| 2010年07月31日(土) |
「電池がきれるまで」 |
気がつけば文庫本を衝動買いしていました
気がつけば帰宅途中、数十分の間に読みきっていました…
『電池が切れるまで』
〜子ども病院からのメッセージ〜
JR車内にもかかわらず涙がぼたぼた落ちました
一気に感情が、あのときの感情が、からだからふきだしたんです
「退院を前にして」 （高二）
今は偉そうなことを書いている私も
苦しいときは 苦しくて
思いどおりにいかない自分が悔しくて
普通に暮らせる妹や友達がうらやましくて
なんで私が…って思ってた
でも なんで私だけが、とは思わなかった
小さなころから周りを見れば
髪がない人ばかりで
小さいなりに 私は倖せなんだと
わかっていたから
私よりも長く入院している人はたくさんいて
皆 頑張っていることを知っていたから
辛くて 悲しくて 苦しくて
そんなことを繰り返し乗り越えて
今の自分がいる
プラス思考という言葉を教えてくれた
あなたに感謝する
いつも支えてくれた皆に感謝する
あなたよりも先に退院するのは
とても後ろめたくもあり なんだか悲しい
でも 先に行くね
外は ここよりも厳しくて大変だけど
がんばるね
ここで経験したこと 感じ取ったことを
絶対忘れず がんばるね
生れたときから十七年間
ずっとずっと つきあってきた病気
まだまだ つきあうことになるけれど
とりあえず
今日で さようなら
あなたもがんばって
ありがとね
ありがとう
どうしても涙が止まりません
わたしにはこんな素直な文章をつむぎだすことができないんです
きっとある種のつまらないプライドが邪魔したり“おとな”だからかもしれません
子どもたちのシンプルでストレートなその言葉がもう…
何が大切なものか
しあわせを知っている、どれもそんな文章でした
ダメだ… どうしても涙が止まりません
わたしは空港によく行っていることに気づいた！
見送りのためです…
今日は、過去わたしが英語を教えていただいていたスーザンさんがヒュース�鼎北瓩詁�。
勉強していたあの頃、長男･ジョーはまだ完全な赤ちゃんでしたもんね。
人間の成長とはこんなに速いものか！！
スーザンさんはわたしのダンス師匠･研さんの義姉です。
わたしは頭悪かったので、大変たのしかったことしかもう思い出せませんw
っていうか荷物でかすぎ
ヒトが軽く３〜４体入ってそうな勢いです！！
こんなに大きな荷物で旅する人をわたしは今まで見たことがない！！
そんなわけで荷物検査には軽く30分くらいかかりました…
今のわたしには確実に無理
だって重いもの持てないから。。 妊婦並に持っちゃダメだから。。
役立たずです、とにかく役立たず。 手伝いもできないのかわたしは…
こないだ「人の役に立ちたい」って書いたばかりなのに！！
なんだかいきなり思い知らされた感じです。。
いよいよ数年ぶりにスーザンさんから声がかかった！
「Taisuke〜物凄い事故に遭ったんだって〜？全然わからないよ〜ハンサムよ〜」
わたしはこころの中でガッツポーズした
わからないこと、それがなによりも大事なことなのだ
だってそこまで回復したという証だから
今までの苦労が報われた瞬間だった
しかし“ハンサム”は回復とは無縁ですよ、最大に疑うべきところです！！
スーザンさんのパワフルな声とその速度は全く変わっていない。 むしろ力は増していたw
人間が発する言葉はこんなに力強く明確で継ぎ目がなくなるものなんです
これだよ、これ、間違いなくスーザンさんだよ！ あ〜うまく説明できないや
（※AIR JOCKEYでしたしプロですから既にヒトの域を超えています！）
見送ってからすぐリハビリに向かった。
ふと道路わきの標語に目が止まった。
わたれそう いまならいけるは もうきけん
こ、これは…！ わたしへのあてつけか？！
人間の頭脳とはこんなに力強く明快に継ぎ目なしで変換するものか―
おどれそう いまならいけるか そりゃきけん
ぬぬぬ… 次にスーザンさんと会うときはわたしも過去を超えて踊るぞ！！
| 2010年07月23日(金) |
「青空のルーレット」 |
◆通院中に読破した小説を紹介します◆
『青空のルーレット』 辻内智貴
青い空に浮かんで、俺達はビルの窓を拭く―
メシを喰うために、家賃を払うために。
けれど俺達はそれぞれやりたいことを別に持っている。
音楽、芝居、写真、マンガ…。
だから俺達が窓を拭いているのは、夢を見続けるためなのだ！
暑く純なハートを持つ男たちの夢と友情の表題作。
そして、第十六回太宰治賞受賞作『多輝子ちゃん』を収録！
梅雨が明けた今、空は明快な青空です。
読書スピードは信じられないくらい速かった。
泣いた、泣いたよ
気がつけば一瞬で読み終わってた。。
この小説は友でライバルなあのヒトがわたしに貸してくれたものです。
小説には透明のプラスチックカバーがつけられていて、大切にしている本だとすぐに想像できました。
人間にとって何が大事か
そんなことを突きつけられる、そんな本です。
◎夢を見る事と夢を叶える事、どちらが大切だと思いますか？
驚いたのは…『多輝子ちゃん』
わたしは多輝子ちゃんと同じ行動をとったことがあるんです。。
泣いて、泣いて、泣きつかれて、ふと気がつけば、一人ぽっちの自分だけでした
多輝子ちゃんをふり向かせた歌があります。
その歌がそっと風のようなものを吹き込みます。
ラジオから流れた歌を多輝子ちゃんはもう一度聴きたくて放送局へ向かいます。
読んでいたその時の気持ちを思い出したらつらくて ほんとうに苦しくて
わたしはどん底から抜け出してはいましたが、ある曲をラジオで聴いたとき、いてもたってもいられなくなり生まれて初めてファンレターを書きました。
書かずにはいられなかったんです
そのときの気持ちをどうしてもぶつけたかったのかもしれない
今思えばとても恥ずかしい気がしてきます…
あのときの得体が知れない気持ちと同じなんじゃないか、そう感じたんです。
もしかしたら、わたしは一生のうちのこの入院した一時期に
悩みながらもめざましく生きていたのかもしれません
今までそんなこと一度だって考えられなかった
なにひとつできなくなったわたしは“死んでる”のと同じだと思っていた
不思議です この本を読んで初めてあのときのわたしが“生きてる”そう思えたんです
保険会社からの調査委託会社にわたしは調査されることになりました！
調査員に最初に言われたのがコレ。
「自殺を否定しなければなりません」
自殺なわけないだろ…
あ〜お金ってほんとうに大変な問題です。
でもこれがないと生活できないもんね。
病院で書いてもらった書類に不適切な言葉があっただけで大変なことになった。
ブレーキなしで
それってさ、医者は知る由もないよ
だって見てないじゃん… よくもそんなでまかせ書けたなぁ
しかも書いたのは救命救急の人じゃない
いい加減なこと書かれたらあとが物凄く大変になるだろうが！！
っていうか記憶がないから自分でも答えられないんだけど。
「家族でトラブルはありませんでしたか？」
「交友にトラブルはありませんでしたか？」
質問に答えるために関係ないことも思い出すし…
聞かれたくもないことを聞かれるし…
言いたくないけどトラブルない人っているの？？
それを問いただす仕事のヒトもほんと大変だよね。。
お金の問題です
あ〜お金ってほんとうに大変な問題です。
でもこれがないと生活できないもんね。
目標がなかったときのわたしを知ってる人だったらきっとこう思うかな？
自殺かもね
冗談じゃない、儚いイメージは死ぬためじゃない！！ ただの見た目だそれは！！
いや、待てよ… 踊る以前を知っている人だったら納得しかねないな…
今まで生きてきた自分を振り返ってもろくな人物じゃないもんね―
っていうか、あなただったら自信持って死ねますか？？
きっとそのほとんどが無理なはずです。
どうやったら胸張って死ねるの？！
もしかしたらそれを知るために生きてるのかもしれない。
生かされたわたしはどんなことでも真剣に向き合うようになった。
少しでも人のためになりたい
その方法が変に思われることがあってもわたしにはこれしかない。
冗談のように見えてもいつだって本気です。
こんなこと言ってもあとになれば「言い過ぎたなぁ」とか落ち込んだりします。
でも「あのとき言っておけば」と思うよりはずっといい。
だってちょっとしたことで人生は変わることをわたしは知っています
◆通院中に読破した書籍を紹介します◆
Dynamic Equilibrium
『動的平衡』〜生命はなぜそこに宿るのか〜 福岡伸一
読んだら世界がちがってみえる。
もう既に世界はちがってみえるわたしですが、もっとちがってみえるはめに！
信じらんない… こんなに世界はちがうものなのか―
◎わたしたちの脳は対数的に増えていくもの、振動しているもの、変化しながら動くものをうまく捉えることが苦手なようにできているらしい。
世界は私たちの気がつかない部分で、依然として驚きと美しさに満ちている。
そう、そうだよ…
過去のわたしはそれを捉えることができなかった
本書のとおり確かに進化は私たちにバイアスをかけ、一定の規制を敷いた。
しかし同時に可塑性・自由の扉も開いてくれている。
私たちは自ら生物学的規制の外側へ思考を広げることができる！！
汝とは「汝の食べた物」
胃の中ですが生物学では「体外」です。 …え゛ そうなの？！
じゃあいつからが体内？？？
◎それは消化管内で消化され、低分子化された栄養素が消化管壁を透過して体内の血液中に入ったとき。だから消化されていない食べ物は胃の中にあってもまだ「体外」にあるのと同じなのである。単純化すれば、人間の身体はチクワのような中空の管に過ぎないことになる。
人間は考える管
◎私たちは、もっぱら自分の思惟は脳にあり、脳がすべてをコントロールし、あらゆるリアルな感覚とバーチャルな幻想を作り出しているように思っているけれど、それは実証されたものではない。第六感のことを英語ではガット（gut＝消化管）･フィーリングという。あるいは意志力をガッツ（guts）と読んだりする。「ガッツがある」というときのガッツである。消化管回路網をリトル･ブレインと呼ぶ学者もいる。しかしそれは脳と比べても全然リトルではないほど大がかりなシステムなのだ―
すごいことになりました…
もしかしたら消化管が“考える”正体なのかもしれないんですよ！！
この本にはこうも書かれています。
◎ミミズに「君の心はどこにあるの？」と訊ねることができ、その答えを何らかの方法で私たちが感知することができたとすれば、きっと自分の消化管を指すだろう。意外なことに、脳がないとはいえミミズはあるときは葉っぱのどちら側を咥えれば巣穴に飛び込むのに都合がいいのか、迷いつつ「考え」さえしているのである。
対女性必殺技もちろん記載されています！！ どんな女もこれでｲﾁｺﾛ！
ダイエットの科学―分子生物学が示す「太らない食べ方」
つまりわたしはその逆をおこなえばよいわけですね☆
ながくなるのでコメントは控えさせていただきますw
究極の方法はそうやすやすと教えられるものではありません！
っていうか大変なことが載りすぎていて感想がまとまらない！
しかし頑張るのでもう少しだけblogにさせてくださいw
◎食べ物として摂取したタンパク質が身体のどこかに届けられ、そこで不足するタンパク質を補う、という考え方はあまりに素人的な生命観である。口から入ったものがそのままダイレクトに身体の一部に取って代わることはありえない。構成単位にまで分解されるか、ヘタをすれば消化されることもなく排泄されてしまうのである。 私たちが健康幻想に取り憑かれる原因は【身体の調子が悪いのは何か重要な栄養素が不足しているせいだ】という、不足・欠乏に対する強迫観念があるように思える。 健康を、強迫観念から解放し、等身大のライフ・スタイルとして取り戻すためには、私たちの思考を水路づけしてきた生命観と自然観のパラダイム･シフトが必要なのである。
生物はミクロな部品からなりたっているのではない
生命は単純な機械論をはるかに超えた、いわば動的な効果として存在している
結末では種の壁を超えて『生命とは何か』そんな真理にたどりつきます
それはわたしにとって信じられないものでした。
ヒトは生きることを許されていた
そんなわけで分子生物学は難しいけど、とんでもない書籍です！
興味があるヒトは是非よんでみてください。 必ず世界がちがってみえますよw
◎生命は自分の個体を生存させることに関してはエゴイスティックに見えるけれど、すべての生物が必ず死ぬというのは実に利他的なあり方なのである。
わたし自身も『ダンスとは何か』という基本的な問いかけに対してこれからも問い続けるものです。 わたし自身の力も誰かがいなければ輝くことはないと思います。
“個体とは本質的には利他的”
わたしは今、すごく納得がいっています
夢が叶う日。
誰に話してもきっとどうでもいい話です。
自分で夢を叶える日を択べる、そんな夢だからです。
「○○先生○○先生、△△さんがいらっしゃいました」
リハビリ室に響き渡るアナウンス。
わたしは初めてそのアナウンスを聞いたとき、とんでもないVIPがきたときだと思っていた。
なにせこの病院は当たり前のようにプロ野球選手がいたりします。
先月は○ークスの小久△選手がいつもいました。
なんだかVIPルームみたいのがあってそこで施術され…
っていうかすぐ目の前で施術されてますから。
患者に分け隔てなんかありませんw みんな同じなんです！
そんなわけで担当リハビリPTに聞いてみました。 謎は解かなくては！
するとその正体はVIPアナウンスでもなんでもなかった！！
このアナウンスが発動されるには条件があります。
カードを受付に提出していながら診察や用件でリハビリ室を一時退出するときです。
この病院でのリハビリは予約制ではなく受付順。
もしその順番がきてもその人がその場にいなければ容赦なく次の人に回ります。
生きること同様、リハビリもたたかいなんです。
そんなわけで場内アナウンスが流れるというわけです！
VIPアナウンスかと思いきやこんなわたしでもアナウンスされるチャンスがあるんですよ！！
それからです、アナウンスされることが最も近い夢になったのはw
これをどうしようもない夢だと思いますか？
きっとそのほとんどが「だから何？」って言う気がしますw
でもこの夢はただ叶えればいい、そんな夢じゃなかったんです。
わたし担当のリハビリPTにはあらかじめこの夢は伝えてありました。
もちろんこんなものを夢だといったわたしは嘲笑されたけどねw
でも夢なんだから仕方ありません。 叶う夢です。
その会話の最後、担当PTからこう言われていた。
「もしアナウンスがかかったら俺、爆笑するかもしれませんね」
いつでも夢を叶えることはできましたが、それでは面白くありません。
ここまできたら担当とのたたかい、真剣勝負です。
こうなったら必ず爆笑させてやる
いつ何時アナウンスされるかわからない状況ではじめて真価が問われる
売店のお姉さんにこの夢を話してみたら身も蓋もない返答が返ってきた。
それ、もう夢じゃないね
ここまできたらたとえ夢だろうが夢じゃなかろうが実行あるのみ。
“もしかしたらそうかもしれない”そんな気持ちを打ち払ってそのときはきた。
担当とアナウンスな会話をしてからかれこれ２ヶ月くらい経った今
なんだか今日がそのときだ、と感じたんです
夢を実行すべく受付に伝えました。
「今日、夢を実行します」
わたしにとって真剣な話でも第三者から見れば意味不明です。
そして夢実現のためにかかせないのは意味もなくかわいげな声！
いつだって夢を叶えるには壁が立ちはだかります。
そのとき受付にいたのは極めて真面目な人物だった―
長くなって申し訳ありませんが説明のために一例をあげさせてくださいw
いつも健気に骨電気してるわたしですが装置をつけてくれるときにたまたまその女の子だったときがあります。
そのときmy担当PTから骨電気残り時間を聞かれたそうです。
その際はクールにこういうようにお願いしていました。（※クールに、が特に重要）
「あと３時間です♪」
３時間とはPTに喧嘩売るような発言ですw
でも面白いからお願いしてみた。
（※わたしを悪者にしていいからと免罪符も渡してあります）
するとどうでしょう突然バツが悪そうにわたしの前に現れてこう言いました。
に「笑ってしまってなにも言えませんでした…」
このくらいの生真面目さです。 たいへんに真面目です。
だってわざわざ「できませんでした」って謝りに来るんですよ？？？
ちょっとはユーモアを鍛えたほうがいいのではないかと思うくらいですw
“頑張”ったら笑いがこらえられない人物なんです！！
しかしここは賭けです。 リスクは高いほど達成感は大きいはずです！
わたしがリハビリ室に帰ってきたとき、ついにそれは放送された。
に「○○先生○○先生、タイスケさんがいらっしゃいました」
“言えた、言えたよ”的笑顔の受付嬢！！
その上、やはり無理を強いられたのであろう、かすかな笑い声まじり！！
まさに“頑張った”アナウンスでした。
だってガッツポーズを繰り出したくらいですw
（堂々の金メダルです！）
こうして担当PTには虐げられ、人間として扱われないことに成功。。
こうしてわたしの夢は叶えられました。 もう思い残すことはあり…
あるよ、ありまくりだよ！！ これからなんだよ―
今日も美味しいソフトクリーム！
こないだ、リハビリ室で電話しながらインナーマッスルを鍛えている人がいた。
長電話しながらあんなにガッツンガッツンリハビリしてる奴みたことないぞ―
見たことありました
シンクロスケーターAyakoちゃんですね、あれw
しかし一般的に考えれば禁忌を侵している！！
いや〜 俺には真似出来ないな〜
かっこいい女なのは認めるけど大丈夫かアンタ―
昨日のAyakoちゃんは、病院ロビーをソフトクリーム系アイス食べながら闊歩していた。
その姿はふてぶてしいほどかわいかった―
◆今日はそんなAyakoちゃんの退院日です◆
競技とダンスの違いはあっても“踊り”について病院で話が出来る唯一の人物の退院です。
さみしいけれど由々しいほどめでたい日☆
なかなか聞けないシンクロナイズド･スケートの話で踊りの世界が広がった！
時間があるならもっともっと聞きたい、そんな毎日でした。
5歳でスケートを始めて、今や世界選手権で世界と戦う女です。
興味ない人いないよね？？
これもなにかの縁、初めて会話したとき運命を転がしてみた。
わたしは入院中、アメリカのダンサーTHOMASからニューイヤーカードが届いた。
『Wishing you the very best in 2010. I trust all is well. Happy Dancing！』
その文章に入院中つらくて苦しくて言葉がなかった
それを思い出したわたしは返事を書く協力を頼んでみた。
するとAyakoちゃんは快諾してくれた！（※初対面です
「やることなくて暇ですから」
なんて素晴らしい響き？！ ここは引き受けてもらおう！
今なら返事ができる、そう思った
撃鉄が打たれたわたしはその夜、一気に返事を書き上げ、翻訳を依頼。
おかげさまで投函！！
こうしてわたしはAyakoちゃんと友達になりましたw
どちらにしてもリハビリ仲間にかわりありませんw
わたしは空港まで見送りにいった。
預けられなかったレントゲン写真の巨大封筒を手渡された。
お土産を選ぶのに凄い邪魔だもんね。
うんうん、重いもの以外ならなんだって持ちますよちくしょ〜
わたしは地元の人間として選ぶべきお土産を間違えさせてはなりません。
そんなわけでお茶しながら冒頭の話を本人にしてみた。
〜どうやらソフトクリーム好きらしい〜
会話から今日の別れの最後にソフトクリームを食べる流れに…って当然か！
出発30分前、お互いにソフトクリームを食べながらゲートへ。
食べながらゲートを通過
信じらんない… ほんとに通過したよあの人…
そそのかしたのは俺だけど…
たぶん人生で二度とソフトクリーム食べながらゲート通過する人を見ることないと思う
かっこいい、マジでかっこいいぞ―
その調子でアメリカでもっともっとかっこよくなって人智すら超えてくれ！
手を振りながら見とれていたわたしはソフトクリームが溶け出していたのに気づかなかった
気がついたら床一面ソフトクリームの沼ッ！！！
―ごめんなさいごめんなさい空港中にごめんなさい―
ちくしょ〜 Ayakoおぼえてろ〜 いつか絶対踊ってるの見にいってやる！！
…
わたしもそんなふうに軽く“今”を“通過”したいな
きっと未来から見れば今なんてただの通過点です
通過点だとしても忘れられない大切な通過点のはずです
わたしもゲートを通過できることを信じて今を生きるしかない
しかし、ゲートを通過してからが本当のたたかいです
Ayakoちゃんが全力で踊れる日を祈っています
| 2010年07月09日(金) |
「僕の初恋をキミに捧ぐ」 |
今日も健気に骨電気！
◆リハビリ仲間が課してくれた漫画を紹介します◆
フラワーコミックス『僕の初恋をキミに捧ぐ』（全12巻）
読みきった 読みきったぜ
泣いた 泣いたぜ…
これをわたしに課してくれたのは足首を手術した現役女子高製。
バトンを操る高校生です（操ってるの見たことないけど
快く貸してくれなかったので強引に狩りましたw
ところが、そのときのわたしにはキツすぎる話だった。。
二十歳まで生きられない
そんな主人公・逞くん（当時8才）と結婚の約束をした種田ちゃんの成長物語。
“人には生きるタイムリミットがある”そんなあたりまえの話。
またか―
どうやら今の自分に突きつけられた、避けられない問いみたいです
１巻から、正直に言えば苦しくてつらすぎた
だって現実にわたしのすぐそばにそんな人がいた
どうしても思い出してしまって先にすすめなかった
数日が過ぎていた 病院で本を貸してくれたその子に遭遇
「読んだ？ヤバいやろ〜」
さすがに話さないわけにはいかない。
「ちょっとつらすぎてすぐには読めないと思う」
察してくれたのかはわからないが、待つと言ってくれた。
やさしいねぇ〜（※いつもなら殴る蹴る等の暴行を受けます
１巻ですでに涙なわたしはその１巻で挫折していた。
なんとか１巻を読み終えたらおそろしいくらい速かった。
そんな中、どうしても納得がいかない二人がいます。
照ちゃんと昴サマ
この二人の人格表現は明らかに安易すぎる。
たとえ逞と種田が幸せになってもここだけは譲れない。
どちらも死に直面する人物だけにそんな答えが許せなかった
しかし逞の言葉には度肝を抜かれた
これこそ世の女性が求めるカッコイイ男の鑑、そんな言葉だった
「幸せにしたいんです」
その逆境からこの言葉が出るまでどれくらい成長すればいいのかわからない
生きることは本当に苦しいことです
でもそこに幸せがあることが事実なんです
致命的状況で死にかけた自分が死ぬほど焦っていることがあります
せいいっぱい 生きること
まだなにも踏み出せない、からだが動かせない
どうやったら今をせいいっぱい生きられるのかがわからない
自分にも『僕キミ』みたいな人があらわれるのかな
もしあらわれたらこんどこそ違う世界に変わってほしい
なかなかこんな気持ちになれることなんてないと思った
メールした 貸してくれた子にメールした
いつもふざけた会話しかしないけど、ここなら投げかけられるかもしれない
すると不思議なことがおこった
経験の差・年の差はあっても素直なメールが返って来たんです
その人の思い入れある大切なものが媒介になってくれたからだと思う
どんな人ともこんなふうにダンスができたらいいな、そう思った
わたしは幸せです
今日も健気に骨電気！
◆七夕です、どういうわけか死ぬ気でリハビリに挑む仲間を紹介します◆
６月から、どうみてもアスリートな女の子がいます。
気になるのでmy担当リハビリマスターに訊ねてみた。
アメリカ在住シンクロナイズド・スケーター
うわすごッッ… こんなところだからこそとんでもない女と遭遇か！
そんなAyakoちゃんは常にノースリーブ！
遠くからでもすぐに発見できるのはそのエネルギー！！
リハビリに懸ける姿勢が尋常じゃない
リハビリを始めた当初のわたしと同じものを感じます。
そんなAyakoちゃんに前述のイメージをダイレクトに伝えてみた。
「あたりまえじゃないですか」
きた、きた、きたよ！ これだよ、この心意気！
なおるならなんだってやる
できるなら今すぐにでも踊りたい
悪魔に魂を叩き売りたいくらいです
この気持ちはそのままおそろしいほどからだに伝達されています
そんなわたしは未だに「がんばってはいけません」止まり。。
泣き叫んだところでよくなる話でもありません
そう、Ayakoちゃんはわたしが“今”忘れかけている“そのもの”だった
とても、とても大事なものです
Ayakoちゃんは話を続けた。
わたし、アメリカで治療を受けていたときにＴシャツを着ていたんですよ。
そうしたら医師に「なんでＴシャツ着てるの？」と怒られたんです。
施術受けるならちゃんとからだが見えるものをと言われ、初日はＴシャツ脱がされてブラだけで施術されたんですよ？
実話らしい
たとえばダンスでも同じものがあります。
からだのラインが見えないものだと先生から見向きもされません。
そもそも“教えを請うスタンスと見なされない”
その境地で日本のリハビリ界に飛び込んでいたわけかw
実際、素肌が見えればその意識は確実に変わる！
目指すのは恥ずかしくない体！ 鍛われるのは他人からの視線！
〜しかしここは日本〜
Ayakoちゃんは二度も右肩手術をした人物です。患部はわたしと同じ右半身、右肩。
右肩の施術は脇などの微妙なところになります。
男女ともにデリケートな部位
素肌に触れられるわけですから気を遣うわけです！
そんなわけでタンクトップの女、Ayakoちゃんは大変な窮地に追い込まれていた！
日本はそこまでシビアじゃなかったw
タンクトップの女にはそんな複雑な事情があったのだ！
「わたし、タンクトップしか持ってきてないんですよ？！」
吹いたw
どうしようもないね、それ
既にわたしのイメージとなっていたものに、よもやこんな裏事情があったとは―
友達になれば真実がw 運命はノースリーブで切り開け！！
俺もタンクトップにするかな…（無理
もう半年以上、背伸びしていません
背伸びの仕方を忘れてしまいました
朝起きたら必ずみんな背伸びするよね、しない人いるのかな
わたしは背伸びしようとしたとき無意識のうちにやめます
いつのまにこんなことになっていたのか、まるで気づきませんでした
きっと今まで何度も試したはずです
でも激痛がからだに染み込んでいるのか
なおすために“やってはいけない”そんな感覚に冒されているのか
ひとりでいたらおかしくなる
この半年間、やみくもに楽しいことを見出してやってきました
すぐに絶望に追いつかれる毎日から逃れる方法はこれしかなかった
これまで人に話せないくらいどうでもいい小さな楽しみを糧にしました
そんな今までに今日、ふと別の見方ができた “突然に”です
楽しくないことがない
なにもかもが面白くてしかたなかった
人の表情、仕草、なにもかもがダンスに見える！
今までにわたしの心が動いた全ての情景が突き抜けた
人と話したりトレーニングをしたり、わたしには今できることがある
今まで無理矢理つくりだしていた自分に笑いが込み上げてきた
探さなくたって初めからあったんです
なんだよ… なんだよそれ… 知らなかった、知らなかったよ
毎日こんなに悩んだりくじけたりしているのに楽しくて笑ってる
あたりまえのことだった
今まで無理矢理つくりだしていたことはそのまま“楽しいこと”だったんです
なにも、考えなくたってよかった 考えることじゃなかった
なんだか泣きそうなくらい気分爽快です
そもそもわたしたちには生きるタイムリミットが初めからあるんです
でもそれを今の今まで本当の意味で気づくことはなかった
わたしは背伸びの仕方を忘れました
そんなわたしでも生きることと最後まで戦いたい、そう決意することができたんです
あぁ感謝です 感謝しかわきません
今までわたしをたすけてくれた人、その全ての人からいつもバトンは渡されていた
わたしもこのバトンを繋いでいかなければなりません
わたしはここからです！
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