ぴんよろ日記
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2012年08月30日(木) 何度でも

 「長崎おいしい歳時記」。いったん入稿されたものが届いた。これから最後のチェック。修正できるのはこれが最後なので、心してかからねば。

 こうして本ができていくのは、ほんとうに嬉しい。この気持ちを、何度でも味わえるよう、いろいろなことをやっていきたい。

 雨。

 昨日、(前にそんなことをしたのはいつだったか思い出せないくらい)久しぶりに、読みたかった本を、ごろん、と、のんびり読んだ。本を読む、心と身体の体力が戻ってきているのかもしれない。本を読むのにも、体力がいる。「心寄り」の体力が。前にも書いたけれど、自分の仕事(特に考える系)が好きな女の人は、赤ん坊を産んだら、少なくとも哺乳類のあいだは、仕事ができない自分を認めたり、許したりしないと、けっこうつらいと思う。

 この本が出たら、また次のあれこれ。楽しみ。


2012年08月24日(金) 上陸。

 岡野さんの映画の「製作発表&総決起集会」から帰ってみたら、明日のお昼撮りに(食べに)行こうと思っていた吉宗の茶碗蒸しの写真を「明日の午前中には送ってください」とのメール。ひょえ〜、と、子どもたちが眠ったのを見計らって、深夜、8年前のディスクから探し出す。老舗なので、茶碗蒸し自体は変わらないから問題ないが、イラストを描くために撮った写真なので、そっけない。色校で差し替えられたらいいな、と思いつつ、ほか数点の写真も合わせ、一応、素材送りはこれにて終了。
 ということで、「長崎おいしい歳時記」作業、なんとかどうにかこうにか、泳ぎきって、陸地にたどり着いた実感あり。まだずぶぬれヘロヘロのままだけど、水からは、這い上がった。明日ひと息ついたら、土曜日に本文の3校がやってきて、それを送り出せば、表紙まわりを作り込んで、また本文の最終稿がやってきて、なんか張り合わせたような本のかたちになったようなのがやってきたりして、とにかくそれも終われば、いよいよ印刷されて完成だ。9月中旬とのこと。前回以上に、営業、広報活動をがんばるつもり。
 今度の本は、もともとの連載中にもミサキンを産んだりしたし、製作中もかなりハードな生活だったので、できあがってきたら、けっこう感慨深いのではないかと予想される。まだ渦中なのでわからないけど。

 もう寝なきゃ。明日は明日で、午前中は子ども会のボウリング大会だ。午後はのんびりしよう。夏休み、ダンナ母入院、お盆、レギュラー仕事、本づくり…もう、がんばりすぎるほどがんばった。半日くらいのんびりしても、バチは当たるまい。


2012年08月23日(木) 史上最強だぜぇ〜

 のどがけっこうな弱点で、小さいころから、なんにつけのどが痛む。そしてここ2〜3日も痛くて、今朝のラジオも咳き込んだりしないかとビクビクだったが、なんとか乗り切った。そんなこんなで「のど弱歴42年」な感じなのだが、今回の痛みは「幽霊話の再現ドラマをうっかり見てしまい、ある瞬間の映像があまりに怖くて絶叫」という、史上最強に間抜けな発端。間抜けすぎて、痛いと思うのもバカバカしい。しかもそれは「スギちゃんが深夜の電車で怖い目に遭う」という、これまた情けなくて涙が出そうなもの。しかし痛いのは痛いので、そっと話す今日このごろ。

 本の作業と、レギュラー仕事の原稿書きが、かなり追い込み。でも、今日を乗り切ればなんとかなるはず!


2012年08月17日(金) 濃い、あまりにも濃い。

 楽しいことから、大いなるグチになりそうなことまで、どっさり腹いっぱいのお盆休み(ぜんぜん休んでないけど!)だった。あまりに毎日が重量級で、一日一日を過ごすのがやっと。そして明日と明後日はキャンプ。コテージだが(非アウトドア派)。濃すぎる毎日。

 今日は、年に数回会う友だちとランチ。考えもしなかった方面で、信じられないような共通点が発覚して、ふたりして鳥肌を立てる。この、今日の2時間だけでも、鼻血が出そうな濃さ。

 次の本で紹介するお店に確認を取ってまわっているが、いつもはいないはずの店主がいたり、店が開いてない時間だからと思って通り過ぎたら、バッタリお会いできたりと、今回もまた、ありがたいどなたかが助けてくださっている模様。ありがとうございます。

 連載の時にモノクロだったイラストを、ぜんぶカラー化しているが、その作業が膨大すぎて、もはや笑える。ようやく陸地が見えてきた気はするのだが、なんせ、子どもやらなにやらが、精神的にも肉体的にもずっしり肩にかかっているので、なかなかたどりつかない。でも、モノクロのやつは、小さいものは、もう、モノクロのままでもいいかと思ったこともあったけれど、色をつけてみると、やっぱりかわいい。食べ物の本だし、色はあったほうがいいな、と、がんばる気持ちに。いつもの調子できつめに設定していた自分の中の「作業日程」を少々修正して、オールカラー化中。

 あぁ…濃い。


2012年08月10日(金) オール筋肉。

 今日はとにかく本のイラスト描きの日…と思っていたら、ダンナ母が退院となり、それにともなう手続きやらなにやら、買いものやら、うっかり連れて行ったヒコの不機嫌や、とにかくあれやこれやで、家に戻ったのは3時。いや、いいんだ、それだって大切なことなんだから…と自分に言い聞かせつつ、やはり少々、心は曇る。帰ったら帰ったで、そっと出迎えてくれる犬猫それぞれの「大/小」。黙々と掃除。

 ふー。

 それにしても、朝は教育テレビの幼児番組をつけているのだが、今日からはどうやら高校野球。しかたないなぁ、と思ってカチャカチャしたら、他の局はぜんぶオリンピックだった。ということで、全局スポーツ!これって、いくらなんでも、あんまりじゃないのか?…と、わりと非体育会系の人生を歩んできた人間は思うのだった。


2012年08月09日(木) 35年

 ヒコの学校の朝顔、ヒコは見向きもしない。子どもとは、そのようなものだろうと思う。私だって子どものころは、朝顔の世話なんて、ぜんぜん興味なかった。しかし、ベランダにおいてあるのをむげにすることもできず、自分の盆栽に水をやるついでに世話をしている。すると、育つのである。そうか…そうだったのか…世話をすると育つのか…連れてきた時には今にも枯れそうだったのに、ここ数日でどんどんつぼみが付き、花が咲き、種もなっている…なるほど…と、私の朝顔観察は、35年もかかったのである。
 と言いつつ、庭はお手上げ。

 今日は原爆の日。ヒコは登校日。こんなこと言ってはいかんのかもしれないが、助かる…。

 集団登校の送り出し当番だった。いつもながら、集まってくる子どもたちが、それぞれにぜんぜん違うことに感動する。おなじ歳だったら、友だちになれそうな子、絶対になれそうにない子、いろいろ。まぁしかし、基本的に子どもは苦手なので、特に話しかけるでもなく、さらりと送り出す。「おなじ時間に原爆が落ちたら、これでお別れなんだな…」と思う。なんてことだろう、原爆。あんまりだ。


2012年08月05日(日) チャージ、ロス、チャージ。

 昨日は久しぶりに海で泳いだ。ミサキンが小さすぎたりなんだりで、3年ぶりくらいかもしれない。脇岬を目指し、ぜんぜん泳いでる人いないなぁと思ったら、遊泳禁止だった。でも、海のそばのカフェには行きたかったので、グリーンカレーとフォーを食べ、長崎方面へ戻りつつ、こぢんまりとした岳路で泳ぐ。ミサキンに吸われて痩せてはいるが、体脂肪率は高いようで、よく浮いた。ちょっと泳いでは、プカプカと浮いて、空を眺めた。人から見たら「死体!?」って感じだったと思うくらいに。海はほんとうに気持ちがいい。死体のように浮いていたら、生と死の境目って、やっぱり、あんまりないと思える。海の波の、高いとこか低いとこか、それくらいの違いだと思う。
 ミサキンはまったく入らず。体脂肪率の低いヒコはあいかわらず青いくちびる。

 夕方、数日前から目の手術で入院しているダンナ母を見舞ったら「患者様」という「素敵な役」がガッチリ彼女の心を捉えていた。「ネガティブさ全肯定&悲劇の姫モード」全開バリバリ。「あなたたちが何を言っても、なーんにも聞くもんですか。ほら、私って、入院患者様だモン。プン!あたしが全部正しいのよん!」そのはまりっぷりが、恐ろしいほど。ダンナ母がどうのこうの、というのを通り越して、「人間って、役次第で、こうも堂々としちゃうんだなぁ」と、大女優を見てる感あり。しかし現実としては、ダンナとふたり、ぐったり消耗したので、しみじみと一口餃子をつまみに行く。運良く「宝雲亭の2階」に座ることができて、これまた哺乳類期の餃子禁欲を乗り越え、2年半ぶりの味を堪能して、なんとかチャージ。

 それにしても、家に犬(ダンナ母と暮らす老シーズー)がいる…。私は、犬の、あの、常にこちらのことを気にしているような視線にいまひとつ慣れないが、本人は、いつもは連れて行ってもらえない散歩もできて快適そう。…あぁ、しかし、これを書いているいまも、背中に視線が…。


2012年08月03日(金) どうにか

 次の本、なんとかどうにか「あとがき」までたどりついた。まだ、揃えるべき素材がいくつかあるが、ひとまずざっくり、たどりついた。あとは校正修正作り込み。今日はこれから、最後のページに載せるイラストを描く。もうなくなってしまった、でも、忘れたくない風景。ぎゅーっと思いを込めて描こう。


2012年08月01日(水) 悔いなし

 最後のおっぱいマッサージ。製造終了の確認と、売れ残りの徹底処分。わが乳人生に悔いなし。きついことも、そりゃーあったけど、やっぱり、生き物としては幸せな体験だった。ヒコ、ミサキン、ダンナをはじめ、関係各位のみなさんありがとうございました。特に2度目は、まさか40過ぎては、ないだろうと思っていただけに、けっこう感慨深し。

 本の作業がだんだん積みあがってきた。しかし、そもそも「振り向けばそこにヒコが」状態だし、ダンナ母入院関係用事もあったりして、ぜんぜん進まず。今朝は、それで少々情緒不安定に。深呼吸、深呼吸…。でも、今度の本の中で、いちばん集中を要する文章を書こうとしているので、どんなに静かにしていてくれても、ヒコじゃなくても、人がいると無理。ハンモックがギーコギーコ揺れてたり、仕方なく宿題しながら「『きゅう』ってどう書くの〜」とか訊いてくるし、そんでもってすぐに宿題に飽きて、ハンモックに揺られながら「消しゴムどこ〜」なんて、もう、答えたくもないぞ!
 頭の中には渦巻いて沸騰しているのに、出口がふさがれているので苦しい。

 ハンモックといえば、こないだヒコが「デュエマ師匠」の中学生を連れてきて、そいつ、もとい、彼が汗ばんだ小太りの体と汚れた白い靴下で、ハンモックに揺られていて、それだけでも、心の狭い私は充〜分!不機嫌になったが、その横でパソコンを開いたら「それってグーグルだよね」ってタメ口で話しかけてきたので、かなり心の狭い私は、つい「だから?」って答えてしまった。っていうか、神様ばりの全能感あふれる口調で「グーグルだよね」って言われても!さすが中坊!オレ様!

 そういえば朝、クリモトさんから電話があった。新しいCDのカバーのイラストを描いてくれというようなことだったような…。福島の友人の消息を、歩いて確かめに行ったクリモトさん…。時々電話がかかってくるクリモトさん…。クリモトさんに幸多かれ。


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