドルド ボンドルドは人間?の大人の男です 仮面をつけているため「?」ですが、 外見どうやら人間のかたち。 その命題は《奈落の秘密解明》のようでした 最下層に行くために《呪い》を打ち破らねば なりません そのために何人もの子供たちを連れてきては、、
とにかく《大人は信じられない》 そんな物語にも見えるほどです そしてボンドルドのその《憧れ》は、、 人間の持つ「闇」に他なりません 自分の為すべきことのために行うことは正義
過去と未来がごっちゃになって申し訳ないのですが わたしは人間の、人間らしいという子細の秘密は ある意味で《混沌》だと思っています
どんなことにも表裏、明暗があり 突き抜けてしまうと完全にアウトだというものです それと同時に《混沌》の渦中である人のことを 人間らしいのだと本気で思っています
その《憧れ》がどれほど凄いもので どれほど危険なもので どれほどかけがえのないものなのか どんなことをしてでも成し遂げたいことなのか
人の力はおそろしいものです どんなことも一寸先はunknown そんな力を間違えずに使いたい そのためにはどうすればいいのか きっと きっとこれは ずっと考えつづけることじゃないのか そして、間違えないためには 《自分ひとりじゃないこと》 《自分自身をひとりにしないこと》 「今」はそんなものを感じています
思い立って中国人の先生に尋ねてみました。
「日本で漢字の使い方、妙なのありますよね? たとえば【疲労回復】とか 」
疲労回復、それは→ 疲労が回復 つまり ◎疲労増大◎ よくよくその並びを鑑みると、、 健康が回復する意味じゃあないのだ(爆) すると先生はこう言った。
「《手紙》ですね! 中国ではトイレットペーパーのことだよ」
それかーーーーーーーーッッ
とんでもない違いキタ!! アンジェラも歌ってたよ?! 日本ゴールドディスク大賞だよーーーーーッッッ な、な、な、なんてこった… この意味違うレベルは、即日、、即日ッッ 紐なしバンジージャンプです☆
じゃあ中国では手紙のことどういうの??
→《信》 日本では漫画キングダムの主人公
そういえばつい最近のワールドニュースに こんなのがありました!!
北京の公衆トイレでは トイレットペーパーの盗難が続出。 そこで、行政は新たなマシンを開発設置。 そのマシンは、、度肝を抜くものだった―
なんと顔認証で トイレットペーパーが30cm出てくる!!
なんというハイテクマシンでしょう 笑笑 公衆トイレで顔認証とか凄すぎるよ! だが顔認証といっても人間を特定するわけじゃ ありません。 儀式です。たぶん。。 顔認証よりも実際問題なのは手紙の長さ☆ 30cmって。。 トイレットペーパー30cmって何?! そう。1回の顔認証で30cmしか出ません。 連続で手紙は引き出せないのだ!!! どうしてもさらに出そうとおもったら、、
《30分後にもう一度顔認証》
これがこのニュース一番の度肝です。 北京では絶対に下痢はできない。 とにかく公衆トイレは無理です!!!
30cmで用を完遂する能力
恐るべし上から目線 行政マシンッッ
アメリカ モダンダンス界。 ニューヨークでトップダンサーとして活躍した グロリアさんのWorkshopに参加してきました!
この頃はクラシック漬けでレッスン受けていたため かなりの注意をくらってしまいますw とにかくクラシックをカラダに入れると 上半身が動かなくなってしまう。 なにしろ品格の踊りです。避けられない!!
ダンス技術の習得というのは、、 これはもう、ダメを言われるのが早い。 教えてもらえる、なんてのは本当に反則です☆ だって《自分の踊り》となれば、、 誰にも教えてもらえません! 自らが練り上げるしか、、ないw
グロリアさんはホーキンズのモダンダンス。 ダンサーとして確実にとんでもない人です。 若かりし頃から確実にとんでもない美女です。 そりゃあそうだろう! トップダンサーだった人だもの!!
あぁそんな人にかなり注意受けてしまった、、 早いとはいえ、、へこむよな。。
Workshopが終わって。 時間がある者はグロリアさんとお茶することに。 練習場のすぐ隣の美術館Cafeへ。 わたしは質問してました。 「グロリアにとってダンスって何?」 グロリアの返事は「Life」でした。 兎にも角にも大先輩の一言は重い。 そうしているうちに一人また一人といなくなり
わたしは最後の一人となってしまった
しかしお迎えが来る時間はまだまだ先だった― 自分の拙い英語力じゃすでに限界w 最初から崖っぷちの遺書つきレベルです☆ そんなわたしはグロリアを美術館へ誘った。 何か面白いの、、やっててくれ!!
『水木しげる展』
えっ
うそ
これ、、ダメやんッッ
水木しげる展がダメなんじゃあない
この人選とタイミングがアウトッッ
だが、他に行くところもない。。 わたしはグロリアに入場券を渡しますw グロリアは超真剣に館内を巡った。 本当に一期一会な感じで巡っていた。
そしてそれは突然やってきた
グロ「タイスケ!これ何??何なの??」
それは、、、《一反もめん》だった…
わたしは考えました。 一瞬の間に、、死ぬ気で考えた。
タ「Japanese most popular cloth monster.」
わたしは思った。 モンスターと妖怪は違う。 しかし他に言いようがない。 少なくとも俺の英語語彙力じゃあ無理。 間違ってない気はする。 気はしても、、何かが決定的に違う(爆)
most popular とは言っても その辺をいつも飛んでるわけじゃない
そもそも現実には飛んでないのだ
わたしは水木しげるさんに土下座したい気分に なりました。。 この伝えたくても伝えられない気持ち 伝えようとすればするほど間違っていく感じ なんだろう、、この底なし沼。。
一反もめんは、、まだいい。 だって、、、この先には目玉オヤジが、、 目玉オヤジが、、待ち構えているんだぞ!!
Kitaro's father
その答えに納得してもらえるのか?! 目玉オヤジに比べたら、、 スターウォーズの「I am your father」が どれだけ受け入れやすいことか。。 目玉オヤジは無理だ 俺には無理☆
わたしはそのとき確信したのです
◎だから踊っているんだ◎
「がんばってね」
すると間髪入れずこう返ってきた。
「おまえもな!」
◎久しぶりに聞いたよその返し◎
これが言える人どのくらいいるのかな!? 滅多に聞けない台詞ですよね!!
大抵の返事は、、 「うん、がんばるよ」 「うん、ありがとう」とかでしょうw
おまえもな!って言える、それは、、 がんばってるのが当たり前な人の特権☆
その人が《頑張っている人》なら、 その返事に間違いなく元気がついてきます!! この 頑張っている、が《わかる》というのは わたしにとってダンスそのものです だって理屈抜きに“通る”ものだからです お互いがお互いを祝福してる、そんな気持ちになる
もし頑張ってない人に言われたりしたら、 反感がわくんだから不思議です
「おまえが言うな!」(爆)
究極の三段活用 完成ですw
どんなときも その人の生き方 生きようとする方向が それを白日のもとに晒してしまうのかもしれません
現在お世話になっている先生、 ご自身が踊っているコンテンポラリー作品を 見せてくださいました! このスタジオはエントランスにディスプレイが 備わっており、ほぼ古典バレエが流れています。 わたしもコンテンポラリーを踊っている、とはいえ 洋舞のそれとは一線を画しています。 踊りを伝えるのは本当に難しい。。 洋舞の場合は基本的に《作品》を踊ります。 わたしのように《今》を踊ることはまず、、ないw 先生の踊りは素晴らしかった! 自分も通うクラスの先生自身が踊っている姿を 映像で見せていただけるなんてまず、、ない。 この上なく恐縮ですッッ
洋舞の作品はほとんどが断片的です 断片的な事情 哀愁や刹那 洋舞の場合は特に完結してしまう感がすごい
振付家の域ではありますが、 感性の作品でなければ 「その先がみたい」と そういつも思ってしまいます いい作品ほど思っています
その断片的な事情から この人がどう変わっていくのか その変化、動向がどんなものなのか 事件や事情ではなく、 人のもつ《なにか》が見たい!!
先生の作品を見終えたあとは、 そのまま生徒たちの作品が流れていた。 小さい子どもたちが一生懸命踊ってる!
「8年前くらいですかね」
「ゆうきちゃんそのとき何歳?」
「5歳ですね」
先生「いやよねぇ〜」
現在… ゆうきちゃんの身長は160越えてますw いや、リアル高校生です! それもフランスにダンス留学までしています!
5歳かーーーーーッッ
俺歴史は俺歴史でしかありません。 が、、スタジオの歴史ッッ 《スタジオの歴史》 みんなが一つの舞台に出演してきたその年月
歴史って、、、こw… 凄い☆
| 2017年11月01日(水) |
「LAST WORK」 |
遠くまで。 遠くまで見に行きました。
『LAST WORK』 バットシェバ舞踊団
客席には知ってる人もたくさんいた。 長いこと会えていなかった人たちも。 基本的にこの舞踊団は避けて通れない。
見れるなら 見に行かなくては!
さて最初から痺れました― このカンパニーに凡人なし☆ 超絶ダンサーたちがもう、、 とんでもない感じで動いて、、 踊っています。。 その個人技と個人フィジカルに とにかく《すごい》しか言葉がない ただ、、15分もした時に、、、
その《すごい》は潰えた
いや、本当にすごいんですよ?? ぜんいん凄すぎるんですって本当に!!
でも、、潰えた
ドキドキがなくなった
中盤からはダンスというよりも展開でした。 銃を持ってる人が出てきたり、 マイク持ってきて歌いだす人が出現したり そこからは白ガムテープで出演者全員が ぐるぐる巻きにされていきます。
そこからの、、 ぐるぐる巻きにされていながらの 全員の上半身だけのダンスが、、 すごく印象に残っています とても美しかった
カンパニーはイスラエル。 イスラエルは今も紛争が絶えない国。 舞台裏にはそんなリアルがある、と その後半から感じざるを得ませんでした―
もうこの感じは《ダンス》じゃなかった 《メッセージ》そのもの
出演者がどういった心境なのかふと考えました これは、もうクリエーションから関わらないと 知りえないことです。 ダンサーの欲求は踊ること。 踊りたいからいるわけです。 その踊りたい、をメッセージに昇華できるか
踊りを踊って満足、というわけにいかない
誰かの作品である限り、その誰かの設計図です この中に自分を、自分自身を生きること わたしは出演者全員がそれをしていた舞台を 見たことがあります あの《生きる》ことのエネルギーを 知っている身としては、、 この舞台は物足りない!!! 超絶ダンサーしかいないこのカンパニーだから こそ、そんなはずがない!!! そう感じていました
ダンスって、踊るって何なのか 見ている人がいること 見てほしいもの そして わたしたち自身が昇華したいもの それが一体何なのか
個人ではない限り、その全員の方向が それを決めるのだと あらためて感じたのです
ひとりの想いじゃないものを 目に見えるものとして昇華できるか
ここにこそ、ダンサーが 作品を踊る本懐がある気がしてなりません
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