ぴんよろ日記
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2014年10月14日(火) タイムマシン

 時々「行きたくないから行きたくない」と、保育園を休むミサキン。絶妙に「今日ならなんとかなるか…」という日をめがけて交渉してくる。「ひとりで遊んどきたい」とのこと。私もそういう日は多々あったので、何度か負けた。そんなある日、外に用事もあるし、お昼ごはんをどこかで食べようかということになった。そしたら「行きたいところがある」という。「どこ?」と聞いても教えてくれない。「浜の町に行ったら教えるけん」とのこと。
 バスを降りてアーケードに着くと、「こっちこっち」と引っ張る。大丸…現ハマクロス前の分かれ道でちょっと悩んだので、「吉宗?茶碗蒸し?」と聞いたら「ちがう…」と、もういちどキョロキョロして、「あっ!こっち」。
 そしてたどり着いたのは、連れて行ったこともない「メイジヤ」。昔ながらの老舗レストラン。あまりに昔からあるので、もはや空気のような存在になっていて、わざわざ行くこともなかった。でも、ミサキンは前を通るたびに、お子さまランチやハンバーグや、スパゲティがびよーんと立ち上がったサンプルに心奪われていたのだ。「なるほど〜!」と思ってお店に上がると、ちょうど窓際の席が空いていた。道ゆく人をニコニコ眺めながら、夢かなって、お子さまランチを頼むミサキン。
 そうそう。うれしかったよねー。街に来て「メイジヤ」とか、今はもうない「丸善」とか、「グリル泉」で食べるのって。目の前の女の子はミサキンなのだけど、40年前の自分がそこに座ってるみたいで、なんだぁ、タイムマシンってあるじゃん、と思った。


2014年10月12日(日) 巻き巻き大会

 夏のいろいろがくんちまで持ち越されて、終わったとたん、やたら眠る日々。昨日は小浜の海のそばの露天風呂へ。ぬるかったのでずーっと入っていたら、本当はあったまっていたようで、夜までほかほかしていた。そしてまた延々と眠った。3時ごろ、お昼ごはんのラーメン(しかも濃厚豚骨)を食べていたので、隠し作っていたハンバーグはスライド登板させることにして、キムチやレタスやツナマヨ、小浜で買った久々のエタリの塩辛などの小皿を並べ、炊きたてごはんと海苔を置いたら、争うように巻き巻きご飯大会になった。たまにはこんなのもいいな。

 小浜に行く途中、バイパスを通ろうとしたら、みるみる警察車両が増え、一般車両が止められている気配がして、ひょっとして天皇陛下とすれ違う???と思い、時間調整のために高速バスの停留所に止まったら、対向車線の警察車両から舐めるように見られてしまい(そりゃそうだ)、今にも無線連絡されそうな勢いだったので、しぶしぶ車を出した。そして大変残念なことに、どうやらトンネル同士ですれ違った模様。

 風が強くなってきた。明日も降り籠められるのだろうか。


2014年10月10日(金) 慶賀さんのブーケ

 野母崎の観音寺の、川原慶賀さん作のものも混じっている天井絵。観音堂が改修工事をするので、いま、ぜんぶ外されている。それを一枚一枚調査する現場に、縁あってお邪魔させてもらった。これまで落款があるものは慶賀さんだとされていたが、今回あらためて見ると、ほとんどが慶賀さんと推測されるとのこと。次から次に、いろんな草花が現れてくるのだが、その面白さには目をみはった。
 ご禁制の絵図を描いた罪での「長崎払い」の身で野母崎のお寺にやってきて、師匠が頼まれた天井絵を描く毎日。天井絵は、観音さまに捧げる「お花」でもあるけれど、慶賀にとってはかつてシーボルトから注文されて、その才能をいかんなく発揮した「植物画」でもあったろう。板に描かれた絵を見ていると「楽しくってしかたない」気持ちが伝わってくるような気がしてならなかった。
 描かれている草花の大半は、そのへんに生えていそうな山野草なのだが、その描きかたがなんとも面白いのだ。1種類だけというのはあまりなくて、ほとんどが2〜3種類の取り合わせ。一見、1種類かと思いきや、似たよなうな、でも違う種類の草が添えてあったりして、調査中も「はい、またまた三種盛り〜」などの声が上がった。なんてことない、いわゆる「雑草」とくくられてしまいがちな草が、まるでブーケをアレンジしているかのように、立派な「グリーン」として描き分けられている。一目で美しかったり可愛らしかったりする花もそこそこに、葉っぱたちの表情がじつに豊かだった。
 もうひとつ目を引いたのは、トゲトゲ。これまたいろんな種類のつるバラをはじめ、ブーゲンみたいな葉っぱのものなど、トゲトゲのバラエティもなかなかのものだった。
 葉っぱとトゲトゲが、たぶん、好きな慶賀さん。ますます好きになってしまった…。


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