ぴんよろ日記 DiaryINDEX|past|will
こないだの土曜日は、ヒコの空手の試合だった。これまで昇級試験は何度も受けてきたけれど、試合は初めて。ヒコがやってる空手は、かなりマジで戦うやつなので(だって本人が『なにか戦うことがしたい』って言ったから)、幼稚園児でもけっこうな迫力だ。先生は「顔面蒼白になって、直前でやめるって言う子もおるとですよ〜」とおっしゃっていた。ヒコは会場に行くまで「楽しみ〜」と余裕かましていたが、いざ他の人の試合が始まってみると、どんどん挙動不審に。いままで見たことないような、能面みたいな顔つきになってきて、キョロキョロそわそわ。果たして試合では…完敗。なにかの間違いだったのか、7キロも重い相手だったのもあるかもしれないが、どう見ても彼は初試合ではない感じだったし、完全に場に飲まれていた。まぁ、そういうものだろう、と思って「お疲れ〜!がんばったね!カッコ良かったよ〜!」と迎えたら、それまでは複雑な笑顔だったのがみるみる崩れて突っ伏して、そのまましばらく、静かに泣いていた。いままでに感じたことのない緊張と悔しさだったようだ。「本番」「試合」が持つ力というのは、やはり次元が違うのだ。こればっかりは、自分の身をもって、数を当たっていくしかない。あんまり泣くので、ひょっとしてもうやめると言い出すかも…と思ったら、なんのなんの、ひとつ上のクラスの練習に行くことに決めなさった。ほ〜、やるなぁ。がんばれ〜。
そろそろ11月が終わろうとしている。びっくり。
昨日は佐世保の「武学研究会」へ。ダイヤ変更だったのか、ネットで見た時刻表が間違っていたのか、はたまた単なる自分の大ボケかはわからないが、行きは超鈍行に乗って30分遅れ、帰りも最終に間に合わない!と思って会の途中で失礼してタクシーに飛び乗ったはいいが、発車は30分後。計1時間を「損」したことになってしまったが、それでも…実質滞在時間1時間半でも、光岡先生から教えていただいたことはあまりにも大きかった。いまの自分が、心と身体の底から必要としていることの第一歩を受け取ったような。それがなにかは、言ってしまえば、簡単な(でもやろうとすると難しい)身体の動き、型、なので、だからどうしたと言われればそれまでだが、それを必要とするに至った自分の中のあれこれと、その動きが持つ、その動きがその動きになるための膨大ななにかが、がっちりスパークしたというところだろう。そしてすべてのものごとは、きっとこういうことだから、人とその時期によって、必要とする本や音楽や、思想、信仰、その他もろもろは、違うのだから、人とおなじものを求めても、あるいはやみくもに「いいわよ〜」と勧めても、なにも生みはしない。
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