断罪の時間 〜Dance!な日常〜

2010年06月28日(月) 診察という希望2

〜これがわたしのダイナミック〜
梅雨です。 わたしにとってワールドカップ以上の決戦の日。
偉すぎる医師の診察日!

 「七割ついてるね」

骨が、骨が七割つきました!!
でもレントゲン写真じゃ全然わかりませんよ先生―
それ、ほんとうについてるんですか???
こないだのレントゲンと大差ないようにしか見えませんが…
しかし偉い先生に口出しなど出来るものではありません。
先生の機嫌を損ねたりしたらそれこそ一大事ですから…
こないだリハビリ室の室長に施術されたときこう言われてました。

 「先生には必ずリハビリ指示の確認をしてくださいね」

診察が終わりそうな予感がしたので確認しようとし…

 もう先生は消えていた

ここでリハビリ指示がもらえなかったら1ヶ月後の診察まで一切が進まない!!
地獄です、地獄ですよ―
しかしまだ助手さんがいた! たすかった!
◆先生にリハビリ指示を頼むことに成功◆
リハビリ指示書が手元にきた!!
なんて書いてあるんだろ… どれどれ

 「ダイナミックに変更」

きた、きた、きた!! きたぞダイナミック!!!
わたしは飛んだ。 飛んでよろこんだ。

 “ダイナミック”その文字にこころが踊った

ここまでくるのに何ヶ月かかったのか考えたくもない…ようやく次にすすめる!
その変更内容にドキドキが止まらない!!

 PT「じゃあこれを持ってください」

おおお!なんだ?! すごいなおりそうな道具かな???
やりますやります、なんだってやりますよ〜

 【うちわ】

うちわ?! うちわですね… あおぐうちわが渡されました。

 うちわで真剣にあおぐ

意識するのは夏じゃありません、インナーマッスルです。
この病院では珍しくもなんともありません、みんなやってること。
みんな集中してうちわ持ってあおいでいます。 そんな光景を見たことがありますか?
初めてみたときわたしは何かの宗教じゃないかと疑ったくらいですw
ここにきてようやくその宗教の正体がわかりました。。

 って、これが“ダイナミック”???

泣きそうになった…
インナーマッスルを意識すれば“あおぐ”に至らない現実

ここで言うダイナミックは想像するダイナミックとはほど遠いものでした

 【dy・nam・ic / a. 動的な】

あくまでも医学的に“動的な”リハビリが可能になっただけ
激しい運動が可能になったわけじゃないんです

まだまだ希望は見えませんでした

死ぬのは一瞬です、でもそこから戻るためには死ぬ気で努力しても足りない事実
なおらないかもしれない、それでもやるしかない
ここはそんな人たちの場所です

生きていればこの先もずっと試練です
試練はつづくよどこまでも
底が知れん!



2010年06月26日(土) lost and found

◆何がタイミングだったのか、ユウナと会う約束の日◆
昨年のコンドルズ公演のとき以来、約1年ぶり。
あたらしくなったわたしとは初対面のユウナ。
聞いてみたらわたしと会うことを少なからず怖れていたらしい。

 そりゃそうだよね―

せっかくなので初めて会ったときのことを思い出してみようと思います。
ダンス公演『骨まで大ヨロコビ』、ユウナたちと挑んだのは2003年2月。 7年前か―
あのころはなにもかもが楽しくて楽しかった!
好きなことに対して悩んだ記憶が全くない。
そしてあのころのユウナはめちゃくちゃかわいかったw
今の大人びた姿に成長を感じずにはいられない! ちょっとした絶望ですw

 思い返せば特別な交流があったわけじゃない

でも、なぜだかわたしはユウナに対して壁がなかった。
ユウナは京都の大学に進学。
そのころのわたしは京都でダンスを学んでいた。
オーディションを通過してディディエ・テロン(仏)の作品に参加していた。
それが2006年5月。 世界範囲のダンスを貪欲に吸収。
このとき、すっかり京都人と化していたユウナと自転車を乗り回し、意外に遊んだw
今から考えると数奇なものを感じます。

 その後はタイミングが合わなかった

京都で度々踊っていたからチャンスはあったんだけどね… 成長を見てもらいたかったな
ざっとこんな感じです。
思い返せばこわいくらい長い。 しかし信じられないくらい点と点です。

ユウナの身の上にもいろいろあった断片を聞くことができた。
断片しか聞けなかったことは大変な失敗です。
でもわたし自身のことを話さないわけにはいかない。。
わたしの話は長い。その上とっても複雑w
しかもそのどれもが避けられない話です。 運命が変わってしまった話です。

しかし2009、一大決心をしたのはユウナも同じだった。
ユウナの“夢”を聞かせてもらわなくちゃね!
これだけは絶対に譲れません。

 驚いたのは考えていること・大事にしているものがわたしと酷似していたこと

応援したい、そう思った。
お互いにできることは違っても根底に同じもの・人間的なものを感じるんです。
詳しい話は聞けなかったけど、本当にやりたいことをやるためのようです。
単に“辞める”ではなく目的のためです。 だから心配ありません。 心配ないんです!
凄いじゃないか!! ちゃんと自分のことを話せる人、信用できます。
そんなユウナにこんな一言がいただけたw

 「タイスケさんには見透かされてる気がするんですよ」

 ※見透かせてません

結局5時間くらい話した…の?!  時間が全然足りない!!
わたしみたいなのを相手にしたら大変だね。。 ほんとに気の毒だよ…
うわ〜罪悪感が―

年月を感じない人っていますよね、気が置けないあの感覚です。
しかしたしかに年月は経っています。
考え方やその感性、なにもかも同じなわけがない。

 不思議です わたしにとって“ユウナ”はいつも“ユウナ”です



2010年06月23日(水) GO NISHIKORI

巷はサッカーワールドカップ一色ですが、この時期こっちも重要ですw

日本人がセンターコートに立つ!
 錦織圭vsナダル
推薦枠でナダル戦を引き当てた錦織。
日本時間深夜、現在世界最強の男との直接対決です。
見逃せるかよウィンブルドン2010!!

初戦から大変な試合じゃないか―

 さすがナダル… 強い

しかし第3セットにチャンスは来た!!
相手の逆をついてブレイクに成功!!
逆を突かれたナダルは滑って転倒!!
会心のクロスショットが炸裂!! 凄いぞ錦織!!

だが常に厳しいコースを迫られる錦織。
ダブルフォルトも連発。。
ブレイク直後にブレイクされてしまった…

 くぅ〜ッ 惜しい

残念ながらストレート負けを喫した錦織。
しかしまだ二十歳。
まだまだこれからの男なのだ。
器の大きなプレイヤーに成長していつかナダルを倒してくれ!
いいプレーも随所に出ていたし期待するわけです!!

 GO NISHIKORI!



2010年06月22日(火) 「THE WALKER」

『ザ・ウォーカー』
戦争で世界は崩壊した
残ったのはわずかな人類と一冊の本
男はなぜ、歩むのか?
何が書かれた本なのか?
戦慄の新世紀サスペンス・アクション

これが原因で世界は滅んだ
あれは本じゃない“兵器”だ
そこには何が記されているのか

 運べ 西へ その本を―

 タイスケ父「最低の映画だな」

たしかにつくりはアレで内容もアレでした。
しかしわたしは泣きそうになった
主人公イーライ君(デンゼル・ワシントン)はわたしと“同じ”だったんです
ショックでした
その揺るがない強さはわたし自身が得たいもの
人それぞれ、きっと異なるものでしょう  しかし全ての人が持てるもののはずです
たとえ描き方がアレでも伝えたいことはわかります。
見てよかった!

 どんな困難にも立ち向かう力はここからわいてくるんです



2010年06月18日(金) 拷問のような検査

今日は健気に電気イス!?

〜顎口腔外科〜  口内と外の異常に対する外科治療
おかげさまで開口障害からは超回復中、しかし症状は単にそれだけじゃないんです。
この1ヶ月、妙な感覚で不安が。。 医師先生に直接聞かなくては。

 医「レントゲン撮ってきてくれる?」

【パノラマレントゲン撮影】 ヘルメットみたいのが上空から降りてきた

機械「ウィーン、ガシャン! ジー… ガチャ!」

もう全然ついていけません。 全自動医療機械って凄い。

 医「レントゲン見る限り問題なかったよ」

おぉ〜それは安心です!

 医「じゃあ歯神経が大丈夫か検査しようか」

え?! 歯神経…

 医「電気が流れるから“ビリッ”ってきたら“痛い”って言ってね」

  なんだそれ?

めちゃくちゃ単純な機械なのかな (※違います

なにされるのか全くわかってません。 事実、震えが止まりませんでした。
機械を入れられるとき、研修医が2人、視界に突然現れた。
なんだなんだなんだーッ 驚くだろいきなり真剣に覗き込まれたら!!
正直この状態を女の子が2人で仲良く覗くなよ!! 拷問かこれ!!
っていうかなんだこの機械ーッ 危なくないよね?ね?? ピリピリするんですけど…
奥歯から検査が始まった。 ビリビリきますが痛くなかったw  たすかった―

 医「痛みを感じたらすぐに言ってね」

大丈夫。 痛くないんです。
医師は機械を研修医に渡した。 選手交代。 どうやら研修させるらしい…

 ちょっと待て!どうみても扱い方なれてないぞこの人

危険を察知したわたしでしたが逃げ場なんかありませんw
冷や汗が流れるのを感じます…
まな板の上にわたし、相手は殺戮の権化です
一触即発で命の危機を感じる“検査”って何だ???
あまりにも不慣れすぎだって!! こいつ無理。 無理だって!!

 痛みを感じたらすぐに“痛い”って言ってくださいね

これがわたしの最後の砦です
しかし現実は想像を遥かに超えていた

 た「グぎゃアあアァアーーーーーッッッ!!!」

“痛い”なんて言葉にする余裕あるかーーーーーーーッッッ
口腔外科フロアに響き渡る悲鳴! これじゃ断末魔じゃないか!!
わたしの意に反して先生は軽くこう言った

 「うん、生きてるね♪」

死んでたら病院にこれるもんか!!
わたしはこの言葉が使われたニュアンスを永遠に忘れることはないでしょう (※実話です

 断末魔が生きてる証かよ―

こうして歯神経の生存が確認されたのです。 よかったよかったよくねーよいいのか…

 医「5番も確かめといて」

ポジションじゃなくて歯の通し番号ですね。
直後、涙そのままに悶絶していたわたしはとんでもないものを見た。

 研修医「先生…5番が…ありません…」

まるで脈が止まったのを看取ったような顔じゃないかアンタ!!
「もうダメです」そんな顔で見るなあああああああああああああああ

 まだ、まだ死んでないぞ俺は!!!

なんてこった。。 状況と裏腹に こころの爆笑が止まらない―
そう、わたしは少年時代に矯正で歯を4本抜いた人物です。

 そりゃないよ、ないんだよ

ともかく歯の根が腐ってなくてよかった… (こころは腐ってきてるかも

今日はなぜだかデンジャラス!

まさか検査で擬似電気イスを味わわされるなんて思ってもいません。
感電したあげく気絶するところでした。。 全く笑えません



2010年06月17日(木) One By One By One

blogをやめようと思った
これまであまりにもつまらないことを書いてきた自分が恥ずかしかった

今まで生きてきた年月がなんだったのかと思うくらいこころが成長
からだ、人との関係、生と死、わたし自身
ほんとうに学ぶことが膨大でなにも得られない日がありません

今までも妙に強かった感受性に更なる成長がおとずれたみたいです
気がついたら怖いくらい人のこころが読めるようになっていました
つらい、つらいことですが、失うことで成長するんです

 blogほめられた

唐突すぎて、信じられなかった
だって今まで数人にしか言われたことない
第一ほとんど個人的なことしか書いてない

 blogを続けても、いいんですね

blogはそのときの素直な気持ちです
振り返ればわたしの感じたものがそのすべてです
文章にすることでその時なにを考えていたのかすっきりまとまります
「そうか!こんなこと考えてたのか」…自分に驚くことさえあります
「楽しく見てもらえて、なにか感じてもらえれば」そう考えていました
過去を見ると“楽しくなければいけない、見てもらえない”そんな強迫観念がありました
無理に自分のバカさを披露して笑ってもらう、そんなスタンス
最初のころなんか途方もなく幼稚で消去したいくらいです いつかします
考えられないくらい垂れ流しで怒りもそのまま叩きつけています
ネット世界ではそれが許されていますし、ただそれだけの人も数多くいます
結局は心意気が問われることを知り、現在に至ります

 どれもダンスにしたいくらい大切なものです

そうじゃなきゃ何度も見直して書き直したりしない
誰にでも見られる時点で自分ひとりのものじゃないんです
個人的なblogですが、わたしは背中を押してもらいました  とても幸せです

これからは今まで以上に『人が好きすぎて仕方がないblog』になると思われますw

下手すれば今まで以上に『無理に自分のバカさを披露するblog』になるやもしれません…

 いつだって崖っぷちです  そのときは律してやってくださいw

わたしはみんなのおかげで元気になっています、blogも続けることができます
今がタイミングだと感じました
この場を借りて感謝させてください



2010年06月15日(火) Kiss Me Good-bye

距離感
人と人との距離感って凄く複雑です
ちょっとしたことで大きく揺らいでしまいますよね

今日はわたしが通院する病院のリハビリマスターの一人が退職される日でした

 こどもが産まれるんです

男にとって唯一できないこと、それはこどもを産むこと
新しい命です 凄いよね
ただでさえ驚いたけど、まだ話には続きがあった

 “アメリカに旅立つ”

 え?! もう会えない??

「もしかしたらもう二度と会えない」 そう考えたら、からだじゅうこわばってしまった
そんな自分自身に驚いた  失うことに今までにない恐怖感がある
こんな短期間で親友かと問われたら難しいかもしれないが、わたしはできることをした
なによりも自分に後悔がないことをしておきたかった
こんなからだでなければ出会うこともなかったし、直接お世話になった人の一人です
今わたしにできることは全力で人と向き合うこと  ダンスと全く同じです
一般的にみれば変だとしても自分自身にウソをつかない生き方を選んでいるだけです

あまりにも恩人の死が大きすぎてまたわたしが変わってしまったのかな…
いいや、違う! 年齢と共に、成長と共にすべてのことに新しい見解ができる
気持ちの原点をたどれば研さんとお別れしたときとなんら変わっちゃいない
それに二度と会えないわけじゃない!! 会いにいけるじゃん!!

 わたしの中ではもう友です  わたしの距離感ですw

また会う日を楽しみに、楽しみにします



2010年06月10日(木) 「RAILWAYS」

今日はあふれる気持ちにしたがってみます
この一週間、人前では明るくできても一人になればなにもかも投げ出したかった
こころ乱していたわたしを、父は映画『RAILWAYS』に連れて行ってくれた

 『RAILWAYS』 49歳で電車の運転士になった男の物語
 大人が夢見ても、いいんですね。

じわじわ効いた―
中井貴一演じる主人公・筒井肇は、ある時期に不幸が重なってしまいます
主人公は決意します 〜自分らしく、生きること〜
肇にとってそれは、夢だった電車の運転士になり、誇りを持って仕事に打ち込むこと
そして何よりも家族を大事に思う気持ちでした

とんでもないことが起きないと人間は本当の意味で成長できないのでしょうか
わたしはそんなことないと考えています きっときっかけです
ゆるやかに成長しているはずですが、よほど強い気持ちでないと大事なものを簡単に忘れてしまいます
そのままにしておいたら取り戻せなくなっていますよね

 ただがむしゃらに踊ってた

 ダンスは慈善事業じゃない

たすかったわたしは色鮮やかな世界にいました
今までの世界が白黒だったんじゃないかと疑うくらいです
入院中、わたしは自分自身の一番大事なものを見いだしました
それまでの自分を見つめる時間は膨大にありました
わたしにはダンスよりも大切なものがあったんです
自分でも信じられませんでした
こんなこと言ったところでほとんど通じないこともわかっています
それでも、どうしても伝えたい気持ちがあります

 全てを大切にしたい

どんな人とも真剣に向き合うし、無理にでもかかわりたい  不退転の決意です
この世界に、無駄なもの余計なものなんて一切ないんです

 “感謝”  “人が好き”

なにもできなくなったわたしには、この二つしか残っていませんでした
どうやらこれがこころの奥底にあった本質のようです

 今が自分のダンスに向き合う最大のチャンスかもしれない

わたしにとって唯一の踊ること
どんなにすべてが大切であってもわたしには踊ることしかできません
伝わるかどうかが責務です

最後に流れる主題歌「ダンスのように抱き寄せたい」…もう痛いほど突き刺さった

 大人になっても、いつからでも、人は前に進むことができる

この映画を父と見にいけて本当によかった

たとえ今を頑張ることができなくても“ゆっくり”前に進んでいると信じています



2010年06月05日(土) 踊りたい

今日はわたしが救命されてからちょうど半年、6ヶ月目の日

昨日、ミキさんが亡くなったことを知りました
わたしが長く入院していたときによく話をした方の一人です
ミキさんはわたしを救ってくれた人です

当初のわたしはまったく動けず寝たきりで記憶も錯綜、自暴自棄でした
人と話す余裕なんて持ち合わせていませんでした
どん底でしたが最上階の看護師さんたちのおかげで少しずつ回復していきました
そんなとき初めて患者リハビリ仲間ができました
わたしの隣の病室、ユキヨさんです
男性病床はいつもカーテンで締め切られ、暗くて狭い空間でした
しかしユキヨさんの病室はとても、とても明るかったことを憶えています
そこにミキさんはいました
昼間は全員のカーテンが開かれていて、病室は信じられないくらい広かった
気持ちがまったく違いました  それからのわたしはカーテン全開です
病状も知らずにみんなで楽しく会話していました
わたしは食事くらい明るい気持ちで食べたいと思い、毎日のようにお邪魔していました
何度かミキさんと二人だけで長く話したのも昨日のように思い出せます

 ミキさんは悪性脳腫瘍だったんです

毎日話しているうちにそっと教えてくれました
入退院を繰り返して半年、術後1年後の生存確率は5%、
今やれる全ての治療をしたことも聞きました
わたしはミキさんと話したことで自分の立ち位置を知りました
いったいわたしは何に対して怒りをぶつけていたのか
ミキさんはいったいどんな気持ちで半年を迎えたのか
彼女に出会うまでわたしは人のことはもちろん自分のことさえ見えていませんでした
わたしはミキさんから教えてもらいました  わたしは自分を取り戻したんです
どんなに短い時間だったとしても感謝しきれないくらいの恩人です

 こんなに運命と戦った人をわたしは知りません

感謝をつたえにいきました わたしにはこれしかできません
なぜだか右腕が右半身が疼いて疼いて痛みが止まらなかった
もうすぐ棺です

 その顔は信じられないくらいきれいでした

涙がボタボタ落ちながらミキさんに最後の挨拶をしました

 ありがとうありがとうありがとう、ありがとうございました… もう言葉にならなかった

『ミキさんに踊りを見てもらうこと』、それがわたしのリハビリ目標でした

もう願いは叶いません

ミキさんの“歩きたい”“こどもの成長をみていたい”そのすべてが“生きたい”に直結していました
わたしは奇跡がおこることを信じていたんです

ミキさんが一時退院するとき、わたしにくれた窓越しの言葉「がんばってね」
あのときの笑顔が頭から離れません
わたしの踊りは間に合いませんでした
怒りがおさまりません かなしみがおわりません

 動けよ俺のからだ! 動け!!

 踊りたい、今踊りたい



2010年06月03日(木) 夢は逃げない

今日も健気に骨電気!

いよいよ6月、6ヵ月目前―
もうほんとうに時間の速度がわからなくなりました。

◆今日はリハビリ室の素晴らしい人物を紹介します◆

わたしが骨電気でよくお世話になっているSさん。
このSさんには全く邪気がない。 壁もなく、とっても脳天気♪
(※こんな人をわたしは奇跡的に一人知っていますが、Sさんのほうがずっと若い)
この人の主要成分は『かわいい140%』でできています。 今のところ間違いありません。
思い返せばSさんは担当リハビリマスター以外で、はじめて話しかけた人物かもw

〜ある土曜日のこと〜

病院は9時OPEN。 開店前からもう何十人も並んでいます。
わたしも列に並んでいるとSさんがバタバタ受付にやってきた!

 血の気がない感じ

カルテを慌てて運んでいきました。 土曜の開店時は戦争です!

 こんなSさん初めて見た

仕事中はいつもニコニコしていてそんな顔を見ることはできません!
レアです、この顔は超レア物です!!
髪振り乱してるSさん! はたらいている! 朝から得した気分です!

歳のわりにマイペースすぎて、いつも余裕しか感じません。
人間って逆境でこんなに表情が豊かになるんですね〜w
そんな貴重なものを見た、と売店のお姉さんに話すと…

 「たいちゃん甘いわね」

今度はなんだ―

 「わたしはSちゃんのもっと凄いの見たわよ〜」

なにィィィ〜 なんですか?!なんなんですかそれは???

 「こないだクイックターンしたのよ」

クイックターン!!! クイックターン!!! それレアすぎやしないか―
あまりにも吹いたのでクイックターン発動のいきさつを詳しく説明してもらったw

 「こないだね、いさむちゃんがケーキをくれたのよ」

ほーう、超イケメンいさむくんね!

 「わたしの直感だと、どうもわたしと目が合う前にそのケーキに目がいってるのよね」

うわ〜 わかりやすい!!

 「わたしがSちゃん呼んだらクイックターンしたのよ!!」

ま、負けた。。 またしてもわたしの惨敗です…
永久にこのお姉さんには勝てない、そう思った―

その後、その会話内容をSちゃん本人に話してみると…

 「あたりまえじゃないですか〜♪」

こんなに食通であることを面にだす女の子をわたしは初めて見たw
なんというあなどれない人物!! なにより爽やかすぎ。
…っていうかこのリハビリ室にはなんでこんな人物しかいないの?? 予想超えすぎ。

そんなSちゃんがわたしに本を貸してくれた!

 『FREEDOM』 自由であるために。自分であるために。
 夢と冒険に生きる自由人・高橋歩が書き殴った、21世紀のトムソーヤたちへ捧ぐ、
 人生を変える115の言葉。  詳細→www.ayumu.ch

ちなみにわたしはこれ以上人生を変えられたくありませんw
しかしSちゃんは表裏のない純粋さからくる性格です。
知らずに今のわたしに足りないものが“自分であること”だと直感したのかもしれない。

 “純粋さ”は“壁がない”に直結している、そんな気がするんです

開いてみた。 写真と文章が心をとらえます!
わたしは【象に踏まれている人の写真】に目が奪われました。 うっとりです
(※この文章だけで人を判断してはいけません)
写真は文章よりも奇なり。 象と人間が協力している写真です!

 「これでいい」じゃなくて、「これがいい」でいこうぜ!

翌日、『The Blue Day Book』を貸してみたw
この本も同じ系統。 きっと気に入ってくれるはずです。

人が貸してくれるものは知らない世界です。
その驚きがわたしのダンスを豊かにしてくれると信じます。



2010年06月02日(水) Cookie

◆おそるべきお見舞いシリーズ2◆ 〜この場を借りて厚く御礼申し上げます〜

『Cookie』〜手作りが苦しい時もある〜

クッキーとは:何事にも対応してしまう素晴らしい焼き菓子
入院中はありがたいことにさまざまなクッキーやケーキが棚に並んだのです。
ある日、クリスマス的なクッキーをいただきました。 冬でしたから…
やたら可愛い手作りクッキーでしたが、食すことは困難を極めました。 今だから言える。

 開口障害

まだこのときは2センチが限界でした。 秒速2センチメートルです。
しかしせっかくいただいた手作りの差し入れ。 食べずにいたら罪の意識が!
有名店のものならいつの日か食べれる。 でもこれは「今」しかない。
入院中どん底だったわたしに作ってくれた贈り物のひとつ! なんとしてでも食さねば!
気合いです。気合いで食べました。

 涙が止まらない

激痛で砕くことができない!!
食欲は、食欲はあるのに!! 食べたいのにッ…
いつもの心が揺れて涙が〜と全く違うぞ!!
痛い、本当に痛かった
そして、割と硬かった―

“痛み”に耐えられず食べながら涙が止まらない経験がありますか? わたしはあります。。

ちなみにわたしはカントリーマ○ム系が苦手です。
たとえ砕けなくとも硬いほうが断然好きです。
…っていうか「苦手」だとか「好き」だとかそんなことが問題じゃない!!

クッキーはおいしかった、それが全てですw



2010年06月01日(火) 「イヴの時間」

未来、たぶん日本。
ロボットが実用化されて久しく、
人間型ロボット(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。

 WEBで配信が始まった吉浦康裕監督の最新作
 総視聴回数は300万回を超えた、ファーストシーズン総決算劇場版

ロボット倫理委員会の影響で、人々はそれを“家電”として扱うことが社会常識となっていた。頭上にあるリング以外は人間と全く変わらない外見に影響され、必要以上にアンドロイドに入れ込む人々は“ドリ系”と呼ばれて社会問題にされていた。
高校生のリクオも幼少の頃からの教育によってアンドロイドを人間視することはなく、便利な道具として利用していた。ある時リクオは、自家用アンドロイド・サミィの行動記録の中に奇妙なものを発見する。
親友のマサキとともにサミィの足跡をたどると、そこには『人間とロボットを区別しない』というルールを掲げた店にたどりつく…

ロボット心理ファンタジー
インスピレーションだけで映画館へ! 予備知識ゼロw  直感力。

 あたりです

何回も泣きそうになった
凄い秀作だよこれ  もう一回見てもいい
二週間の限定上映とか短すぎやしないか

ただでさえ人同士で理解できない真理をロボットが教えてくれます。
小さなことを悩んでいたり、人から見られる自分に固執していたり。
3原則が彼らを縛っているにもかかわらず人間よりも感情がストレート。

 大事なものがたった一つしかない

それを感情・気持ちとして理解できるかどうかはわかりません。
よくよく考えれば複雑な問題です。
でも、リクオ君同様にそんな価値観はどうでもいいんです。
ロボット、アンドロイドにも寂しさや誰かのためになにかしたいという目的を共有することができる未来がもし来るとしたら世界は劇的に変化しているはずです。

しかしこの映画はロボットの問題ではなく、人の“心意気”が問われるもの!

 他者を認め受容すること
 
なにかがロボット同士でつながっていきます。
わたしもダンスで繋いでいきたい、そう思っています。


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