ぴんよろ日記
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2011年12月27日(火) 怒濤の一週間

 もう一週間、日記を書いていなかった…。この一週間は、おもに「子ども漬け」だったような気がする。親の年賀状はできたが、自分のはまだだ。真っ白しろすけだ。はかばかしいものはないような気がするが、一応、ここ一週間の記憶を辿っておこう。
 21日、石けん作り。東北に行くダンナのヒートテックなど買いに行く。昼は、オープンしたばかりの「栗原はるみブッフェ」に魔が差して行く。ブッフェにしてはおいしかったが、殺気立ったように食べ物を取る老若女子たちに食傷する。しかし、いかにも「栗原サイド」からやってきたような、長崎にはいない感じのスタッフの身のこなしを見られたので良しとしよう。夜はグレープナッツで家族忘年会。
 22日、石けん作り。東北壮行会。家ですき焼き。
 23日、ダンナ東北に旅立つ。なぜか人の子を預かったはいいが、熱が出たり階段から落ちたり、便器外脱糞事件があったり。
 24日、実家へ。晴れてると思ったら雨が降ってきたので、あわてて洗濯物を取り込みに帰り、いつもの「人町」が長期休暇に入るので、コーヒー豆を買いだめ。ミサキンを父に預けていて、父からの電話がかかったので「なんかあったかな」と不安がよぎりながら取ると、「もしもし」もなにもなく、ミサキンと父の、元気な「コッコデショごっこ」の声がしばらく流れて切れた。勝手にかかったようだ。様子を知りたかった私の念力が携帯を動かしたか!?
 25日も実家へ。ヒコはサンタさんから仮面ライダーの剣をもらったが、ダンナがいない寂しさからか咳が止まらなくなる。早く帰って、お肉屋さんで買ったローストビーフとローストチキンを食べて寝る。
 26日、咳がおさまらないので、一応、病院へ。たいしたことはなく、昼から、いたって元気に。自分が寝込む。


2011年12月26日(月) 世界を持つ

 昨日だったか、ソムリエが出ているテレビを見ていて、ヒコが「この人なにする人?」って聞くので、はじめは、「ワインを出す人」とかなんとか説明していたのだが、そうだ、と思って「ワインと料理」を「オーズのコンボと敵」に置き換えて説明したら、すごく納得していた。あぁ、「たとえ」が通じるだけの「世界」を、ヒコは持てたんだなぁ、と、深い感慨。そして「メダルを選んで渡すアンク」は「ソムリエ」だったのか…という、妙な副産物も。
 いま、彼の頭の9割がたは、仮面ライダー関係。でも、世界は世界だ。


2011年12月20日(火) ブーゲンのおばさん

 仕事机の窓の下に、ブーゲンビリアを植えている。最初はまあるくかわいく成形されていたが、伸びたいように伸びはじめてきた。まだ窓枠にもたれかかるだけの丈はなく、横に倒れたような状態なので、いつも見えているわけではない。しかし時々、風が吹いたときだけ、わさーっと現れる。窓は、不透明なガラスブロックを積んでできているので、ぼんやりした濃い緑のかたまりが、わさーっと。一瞬、しゃがんで草むしりでもしていたおばさんが立ち上がったような気配がするので、いつもドキドキする。


2011年12月19日(月) 捜索本部

 宴会の翌日恒例の、片付けと掃除。これがひそかに楽しみ。楽しい気配はどこかに残ったまま、部屋だけがシンと静かに、きれいになる。繁延さんやカリオカさんといろいろ話したことも、頭の中に漂っている。来年は、いろんなことがやれそうな気がする。

 しかし、朝からうつろな顔のヒコ。おろおろと何かを探している。保育園に行きながら聞けば、なんと!大切な大切な、仮面ライダーのカードやスイッチがオール行方不明とのこと。「公園にある可能性はどれくらい?」「こんくらい…」指は1センチほどを示していたが、明らかに、ほぼ100%。昨日遊んだ時に置いてきたようだ。家に戻り、緊急に捜索本部を設置し、立山公園に出動すると、あっけなくあった。3分前に置かれたかのように、そのまんま。雨も降らず、よかったよかった。バカだとは思ったけど、保育園に電話して伝えてもらう。場合によっては、金総書記死去より一大事になるところだったことだよ。
 


2011年12月18日(日) 一人一坪以下。

 なぜかうちで、カメラのフォーカスプレゼンツ・写真のワークショップ。今年、長崎に越してきたという写真家・繁延あづささん(http://adusa-sh.sakura.ne.jp/)に、デジカメのよりよい使い方や、子どもの撮りかたを教わるというもの。午前中レクチャーで、お昼を食べて、午後は近くの公園で遊ぶ子どもたちを撮影し、家に戻って講評会。遊ぶ子どもの顔って、やっぱり、かけがえのないものだと思う。そして、人の撮った写真って、自分とは全然違う。当然なのだけど、あらためて実感した。
 夕方からは、ようやく境港から到着したカニを囲む夕べ。ワークショップ組に加え、OK一家とF嬢、弥7氏も参加。6人も集まった「幼年男子まつり」は最高潮を迎え、取っ組み合いのケンカも勃発。もう、なにがなにやら。一日で、延べ20人ほどが出入りした、建坪13坪の我が家であった。

 ベランダに置いていたカニ入りのスチロール。ふたを開けたダンナが「境港の匂いがする!」と言ったが、本当にそうだった。ちょっと泣きそうになる懐かしさだった。行きたいなぁ、山陰。

 そしてカニを食べ続けるミサキン…。


2011年12月17日(土) 今年のような一日。

 こどもの日。ダンナが朝から晩までいなくて、こどもたちと一緒にごはんたべたり買い物したり、公園で遊んだり、テレビを見たり、お互い疲れて険悪ムードが炸裂したり、そんな中に、読みたくてたまらない本が届いたのに匂いをかぐだけしかできなかったり、と、まるで今年一年を一日にしたような、一日だった。子どもを抱えて忙しくて本を読めないのはいつものことなのだが、ダンナが最初と最後にいない、というのがポイント。思えば1月はアメリカ出張、そして年末は10日ほど東北へ。帰ってくるのは大晦日の夜…歳神さま?

 明日は写真教室。家の鍋の大きな順から3つ、豚汁を仕込む。


2011年12月16日(金) 微妙なプロダクション

 ファンヒーターが1つしかなかったので、ガスファンヒーターを導入。「5秒でつくらしいよ」というのが、スピードと数字にこだわるヒコのツボにはまったらしい。家に帰ると、「ヒーター」でも「ストーブ」でも「あったかいやつ」でもなく、「5秒のやつ点けとくね」と答えてくれる。そしてたしかに5秒でつく。灯油を買いに行かなくても済むが、次のガス代、どれくらいだろう。

 今週は、ペコロスこと岡野さんの、来月の漫画展に向けた本のために、ページを制作した。ケーブルでやってた「ペコロスの唄地図」のビデオを写真に落として、文章を書いて、それぞれを画用紙に切り貼りした。何年ぶりかの完全アナログ生版下しかも反射原稿である。10年以上前くらいまでは、こんなふうにして作ってたような気もする。机の上には、唄う岡野さんや銅座の路地裏や、岡野さんのお母さんの笑顔や、道ばたの猫や、陰陽石の写真の切り抜きが散乱していた…。それも昨日仕上げて、お渡しした。どんなふうに印刷されるのか楽しみ。そしてこうして、手作業で本や紙のものを作っているときの多幸感って、やっぱり大きい。なるべくこういうことをできるように方向づけよう。

 多幸感といえば、制作活動とはまた別のものだが、こないだダンナがガレージでバイクをなおしていて、どうしても誰かが持ち上げておかなくてはならない作業があったので、呼ばれた。そして、なんだかわからないけど、言われたところにエイッとねじを突っ込んだり、部品を持ったりして、5分くらい一緒に作業をしたのだが、その時も、なんともいえない多幸感というか、「あぁ、夫婦で小さな工房やお店を切り盛り、っていうのって、幸せなんだろうな」と、人の生き方のひとつのパターンについて、ものすごく実感したような気になった。これまでは「いくら夫婦でも四六時中おなじことをしてるのって、どうなんだ?」と思ってたけど。うちの場合は、夫婦屋台ならぬ、夫婦ガレージ、か?
 そういえば、やろうと思えば、夫婦プロダクションはできるなぁ。プロダクションMEOTO。うーん、微妙…。


2011年12月12日(月) 使命

 ほぼ一週間ぶりの日記か…。日々、いろんな人と、いろんな話をしたり、話を聞いたりしたような気がするが、昨日おとといの「2日間みっちり幼年男子漬け」で、記憶もあいまいに…。そしてやるべきことは山積。

 そして今、なにはともあれ気持ちを引き締めようと、昨日の「情熱大陸」を見て、オノヨーコパワーで、がっちり充電。特にヨーコの信奉者というわけではないが、やはり尊敬せずにはいられない。使命を自覚し、行動する人の美しさよ!しかし、取材担当のお姉さんは、大変だったろうなぁ。でもきっと、ものすごい経験値だったに違いない。ドラクエでいえば、メタルキング3匹を倒したくらいはあるはずだ。
 私も、私なりに感じる「使命」を行動していこう。


2011年12月06日(火) だから聴く

 うちは新聞を取っていない。実家に行ったときに読む程度。そしていつも、あまりの刺激の強さに「こんなの毎日読めない…」と思うのだが、数日前に、日曜版みたいなのを見たら、「たま」の「さよなら人類」が載っていた。「こんな歌あったなぁ」回顧的なページに。そして「メンバーは今もそれぞれに音楽活動をしている」というようなことも書いてあった。まぁ、世間的にはそうだろうなぁ。「さよなら人類」を作った柳原陽一郎さんは、いまではずいぶん違う感じの歌をうたっていて、さすがにもう変な帽子をかぶったりルパシカみたいな服も着てないが、いまの歌も好きでよく聴いている。だから私も世間的には「いまだにあの人を!」ということになるのかもしれない。最初のほうの「たま」の歌は、ヤナちゃん以外の人のも、たぶんほとんど歌える(ヒコの前で歌うと、不思議な顔をされるが…)。今度、ヤナちゃんがいろんな人のカバーをしたアルバム「ドライブスルーアメリカ」が再版されるのでうれしい。あまりにあちこちに持っていって聴きすぎて、どっかいっちゃったので。ヤナちゃんの歌が、音楽評論家的に素晴らしいのかどうか、それはよくわからない。しかし私にはとても必要なものだな、とは思う。だから聴く。

 12月も着々と過ぎているというのに、いろんな案件が次々と!!!


2011年12月05日(月) 思う壷?

 いつも読む、よしもとばななさんの日記(もうすぐ終わるらしいのでとてもさみしい)に、

 思わず飲み比べなどしていたら、時間は深夜になり、チビはますます元気になってきて、ママが「ちっせえこと言うな!買ってやる買ってやる、マリオカートだろうがサンシャインだろうが!買ってほしいからって親相手にちっせえ駆け引きなんてするんじゃねえ!ほんとうに好きなことだったらまっすぐ頼んでこい!」などと気が大きくなって言ってるのを全部静かにメモっていた。

 と書かれていて、自分のことかと思った。ヒコの、おもちゃやゲームのための「親相手のちっせえ駆け引き」ときたら、本当に天才的かつ力強いものなので、普段は悩ましいのだが、一方ではそれを否定したり牽制したりする「常識的」あるいは「よい親的」ふるまいについて、なんか居心地悪く感じる自分もいて、まさしくちょっと酔ったりすると「ちっせえこと言うな!買ってやる買ってやる」と思ったりもするのだった。たかだかおもちゃのひとつやふたつ、ゲームの一回二回で、ねちっこく小言を言われることのイヤさ加減は、「がまんをおぼえる」ことの大切さなんてものをかき消してあまりあるんじゃないか、ダメって言うから余計欲しくなるのであって、一時のことだと思って、気持ちよく買ってあげるほうがいいんじゃないか、なんて思わなくもない。バンダイの思う壷か?


 あたたかい冬の日、洗濯物が完璧に乾いてくれそうなので、厚物も洗う。


2011年12月02日(金) ゴーサインの人

 「いつもの」美容室で、最後のカット。最後だから突飛な髪に…するわけもなく、気楽に話しながら、いつもの感じで。でももう最後。さびしいなぁ。次に髪を切りたくなったら、未知の店の扉を開かなければならない。そして「さほどどうしたいというわけでもないし、おしゃれさんでもない、だいたい今の感じで、扱いやすくしてくれればそれでいい」という志の低さを伝えなくてはならない…。

 お向かいの家の山茶花が、ある角度である場所に座るとよく見える。それを、たまたまそこに座って思い出した。1年前は、まだミサキンが保育園に行ってなくて、昼間、よく抱っこしてそこに座っていたのだ。満開の山茶花を眺めながら、小さなミサキンを抱っこしていた。

 紅葉が、どこもかしこも日に日に深まってゆく。いろんな色があるのに、なぜか、そしてあざやかなものほど透明感があるのはどうしてなのだろう。じっと見ていると、空気というよりも、ものすごくきれいな湖の底や、透明な鉱物の結晶の中にいるような気さえして、あんまり見続けていると戻れなくなってしまうような気がするので、あわてて目をそらす。

 研究所の月報、ナマコと正月の話、いよいよ仕上げ。まだ3号目だけど、その前に作った小冊子も含めて、けっこうしつこく校正している。出かけた先で読み返したりして、何度も。するとあるとき「自分の中にいるんだけど『こちら』からはアクセスできない人」からゴーサインが出るので、プリントにかかる。その人は、なにをしろとか、これを付け加えろ、というような具体的なことは言わないのだけど、納得がいかないうちは、とにかくゴーサインを出してくれない。だから「こちら」としては、あれを入れたほうがいいってことかな、あ、これを忘れてたな、と探りつつ作り込んでいく。そうすると、ある時ふわっと何かがほどけて、すべてがなめらかにつながるような感覚があるので、ゴーサインが出た、と思う。


2011年12月01日(木) スイッチ。

 12月かぁ。もう、好きにして〜、と思うくらいの日々の早さよ。しかし昨日今日と、新しいことについての打ち合わせが続いた。ほえ〜、どうなるんだろう〜。しかし、どれもこれも、自分がいちばん楽しみかも。そもそもちびっ子がいる生活に「落ち着いてまとまった時間」などないのだから、空中戦でやっていくしかない。今朝のラジオで「長崎の町の、縄文時代の姿をイメージする」なんて話をしたら、平松さんから「みどりさんはよほどボーッとする時間があるんですねー」と言われてしまったが、そんなことはもちろんなくて、自分なりのスイッチを持っているだけなのだ。ポチッと押すと、見渡すビルも家もザアーッと消えて、蛇のような岬が浮かび上がるスイッチが。


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