ぴんよろ日記
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2010年02月28日(日) 「悪者」

 朝っぱらから「オーシャンズ」を観に行く。たしかに「忍者になって撮ったの?」というようなすごい映像が続々と現れるのだが、「すばらしい海と生き物たち」をめぐる「悲しい現実」のシーンでは、明らかに日本人か中国人とおぼしき「人間ども」が、イルカをぶっ叩いたり、サメのヒレだけを切り落として「本体」を海に捨て、それが海底に吸い込まれていき、血を吐きながら苦しそうにもがき続けるという映像が出てくる。もちろん他にも海洋汚染とか、そういう「人間が生み出した悲しい現実」はほのめかされるのだが、「目に見える『悪者』」として登場する「人間」は、その東洋人だけ。なので、そのシーン以降は「ちっ、おめーらもさんざん油絞っただけでクジラ捨てまくったじゃん。そのツケを『野蛮人』呼ばわりして、こっちにまわしてんじゃねー!」という気持ちが渦巻いてしまい、しらけてしまった。エンドロールの最後には「撮影では生き物を傷つけていません」というような注意書きが日本語で出てきて、どうやらそのシーンは作りものだというのだけど、それならなおさら、なんで東洋人なんだよ。え? ああそうだよ、あたしゃ野蛮人だよ。昨日はおいしく「鯨じゃが」を食べましたとも。

 ランタンが最後だったので、名残り惜しみながら見物。見上げれば、満月。


2010年02月26日(金) れれれの日々

 あれれれれ?といううちに過ぎて行く日々。今朝はコインランドリーで洗濯物を乾かすあいだ、髪を切った。あまりにもモッサリと増えて、洗いにくくなっていたから、ずっと切りたかった。これといって髪型を変えたいわけではなかったので(正直、いろいろ変えることにあまり興味がない。)、スタイルはそのまま。もう半年以上切ってなかったので、どんどん減らしてもらった。頭が軽くなってうれしい。

 昨日は結婚記念日であった。世に「スイートテン」と言ったりもして、夫から妻に「ひかりもの」が贈られたりもするようだが、我が家ではそんなこともなく、いつものグレープナッツで開催されたディナーは、ナチュラルに自腹。本人は「スイートテン・ハウスだね!」とか言っているが、私が把握していなかったローンが、住宅ローンの審査を危うくしたというのに「どの口が言う」という感じだ。今回、いろんな「埃」が出てきたので、最近は「底無沼男(そこなしぬまお)さん」と呼ばれている。まぁ、すっきりと再出発である。お店の帰りがけ、スコーンやマフィンをプレゼントされた。「袋が重いなー」と思っていたら、なんと、バナナも一本入っていた!しかもかわいい顔とお祝いの言葉が書かれていた。そしてこれまでラムを食べなかったヒコだが、昨日ちょっと食べさせたらガッツポーズ。敵を増やしてしまった…。

 昨日はまた、「九州喫茶散歩」について、著者の小坂さんにインタビューした。「同業者」ならではの話ができたかもしれない。15分弱にまとめるつもりだが、話だけで40分くらい回ってしまった。収録後も、今度は逆に私がこれから書いてみたいことなどの話をしたりして、濃い2時間ほどを過ごす。おなじような仕事をしている人と話す時は、話の前提のようなものをすっとばして核心部分に斬り込んで行けるのでありがたい。小坂さんも、また新しい仕事を、いままでになかったやりかたでやろうとしている様子だった。

 ポンコさんがどんどん動く。私が疲れればすぐに逆さま気味になるし、気持ちや体の状態が上向けば、それもなおる。激動の日々ですが、よろしくお願いしますよ〜。


2010年02月23日(火) リセット

 おぉ、歯が浮いてない!

 家のことに踏ん切りが着いたので、昨日はようやくマッサージに。がっつりほぐしてもらった。オヤユビキング氏によれば「読み出すと止らない本のような」めくるめくコリだったらしい。

 ヒコを送った帰り道、あらためて、土地を見に行く。ちょうど晴れていて、静かで、ぽかぽかと気持ちがいい。漠然と見てしまうと邪魔なものもある眺めだけど、家が建って、生活する人間の大きさや目線で「窓の外」として見ることを想像すると、いろんな切り取りかたができそうだった。思っていたよりもいい土地のような気が、どんどんしてくる。

 気持ちと体がリセットされたところで、今日はのびのびになっていた仕事を、エイヤー!とがんばろう。



2010年02月22日(月) スタートに

 家について、決断をして、相談をして、どうにかこうにか、スタートラインに立った。すべてはこれからだけど、これからは走るだけなので、気持ちは軽くなった。この1〜2週間はあれこれ考え過ぎて頭に気が上がり、ずーっと歯が浮いていた。あとは決めていくだけだ。これに関しては、自分と自分たちにとってなにが必要で、なにが必要でないか、という物差しだけは磨かれていたようなので、キレはいいと思う。膨大な「便利です」「お得です」の洪水の中でも、自分を見失ったり、溺れない自信がある。
 家作りも楽しみだけど、そこでの暮らしが本当に楽しみ。読んだり書いたり、窓の外を眺めたり、ごはんを作ったり眠ったり。これまでも楽しかったけど、これからだ!と、強く思える。


2010年02月19日(金) 風向き。

 天気予報によれば、もうあと1回か2回なはずの、寒い朝。車の温度計は1度。ヒコを送っていたら、生まれて初めて見る「天気雪」が舞っていた。家に戻って車をガレージに入れていたら、土地と建物の予算についての連絡あり。いよいよ今日が決断のタイミングのような風向きだ。さあどうなる!


2010年02月18日(木) まるみを帯びた白にうっすらと緑色が入ったものを求めた午後

 午前中はミーティングなど。お昼を外で食べようと思っていたら、ちょっと時間がずれた。ずれても大丈夫だと踏んだ店に行こうとしたら、駐車場が満杯。直売所でお寿司でも買って家で食べるか、じゃがいもも切れてたし、と思って直売所に行ったら、いつも車をとめるとこの前が工事中。これはもう、家で残り物でも食ってろ、ってことだと、おとなしく帰ったら、あったか室内履きに、はるちゃんが粗相。とにかく気を取り直して、ごはんと作りおきのそぼろをチンして、豚汁をあっためて食べた。食べ終わって食器を重ねたら、たくあんを入れた小皿までもが、みんなおなじようにまるみを帯びた白にうっすらと緑色が入ったようなものだったので、人が何かを選ぶというのは、その時のコンディションに大きく左右されるのだと、しみじみわかった。一回休み。


2010年02月17日(水) 光るもの

 港には、大きな船が入っている。ダンナはそれを撮るために、朝5時に出て行った。おつかれさーん。
 今日の午後は、ケーブルの中継があるので、午前中にいろいろ片付けよう。土地の交渉はどうなったろう。待つしかないから待っている。「ポンコちゃん、逆さまだよ〜」と言いながら。

 そこにたどり着くまでには、現実的な仕事や引っ越しや出産など、いろいろやることもあるんだけど、純粋に「書いてみたい」と思えることの姿が、このところ、あらためて輪郭を持って見えはじめてきていて、いまヒーコラ歩いている道の先のほうで光ってくれている。だから歩いていられる。そしていつかきっとたどり着くと思う。さらには、いまやっていることのすべては、ひとつも無駄なことじゃないし、むしろそれがあるから「光るもの」も手にできるのだと思う。

 なんか、ポンコちゃんがひっくり返ってくれたような気が。昨日からダンナもヒコも話しかけてたし、通じた…?


2010年02月16日(火) かわいい、の意味

 ポンコちゃんも27週を超え、検診も2週間ごとになった。疲れがたたったのか、逆子になっていた。どうりでお腹の下のほうがポコポコ動いていたわけだ。まだ大丈夫らしいけど、次の検診でも逆子だったら逆子体操なるものをするらしい。誠意を持って話しかければ治るとも読んだことがあるので、お風呂の時など、お願いしてみよう。しかしポンコちゃん…それにしても可愛かった。「エコーの映像でそこまでわかるかい!」と冷静になろうとつとめるのだが、女の子ということもあるのか、なんともいえない可愛らしさに満ちあふれている。出てきてみたら「…」なのかもしれないけど、いま、ヒコやポンコちゃんをいろんな意味で「かわいい」と思えることが、この慌ただしく疲れやすい日々の救いでもあるのは事実だ。そういえばここ数日、ヒコがとてもかわいく見える。親バカにも使い道はあるのだ。死にそうなケガして痛い時に出る脳内麻薬のようなものかも。そうじゃなかったら倒れてしまう。子どもがかわいいと思えるかどうかというのは「かわいい」という言葉からイメージされるよりも、もっと本能的で死活問題に近いものなのではないだろうか。
 ということで、家のことでバタバタしていたら、いつの間にか、仕事もどっさりたまっていた。がんばれ〜俺〜。


2010年02月15日(月) これがダメなら

 土地の購入申込書を書きに行く。気持ちの中では、ほぼ、この土地が「答え」なんだけど、今日書いた値段で「売らない」って言われたら「振り出しに戻る」だ。2年くらい前から売りに出しているらしいけど、持ち主は東京に住んでいて、特に売り急いでいるわけではないらしく、当初100万近く値切ったら「話にならない」的な対応だったらしい。だから今回「あれから2年、交渉まで持ち込んだ人はいなかったし、草もボーボーだし、100万落ちでどうですか」と交渉してみるのは、賭けといえば賭けなんだけど、無茶なふっかけというわけでもない。不動産屋さんもなんとか納得の数字を書き込んだ。が、こればかりは持ち主がどんな人かもわからないので、もう、待つのみ。
 慣れない打ち合わせや手続き、さらには、交渉成立すんのはいいけど手付金はどうすんだ、そもそもダンナのローンの借り換えは大丈夫なのか、なんて考えだすと、思い出さなくてもいいことまで思い出したりして、頭がボーッとしてきたので、ヒコの「仮面ライダーショーおゆうぎ会バージョン」を見ながら寝る。寝ながら「もう、この土地がダメなら、買ったり建てたりは『一回休み』にして、賃貸に住みながらやりなおそう」と考える。本当は勢いでやってしまいたいけど、体力的にも、ちょっとしんどい。


2010年02月14日(日) そういう人はそういう人。

 いろいろ疲れていたのか、昼ごろ、ぼわーっと感情の波が来た。これはもう、海でも見るしかないと思い、脇岬へ。寒空の下、雄叫びを上げながら薄着&裸足で走り回る、謎のエネルギー物体・ヒコ。雨が降ってきたから帰ろうといってもきかない。「まだ走りたい!」らしい。そういえばこないだ「宅急便の人になりたい」と言っていた。私が行った高校の恒例行事「強歩大会」の道案内を見かけた時に「これねー、1日中、ずーっと山を歩くんだよ。」って説明したら「ヒコもしたい!」と鼻息荒かった。こないだの雨の日も、公園に行けないから科学館に行って「放電」させたつもりだったけど、帰り道に「雨でもいいから走り回れるところに行きたい」って言い出すし、テレビでバンジージャンプを見れば、これまた「これ、したい!」って言うし、やっぱりそういう人は、生まれつきそういう人なのだ。そうじゃない人が「やる気がない」とか「意気地がない」とか、そういうことじゃないんだ。そういう人はそういう人だし、そうじゃない人はそうじゃないのだ。動く人は動く人。それでいいじゃないか。でも、自分がそういう人じゃない場合、一緒に暮らすのは大変。

 バレンタインデー。ヒコはチョコが嫌いなので、将来かわいい人から貰ってもらうとして、ダンナには、珈琲人町のバレンタインセット。チョコブラウニー2本と、チョコのように深いという豆のセットだ。その豆は、ただ単に買いたかった…つまり私が飲むので、実質、ブラウニー2本。でも、これまでも高いチョコを買ったところで、ぜんぶ食べたためしはなかった。それが証拠に、去年のゴディバが、今もテレビの上に野ざらし紀行。腹立たしいので片付けないが。


2010年02月13日(土) 海が割れて

 ヒコのおゆうぎ会。今回はなんとか踊ったり演技したりをクリア。成長したなぁ…。
 
 台所やお風呂などのショールームめぐり。家のことを相談しているKさんから、そういうものは「施主支給」にすると安くできますよ、って言われたので調べてみたら、とにかくまずはメーカーの見積もりが要るので、いくつか偵察。いままで興味を持って見たことなかったジャンルなので、どれも一緒に見えるが、こだわる人はこだわるんだろうな…。私の基準は、値段も含めたシンプルさ、そして色だ。すると、無限にも見えた選択肢の海が、いつか映画で見た「十戒」の海のようにザパーーーーッと割れて、ほとんど「これしかないですけど…」というところに行き着く。そして、どんなに「やすもの」を選んでも「20年近く前に建てられた賃貸マンション仕様」より、はるかにグレードアップなので、ギラギラしなくてもいいんじゃない?と思ってしまう。普通はショールームやカタログを見ていると、どんどん「いいもの」に心動かされたり、オプションを付けたりしたくなるんだろうな。私にはもう、そんな欲はないので楽だ。いちばん安いものから見ていって、色やデザインの許せなさから抜け出したところが答え。でも、案外、いちばん安いもののデザインが好きだったりする。変にパールの入った塗装とか、いらないもんなぁ。


2010年02月12日(金) 綱の渡りかた

 ついに晴れた!
 洗濯洗濯!
 このあともまた天気は悪くなるらしいので、今日は本当に貴重だ。ありがたや!

 家にまつわるいろいろなことを、夢に見ることが多い。ホワホワした夢っぽい夢じゃなくて、ただ単に「夢の中でも考えてた」というものばかり。今日も、現在直面しているローンの問題について、昨日ダンナと話していたようなことを、そのまましゃべっていた。まったく自慢じゃないが、ちっとも貯金してなかったので、ちょこちょこと「初期作動不良」みたいなことが起こっている。でもまぁ、きっと綱渡り的になんとかなるような気もするのだが、その「綱の渡りかた」を考えるのがしんどい。ただでさえ妊婦なので、細かい金勘定やドキドキ感がつらい。はやく切り抜けて、考えたいことを考えたい。


2010年02月10日(水) ワカメの不運

 生ワカメを買ったら、100円で食べきれないほど入っていたので「干しワカメにしてみよう」と思い立った。ヒコもワカメごはん大好きだし。そしたら連日の雨。腐ってはいないけれど、食べる気も起きないという、悲しい状態に成り果てている。ワカメよ、すまない…。
 あたたかくて、湿気充満。時々、湿気の重たさを持ちきれなくて、大粒の雨が降る。その大粒さったら、夏の雨のようだ。不思議な空が続く。

 ケーブルのミーティングで、みんなにとっては大きな「変化」をもたらすことが次々と発表されたが、最近に限らず、ひと月先のことさえわからない私には「変化」こそが「常態」なので、なにを聞いてもビックリ!ってことはない。私が驚くこと…なんだろう。あんまりないなぁ。この歳になって子どもを産むことくらいか…。


2010年02月09日(火) ○に近い△

 仕事を片付けつつ、昨日、不動産サイトでみつけた物件を見に行ったりする。今回もまた「それ自体は悪くないが、そこへ行くまでがちょっと…」というものだった。そして帰りにまた、検討中物件に立ち寄ったら、「断然こっちがいい…」と思う。土地そのものは、新しいほうが建物(特にガレージハウス)は建てやすいし、整地のコストもかからないようなのだが、生活というのはピンポイントな家だけで成り立つものではない。そこまで行く道とか、近くの公園とか、眺めの感じ…そういうものもまるっと含めてのものだから、それを勘定に入れると、検討中物件に軍配が上がった。

 そういえば、ローンの仮審査のお答えが来た。「○に近い△」だった。微妙だ!マイナスポイントは、現在抱えているローンの一月あたりの額。借金の総額が幾らかという問題ではなく、月にどれだけ払っているかが問題らしい(それが1万円違えば、借りられる額が300万くらい違う!)。我が家のローンは、そのほとんどがダンナの車関係。早く払い終わらせるために、月の払いを大きくしていたのが仇となった。間接的な要因として「自営業の妻が確定申告の際、必要経費をてんこもりにしていたせいで戦力外通告」というのもあったが、これはまぁ、先方も「自営の方は、みなさん似たようなものですからね…」と苦笑いされていたので、良しとしよう。前の車の修理代などの「いらんもん」が、ローンの額にカウントされていたりするのも腹立たしいが、腹を立てているヒマももったいないので、できることをやって、前に進むしかない。


2010年02月08日(月) 誰がやるのだ〜。

 家の間取りのことを考えて、こないだもらったラフにゴリゴリ書き込んだりしていたら、夜中過ぎていた。家についてのこだわりはないと言い張って来たが、それはあくまで自分の中の話で、たぶん、標準的「奥様のこだわり」レベルには軽く達している気がする。やればやるほど、異様に細かい部分までイメージしてしまう。しょうがない。性分だから。人生の中でもそうそうないことなので、やるしかない。

 それにしても、何日か前にはけっこうなボリュームの仕事(3月〆)も引き受けてしまい、そもそもいろいろあるはずなのに、どうなるんだろう。それ以前の問題としては、ポンコちゃんを産むという大仕事も。このままいけば、出産後の寝たきり時期が、ちょうど家作りの佳境というのが悔やまれるが、「こだわり奥様」には、それくらいの距離があったほうがいいということなのだろう。仕事いろいろ、出産、家作り、引っ越し…その前にローン通るかしら…。まずは今日〆切の原稿からがんばろう。


2010年02月07日(日) ボンヤリさんと、サクサク氏。

 なぜかいつもジャムがある。イチゴジャム。ヒコがけっこうな「パン食い」でジャムも好きだからだけど、これまでうちには全然ないものだった。私もダンナも朝ごはんをそんなに食べるほうではないし、パンモリモリ食べないし、ジャムに至っては、たぶんこの結婚生活の10年で、1瓶買ったか買わないか…というレベル。いや、買ってないかもしれない。
 普通に売ってるジャムが嫌いなのでこれはしょうがないが、家で作ったジャムは好きだ。これはたまに作っていたし、実家からもらったりもした。でも、そもそもパンをあまり食べないので作らないし、減るのは遅かった。しかし今は、すぐに使い切る。
 使い切ってなくなると困るので、なくなりそうになったら、作る。いちご1パックで、ちょうど1瓶分だ。いまはいちごが買いに行けばあるのでいいが、季節が終わりそうになったら、たくさん作ろう。冷凍しとくと大丈夫らしい。

 朝から銀行の人が来た。その銀行で車関係のローンを組んでいるから(以前にも大きめのお金を借りて完済したことあり)住宅ローンの問い合わせをしたのだが、レスポンスが冴えなかったので、仮審査は違うところに申し込んでいる。それを知ってか知らずか、日曜の朝から支店長さんまでついてきた。これまでは(ダンナの語り口では無理もなかろうが)真剣&急ぐ話だと思われてなかったのかもしれない。簡単に状況を説明すると「えっ、マジ?(これ逃したらオレら間抜けじゃん!)」という顔に。ひょっとしたら、ちょいとボンヤリさんのお兄さんが「こんな話がありましたが、こう答えておきました」なんてことを日報に書いて、それを読んだ支店長氏が「おいおい!お前がこれを軽くあしらうなんて10年早い!小さなことからコツコツと、だろ!」と、ついてきちゃったのかもしれない。私らも、この手のことは得意ではないので、その銀行がササッと相談に乗ってくれたら、ろくろく他のところと比べないままお願いしたと思うが、そうじゃなかったので他に行くしかなかったのだ。そんでもって、その「他のところ」で話したお兄さんが「サクサクさばける氏」だったので、仮審査も申し込んだし、この流れでいけば、よほど他が超低金利ってことでもないかぎり、そこで「GO!」するだろうし。
 ほんとに「人」なんだなー、って思う。個人的にお酒飲んで人となりをわかりあったりするわけではない、こういう場合こそ、特に。今回接触することになった、家関係、金融関係の人たちからは、今のところ、「もったいぶらない(含むクイックレスポンス)」「自分の能力の低さを相手の条件のせいにすり替えない」が大切だな、と、教わった。ダメならダメ、自分にはわからないならわからないでいい。それを「その条件では、ですね〜」と(ひどい時には上から目線で)言わないこと。ほとんどのお客が他にも当たってるはずだし、その先でさばける人がいたら「難しいけど、可能性はあります。やってみましょう!」って頼もしく言い放ってるはずだから。


2010年02月05日(金) 流れている、が。

 家のローンの仮審査とやらを受けるため、ダンナと2人、書類を探したり、調べたり、なんだかんだ、数字とにらめっこしたりする。いつの間にか家を建てるかもしれない方向で動いているが、なんでこんなことになってるのか、よくわからない気もする。とにかくそういう流れになっている、という感じ。2人とも「家が欲しい!」って思ってるわけじゃなかったのだが、住んでるところを出なくちゃいけなくなって、また賃貸でもよかったけど、猫もいるし、ヒコもいるし、ポンコちゃん(お腹の中でポコポコよく動くので、そう呼んでいる)も産まれるし、車もあるし、と、古い家を買うのもいいかも、と探したら、結局は、おなじお金を借りるにも、建てたほうが借りやすいということになったりして、こんなことに。
 たしかにおもしろいこともある。でも慣れないことばかりで、くたびれる。そして夕方、ダンナがつぶやいた。

 「海が見たい…。」

 わかるよ〜。


2010年02月03日(水) タルトと朝

 ちょっとだけ早起きするようにした。ヒコを起こすまでのほんのちょっとだけ、朝からぼーっとしている。朝はそもそもぼーっとしているのだから、ぼーっとするのにちょうどいい。お茶を入れて(なんとなくこのごろ日本茶、時々コーヒー、たまにチャイ)、ちいさな甘いものを食べながら、ぼーっと目を覚ます。今日は、昨日買った…買えた、ヒュッケリの人参芋タルト。珈琲人町の横にあるタルト屋さんだが、数量限定、縁があるのかないのか、いつもちっとも買えない。でも昨日は買えた。人参芋タルト…私の中では、今までで一、二を争うおいしさ。窓の外の家並みは、弱い朝日を受けて、曇った日の夕暮れのよう。焼き芋のようでタルト、夕焼けのようで、朝。

 今日は節分。豆を買っとこう。


2010年02月01日(月) ち、に還る。

 今日から2月。雨。昨日は孤独死の番組を観た。テレビの前で家族3人と猫2匹。ヒコに「終わるまで静かにして!」と言うのも申し訳ないような、寂しい話が続いた。
 ひとりぼっちの寂しさ、というよりも、どこにも、だれにも、なににも「還れない」哀しみ。ほかでもない自分が「ゴミ」になってしまうおそろしさ。感情的、精神的なものよりも、むしろ物質的な「還れなさ」に対する哀しみが際立って見えた。引き取り手のない遺骨を整理していた「特殊清掃業者」は、記者に「これはどうなるんですか」と聞かれて「ゴミでしょうね…」と答えるしかなく、甥っ子の骨を「無縁墓地に」と申請した叔父は「名字が違うからおなじ墓には入れられない。仕方ないですよ」とつぶやいた。
 たとえば魂は、死体がどうなろうと、自由かもしれない。でもやっぱり、人間は魂だけの存在じゃない。体にはどうしたって「血」が流れているし、いくばくかは「地」とつながっている。そういう「ち」の、どぶんどぶんという大きな流れの中から、ひととき、ザブーンと波立ってザザーッと戻る、というのが、私の「生死」のイメージなのだが、昨日の人たちには「ザザーッ」の着地点がなかった。波立ったまま固められ、世界の片隅にガラガラと乾いたまま放置された。ひとりの生身の人間が(還りたいという意志はあるのに)、死という関門を経て、そのどちらの「ち」にも還れないというのは、なんともいたたまれないことだ。「死という生」を生きられないということは。
 多少うっとうしくても、2つの「ち」を引き受けて生きることは、人間のある部分において、普通に思われているよりもずいぶんと重要なことなのだろう。

 とりあえず…赤ん坊は、がんばって産もう。(どんな結論だ)


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